紺青

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紺青色
こんじょういろ
 
16進表記 #1A4472
RGB  
CMYK  
HSV  
マンセル値  
備考  
出典  

紺青(こんじょう)とは、のシアノ錯体に過剰量の鉄イオンを加えることで、濃青色の沈殿として得られる顔料である。日本古来の天然顔料である岩紺青と区別するために花紺青と呼ぶことがある。ただし一般的には花紺青とはスマルトの別称である。

Color Index Generic NameはPigment Blue 27である。この顔料に由来する色名としての紺青(プルシアンブルー)が存在する。

目次

[編集] 概要

製法によりプルシアンブルー:Prussian blue、ベルリンブルー:Berlin blue、ターンブルブルー:Turnbull's blue、ミロリーブルー:Milori blue、チャイニーズブルー:Chinese blue(チャイナブルーとは別色)、パリブルー:paris blue、など数々の異名がある。日本では、ベルリン藍がなまってベロ藍と呼ばれた。

[編集] 歴史

1704年ベルリンにおいて顔料の製造を行っていたハインリッヒ・ディースバッハによって偶然発見されたとされている。当時は安価な青い顔料は他に存在しなかったため、これは陶磁器に彩色するために広く使用されるようになった。その後、彼の弟子によってパリでも製造されるようになったが、製造方法は秘密とされていた。

1726年にイギリスのジョン・ウッドワードがこの顔料が草木の灰とウシの血液から製造できることを発表し、製造方法が広く知られるようになった。

日本では伊藤若冲が『動植綵絵』の「群漁図(鯛)」(1765年1766年頃)のルリハタを描くのに用いたのが確認されている最初の例である。その後、平賀源内が『物類品隲』(1763年)に紹介し、1826年頃から清国商人イギリスから輸入した余剰を日本へ向けて大量に輸出・転売したために急速に広まった。なお、葛飾北斎1831年に描いた「富嶽三十六景」において紺青を用いて描いた濃青が評判になって全国に広まったとする俗説が存在するが、実際には大量輸入による値段下落をきっかけに流行となった紺青の絵具を北斎も利用したのが実情であると見られている。

[編集] 化学的性質

理想的な組成式はFe(III)4[Fe(II)(CN)6]3であり、この点において製法による違いはあっても全て同じ化合物であることが確認されている。ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)、フェロシアン化鉄(III)、フェロシアン化第二鉄とも呼ばれる。式量859.25。

しかし、実際には結晶水を含んでいたり一部の鉄イオンが置換されていたりすることが多く、一定の組成のものを得ることは困難である。 そのためヘキサシアノ鉄(II)酸塩と鉄(III)塩から得られたものはプルシアンブルーあるいはベルリンブルー、ヘキサシアノ鉄(III)酸塩と鉄(II)塩から得られたものはターンブルブルーというように別の物質と考えられていた。

鉄イオン呈色指示薬や細胞の染色法、青写真の原理である。

[編集] 物理的性質

結晶構造はFe3+イオンが面心立方格子を形成し、その立方体の各辺の中点にFe2+イオンが位置している。そしてFe3+イオンとFe2+の間にはCN-イオンが位置する。

CN-イオンは窒素原子でFe3+イオンに、炭素原子でFe2+に配位している。このような結晶構造を取る一群のシアン錯体の塩をこの化合物を代表としてプルシアンブルー型錯体という。 プルシアンブルー型錯体には強磁性フェリ磁性を示すものが多く知られている。

[編集] 用途

  • 顔料

単独では藍色色の塗料、印刷インキ、絵具に使用される。 また、黄鉛クロムイエロー)、カドミウムイエロー、アゾ系黄色顔料との混合物は緑色顔料として使われ、クロムイエロー、カドミウムイエローと共沈させるなどして製造したものはそれぞれクロムグリーンカドミウムグリーンと呼ばれる。

酸化還元型のイオン交換能を利用し、放牧飼育される家畜(牛など)の飼料に加えると、乳や肉の汚染を抑えることが出来る。チェルノブイリ原発事故の後、土壌処理が困難な牧草地での対策として使用された。

[編集] その他

紺青はその組成にCN-イオンを含む物質ではあるが、ヘキサシアノ鉄(II)酸塩とヘキサシアノ鉄(III)塩同様に難分解性シアノ錯体とも呼ばれ、CN-イオンは強く鉄原子と結合しているため遊離せず、生体に対してのシアン化合物としての毒性はない。

そのため国内法上毒劇法などではシアン化合物の例外として扱われるが、水道法など環境関連法では試験操作により一部が分解して全シアンとしてカウントされ得るため、規制を受ける可能性がある。

[編集] 注意

  1. ヘキサシアノ鉄(II)酸塩について、上記のヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(K4[Fe(CN)6])はプルシアンブルー(KFe[Fe(CN)6])とは別物である。
  2. ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウムは非常に安定で水溶液中でシアン化物イオン(CN-)を放出せず毒性は低いが、ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(K3[Fe(CN)6])はやや不安定で、CN-を遊離するので有毒である。
ここで言う有毒とは一定の条件下での主に水生生物を対象とする作用についてで、人体に対してではない。ヒトの肝臓は一時間あたり数十mgのシアンを無毒化する能力を持つため、シアノ錯体が分解して発生するシアンはまず問題にならない(人が試薬を舐めても平気だが、排水中に経常的に含まれていると放流先の生態系がダメージを受ける、といった意味)

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月10日 (火) 13:38 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【紺青】変更履歴

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