補聴器

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耳かけ(BTE)型補聴器
CIC型補聴器

補聴器(ほちょうき)とは、聴覚障害者の聞き取りを補助する補装具である。

目次

[編集] 概要

補聴器は、難聴による聴こえの問題を解決することを目的とした音の増幅器である。形状は多種多様であるが概ね小型である。基本的に入力部、増幅部、出力部、電源の4つの部分から構成される。増幅は電気的あるいは電子的に行われ、単純に音を拡大するだけでなく、音の感度ダイナミックレンジ周波数分解能、時間分解能、方向性といった要素を考慮しながら増幅を行う。また必要に応じて 不要な雑音をカットし、SN比を向上させることにより聴こえやすさを追求している。近年では、アナログ補聴器からデジタル補聴器への移行が進み、現在はデジタル補聴器が主流となりつつある。デジタル補聴器は、ソフトウェア上でその特性を変更することが可能であり、調整が非常に容易で即時に行うことができる。また、デジタル制御により高度で複雑な処理が可能となり、最近の補聴器の飛躍的な性能向上に貢献している。補聴器は、日本国内では薬事法において管理医療機器(クラスⅡ)に指定されており、法的な規制が行われている。薬事法の規制を受けないものは集音器などに分類され、補聴器とは異なる。使用にあたっては基本的に個人の聴力や使用状況にあわせた調整(フィッティング)が必要であり、取り扱い店舗、専門店または医療機関で調節する必要がある。

[編集] 構造

マイクで音を集めて、アンプで音を増幅し、スピーカーで音を発生させる。これを小型化したのが補聴器である。このアンプがアナログ処理の物をアナログ補聴器と呼び、デジタル処理の物をデジタル補聴器と呼ぶ。また、補聴器の調節がデジタルなアナログ補聴器を、プログラマブル補聴器と呼ぶ。現在市場に出回っているデジタル補聴器は、アンプ・調節ともにデジタルな「フルデジタル補聴器」である。補聴器の電源としては主に空気亜鉛電池が使用されている。非防水の腕時計と同様に、汗や雨などによる水分侵入に弱い(一部には、防水の補聴器もある)。

[編集] 補聴器の種類

[編集] 装用部位による分類

補聴器はその装用部位に対応した形状によって、いくつかのタイプに分類される。現在市販されているものについておおまかな分類と特徴を下記に示す。

[編集] ポケット型(箱型)補聴器

箱形のタイプ。20世紀初頭にベル研究所ハーヴェイ・フレッチャーによって発明された。この補聴器はアンプが含まれるケースと、耳あなにはめ込むイヤモールドと呼ばれる樹脂殻で成り立つ。現在ではおよそタバコ箱程度の大きさになっており、ポケットかベルトに装着する。メーカーによって異なるが、重度難聴に向いているとされる。

[編集] 耳かけ型補聴器 (BTE)

BTE(Behind The Ear)。耳介の後ろに引っ掛ける形の補聴器。小型のアンプケースと短いチューブ、カスタムメイドのイヤモールドで成り立つ。

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オープンイヤーフィットタイプのBTEも存在する(詳しくはオープンイヤーフィット参照)。

[編集] 耳あな型補聴器(ITE)

ITE(In The Ear)。耳甲介(Concha)を覆うタイプ。サイズによってバリエーションがある。(耳甲介を完全に覆うフルサイズ、それよりも小さいハーフサイズなど)。やや大きい。耳介型とも呼ばれる。

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[編集] カナル型補聴器(ITC)

ITC(In The Canal)。外耳道挿入型。補聴器の大部分が耳の中(外耳道)に入り込む形で装用される。

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[編集] CIC型補聴器(CIC)

CIC(Completely In the Canal)。完全外耳道挿入型。サイズが最も小さく外耳道内にすっぽりと収まる。外部から見て補聴器装用を気づかれにくい利点がある。逆に搭載される機能が制限されるなどサイズが小さくなることによるデメリットも生じる。アンプが小さくなるため、高度難聴には向かない。

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[編集] その他の分類

[編集] オープンイヤー型補聴器

ITCタイプ、BTEタイプが有る。イヤモールドが密閉されていないため、自分の声の響き、こもりが少ない。ただし、ハウリングが発生し易いくなる為、補聴器にハウリングキャンセラーなどのハウリングを抑える機能が備わっていなければいけない。軽~中等度の難聴までの適応。

