船外機

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船外機
3基掛けの例
船外機シリンダーヘッドニッサン120ps(2スト)

船外機(せんがいき)とは船舶の推進システムである。

アウトボードドライブとも呼ばれる。

インボードドライブのようなエンジンやドライブのスペースが不要となるほか、船体のゆがみに起因する、プロペラシャフトのトラブルの心配も無い。

多くは単機での装着となるが、より速さを求める場合は、連装、3連装となる。

船外機はエンジン、その補機、ギア、シャフト、スクリュー等が一体となった船舶の推進器である。主に小型の船舶の後部に取り付けられる。船外機は軸を中心に方向を変えられ、それ自身がとなることも出来る。また、浅瀬等では障害物を避けるために跳ね上げられるようになっている。

エンジンはコンパクトで高出力な2ストローク ガソリンエンジンが用いられていたが、排出ガスに含まれるオイルによる水質汚濁が避けられず、炭化水素の排出も多いことから、排出ガスのよりきれいな4ストロークガソリンエンジンに転換しつつある。 (中小型用の船舶用エンジンの大半はインボード・アウトボード問わず冷却用に吸水した海水を排気管から排出するため排水に排出ガスの成分が混ざってしまう) 特殊な例としては、ヤンマーが製造している4ストロークディーゼルエンジン、ヤマト発動機が製造している競艇用2ストロークガソリンエンジンを使用しているものがある。

シリンダー配置は、単気筒をはじめ、直列型(インライン)は2から4気筒V型では、4気筒6気筒が一般的である。

冷却水は船舶が航行している場所の水を直接吸入し、冷却に使用後排出される。ポンプによって連続的に吸入・排出が行なわれ、閉域循環しない。このことはラジエターおよび冷却ファンを不要とし、重量とコストを陸上のエンジンよりも下げることに寄与する。

目次

[編集] 歴史と発展

最初の実用的な船外機は1909年にノルウェー系アメリカ人オーレ・エヴィンルード(Ole Evinrude)により開発された。

歴史的に大抵の船外機は2ストロークエンジンを使用していた。2ストロークエンジンはシンプルで信頼性が高く、コストが低くそして高いパワーウェイトレシオを誇った。特に重量面は非常に重要で過大な重量は船の操縦性を妨げた。しかしながら高い排出ガスと環境基準に適合させるためのコストのために特にローエンド機種において4ストロークエンジンが次第に採用されるようになった。近年、ハイエンド機種では2ストロークのままで気筒内直接燃料噴射装置により排ガス規制を満たし、燃費経済性との両立を目指したモデルや4ストロークエンジンにおいてはポート燃料噴射装置を使用した大排気量モデルが出現している。 中でも2004年に、マーキュリーマリーンから発表されたモデル「べラード」は、4ストローク直列4気筒/6気筒DOHCエンジンに機械駆動式過給機(メカニカル・スーパーチャージャー)を組み合わせた、画期的な製品であった。

2000年代に入ってから、日本国内市場向けの2ストロークガソリンキャブレター仕様の船外機の製品数は減少してきている。

メーカー別に見てみると、ヤマハ発動機は、高圧気筒内直接噴射方式の2ストローク大排気量船外機を国内市場向けに投入するのを控え、4ストローク船外機に主力を移しつつある。 スズキは、国内市場向けには、2ストローク船外機を投入せず、4ストローク船外機のみに絞っている。本田技研工業は、船外機開発の当初から4ストロークのみであった。 トーハツは、大排気量は、2ストローク低圧気筒内直接噴射方式で小排気量は4ストロークで対応している。

推進手段としては、従来のプロペラの他に、ウォータージェットを使用した製品も出現している。

[編集] 構造と概要

小排気量のものであれは単気筒、大排気量、若しくは出力の高いものは多気筒となるがすべてにおいて共通なことはレイアウトがクランクシャフトが下向きにセットされている。 一般的には1気筒、2気筒、3気筒、4気筒、6気筒まれに8気筒がある。 出力は2馬力程度のものから350馬力まで様々であるが、250馬力オーバークラスになると、成人男性よりも全長は大きい。

構造は自動車やオートバイのそれと何ら変わりはない。スターターモーターを配備し、オルタネーター、イグニッション、ウォーターポンプなど。 しかし、冷却についてはプロペラ付近に冷却水取り入れ口があり、インペラと呼ばれるいわゆるウォーターポンプで水を吸い上げ、エンジン本体のウォータージャケットを通し、プロペラ中心の排気口から排気ガスと一緒に排出される。 また、ジャケット内部に正常な循環がなされているか本体上部から冷却水の一部が検知出来るように水が排出される構造になっている。 排気についてはマフラーは存在せず、プロペラ中心の排気管から出てくるが、当然触媒などもない。従って排ガスの管理は非常に難しい。 通常、マフラーがなければその排気音は強烈なものになるが、水中排気のため排気音そのものはまったくといって良いほど静かである。

