議員定数

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議員定数(ぎいんていすう)とは、欠員がなかった場合の議員数であり、議員の人数の上限値である。議員の数は、選挙後に退職や死亡などにより欠員が生じるため、必ずしも議員定数と一致するとは限らない。

選挙区の議員定数といった場合には、その選挙区から選出される議員数のことである。単に定数とも呼ばれる。

目次

[編集] 日本の各議員の定数

[編集] 国会議員

公職選挙法4条により、衆議院は480人(小選挙区300人・比例代表180人)、参議院は242人(選挙区146人・比例代表96人)と規定されている。

[編集] 都道府県議会議員

地方自治法90条により、人口に応じた上限が規定されている。定数については、条例で定めることとなっている。

人口 上限定数
75万人未満 40人
75~80万人未満 41人
80~85万人未満 42人
85~90万人未満 43人
90~95万人未満 44人
95~100万人未満 45人
107~114万人未満 47人
114~618万人未満 48人
+(人口114万に7万人を増す毎に1人)
618万人以上 120人
  • 東京都のみ、上記定数に加えて、特別区の存する区域の人口を100万人で除して得た数が加わる(上限130人)。

[編集] 市町村議会議員

地方自治法91条により、上限数が決められており、定数は条例により定める。平成の大合併に当たっては合併特例法6条の規定により、上限の2倍まで増やすことが認められている。

の場合
人口 上限定数
5万人未満 26人
5~10万人未満 30人
10~20万人未満 34人
20~30万人未満 38人
30~50万人未満 46人
50~90万人未満 56人
90~130万人未満 64人
130~170万人未満 72人
170~210万人未満 80人
210~250万人未満 88人
250万人以上 96人
町村の場合
人口 上限定数
2千人未満 12人
2~5千人未満 14人
5千~1万人未満 18人
1~2万人未満 22人
2万人以上 26人


[編集] 定数配分

総議員定数を各地域に割り振ることを定数配分という。小選挙区制の場合は定数1と決まっているので、選挙区をどこにいくつ設けるかという問題となる。旧中選挙区制などの大選挙区制では、選挙区をどう設けるかという問題と、それぞれの選挙区にどれだけの定数を配分するかという問題が交錯する。

各選挙区に同数ずつ配分する場合もある(アメリカ合衆国上院の各州配分)が、人口等に比例して配分する場合が多い。後者の場合でも政治的配慮等によって加減する場合がある。また、人口が変動しても配分が変更されない場合もしばしばある。

[編集] 比例式定数配分の方法

先に総定数を定めておく場合と、各区域に定数を定めた結果、総定数が定まる場合とがある。以下は先に総定数を定めておく場合である。

以下に挙げる方法の中には、比例代表制において各党の当選者数を配分する場合にも用いられるものがある。

最大剰余法
  • ある数Xで区域の人口を割り、まず商の整数部分をまず確定する。次に商の小数部分の大きい地域から順に1ずつ追加して総定数に達するまで続ける。Xは議員一人当たり人口、即ち総人口÷総定数の値が用いられる(ハミルトン式という)。アメリカで過去に用いられたことがある。
  • どの程度の人口規模の区域が得をするということはなく、比例的な配分である。但し数字の偶然によるためアラバマのパラドクスを生むという問題がある。
ドント式
  • ある数Xで各区域の人口を割り、商の小数点以下を切り捨てて、合計が総定数に等しくなるようなXを見つける。具体的には、各区域人口を順に1, 2, 3, 4,...で割り、得られた数の大きい順に配分して総定数に達するまで続ける。ジェファーソン式ともいう。アメリカで過去に用いられたことがある。
  • 人口規模の大きい区域が著しく得をする。
サン・ラグ式
  • ある数Xで各区域の人口を割り、商の小数点以下を四捨五入して、合計が総定数に等しくなるようなXを見つける。具体的には、各区域人口を順に0.5, 1.5, 2.5, 3.5,...で割り(1, 3, 5, 7,...で割っても同じ)、得られた数の大きい順に配分して総定数に達するまで続ける。サント・ラゲ式、ウェブスター式ともいう。アメリカで過去に用いられたことがある。
  • 僅かに人口規模の小さい区域が得をするがおおむね比例に近い。
アダムズ式
  • ある数Xで各区域の人口を割り、商の小数点以下を切り上げて、合計が総定数に等しくなるようなXを見つける。具体的には、各区域人口を順に1/∞, 1, 2, 3,...で割り、得られた数の大きい順に配分して総定数に達するまで続ける。全ての区域に必ず1以上の配分が行われる。最初に1を配分した後、残りをドント式で配分すると言っても同じ結果になる。
  • 人口規模の小さい区域が著しく得をする。反面、議員1人当たり人口の最大/最小格差は小さくなる。
ハンチントン式
  • 一方の区域から別の区域に1議席を移動しても1議席当たりの人口の相対差(比)が下がらないように、各区域の定数を定める。具体的には、幾何平均即ち、1/∞, 1.414, 2.449, 3.464,...\sqrt{n(n+1)}...,で割り、得られた数の大きい順に配分して総定数に達するまで続ける。ヒル式、均等比式ともいう。全ての区域に必ず1以上の配分が行われる。アメリカ合衆国下院の各州への配分に用いられている。
  • やや人口規模の小さい区域が得をする。規模の大きい方が得をすると言われることもある(西平重喜氏)が、最初に1を配分しなければならないことを見落としたものである。
ディーン式
  • ある数Xに議員1人当たり人口ができるだけ近くなるようなXを見つける。具体的には、調和平均即ち、1/∞, 1.333, 2.400, 3.429,... で割り、得られた数の大きい順に配分して総定数に達するまで続ける。全ての区域に必ず1以上の配分が行われる。
  • やや人口規模の小さい区域が得をする。

