診療報酬
診療報酬の最新ニュースをまとめて検索!
診療報酬(しんりょうほうしゅう)は、保険診療の際に医療行為等の対価として計算される報酬を指す。診療報酬点数表に基づいて計算され、点数で表現される。「医師の報酬」と誤解されがちだが、それだけでなく医療行為を行った医療機関・薬局の医業収入の総和を意味する。医業収入には、医師(または歯科医師)や看護師、その他の医療従事者の医療行為に対する対価である技術料、薬剤師の調剤行為に対する調剤技術料、処方された薬剤の薬剤費、使用された医療材料費、医療行為に伴って行われた検査費用などが含まれる。保険診療では患者はこの一部を窓口で支払い、残りは健康保険(公的医療保険)[1]で支払われる。
健康保険を適用しない自由診療の場合の医療費は、診療報酬点数に既定されず、患者が全額を負担する。
目次 |
[編集] 概要
保険診療機関は実施した診療内容等にもとづき、診療報酬明細書を作成し公的医療保険を請求するが、明細書の各項目は金額ではなく点数化されている。診療報酬点数は厚生労働省が告示する。1点=10円。患者は診療報酬によって計算された一部(3割負担など)を医療機関窓口で支払う。医療機関等で保険を使って診断・治療を受ける(保険診療)ときに用いられる医療費計算の体系となっている。診療報酬点数には医科・歯科・調剤の3種類がある[2]。急性期病院で用いる診断群分類点数 (DPC点数表)もある。健康保険法と高齢者の医療の確保に関する法律に基づく。
- 2006年4月からは保険医療機関が「医療費の内容の分かる領収証」を無償で交付することになっており、患者はこの領収証で診療報酬区分毎の点数等を知ることができる。
- 診療報酬は一種の公定価格。保険診療では診療報酬点数や療養担当規則などの保険診療の基準を守り、保険医療機関で保険医が診療を行う。支払基金や国保連合会が診療報酬明細(レセプト)について医療内容や点数算定について審査する。レセプト審査で査定(請求診療報酬の増減)が行われ、不備等があるときには返戻(医療機関に診療報酬明細が差し戻されること)となる。疾病の診断・治療等において患者負担を平等にする役割があり、医療費高騰を防止する役割もある。
- 医療関連サービスや医療資材は医療機関が市場から調達することができ、診療報酬と市場調達の価格差は差益として医療機関の経営に寄与する。
[編集] 日本における問題点
[編集] 報酬価額
日本では、中央社会保険医療協議会により診療報酬は決定される。改定は原則として2年に一度行われる。
- 日本の診療報酬額は国際標準額の10分の1[要出典]とされ、国民に平等に広く、安価に医療を提供している。
- 日本医師会は、診療報酬の増額を求めている。[3]
- 産経新聞は論説[4]で、開業医と勤務医の診療報酬配分を見直すことを提言し、中央社会保険医療協議会への日本医師会の大きな影響力を批判している。
- これに対して、日本医師会は産経新聞が「診療報酬=医師の収入」と誤解していると反論している[5]。
[編集] 薬価差益
- 医療機関等で処方される医薬品の価格は、診療報酬の薬価として定められている。
- 以前は、薬価が実際の医薬品の納入価格よりも高額であったために、医薬品をたくさん処方すればするだけ病院が利益を上げることができた。社会的な問題として「薬漬け医療」の元凶となっていた。
- 厚生労働省の方針により、度重なる大幅な薬価引き下げが行われた。
- また、医薬分業が導入されたことにより、薬価は病院経営と切り離された。
- 現在の薬の納入価は先発品といわれるもので対薬価基準で88%~90%前後、特許切れ後の後発品とよばれるものでも80%~85%前後である。消費税を含めるとそれぞれ 95%,85%である。
- 薬剤の管理費用や借入金利などを考慮すれば、むしろ「薬価差損」が生じているという声もある。
- 基本効果を同じくする新薬が毎年の如く発売されるために、実際の治療に使われる薬価自体の低価格化が進まないことの方がより問題とする声がある。[要出典]
[編集] 検査差益
- 医療機関等において患者から採取された検体の検査は、検査ごとに診療報酬が定められている。
- 医療費配分で効率化の余地がある領域の項の中で、医薬品、医療材料、検査等は「もの代」として市場実勢価格を反映して診療報酬が決められる。[6]。
- 多くの検査はその医療機関内で実施されるが、登録衛生検査所や医師会検査センターなどの検査受託機関に検査を外注することもしばしばである。
- 検査外注では、検査受託機関が検査料金を割り引くと保険医療機関のもうけが生じる。これが検査差益である。
- 検体検査において検査試薬価低下、試薬調整・自動化・少人化などにより検査原価低減の余地がある場合は、検査の診療報酬が実勢価格に基づいて決められることは適正と考えることができるが、競争の結果、検査の精度が維持できないまでに受託価格が低下するばあいは、院内・院外問わず、検体検査において有害事象が生じることが危惧される。人件費配分が大きい検査項目では効率的であることで検査が疲弊し医療の質の低下につながる恐れが否定できない。[要出典]
- 日本臨床検査医学会を含む臨床検査関連6団体協議会からは「医療制度改革における検体検査の取扱いに関する要望書」[7](平成13年12月20日)が出されており、この要望書の中に検査差益の記載がある。
- 薬価差益が小さくなるにつれ、その役割が検査差益に移ったのではないかとの指摘がある。一種のゴム風船効果(balloon effect)である。[要出典]
[編集] 注釈
- ^ 社会保険庁ホームページ「公的医療保険制度」
- ^ 「診療報酬の算定方法」別表第一~別表第三、平成二十年厚生労働省告示第五十九号、2008年
- ^ 日本医師会「診療報酬改定に対する日本医師会の考え方」2005年10月
- ^ 産経新聞日曜経済座「開業医と勤務医の診療報酬配分」2009年6月14日
- ^ 日本医師会定例記者会見「産経新聞『開業医と勤務医の診療報酬配分-納税者の視点で見直せ』に対して」
- ^ 厚生労働省「平成20年度診療報酬改定基本方針」(平成19年12月3日)の7ページ
- ^ 臨床検査関連6団体協議会「医療制度改革における検体検査の取扱いに関する要望書」(平成13年12月20日)
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
池上直己、J.C.キャンベル 『日本の医療 統制とバランス感覚』 中央公論社〈中公新書〉、1996年。
[編集] 外部リンク
- 診療報酬点数検索
- 診療報酬をごまかす権利(池田信夫ブログ - 本人の書き込みだけでなく、レスポンスのコメントを良くお読み下さい。)
最終更新 2009年10月8日 (木) 05:36 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【診療報酬】変更履歴

