装甲回収車

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M88装甲回収車

装甲回収車(そうこうかいしゅうしゃ、Armoured Recovery Vehicle, ARV)とは、戦場で破損した戦車などの軍用車両を回収するための車両である。

目次

[編集] 概要

戦車回収車(せんしゃかいしゅうしゃ、Tank Recovery Vehicle, TRV)あるいは装甲戦車回収車(そうこうせんしゃかいしゅうしゃ、Armoured Tank Recovery Vehicle, ATRV)ともいう。特に、戦車の派生型として開発されたり改装されたりしたものは「回収戦車(Recovery Tank)」とも呼ばれる。

詳細は「回収戦車」を参照

また、戦車のエンジン交換など整備を行えるものもあるが、その場合は装甲修理回収車(そうこうしゅうりかいしゅうしゃ、Armoured Repair & Recovery Vehicle, ARRV)と呼ぶこともある。

[編集] 歴史

装甲車両の回収作業に同種の車両を使用することは第1次世界大戦に「戦車」が実戦投入される以前、「装甲車」というものが開発された際から行われており、車両牽引用のタグロープや牽引具は装甲車両の必需品でもあった。第1次世界大戦にて「戦車」が開発されて実戦に投入されると、それまでの装甲車両に比べて遥かに大重量と複雑かつ過重気味の機構を持つ「戦車」は、戦闘損傷以前に機械故障や軟弱な地盤で擱坐する等で行動不能になることが多く、第1次大戦後、「戦車(機甲)部隊」が各国で整備されるようになると、様々な理由により行動不能になった車両を回収・修理するための装備もまた重要である、として、主に装甲車両を回収するための牽引車両として、大型の半装軌車(ハーフトラック)や四~六輪の大型トラックがそれらの部隊に配備された。

第2次世界大戦が始まって急速に戦車その他の装甲車両が進歩すると、特に戦車の車体重量の増加は著しく、従来の車両回収用に使用されてきた装備では回収作業が困難となり、複数の車両を使用してやっと1両の戦車を回収できる、という状況が多く発生するようになった。それに従い、戦車を改造した「回収戦車」が開発・製造されるようになり、砲塔を損傷した戦車から砲塔を取り外して牽引用ワイヤー等の装備を追加搭載しただけの現地急造の回収車両も多数製作された。

第2次世界大戦後、装甲戦闘車両(AFV)は戦車自走砲装甲兵員輸送車……と多種多様なものが開発され、 それらを支援するための装甲回収車もまた、戦車や装甲車の発展型として多種が開発された。

軍において運用されている他にも、退役した後に民間に払い下げられて重量物牽引車や装軌式クレーン車として使われている車両も数多く存在する。

[編集] 構造

第2次世界大戦頃までは余剰車両や旧式化した車両の再生品として製作されることが多かった車種だが、近年は回収対象となる車両の派生型として当初から開発されることが多く、機動性能を統一して部隊全体の機動性を向上させることに主眼が置かれている。また、回収対象となる車両と同一の車体を持つことは、部隊の保管している予備部品が尽きた際でも、“共食い整備”によって戦闘車両の稼働能力を維持することも視野に入れられている。

「装甲回収車」として開発されたものは各種とも概ね同じ構造となっており、基体となる車両の砲塔等の戦闘装備を取り払って一体型の密閉型戦闘室を設置し、起重機巻上げ機などの吊上・索引設備を備えていることが通例である。回収作業時の安定性を増すための駐鋤(ちゅうじょ、英語ではSpade)が装備されていることも多い。

車両の修理・整備に用いられる関係上、車体各所にはスペアパーツが大量に装備されており、車両によっては予備のエンジン等を運搬する際に使用する架台をエンジンデッキ上などに設置していることもある。また、装甲修理回収車(ARRV)とも呼ばれる車両は、溶接機材、コンプレッサー等の各種整備機材を搭載している。

[編集] 特殊型

通常の装甲回収車の他にも、特殊な状況で回収作業を行うための特殊装備を持つ装甲回収車両が何種か存在する。

[編集] BARV

Beach Armoured Recovery Vehicle,「海岸用装甲回収車」の略で、上陸作戦の際に波打ち際での回収作業を行うための車両。イギリス軍によりM4中戦車の特殊派生型の一つとしてノルマンディー上陸作戦に備えて開発され、戦後もセンチュリオン戦車の派生型として開発されている。

[編集] LVTR/AAVR

Landing Vehicle Tracked Recovery、「装軌式回収上陸車」の略で、水陸両用車両部隊に随伴する装甲回収車として海岸及び陸上での回収作業と車両整備作業を行うための車両。アメリカのLVTP-7の派生型として開発され、基体車両と同じく水上/海上航行が可能である。

1985年に「LVTP」の制式記号は「AAV(Amphibious Assault Vehicle:水陸両用強襲車)」に改められたため、それに伴って「AAVRAmphibious Assault Vehicle Recovery:水陸両用強襲回収車)」に改称されている。

[編集] 主な装甲回収車

アメリカ合衆国

M806 装甲回収車M113装甲兵員輸送車の派生型)
M88(M48戦車の派生型)
M578M107/M110 自走砲の派生型)
AAVR7A1AAV7水陸両用装甲車の派生型)

ウクライナ

BREM-2(BMP-1の派生型)
BREM-64(T-64の派生型)
BREM-84T-80UDまたはオプロートの派生型)

ソビエト連邦

BTT(ISU-152の派生型)
BTS(T-55の派生型)
BTPBTR-60の派生型)
BTR(BTR-70の派生型)
BTR-2(BTR-60の派生型)

ドイツ

ベルゲパンツァー3ビュッフェル
ベルゲパンツァー2

日本

90式戦車回収車
78式戦車回収車
70式戦車回収車

フランス

DNG/DCL戦車回収車

オーストラリア

M113 Fitter 装甲回収車

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月5日 (木) 15:52 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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