聴診器
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聴診器(ちょうしんき、英: Stethoscope)は、心臓、肺、血管などの出す音を聴き診断する聴診に用いる道具。
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[編集] 歴史
1816年、フランスの医師ルネ・ラエネクが、子どもが木の棒の端に耳をあてて遊んでいるのを見て、聴診器のメカニズムを思いつき発明した。それまでは、直接皮膚に耳を当てて音を聴いたり、触診や打診によって心臓疾患などの病状を直接的に診察していた。これに対して、ラエネクは、聴診器による聴診を「間接聴診法」と名付け、その精度は従来の診察法より遙かに確実であったことから、大きな反響を呼ぶこととなった。ただし、当初の聴診器は、1本の筒形の木でできた単純なものであった。
さらに、1855年には米国の医師カーニマンが双耳型の聴診器を発明し精度を大いに改善し、その後、双耳型の聴診器は瞬く間に世界に広がり、医師のトレードマーク的存在となるまでに普及した。
なお、この聴診器の発明は、人間を機械になぞらえ、(患者の言っていることよりも)客観的な数値によって診断を行なうという近代の「医学モデル」を推し進める一要因となったとされている[1]。
日本では1960年代まではチェストピースが象牙でできておりゴム管が長い聴診器が主流であったが、1970年以降はチェストピースがダイヤフラムとベル部に別れ、ゴム管の短い聴診器に置き換わっていった。
[編集] 構造と種類
聴診器の基本的な仕組みは、皮膚に直接あてる部分(チェストピース)で音を拾い、その音を分岐したゴム管を通じて両耳に伝えるというものである。近年では、集められた音を電気的に増幅する聴診器も開発されている。以下は、聴診器を構成する各部分の名称と機能である。
- チェストピース - 皮膚に当てる部分。
- ベル - ラッパ状になった集音部分。聴診器の形の原点。心音、過剰心音、心雑音、血管音など、低調音を聴くのに適する。皮膚に接触する際に冷たくないように、ゴムのリングが金属製の円形部を囲んでいるものが多い。
- ダイアフラム - 集音のためにチェストピースに張られた膜。低音域をカットし、高音域を強調する役目がある。呼吸音、心音、心雑音、血管雑音など、高調音を聴くのに適する。チェストピースを押さえる圧を調節することで、高調音と低調音を聞き分ける機能をもたせたダイアフラムもある。
- ゴム管 - チェストピースと耳管をつなぐ管。チェストピースから左右の耳管に分岐するまでの間が、1本の管のもの、1本の管で内部に隔壁があるもの、2本の管のものがある。塩化ビニール製のものが多い。
- 耳管 - 左右の耳に当てる屈曲した金属管。耳管、板バネ、ゴム管が一体化しているものが多く、バイノーラルと呼ばれる。
- イヤピース - 耳管の先端に付く耳に挿入する部分。取り外して洗浄が可能。
以上のうち、シングルタイプはダイアフラム面のみで、ダブルタイプはダイアフラム面とベル面がリバーシブルになっている。また、今日用いられている聴診器には、チェストピースがラッパ状のものと薄い振動板になっているものとがある。市場では形状面から、チューブの中にばねが入っているものが「ドクタースコープ」、スプリングが外付けのもの(掲載されている写真のもの)が「ナーススコープ」と呼ばれる。
[編集] 医療以外での使用
[編集] 聴診器に関する誤解
聴診器は振動版によって直接触れた部分の振動音を増幅するものであり、一般に思われているように壁に当てて隣の部屋の音を聞いたりすることにはあまり効果がない(壁に耳をつける程度の効果はある)。同様の理由から、振動部に向かって大声を出しても聞き手を困らすことはできない。
[編集] 聴診器の主なブランド/メーカー
[編集] 脚注
- ^ Postman (1992=1994: 132)
[編集] 参考文献
- Postman, M. (1992) Technology, Alfred Knopf, Inc.(=1994, GS研究会訳『技術 VS 人間――ハイテク社会の危機』新樹社.)



