認知言語学

認知言語学の最新ニュースをまとめて検索!

言語学
理論言語学
分野
音韻論
形態論
統語論
意味論
語用論
理論
生成文法
認知言語学
音声学
記号学
社会言語学
言語獲得
第二言語習得
心理言語学
神経言語学
計算言語学
研究の手法
対照言語学
コーパス言語学
歴史言語学
比較言語学
内的再構
語源学
応用言語学
文体論
談話分析
語学教授法
言語政策言語計画
通訳翻訳
自然言語処理機械翻訳
個別言語学
日本語学
英語学
ロマンス語学
フランス語学
言語学者の一覧

認知言語学 (にんちげんごがく) は、ゲシュタルト的な知覚、視点の投影・移動、カテゴリー化などの人間が持つ一般的な認知能力の反映として言語を捉えることにより、人間と言語の本質を探究する言語学の一分野。統語論を中心とする生成言語学生成文法)に対して認知言語学は意味論の研究が盛んに行われているため、認知意味論と言われることもある。近年、認知意味論の中でも、平面的な共時性を重視する認知言語学の特性に対し、通時的観点をも取り込んで空間的に語句の意味変化を明らかにしようとするメタ・プロセスの理論も現れている。

認知言語学はカリフォルニア大学レイコフらによって70年代に提唱された。生成言語学が無視したメタファーレトリックなどの言語現象を、認知心理学プロトタイプ理論によって読み解き、さらにその言語現象が生成文法のようなメカニズムに起因するのでなく、人間の身体性・感性など、理性・知性とは異なる部分に起因するとして体系的な記述を試みた。

現代言語学・哲学における意味論の伝統を独創的に発展させた認知言語学は、言語活動を行う主体の存在を捨象し、記号・演算主義に終始する狭隘な客観主義的言語モデルの限界を指摘し、人間の身体性・感性を重視した言語観に、現象学などの現代思想的特色が見られる。

今後、認知科学の諸部門との理論・実証にわたる協調の成果が期待されるとともに、外国語教育などへの応用も注目されるが、生成言語学側からは、「哲学と言語学の混同」「客観性がなく、主観的で曖昧な記述に終始している」という批判も強い。これは、生成言語学において、ある言語現象が文法的であるか非文法的であるかという予測可能性が重視されるのに対し、認知言語学では、ある言語現象の解釈がどのような意味的動機づけに基づくものであるかという点を重視している点で問題意識の違いがあることも関係している。

この「生成」対「認知」の両派の論争の背後には、言語をつかさどるシステムの異なった部分を究明しようという動機があり、必ずしも決定的な差異となっていない部分も見受けられる。

目次

[編集] 認知言語学の主要な概念

[編集] メタファー

従来メタファー(隠喩)は文章技巧の問題とされてきたが、ジョージ・レイコフ、マーク・ジョンソンによってメタファーは単なる文彩ではなく我々の基本的な認知能力のうちのひとつ(概念メタファー)であると捉えなおされた。またメタファーと同じくメトニミーやシネクドキーの定義や解釈、またそれらが表層にあらわれた言語現象の説明は認知意味論でもっとも盛んな研究テーマのひとつである。

また、ジル・フォコニエによるメンタルスペース理論は、出発点は異なるものの、心的領域間のマッピング(写像)を想定する点で共通している。

[編集] カテゴリー化

認知言語学におけるカテゴリー化の議論はエレノア・ロッシュらの研究に端を発するものであり、認知言語学を生み出すきっかけの一つとなった。全ての成員に共通する属性によってカテゴリーを規定しようとする古典的なカテゴリー観に代わり、プロトタイプ理論や基本レベルカテゴリーの概念が提唱されており、それらに基づく言語の記述が行われている。

また語の意味は、その語の使用が想起する典型的な状況や百科事典的知識(世界知識)と切り離すことができないとされる。チャールズ・フィルモアらのフレーム意味論や、ジョージ・レイコフ理想認知モデルなどと呼ばれる概念はこの考えに基づいた議論である。

[編集] 認知文法

認知文法ロナルド・ラネカーの提唱した理論であり、ゲシュタルト心理学において展開されてきた空間認知能力、カテゴリー化、イメージスキーマを抽出する能力、焦点化能力、参照点能力など、言語以外でも観察される人間の一般的認知能力の反映として、文法を包括的に説明することを目的とする理論。イメージスキーマなどは、Diagram(認知図式)と呼ばれる図を用いて説明がなされるため、曖昧で主観的という批判がある。また、言語の構造は、意味極・音韻極、そしてそれを統合した記号ユニットの存在しか認めない、という言語理論の中でもかなり厳しい内容要件を課している。言語構造は使用例からのスキーマの抽出という形で出現するという使用依拠モデル(用法基盤モデル)を掲げている。

レナード・タルミーによる力動性(フォース・ダイナミクス)の理論は、人間による状況の言語化は物理的な因果関係のモデルに基づいて行われるとするものであり、メタファー論や認知文法と密接な関連をもつ。

[編集] 構文文法

構文文法は文法を慣習化された構文の集合体として捉える立場であり、生成文法のような、文法を語彙項目とそれを合成する規則によって記述する立場と対照をなしている。構文はのような固定した表現から、いわゆるSVO構文のように単語が自由に入れ替わるものまで連続体をなしていると主張される。使用依拠モデルとも親しい関係にある。チャールズ・フィルモア、アデル・ゴールドバーグ、ウィリアム・クロフトらが主要な論客として知られている。

[編集] 著名な認知言語学者

最終更新 2009年10月8日 (木) 08:33 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【認知言語学】変更履歴

ご利用上の注意

もっと調べる!