膠原病

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膠原病
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MeSH D003095

膠原病(こうげんびょう、英称:connective tissue disease [disorder])とは、疾患群の名称である。

目次

[編集] 概念

全身のコラーゲン(膠)にフィブリノイド変性病理組織学的に強い好酸性と屈折性を示す均一な構造物)が見られる一連の疾患群の総称として1942年に定義された。 のちに、コラーゲンの変性が病態の本質ではないことが明らかになり、膠原病という名称が不適切であるということで、結合組織病(けつごうそしきびょう)とも呼ばれるようになったが、日本では膠原病の名称で呼ばれることが多い。 原因としては体内の血液中の抗体が自己の細胞の核などと反応して免疫複合体を作り組織に沈着したり、全身の関節血管・内臓などを攻撃することで発病すると考えられている。死亡に至る場合もある。 典型的には主症状として発熱・倦怠感・関節痛・レイノー現象などがあげられる。慢性に経過し、寛解と再燃を繰り返しながら進行することがある。多くの場合に自己免疫疾患としての機序が関与していると考えられているが、完全な病態の解明はなされていない。

[編集] 主な膠原病

なお、リウマチ熱(RF)については古典的膠原病に分類されていたが、原因が判明したため、現在は膠原病から外されている。

[編集] 特異的抗体

膠原病では抗核抗体(ANA)が非常に有名である。しかし抗核抗体が陽性であったとしても臨床的意義がないものが殆どであり膠原病、甲状腺疾患、慢性肝炎といった臨床的意義があるばあいはごく僅かである。また膠原病の中にも抗核抗体が診断に影響しないものがある。

ANA関連膠原病

全身性エリテマトーデス(SLE)、全身性硬化症(SSc)、シェーグレン症候群(SjS)、皮膚筋炎(DM)、多発性筋炎(PMS)、混合性結合組織疾患(MCTD)があげられる。これらの疾患はSLE以外は特異的な症状があり、抗核抗体を測る前にそれらの症状の有無を確認しなければ、検査結果の判断は難しくなる。例えば、SScならば皮膚硬化、SjSならば乾燥症状、皮膚筋炎、PMSならばゴットロン徴候、ヘリオトロープ疹、筋力低下、MCTDならば、ソーセージ指やレイノー症状があげられる。抗核抗体の特異性が高いとされているのはSLE、SSc、MCTDである。特異的抗体としてはSLEにおける抗dsDNA抗体、抗Sm抗体、SScにおける抗Scl抗体、抗セントロメア抗体、MTCDにおける抗U1RNP抗体、SjSにおける抗SS-A抗体、抗SS-B抗体、DM、PMSにおける抗Jo-1抗体などがあげられる。上記特異的な症状がなく、抗核抗体を測るような場合とは、特異的な症状を示さない膠原病を疑う時であり、それは通常はSLEのことになる。SLEは発症時には特異的症状に欠けるのが特徴である。SLEの診断にはSLEの分類基準(感度96%、特異度96%)を用いるのが一般的である。SLEの分類基準は11の項目からなり4つ以上を満たすとSLEとなる。抗体以外の項目で9つの項目があるため、そのなかで最低2つの項目に合致しなければ抗核抗体を測定しても診断的な意義はない。すなわち、関節炎、漿膜炎、痙攣、精神病、血球減少、持続性蛋白尿、円柱、皮疹(蝶形紅斑、ディスコイド疹)、無痛性口腔内潰瘍(口腔上部に多い)のうち2つ以上認められるとき、抗核抗体、抗dsDNA抗体、抗Sm抗体、抗リン脂質抗体を特定する意義が生まれる。このような使い方をしていればSLEを強く疑う時、あるいはSLEを否定したいときに抗核抗体は強い武器となる。

ANA陰性の膠原病

抗核抗体が診断に影響しない膠原病としては血管炎血清反応陰性脊椎炎関節リウマチリウマチ性多発筋痛症ベーチェット病成人スティル病などがあげられる。これらの疾患では抗核抗体が診断に影響しないだけであって、抗核抗体が陰性でなければならないわけではない。健常者でも抗核抗体が陽性となるように、これらの疾患の患者でも抗核抗体が陽性となる場合は多々ある。

ANCA関連血管炎

顕微鏡的多発血管炎(MPA)、アレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA)、ウェゲナー肉芽腫症(WG)があげられる。抗好中球細胞質抗体(ANCA)を測るのはMPA、WG、AGAを疑ったときであるため、急性ないし慢性の腎障害、持続性蛋白尿、原因のはっきりしない肺陰影、喀血、紫斑、多発性単神経炎、鼻中隔穿孔を認めたら測定する。血清における陽性率はAGAで50%、WGの活動期で90%、MPAで70%であるためANCA陰性であってもANCA関連血管炎の可能性を否定はできない。腎生検などによる免疫染色は若干陽性率が上がる傾向がある。

[編集] 責任細胞と治療方針

有効な治療法は見つかっておらず、現在の日本の最新医療技術をもってしても完全に治す事は不可能だと言われている。ただ、ステロイドや消炎剤などを使用することにより炎症がある程度抑制され、日常生活に支障のない程度にコントロールすることは可能。最近では漢方薬などを用いた治療法もあり、ステロイドだけでは制御できない症状に対する追加療法、および別の手段として取られる。

いくつかの膠原病はどの免疫細胞の異常が病態の本質か検討されており、特異的な治療によって大幅にマネジメントが変わりつつある。例えば、SLEやシェーグレン症候群はB細胞の異常と認識されており、B細胞を特異的に傷害するリツキシマブによって治療が可能になりつつある。

責任細胞 疾患
好酸球 チャーグストラウス症候群
CD8陽性T細胞 多発性筋炎
CD4陽性T細胞 皮膚筋炎
B細胞 SLE、シェーグレン症候群
マクロファージ ウェゲナー肉芽腫
好中球 MPA、ベーチェット病
筋線維芽細胞 全身性硬化症

これはステロイドへの反応性にも関係しており、マクロファージ、好中球、筋線維芽細胞を責任細胞とする疾患はステロイドへの反応性も悪い。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] 参考文献

最終更新 2009年10月5日 (月) 13:12 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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