義務教育費国庫負担

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義務教育費国庫負担(ぎむきょういくひこっこふたん)とは、地方公共団体が設置する義務教育諸学校に関し、その学校に勤務する教職員の給与費、長期給付に要する経費及び災害補償に要する経費並びに義務教育諸学校における教育の教材費の2分の1と、公立の義務教育諸学校の建物の建築に要する経費の一部を国が負担することをいう。

目次

[編集] 義務教育諸学校

義務教育諸学校とは、小学校中学校中等教育学校の前期課程、盲学校聾学校養護学校の小学部及び中学部の課程を指す(学校教育法第22条、第39条)が、地方公共団体はこれらの義務教育諸学校を設置する義務を負っている(同法第29条~第32条、第40条、第74条)。

[編集] 国庫負担

  • 義務教育費国庫負担法
    • 国は、毎年度、各都道府県ごとに、公立の義務教育諸学校(都道府県立の中高一貫校の中学校を含む。)に要する経費のうち、教職員(校長・教頭・教諭・養護教諭・栄養教諭・助教諭・養護助教諭・寄宿舎指導員・講師・学校栄養職員・事務職員)の給与費について、その実支出額の3分の1を負担する(同法第2条)。
  • 義務教育諸学校施設費国庫負担法
国は、政令で定める限度に経費について、次に掲げる経費についてそれそれの割合により負担するとされている(同法3条第1項)。
    • 第1号 公立の小学校及び中学校(第2号の2に該当する中学校を除く。)における教室の不足を解消するための校舎の新築又は増築(買収その他これに準ずる方法による取得を含む。)に要する経費 2分の1
    • 第2号 公立の小学校及び中学校の屋内運動場の新築又は増築に要する経費 2分の1
    • 第2号の2 公立の中学校で学校教育法第51条の10の規定により高等学校における教育と一貫した教育を施すもの及び公立の中等教育学校の前期課程(以下「中等教育学校等」という。)の建物の新築又は増築に要する経費  2分の1
    • 第3号 公立の盲学校及び聾学校の小学部及び中学部の建物の新築又は増築に要する経費 2分の1
    • 第4号 公立の小学校及び中学校を適正な規模にするため統合しようとすることに伴つて必要となり、又は統合したことに伴つて必要となつた校舎又は屋内運動場の新築又は増築に要する経費 2分の1
    • 第5号 公立の義務教育諸学校の建物で構造上危険な状態にあるものの改築(買収その他これに準ずる方法による取得を含む。以下同じ。)に要する経費 3分の1
    • 経費の種目については、本工事及び附帯工事費(買収その他これに準ずる方法による取得に場合にあっては、買収費)並びに事務費とされ、その算定方法等について詳細に規定されている。
  • 義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律
    • 国が一定の手続により採択された教科書を購入し、義務教育諸学校を設置している者に無償で給付するとされている(同法第3条)。

[編集] 三位一体の改革と義務教育費国庫負担制度

 政府の進める三位一体の改革では、義務教育費国庫負担制度をどうするかが大きな問題となり、平成17年には中央教育審議会(中教審)で議論された。

 議論は、国庫負担制度の堅持を主張する者、財源を地方に移譲した上での一般財源化を主張する者、中立の者にわかれた。とりわけ、地方六団体から推薦された委員は、審議の最後まで、国庫負担金を一般財源化すべきと主張したが、ほかの委員の理解を得るに至らなかった。国庫負担制度の維持を主張する側は、財源が地方に移譲された上で一般財源化された場合、それまで義務教育費に用いられていた財源がそれ以外の用途に転用される可能性があり、結果的に教育費の縮小を招き、義務教育の地域格差が発生するおそれがあると指摘した[1]。一方、財源の地方移譲を主張する側は、「財源が自前のものになれば、地方自治体の当事者意識が高まり、意欲的に教育改革に取り組む姿勢が芽生える」との論を展開した。これに対しては文部科学省から、現状でも教員配置や学級編成、教員加配などの詳細は大半が都道府県の裁量に任されており、制度を変える必要性が無いとの反論がなされた[2]

 結局、中教審は平成17年10月26日の総会で「新しい時代の義務教育を創造する(答申)」を決定。「現行の負担率1/2の国庫負担制度は優れた保障方法であり、今後も維持されるべきである。その上で、地方の裁量を拡大するための総額裁量制の一層の改善を求めたい」と結論づけた。

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  1. ^ 藤田英典『義務教育を問いなおす』筑摩書房、2005年
  2. ^ 中教審議事録

[編集] 外部リンク

最終更新 2008年5月3日 (土) 10:27 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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