[編集] 日本の衆議院小選挙区

  • 各都道府県にまず1議席ずつ配分し、残りを最大剰余法で配分している。人口規模の小さい県が著しく得をするため、多くの批判がある(Template:衆議院小選挙区一覧も参照)。

[編集] 日本における議員定数問題

[編集] 選挙区の議員定数の配分・一票の格差

詳細は「一票の格差」を参照

国政選挙における選挙区の議員定数について、様々な議論がある。一般に各選挙区の議員定数は、選挙区の人口ないし有権者数に対して適正であるべきと考えられている。何を持って適正かは選挙方法などによって異なる。

小選挙区制の場合には、各選挙区での議員定数は1なので、全有権者数を総議員定数で割った1選挙区当たりの平均有権者数になるように、全ての選挙区を分割できれば最も適正と思われるが、地域的な繋がり等が背景にあるため、全ての選挙区で平均有権者数にすることはできない。

従って、有権者数の多い選挙区と有権者数の少ない選挙区ができることとなり、有権者数の多い選挙区では、1票の価値は軽くなり、有権者数の少ない選挙区では、1票の価値は重くなる。これが少なくとも一定の限界を超えた場合には、有権者相互の平等に反することになると考えられている。

[編集] 議員定数削減

国会議員の定数を財政の緊縮化・効率化を理由に議員の定数を削減すべきという議論がある。削減推進派は、1つの根拠としてアメリカ連邦議会の定数が日本の国会より少ないことを挙げているが、道州制から成るアメリカ連邦議会と単純な比較は難しい。アメリカ連邦議会が扱う法案は、州を超えて連邦が管轄する特定の分野のみであり、年間の法案成立数は10件程度と日本の10分の1にも満たないにも関わらず、10件の法案のために400人を超える議員を擁し、さらに一般の法案を扱う州議会に数千人の議員がいる。また、イギリスフランスドイツイタリアスペインポーランドなどヨーロッパの国々や、カナダオーストラリアトルコメキシコ韓国などでは、人口に対する議員の割合は日本より多いのが現状である。

地方議員の定数は、地方自治法により議員定数の上限数を定められているが、議員の定数が多いので削減すべきという議論がある。諸外国の地方議会制度と比較すると、人口あたりの議員定数はフランスの115人に1人、韓国の1万2千人に1人などまちまちであり、2千人に1人程度の日本と制度上の違いもあり単純比較はできない。しかしながら、財政難等の理由により削減を進めている自治体が多い。

[編集] 参考文献

  • 市村充章、「選挙制度の中の数(一〜三、二十一)」、『選挙時報』46-11〜49-3、1997〜2000
  • M. L. バリンスキー/H. P. ヤング、『公正な代表制──ワン・マン—ワン・ヴォートの実現を目指して──』、越山康監訳・一森哲男訳、千倉書房、1987年。
  • 西平重喜、『統計でみた選挙のしくみ』講談社ブルーバックス、1990年。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年9月22日 (火) 14:18 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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