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言語獲得(げんごかくとく)とは、人が特定の言語を使用できるようになること。特に、幼児期に行われる第一言語獲得のこと。両親の人種民族に関係なく、子供はどのような言語でも獲得できる。

目次

[編集] 過程

胎児は産まれる前から外部の音や母親の声に反応を示す。生まれて数日後から母親と視線や表情による交流を始める[1]。これは通常の会話と同じように、相手の反応を見てから反応を還すというターンテイキング構造を持ち、原会話と呼ばれている。生後3ヶ月から半年でうなり声や喃語(ばぶばぶ、あうー)をあげるようになる。また8ヶ月から1歳頃まではどのような言語であれ反応するが、それ以降になると周囲で話されている言語にだけ反応するようになる[2]。1歳頃には単語を発音できるようになり、1歳半頃には二語文を使用し始める。それ以降、急速に言語能力は発達し、4歳頃にはアナロジーメタファーを理解できるようになる。この過程は文化によって多少の前後があるが共通した文化普遍的な現象である。

[編集] 言語獲得のモデル

言語の獲得は人の発達のごく初期に行われる重要な出来事である。他の能力の発達、特に概念獲得とどちらが先か、どのように作用し合うのかには議論がある。エリザベス・スペルクスーザン・ケアリーサイモン・バロン=コーエンは数の概念、初歩的な物理の概念(物体の永続性や連続性)や心の理論などの発達が言語獲得より先に始まり、言語獲得の基盤となっていると考えている[3][4]。一方マイケル・トマセロやエリザベス・ベイツのような他の研究者は概念獲得や心の理論の発達、社会的認知能力の発達と言語獲得は相互作用によって起きると考えている。言語獲得が専門化された遺伝的基盤と神経構造(言語獲得装置)の働きによるものだと考える立場は生成文法と呼ばれ、1960年代以来大きな影響力を持っている。一方で、言語能力が他の能力と密接に関連しており、専門化された遺伝的基盤はないと考える立場は認知言語学と呼ばれ近年注目を浴びている。シナプスの結びつきによって言語獲得を解明しようと試みるコネクショニズムも含め、この三者は大きく異なる言語獲得のモデルを提案し議論を行っている。

[編集] 優勢言語

例えば英語を母語とするアメリカ人とフランス語を母語とするフランス人の子供が日本で生まれ育った場合、家庭において日常使用されている言葉(どの言語であるかは家庭の環境によって異なる)を習得し、家庭で使われている言語と日本語をともに獲得することになる。二つ以上の言語を使用できるときに、中心的に使用される言語を優勢言語と呼ぶ。これは通常、母語第一言語とも呼ばれる。優勢言語がどのようにして決まるかはケースバイケースである[2]。方言については、ジュディス・ハリスの研究によればアメリカ移民の子供は親が使うブロークンな英語よりも、仲間たちが使う正しい英語を身につけた。したがって家庭よりもそれ以外の環境の影響が強いかもしれない。


[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ ANDREW N. MELTZOFF ORIGINS OF THEORY OF MIND,COGNITION AND COMMUNICATION
  2. ^ スーザン・H. フォスター=コーエン 『子供は言語をどう獲得するのか』岩波書店 2001年
  3. ^ Elizabeth S. Spelke and Katherine D. Kinzler Core knowledge Developmental Science 10:1 (2007), pp 89–96
  4. ^ Bloom P. and Wynn K. Linguistic cues in the acquisition of number words J. Child Lang. 24 (1997), 511±533.

最終更新 2009年10月30日 (金) 11:45 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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