触媒ストレート

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触媒ストレート(しょくばいストレート、またはストレートパイプ)とは、自動車から排出される排気ガス中に含まれる有害物質を浄化する役割を担う触媒装置(キャタライザー)の代わりに装着されるパイプのことである。

略して触スト、あるいは触媒ジャックとも言われる。

[編集] 概要

初期の触媒は、無数の触媒粒子(ペレット)をぎっしりとケースに詰め込んだもので、そこを排気ガスが通過する事で排気ガスは浄化され、人体に害の無い物質に変えていた。 しかし、こうした構造により、排気系の装備の中でも排気抵抗となる要素がかなり高い。 それゆえ、触媒があることで排気効率が悪化し、その分エンジンの効率も悪くなり、結果としてパワーダウンを招いてしまう。

触媒ストレートはこの触媒による排気抵抗を完全に除去するための、いわば標準装着されている触媒の代わりとなるパイプであり、触媒を取り外して触媒ストレートに置き換えることで、触媒の排気抵抗が無くなり、排気効率は改善する。 そのためにエンジンの効率も向上するので、触媒が装着されている場合よりもパワーアップさせることが可能となる。 公害対策として触媒が導入された時代には、市販車の簡易なパワーアップ手段としてよく用いられていた。

現在の触媒はその内側に無数の穴が設けられたハニカム型、モノリス型に変わっており、かつての触媒ほどには排気抵抗が高くないため、市販車で単に触媒ストレートに代えただけではさほどのパワーアップには結びつかない。 そのため、各種チューンを施し市販状態よりも大幅なパワーアップをするときには、有効な手段のひとつとなると説明されることが多い。

しかし、純正状態で大パワーを誇る欧米の高級車(大型セダンやスーパーカーなど)や、大型のバス・トラック(270 - 450馬力ほど)、トレーラーヘッド(380 - 600馬力ほど)などは、当然ながら純正で触媒を装着している(90年代のル・マンGT1クラスのホモロゲーション車両なども、触媒とサイレンサーはきちんと装備している)。 したがって、パワーを出すために、触媒の除去が必ずしも有効ではないことは明らかである。 なぜなら、エンジン本体に手を入れるのであれば、触媒のロスの分を見越してチューニングすれば済む話だからである。

モータースポーツでは、触媒レスが容認される傾向があるが、これは、その過酷な使用条件から、すぐ触媒が劣化してしまい、コスト上問題が多いことや、そもそも開催頻度や環境が限定されており、汚染の状況が限定されていること、競技が行われるのが道路運送車両法の適用のない専用コースであることなどによるためで、単なる例外である点に留意されたい。

また、絶対的な排気系の抜けの良し悪しが影響するのは、常にエンジンを高回転で回す場合(特にNA)である。 逆にいえば、一般道を走行する量産車で触媒をはずす行為は、ターボ車であれNA車であれ、単に騒音が増え、低回転域のトルクが瘠せるだけで意味はない。 前述のように、触媒を外すことによる低速特性の劣化をチューニングするなら、最初から大パワーに対応した触媒と合わせて改造すれば済む話である。

なお、中にはフロントパイプやマフラーと一体型になっているものもある。こうした一体型のものである場合は、別途触媒ストレートを用意する必要は無い。

[編集] 欠点および問題

排気パイプを塞ぐ要素を取り払うのであるから、その消音効果が減じることで、騒音が大きくなる。 特に、NA車両やロータリーエンジンの場合、その傾向が顕著である。

触媒ストレートを装着するということは、本来触媒が担っている役割である「排気ガス中に含まれる有害物質の浄化」という重要な要素を強制的に排除し、有害物質を大気中にそのまま放出してしまうことになる。 当然ながら、大気汚染をより激しくしてしまうなど、周囲に大きな悪影響を与えてしまう。

このような状態で公道を走ることは違法行為である。 また、違法改造になるので車検に通す事もできない。 すなわち、市販されている触媒ストレートは全て競技専用部品(保安基準適合外の製品)である。

もちろん、サーキットなどのクローズドコース内で使用する分には違反とはならない。 しかし、周囲に有害物質を撒き散らすことには変わりは無く、サーキット周辺の住民を中心として被害を与えてしまう可能性もある。こうした問題や、モータースポーツへのイメージを悪化させないための対策として、日本自動車連盟(JAF)では2008年度の技術規則改正の中で、今後一定の移行期間を経て順次、公式競技に用いる改造量産車両に触媒の装着を義務づける方針を発表した。一部レースではこれを先取りする形で既に、特別規則で触媒の装着を義務づけるようになっている。ただしこれは公式競技での規則の中での話であり、規則に縛られない一部の草レースや趣味でのサーキット走行などには適用されず、また構造上、一部のレーシングカート2サイクルエンジンを積んだもの)では触媒の装着ができないため、この規則改正によってもモータースポーツから完全に触媒ストレートを排除できるわけではない。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年1月21日 (水) 06:26 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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