参議院の緊急集会
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参議院の緊急集会(さんぎいんのきんきゅうしゅうかい)とは、衆議院解散のため衆議院が存在せず国会が開催できない場合に、参議院で開かれる国会の機能を代替する集会。
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[編集] 概説
日本国憲法第54条2項ただし書・3項に規定された制度で、1955年(昭和30年)3月18日以降は国会法99条~102条の5と参議院規則251条~252条にその詳細が規定されている(その前日までは国会法・参議院規則の両方に規定がなく参議院緊急集会規則に詳細が規定されていた)。
衆議院が解散され総選挙で新しい衆議院が成立するまでの間に、国に緊急の必要があるときに、内閣の求めにより開かれる(憲法54条2項但書、国会法99条)。参議院が自ら緊急集会を開くことはできない。国会の会期ではないため、天皇による国事行為としての国会召集は行われない。
緊急集会期間中は、参議院議員の不逮捕特権(現行犯以外では参議院議員は逮捕許諾決議無しには逮捕されず、緊急集会開会前に逮捕された参議院議員への釈放要求)が認められている(国会法100条)。議題は内閣が明示的に提出した案件に制限され、議員の発議権も案件の関連するものに限定される(国会法101条)。また緊急集会では衆院予算先議権の例外として、衆議院より先に参議院で予算案を審議して採決をすることができるが、内閣に提出権がない憲法改正を議題にできないとされている。
緊急集会は会期が存在せず、全ての議題を採決した時点で、議長が終会を宣言し終了となる(国会法102条の2)。全ての議題の採決を終了する前に特別国会が開会された場合、緊急集会の残りの議題は特別国会に吸収され、緊急集会は終了となる。
緊急集会でとられた措置は、臨時のものであるため、次の国会開会後10日以内(開会日算入)に衆議院の同意が得られない場合は、将来に向かって失効する(憲法54条3項)。
[編集] 過去の緊急集会の例
- 緊急集会は過去に2回例がある。案件はすべて可決しており、次の国会で衆議院の同意が得られている。
- 2例とも(旧)参議院緊急集会規則に基づき行われたもので、現行の国会法・参議院規則に基づいて行われた緊急集会の例はない。
| 開会期間 | 案件 | 次国会召集日 | 衆議院同意日 |
|---|---|---|---|
| 1952年(昭和27年)8月31日 | 中央選挙管理会の委員及び予備委員の任命 | 1952年(昭和27年)10月24日 | 1952年(昭和27年)10月25日 |
| 1953年(昭和28年)3月18日 - 1953年(昭和28年)3月20日 |
昭和28年度一般会計暫定予算など計3暫定予算 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律など計4法律 |
1953年(昭和28年)5月18日 | 1953年(昭和28年)5月27日 |
[編集] 緊急集会に関する手続
内閣が参議院に対し緊急集会を求める場合は、内閣総理大臣から参議院議長あて請求書を送付するほか、(事実上召集詔書に代わるものとして)内閣告示が官報に掲載される。この場合、請求書には緊急集会において審議・審査の対象とする案件の内容、集会の開会日及び場所(東京)が記載されるが、告示には日付と場所は書かれるが案件内容は記載されない。
案件のうち、可決した法律案については、過去の緊急集会においては、公布の際、公布文の冒頭に「日本国憲法第五十四条第二項但書の参議院の緊急集会において議決された」という文言が冠された。後に法令用語の表記方式変更(但書→ただし書)があったため、今後緊急集会で可決した法律案が公布されるときは「日本国憲法第五十四条第二項ただし書の参議院の緊急集会において議決された」と冠されると考えられる。このように公布文の冒頭に文言を冠する例としては、他に日本国憲法第95条の規定による特別法がある(住民投票#日本国憲法の規定による住民投票参照)。
緊急集会で可決した法律・予算は、直近の次国会開会後10日以内に衆議院の同意が必要となるが、この場合は、形式上は既に可決されているため「○○法律案」あるいは「○○予算」ではなく「○○法につき日本国憲法第五十四条第三項の規定に基く同意を求めるの件」あるいは「○○予算につき日本国憲法第五十四条第三項の規定に基く同意を求めるの件」というように「同意案件」として内閣から衆議院に提出される。このため、通常の法律案審議のように条文の修正議決をすることはできない(同意か不同意か10日経過による自然失効のみ)。仮に衆議院の多数意思が「本来であれば修正議決すべき法案だ」のように「部分的同意」という場合は、一旦同意して当該法律の効力を確定させた上、改めてその法律の一部を改正する法律案を議員提出するなどの手順が必要となる。
衆議院の同意が得られた場合は、その旨が内閣告示として官報掲載される。この同意をもって前述の「公布文に冠された冒頭部分」が消除されることはなく、当該部分はそのまま残る。
[編集] 備考
[編集] 衆参同時選挙中の緊急集会
衆議院解散中に参議院でも参議院議員通常選挙が行われている場合の緊急集会については様々な議論がある。
通常、参議院議員通常選挙は任期満了前30日以内に行われる(公職選挙法32条1項)ので、選挙中も参議院の身分を失うことはない。しかし、選挙までの期間が閉会後24日以上取れない場合は、例外的に任期満了後に選挙が行われる(公職選挙法32条2項)。そのため、参議院議員が半数だけになっている間に緊急集会を開催できるのかが問題となる。
本会議の定足数は3分の1なので、非改選議員だけでも開会することが出来る。しかし、改選議員の任期が残っている場合、改選議員は参議院選挙期間中に緊急集会への出席をどうするのかについては意見が分かれている。
[編集] 任期満了後の総選挙における緊急事態
衆議院議員の任期満了による総選挙の場合は、通常は任期満了前30日以内に行われるため(公職選挙法31条1項)、選挙期間中でも衆議院議員の身分を失わないので、緊急集会の問題は生じない。
しかし、任期満了前の選挙期間が国会閉会後から24日取れない場合は、例外的に国会閉会の日から24日以後30日以内とした上で衆議院議員の任期満了後に総選挙が行われる可能性もある(公職選挙法31条2項)。そのため、解散後の総選挙の場合と同様に衆議院議員が不存在となる。しかし、憲法54条は、緊急集会を衆議院が解散された場合としていることから、任期満了後から衆議院議員が選出されるまでの間に衆議院議員が存在しない状況において国に緊急の必要がある事態が発生しても、緊急集会を開くことができないとされる。ただし明確に緊急集会を禁止する規定が存在するわけではない。
[編集] 関連項目
最終更新 2009年9月19日 (土) 00:57 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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