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[編集] RIC型補聴器(RIC)

RIC(Receiver in the Canal)。を出すレシーバースピーカー)が、の中(外耳道)に配置されたオープンイヤー型補聴器。レシーバーを付け替えることのよって、軽度から高度難聴まで対応。

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[編集] 骨伝導型補聴器

骨伝導を利用した補聴器で、特に伝音性難聴に効果がある。形状の制限が少なく、眼鏡と一体化した補聴器も存在する。

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[編集] 埋め込み型補聴器

  • BAHA(Born Anchored Hearing Aids)。側頭骨埋め込み補聴器。頭蓋骨に直接埋め込むタイプのもので、直接頭蓋骨を振動させる骨伝導を利用し音を伝達する。
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[編集] 補聴器の進歩

補聴器は、パワーを上げ、なおかつ、小さくなるように進歩している。それは、電子工学の進歩と歩調をそろえている。ただし、近年はファッション性を重視し、「見せる補聴器」とする動向もある。

初期(1960年代)の補聴器は、弁当箱ぐらいの大きさだった。1970年代ぐらいになると、タバコ箱ぐらいの大きさになった(『ポケット型補聴器』という)。いずれも、受信部、バッテリーが収まった箱をポケットに入れていた。そして、イヤモールドとよばれる、耳あなにはめ込む樹脂殻と細いケーブルでつながっていた。

1980年代は、外耳の上部に引っ掛けるような形の補聴器(『耳かけ型補聴器』という)が現れた(外耳の上部に引っ掛ける機具の中に、受信部・バッテリーが入った。これらとイヤモールドは短いチューブでつながっていた。)。

1990年代になると、耳の内部に入れるタイプの補聴器(『耳あな型補聴器』という)が現れた(イヤモールドの中に、受信部・バッテリーなどが全て入った。)。

2000年代になると、今までのアナログ補聴器とは異なるデジタル補聴器が現れた。(アナログ補聴器は、基本的に入った音を全て拡大する。なので、雑音も拡大されてしまう。デジタル補聴器は、人の声を拡大し、雑音をなるべくおさえるように細かく調節できるタイプの補聴器。しかし、最先端の補聴器のため価格がアナログ補聴器と比べて高い。) 現在使われている補聴器の比率は、耳かけ型補聴器が約30%、耳あな型補聴器が約60%。ポケット型補聴器が約10%を使っている。デジタル補聴器の使用状況は60%程度といわれる。

1999年には毎年6月6日が「補聴器の日」に制定された。

[編集] 機能

[編集] テレコイル

補聴器には、電話の声が聞きやすくなるよう、受話器のスピーカが発する磁気を受信し、その信号を増幅する機能がついているものがある。(この機能がついている補聴器には「T」(テレコイル)という切り換えスイッチがついている。「T」に切り換えると、内蔵マイクからの音声を拾わなくなるため、雑音が低下し声が聞きやすくなる。また、最近では磁気誘導ループという磁界を発生させる装置もあり、そのサービスを提供してもらえる場所では、同じく「T」に切り換えることでクリアな音声を得られる。

[編集] 無線周波送信

補聴器の中には、無線による信号の送受信を可能とする機能をもっているものがある。別途、レシーバが必要となるものが多いが、内蔵されているものもある。

[編集] FMシステム

無線により送話者の音声を直接話し手の音声を補聴器に伝達する機能。周波数変調(FM)方式を採用している。教室での講義など、比較的広い場所でノイズ、反響音の影響を受けやすい状況下での聴こえやすさを向上することができる。

[編集] Bluetooth

無線の伝達手段としてBluetoothを採用しているものも存在する。携帯電話や携帯オーディオ機器などから補聴器へと、デジタル信号の直接送信が可能となる為、ノイズ、雑音の影響をほとんど抑制した状態で外部入力を受信することが可能となっている。デジタル機器との親和性が高い。

[編集] その他 

  • モノラルイヤホンの振動板を抜くなどの改造をして、補聴器用イヤホンとしてiPodなどで音楽を聞く人もいる。


[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 日本のメーカー

[編集] 日本国外のメーカー

[編集] 外部リンク

[編集] 参考文献

  • 原著者 Harvey Dillon 監訳者 中川雅文『補聴器ハンドブック』、医歯薬出版株式会社 2004年10月 (ISBN 4263212193)

最終更新 2009年11月16日 (月) 19:22 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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