説明

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説明(せつめい、explanation)とは、物事を分かるように教えることである。哲学においては「ある事象の根拠を法則から演繹により見出す事」をさす。

目次

[編集] 概要

そもそも説明とは広義には、分からせることをしめす言葉であり、記述および理解と対応する語である。一般には言語による説明の意味で用いられることが多いが、数学証明なども実はある種の説明の一種といえる。

一般的な意味での説明は、その内容が多岐にわたるが、いずれにせよ、その内容を他者にもわかるような形にすることである。そのためには

  • 表現内容を具体的にすること
  • 因果関係を明らかにすること
  • 客観的な表現をすること

が重要である。

たとえば、ある事件を目撃した場合、見た内容を「説明」するよう求められる場合がある。これを子供に求めると往々にして擬音と心証的な印象表現が多くなってしまう。その場合、気持ちは伝わるが説明としては極めて不完全になる。

また、ある程度責任のある地位の人間がある決断を下した場合、その判断の根拠を「説明」することを求められる場合がある。これに対して「何となく」と答えると大きな批判を受けるであろう。判断が直感的であっても、説明するにはその判断内容を具体的かつ客観的なものにしなければならない。かつて絶対君主は気分だけで判断を下したが、高級官僚がその理由を整えた例もある。いずれにせよ、このような場合、特にその結果が広く多くのものに影響を与える場合、判断を下したものはその説明をする責任があると考えられ、これを説明責任という。

[編集] 説明書

商品には、品質、扱い、使用に当たっての注意などを記したものが添付され、これを説明書という。特に電気機器など操作の複雑なものではそれに関する記述が多くを占めるので、取扱説明書ということが多い。略して取説(とりせつ)とも。

[編集] 歴史

アリストテレスは『分析論後書』において、ある事柄が「なぜ」成り立っているのかを、三段論法の形で与えることが、知識を持つことである、とした。これをもって、説明とは三段論法による論証であるという考えが表明されているのだ、ともされる[1]

19世紀には、科学における説明の位置づけについての考察を、幾人もの哲学者らが行った。例えば、J.S.ミルは、自然の中に存在するすべての規則性を演繹的に導き出せるような、少ない数の一般命題(因果法則)を発見することだ、と考え、一見、別の事象と思われる複数の事象をひとつの法則の下に統合することが説明の役割だ、と考えた。例えば、地上における物体の落下と惑星の運動をひとつの法則(万有引力)の下に統合することが説明なのだ、とした。

20世紀には、ヘンペルが、説明の基本的な形をやはり演繹的推論とし、「演繹的・法則的モデル」(D-Nモデル)と呼ばれる基本形を示し、ある4条件を満たす推論が説明だ、とした。[2] ただし、この考え方については、様々な難点の指摘がある。 ヘンペルはまた、個別的な出来事を統計的な法則を使って説明する「帰納的・統計的モデル」(I-Sモデル)も考えた。これについても様々な批判がある。

ヘンペルの理論は様々な問題点があったものの、"たたき台"となり、その問題点をいかに解決するか、というテーマが提供された形となり、その後多くの哲学者や科学哲学者が、説明についての理論を構築することになり、現在も研究は続いている。


[編集] 科学における説明

科学においては、説明はやや特殊な意味を含む。ここではこれを科学的説明と称し、別に説明することとする。 科学的説明は、「事象の説明」と「法則の説明」の二つに分類される、ともされ、事象の説明は、ある事象について、なぜそれが起こったのかを明らかにすること、法則についての説明は、ある法則についてなぜそうなるのかの説明で、いずれも法則に基づいて事象の成立過程を細かく記述することにより行われる、ともされる。

科学における説明とは、ある現象や事象の観察やある実験の結果に対して与えられるもので、それらを筋道立てて他人が納得できる形を与えるものである。具体的には、以下のような内容を含む。

  • それに関わる状況、要因を明確にすること。
  • そこに起きている物事を既知の要因に区分すること。
  • それらを組み合わせて、状況、要因から得られた結果が合理的に導き出せることを示すこと。

たとえば、水平方向へ一定の速度で飛び出した物体が落下する場合、速度を水平方向の成分と垂直方向の成分に分け、垂直方向には重力が働くが水平には力が働かないことから、それぞれの方向の速度成分の変化を算出することで、その運動を記述する。このような説明が正しければ、同一の条件で実験をくり返しても、同様な結果が得られる。これを科学的再現性という。

状況によっては以下の点も重要となる。

  • それに関わるすべてが既知であるとは限らないから、説明に必要な未知の要素を加えてもよい。

原則的には、科学的方法とは未知の事実であっても既知の知識の体系で理解しようとするものであり、未知の要素をみだりに想定すべきでないとする見方が普通である。しかし、どうしてもそれが必要と判断すれば、出来るだけ限られた範囲でそれを行うのもまた重要である。この未知の要素は、未知であるから何かはわからないが、少なくともその事物に関わって不自然なものであってはならず、できれば結果を導き出し得る性質を、ある程度の範囲で示すべきである。これは一種の予言となるから、その当否は探し求められねばならず、正しいことが発見された場合、この説明は受け入れられ、それだけでなくその分野を大きく推し進めることになる場合もある。

たとえばメンデルエンドウの交配実験を行い、その結果から遺伝法則を導き出したが、これはその結果を説明するものである。そのために彼は形質を伝える遺伝要素を仮定し、それは互いに混じらない、粒子的なものと考え、また親から子へと伝えられる場合に変化しないこと、親の体内では対をなし、配偶子にはそれが分離してはいると見た。これによって実験結果が説明できることを示したが、それが遺伝子として染色体の上に存在することは次の世紀に発見され、遺伝学はこれを契機に生物学の中心的位置に出てくる。

[編集] 生物学の場合

生物学では、説明に階層性がある。これは、生物が分子原子から構成される物質であり、その性質で規定される事象であると同時に、進化という過程でその働きに適応的な意味を与えられているからである。

たとえば「小鳥の多くが春に繁殖を始めるのはなぜか」の説明には、

  • その季節になると、ホルモンが働いて繁殖行動が誘発されるから。
  • 春は若葉が多く、昆虫も増えるので繁殖に適しているから。

という2つの答えが可能である。前者を至近要因、後者を究極要因という。なお、動物行動学者のニコ・ティンバーゲンはさらに詳しく分析してこれを四つに分けている。詳しくはティンバーゲンの4つのなぜを参照されたい。

[編集] 参考資料

[編集] 出典、脚注

  1. ^ 『岩波哲学・思想事典』【説明】
  2. ^ 関連書:ヘンペル著、長坂源一郎訳『科学的説明の諸問題』岩波書店、1973年

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

執筆の途中です この「説明」は、哲学に関連した書きかけ項目です。この記事を加筆・訂正して下さる協力者を求めています。(Portal:哲学

最終更新 2009年11月27日 (金) 07:42 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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