船外機に要求される内容は、信頼性と耐久性であり材質の随所にアルミやチタンなどを多様し、錆びや腐食に対応している。よって船外機の価格も高額で過去は1馬力1万円というおおよその相場があったが、現在は1馬力1万5千円くらいに価格が上昇している。(マーキュリーベラード350馬力は1基あたり約450万円)

過去は2ストロークが圧倒的に主流だったが、現在は排ガスや燃費の問題から4ストロークに移行しており、このようなことから過去に幅を利かせていたヤマハの船外機の販売台数が激減し、現在はホンダとスズキの2社が圧倒的な販売台数を誇っている。(日産船外機はホンダのOEM) 海外では、マーキュリーマリン、ジョンソン、エビンルードなどが有名であるが、特にマーキュリーの船外機の性能は非常に高く、4スト、2スト問わず出力の高い物やレース界では不動の地位を確立した。

2ストについては、マーキュリーマリンから販売されているオプティマックスが圧倒的販売台数を誇っており、直噴化する事により4スト並みのクリーンな排ガスを達成し、さらには4ストに無い圧倒的な加速感と耐久性を確立した。 オプティマックスの250馬力の加速感は恐ろしいものがあり、同出力の4スト250馬力と比較した場合の特性は同じ馬力のエンジンとは到底思えないパフォーマンスを披露する。

船外機の燃費については総じて悪く、車やバイクと比較することは無理である。 例えば2スト75馬力1400cc3気筒エンジンの場合、船の状態やその他走行状態で劇的に変わるが時間当たり20ℓ以上も必要とする場合もある。 さらに大型な船外機の場合は、時間燃費60ℓという事も珍しくなく全速力でエンジンを回せば100ℓくらい消費するエンジンも多くある。(艇の重量に大きく比例) 船外機は、経済回転数を越えると極端に燃費が悪くなる。 しかし、この燃費の悪さも4ストが出回ってからは飛躍的に向上はしているものの、やはり時間当たりの燃費については車の比ではない。 新しいモデルの中にはスーパーチャージャー(インタークーラー付)の船外機も登場しており、小排気量でも大出力の物も出てきた。 例えば、過去の2スト船外機の場合、250馬力ともなると排気量は3000cc~3800ccと非常に大型だったが、現在の4スト350馬力はたった2600ccしかない。(マーキュリーベラード) この後、SC付きの船外機は増える可能性が高い。 ターボチャージャーは物理的に厳しいのでその可能性は極めて低い。

エンジンノイズについては、ホンダやスズキの4スト船外機などはアイドリングの音が分からないくらい静かで全開時のノイズも疲れるような音圧ではない。 しかし、2ストは総じて大きくアイドリングの状態から音圧は大きい。さらに全開時のサウンドは非常にレーシーになる。 SC付きのモデルは、高回転域でのSCサウンドはジェット機のような高域を発する。

ギアは通常前進と後退があり、75馬力まではチラーハンドルといい、エンジン本体から操作棒が出ておりこれで操舵とスロットルコントロールが出来る。それ以上のものはチラーハンドルは物理的に無理(重量が重く操舵には相当な腕力が必要)なので、コンソールからワイヤーや油圧システムで操舵し、リモコンボックスでスロットルとギア操作を行う事になる。(75馬力以上のエンジンは油圧システムが理想的)

[編集] メンテナンス

2ストロークの場合は当然ながらオイルの補給は必須で過去は混合給油だったが現在では分離式がほとんどである(小型の物や特殊エンジンを除く) スパークプラグの劣化も激しいことからスパークプラグの管理にも注意が必要だ。 4ストロークの場合、エンジンオイルの劣化が激しいのでオイル交換は車やバイク以上の頻度が必要である。 また、インペラの交換とギアオイルの交換も毎年行う事が理想である。 基本的にエアクリーナーはない事から、エンジンルーム内の清掃はまめに行う。

淡水使用の場合は問題無いが、海水使用の場合注意が必要で、海水である以上エンジン内部(ジャケット)に海水は回っている事なのでそのまま放置は確実に塩が結晶化しジャケットの詰りを誘発する(現にオーバーヒートの多くはこのパターン)。また、海水である事からそのまま放置は錆を引き起こすので、使用後は水洗キット(俗にヘッドフォン)を使用し、アイドリング運転で概ね10分程度の水洗を行わなければならない。 これにより寿命は飛躍的に向上する。

[編集] 製造者

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月11日 (水) 07:37 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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