記憶術

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記憶術(きおくじゅつ)とは、大量の情報を急速に記憶するための技術。

目次

[編集] 歴史的経過

古代ギリシアシモニデスが開祖といわれる。修辞学の一部門として扱われていた。古代ローマ元老院などでは、メモを使用しての弁論が認められていなかったなどの理由により発達した。記憶術(nmonic)という単語の語源は、ギリシア神話の記憶の女神ニーモムシュネー(ムネーモシュネー)である[要出典]

古代ギリシアの記憶術はその後、中世ヨーロッパに受け継がれ、主に修道士神学者などが聖書やその他の多くの書物を記憶するために用いられた。当時は羊皮紙以外の紙がなく、印刷技術も存在しなかったため、卓越した記憶力を養うことは教養人の必要条件であったことによる。

現在では主に、入学試験対策や資格試験対策に活用されている。

[編集] 内容

記憶術は、大きく2つの系統に分類できる。一つは、純粋に記憶のコツのようなものによって記憶の効率を上げる方法、もう一つは、人間の能力を向上させることによって記憶力を向上させる方法である。

シモニデスによってなされた、宴の座席とそこに座っていた人間とを対応させて記憶する「座の方法」や、そこから派生した、物を掛けるためのフック(鈎)を想像して、これに記憶すべきものを対応させる「フックの方法」などが前者の例として知られる。

記憶術にとって大事な概念の一つに「分割」と「組み立て」が存在する。短期記憶は7±2の法則により、あまり多くの情報を一度に詰め込むとそれに対処できない。それゆえに膨大な情報を記憶する際にはそれをいくつかの短い断片に「分割」(チャンク化)して、各自にそれを記憶し、後にそれをつなげる「組み立て」を行うことで記憶を完成させるという概念である。

後者の例としては、視野の拡大や、右脳の活性化などによる方法や、記憶力の向上によい食品や生活スタイルの追求などがある。

現在体系化されている記憶術は多くは、この両者を組み合わせたものである。

[編集] 数字子音置換法(メジャー記憶術)

数字を子音に置き換える方法である。子音と子音の間に適当な母音を補う。英語などのヨーロッパ系の言語で用いられる。

0 → s, c(サ行の音), z
1 → t, d, th
2 → n
3 → m
4 → r
5 → l
6 → sh, ch, j, g(ヂャ行の音)
7 → k, c(カ行の音), g(ガ行の音), ng
8 → f, v
9 → p, b

[編集] 数字仮名置換法

数字を仮名に置き換える方法である。数字子音置換法を日本語用に改良したもの。

1 → あ行 → あ、い、う、え、お
2 → か行 → か、き、く、け、こ
3 → さ行 → さ、し、す、せ、そ
4 → た行 → た、ち、つ、て、と
5 → な行 → な、に、ぬ、ね、の
6 → は行 → は、ひ、ふ、へ、ほ
7 → ま行 → ま、み、む、め、も
8 → や行 → や、ゆ、よ
9 → ら行 → ら、り、る、れ、ろ
0 → わ行 → わ、ん、(ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ)

0がわ行だけでは少ないので、ぱ行も使う。

[編集] 語呂合わせ

数字を仮名に置き換える方法である。数字子音置換法よりも簡単に習得できるが、数字に対応する文字が少ないので、適当な文を作るのが大変であるが、日本語の場合、その自由度が高いので、一般に広く、たとえば電話番号などを憶えるのにも使われる。音読みと外来語とその変形をカタカナ、訓読みとその変形をひらがなで表す。語呂合わせも参照。

1 → イチ、イ、ひと、ひ
2 → ニ、ふた、ふ
3 → サン、サ、み
4 → シ、よ
5 → ゴ、コ、いつ
6 → ロク、ロ、む
7 → シチ、なな、な
8 → ハチ、ハ、パ、バ、や
9 → キュウ、キュ、ク、ここの、ここ、こ
0 → レイ、レ、ゼロ、ゼ、まる、わ、ん、オー、オ
10 → ジュウ、ジュ、とお、と
100 → ヒャク、ヒャ、もも、も
1000 → セン、セ、ち
10000 → マン、よろず、よろ

0をアルファベットのOに見立ててオー、オとすることも見受けられる。 また1をアルファベットのIに見立てることもある。

[編集] 場所法

場所(実際にある場所でも、架空の場所でも良い)を思い浮かべ、そこに記憶したい対象を置く方法である。記憶したい対象を空間的に配列する方法である。片手指法、両手指法、時計法などがある。

この方法は海馬にある場所ニューロンの特性を利用している。場所ニューロンは名前のとおり、場所の記憶を司る。場所の記憶は動物にとって重要なため、長期記憶に保存されやすい性質を持っている。

その長所としては記憶の保持期間が他の記憶術と比較して著しく長いこと。欠点としては、一つの場所にあまり多くの情報を詰め込みすぎると混乱をきたすため、わずかな情報しか入れられないということ。そのため、充分な情報を詰め込めるだけの場所の確保に手間がかかるということである。

[編集] 片手指法

5の項目を片手の指に対応させて覚える方法である。

左手小指 → 1
左手薬指 → 2
左手中指 → 3
左手人差し指 → 4
左手親指 → 5

[編集] 両手指法

10の項目を両手の指に対応させて覚える方法である。

左手小指 → 1
左手薬指 → 2
左手中指 → 3
左手人差し指 → 4
左手親指 → 5
右手親指 → 6
右手人差し指 → 7
右手中指 → 8
右手薬指 → 9
右手小指 → 10

[編集] 時計法

12の項目を時計の文字盤に対応させて覚える方法である。

1時 → 1
2時 → 2
3時 → 3
4時 → 4
5時 → 5
6時 → 6
7時 → 7
8時 → 8
9時 → 9
10時 → 10
11時 → 11
12時 → 12

[編集] 物語法

物語を考え、その話に記憶したい対象を登場させる方法である。記憶したい項目を時間的に配列する方法である。

[編集] 頭文字法

記憶したい対象の頭文字を取り出して覚える方法である。

[編集] 音韻法

数字をその数字と韻を踏む単語に置き換える方法である。

1 → one → sun,fun,gun,nun
2 → two → shoe,Jew
3 → three → tree,bee,key,tea
4 → four → door,core
5 → five → live
6 → six → sticks
7 → seven → heaven
8 → eight → gate,date,fate,mate
9 → nine → line,sign,pine,wine
10 → ten → pen,men,hen

[編集] 形態法

数字をその数字に似た形に置き換える方法である。

1 → 鉛筆、煙突
2 → アヒル
3 → 耳、唇
4 → ヨット
5 → 鍵
6 → さくらんぼ
7 → がけ、鎌
8 → だるま
9 → オタマジャクシ
0 → 卵

[編集] 関連項目

[編集] 関連書籍

  • フランシス・イエイツ 『記憶術』 青木信義、篠崎実、玉泉八州男、井出新、野崎睦美訳、水声社。 ISBN 4-89176-252-7
  • メアリー・カラザース 『記憶術と書物 中世ヨーロッパの情報文化』 別宮貞徳訳。工作舎。ISBN 4-87502-288-3
  • 岩井洋 『記憶術のススメ 近代日本と立身出世』 青弓社。 ISBN 4-7872-3132-4

[編集] 外部リンク

記憶術の古典  * 島田記憶術  * 記憶拡充論  * 記臆力増進法  * 記臆法  * 健脳記憶法

最終更新 2009年9月29日 (火) 01:34 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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