豆屋
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豆屋(まめや)は古典落語の演目の一つ。原話は、安永3年(1774年)に出版された笑話本『茶のこもち』の一編である「不精」。
主な演者として、7代目春風亭柳枝や10代目桂文治などがいる。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。
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[編集] あらすじ
こんどは豆屋に挑戦することになった与太郎。叔父さんに道具を借り、売り文句まで教わって万全の準備で商いに出かけた。
「えー、豆。上等のそら豆でーござい!」
しばらく売り歩いていると、ある長屋で一軒の家に呼び込まれた。
「豆屋、一升いくらだ?」
中にいたのは鬼も逃げだすような怖い顔。与太郎震えたが、商売には代えられない。
「に…二十銭です」
とたんに男が目を剥いた。
「高い!」
かみさんに薪雑棒(まきざっぽう)を持ってこさせ、戸口に心張棒をかけて「まけろ!」。
「この貧乏長屋に、一升二十銭で豆ぇ売りに来るなんて太い野郎だ」
…この男のほうがよっぽど『太い』のだが、男の剣幕に完全にのまれた与太郎は、命ぜられるまま一升二銭で豆を売ってしまった。
「山盛りにしろよ…こぼれた奴もついでに置いてゆけ! 買ってやったんだ、礼ぐらい言えよ」
与太郎、這う這うの体で逃げ出した。
「ウー、豆! マメマメ!」
長屋を抜けようとすると、再び「豆屋ァ」の声がかかる。
「一升いくらだ?」
中にいたのはまた怖い奴。また二十銭なんていったら、今度は何をされるか分からない…。
「に…二銭です、二銭!」
とたんに男が「薪雑棒を持って来い、戸口に心張棒をかけろ!」。
値切って買ったとばれりゃあ江戸っ子の恥。逆に高く買ってやるという。
「一升、二十銭? よーし、一升五十銭で買ってやる」
与太郎、大喜び。早速豆をすくおうとすると…。
「大盛りにするなぃ、キチンと測れ! ぐっと減らせ。なに、すくいにくい? じゃあ逆さにして底をポンとたたけ」
枡の中は空っぽ。
「親方、豆がありません」
「いいんだ、俺のところでは豆なんか買わねぇから」
[編集] 概要
さんざん与太郎をいたぶっておいて、最後に見事に肩透かしを食らわせる男の言動が面白いこの噺。
「馬のす」と同様、『逃げ噺』の一種とされており、時間がないときなどによく利用されている。
[編集] 行商人の小噺
『街々の 時計になれや 小商人』
昔は、様々な行商人が色々な物を売っており、その売り声が名物の一つとなっていた。小噺にも、売り声に関する物が多数収録されている。
[編集] 売り声
小間物屋が「ふるい、フルイー」。
とたんに、近くを歩いていた魚屋が文句をつけてきた。
「この野郎! 俺はイワシを売っているんだぞ!? イワシは新鮮なのが売りだ、それをお前…後ろから『古い』なんて言いやがって。向こうで売れ!」
そのまま口論になってしまい、両者にらみあっていると、そこへくず屋がやってきた。
「じゃあ、私が仲裁してあげましょう」
魚屋を先頭。次が小間物屋で、最後がくず屋になって…?
魚「おー、イワシっ!」 小「ふるい、フルイー」 く「ふるかねー、フルカネー」
[編集] 八百屋
売り声をあげたいのだが、普通に怒鳴っては聞き取れないかもしれない。
そこで、大根から【ん】の字を取り去り、それをゴボウにつけてこんな売り声をあげていた。
「でぇーこ、ゴンボー」
[編集] 文治の十八番
この噺を得意としていたのは、先ごろ亡くなった十代目の桂文治。
二つ目時分の『伸治』の頃から得意としており、カン高い声の「まめやァー!」の声は笑いを誘った。

