和歌山電鐵貴志川線

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和歌山電鐵貴志川線
いちご電車(左)とおもちゃ電車(右) 日前宮駅にて
和歌山電鐵貴志川線の路線図
路線総延長 14.3 km
軌間 1067 mm
電圧 600 V 架空電車線方式 (直流)
最高速度 60 km/h
停車場・施設・接続路線
STR
JR西阪和線
exSTRrg THSTxo xABZ3rg
紀伊中ノ島駅 JR西:和歌山線
HSTq eABZ3rf KRZo ABZlg
紀和駅 JR西:紀勢本線
exKBHFa STR STR
中ノ島駅 -1924
exBHF ABZrg STRrf
畑屋敷駅 -1924
exBHF STR
大橋駅 -1924
exSTR uexKBHFr
BHF + HUB84
BHF + HUB84
BHF
KBHFa + HUB82
KBHFa + HUB82
KBHFa
0.0 和歌山駅
exSTR STR STR
南海和歌山軌道線(新町線)
xKRZ STRq STRrf STR
JR西:紀勢本線(きのくに線)
exSTR BHF
0.6 田中口駅
exSTRlf exSTRq exSTRq eABZlg
BHF
1.4 日前宮駅
BHF
2.9 神前駅
BHF
3.7 竈山駅
BHF
4.8 交通センター前駅
BHF
5.4 岡崎前駅
AKRZu
阪和自動車道
BHF
6.4 吉礼駅
BUE
熊野古道紀伊路
BHF
8.0 伊太祈曽駅 /車両基地併設
eBHF
東山東駅 -1945
BHF
9.1 山東駅
BHF
11.3 大池遊園駅
BHF
12.1 西山口駅
BHF
13.1 甘露寺前駅
KBHFl STRrf
14.3 貴志駅
WASSERq WASSERq
貴志川

貴志川線(きしがわせん)は、和歌山県和歌山市の和歌山駅から和歌山県紀の川市の貴志駅までを結ぶ和歌山電鐵鉄道路線である。通称は「わかやま電鉄貴志川線」。

和歌山市の東郊に延びる鉄道路線で、2006年4月1日に和歌山電鐵が南海電気鉄道から継承した(経緯は後述)。

目次

[編集] 路線データ

  • 路線距離(営業キロ):14.3km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:14駅(起終点駅含む。有人駅は和歌山駅・伊太祈曽駅)
  • 複線区間:なし(全線単線)
  • 電化区間:全線電化(直流600V
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 交換可能駅:3か所(日前宮駅、岡崎前駅、伊太祈曽駅)
  • 最高速度:60km/h

[編集] 運行形態

すべて普通列車で全線直通は終日毎時1 - 2本。これに朝ラッシュ時と12時台、および15時台以降に伊太祈曽駅折り返しの列車が加わり、和歌山駅 - 伊太祈曽駅間はこれらの時間帯では3 - 4本になる。全列車でワンマン運転を行っている。

南海電気鉄道から引き継いで使用されている2270系電車のリニューアルデザインが、和歌山電鐵の親会社である岡山電気軌道9200形電車 (MOMO) などをデザインした水戸岡鋭治によって行われており、2006年8月6日からは「いちご電車」、2007年7月29日からは「おもちゃ電車」、2009年3月21日からは「たま電車」が運行されている。

[編集] 利用状況

[編集] 輸送実績

[編集] 収入実績

[編集] 営業成績

[編集] 施設

[編集] 軌道

  • 軌間は1067mmである。
  • 使用軌条(レール)は、本線では50Nレール(81.7%)、50PSレール(18.3%)が使用されている。
  • 枕木は、木マクラギが99.6%、PCマクラギが0.4%である。

[編集] 分岐器・転轍器

  • 分岐器は、14基あり、8番・10番のものが用いられている。
  • 転轍器は、本線においては、基本的に発条転轍機(列車の車輪で分岐器を転換させバネの力で復位させる)が使用されている(全線で6基)。
  • 回路制御器については12分岐器に設けられている。
  • 乗越分岐器および安全側線が設置されている駅は無く、列車行き違い時の上下列車の駅構内同時進入は不可能である。このため行き違い可能な駅の手前で、どちらか一方の列車が徐行または停止する光景がよく見られる。

[編集] 橋梁

  • 30か所の橋梁がある

[編集] 車庫

  • 伊太祈曽駅構内にあり、検査線2、検修線1、洗浄線1を有する。

[編集] 変電所

  • 日前宮変電所、伊太祈曽変電所、甘露寺変電所の3箇所の変電所がある。
  • 2009年度から3年計画で、架線電圧を現状の600Vから1500Vに昇圧した上で、変電所を伊太祈曽変電所の1か所に統合する計画がある[1]。この際、伊太祈曽変電所にはバックアップ設備も整える。
  • 変電所遠隔制御監視装置が伊太祈曽に設けられている。これについては、和歌山電鐵に運営移管後新設されたものである。

[編集] 電路設備

  • 架線は、シンプルカテナリー方式 16,192m
  • 饋電線 30,029m、送配電線 51,361m
  • 電柱の木柱からコンクリート柱へ置き換えが進められている。2008年現在で、鉄柱19本、コンクリート柱493本、木柱256本となっている。

[編集] 信号・連動装置・CTC

[編集] ATS

  • 全線にATS装置を備え、照査数は74である。

[編集] 踏切

  • 52か所の踏切道があり、このうち第一種甲踏切(警報器・遮断機付き)が51か所(うち踏切障害検知装置付きが8か所)、第三種踏切(警報器付き)が1か所である。

[編集] 通信・保安装置

  • 列車無線(親局・伊太祈曽1、車載局6)
  • 指令電話(運転6、電力5)、沿線電話29
  • 自動電話交換機新設(伊太祈曽)(電話機28)
  • 防災設備(風速、落石、水位、雨量、地震)については下記のものが設置され、伊太祈曽駅運転指令室に設けられた総合防災盤で集中監視されている。
    • 雨量警報装置(伊太祈曽駅構内)
    • 地震警報装置(伊太祈曽駅構内)
    • 河川水位警報装置(吉礼駅 - 伊太祈曽駅間)
    • 冠水警報装置(竃山駅構内)
    • 落石警報装置(山東駅 - 大池遊園駅間)
    • 風速警報装置(伊太祈曽駅構内)

[編集] 歴史

和歌山市と野上町を結ぶべく計画されたが、同時期に計画された野上軽便鉄道計画に敗れ認可が下りず、計画を変更。沿線にある日前宮竈山神社伊太祁曽神社などへの参詣(いわゆる三社参り)のための鉄道として、1916年に山東軽便鉄道により開業した。開業当初は当時の和歌山市街地に近い大橋駅(現在の和歌山駅の南西)が起点であったが、翌年に国鉄和歌山駅(現在の紀和駅)近くの中ノ島駅まで延伸。後に紀勢本線の建設に伴い、東和歌山駅(現在の和歌山駅)に起点を変更している。その後、和歌山電気軌道を経て1961年に南海電気鉄道の貴志川線となった。

南海電気鉄道の鉄道線としては孤立した存在で、1971年に和歌山軌道線が廃止されると、他の南海の路線とは離れた路線となり、1973年に他の南海の路線では架線電圧が1500Vに昇圧されたが、貴志川線は600Vのままだった。

1990年代になってCTC化や車両の置き換え、一部駅の無人化、ワンマン運転の実施などの近代化、合理化が行われた。しかし、1999年に南海電気鉄道も参加したスルッとKANSAI対応カードは当時も貴志川線では使えなかった。

沿線は宅地開発が進んだが、自家用車利用が多く利用者は伸び悩んでいた。2003年11月に南海電気鉄道が貴志川線の廃止を検討していることを表明したことにより存続問題が浮上した。2004年8月には、南海電気鉄道が2005年9月末を以って同線から撤退することを発表し、2004年9月に国土交通省近畿運輸局に鉄道事業廃止届出書を提出した。これに対し2005年2月和歌山県和歌山市貴志川町(当時)は貴志川線存続で合意、事業の引き継ぎ先を公募した。同時に、県・市町は貴志川線を下記の内容で支援することを公表した。なお、この支援形態は貴志川線の運営移管の3年前に近畿日本鉄道より運営移管した三岐鉄道北勢線の事例に酷似しているが、支援総額は貴志川線のほうが北勢線より少ない。

  • 貴志川線の鉄道用地は、南海電気鉄道から和歌山市と貴志川町(当時)が約2億円で取得し、これを和歌山県が全額補助する。
  • 今後想定される貴志川線の施設整備(変電所の大規模改修等)に対して、和歌山県は2.4億円を上限にその経費を負担する。
  • 南海電気鉄道から運営移管後10年間の運営費補助(欠損補助)は、和歌山市65%・貴志川町(当時)35%の割合で8.2億円を上限に実施する。

2005年4月には、9つの企業・個人の中から両備グループの岡山電気軌道が選ばれた。そして2005年(平成17年)4月28日、岡山電気軌道が事業を引き継ぐことを発表した。

岡山電気軌道が和歌山市に設立する新会社のもとでの運行開始予定を2006年(平成18年)4月1日とし、事業許可譲渡のため、和歌山市などが南海電気鉄道に撤退期限の延長を求めていたが、南海電気鉄道がこれに応じたため、2005年(平成17年)6月に運営会社として和歌山電鐵が設立され(岡山電気軌道株式会社100%出資)、2006年(平成18年)1月に国土交通大臣に鉄道事業譲渡譲受認可申請書が提出され、2006年(平成18年)4月1日から同社のもとで運行されることになった。

[編集] 年表

  • 1916年(大正5年)2月15日 山東軽便鉄道により大橋駅 - 山東駅(現在の伊太祈曽駅)間が開業。
  • 1917年(大正6年)3月16日 中ノ島駅 - 大橋駅間開業。中ノ島駅は国鉄和歌山駅(現在の紀和駅)近く。
  • 1924年(大正13年)2月28日 紀勢西線(現在の紀勢本線)東和歌山駅(現在の和歌山駅)開業に伴い、中ノ島駅 - 秋月駅(現在の日前宮駅)間を廃止し、東和歌山駅に起点変更。
  • 1924年(大正13年)6月15日 田中口駅開業。
  • 1931年(昭和6年)4月23日 和歌山鉄道に社名変更。
  • 1933年(昭和8年) 秋月駅を日前宮駅に改称。
  • 1933年(昭和8年)8月18日 伊太祁曽駅 - 貴志駅間が開業。山東駅を伊太祁曽駅に改称。
  • 1941年(昭和16年)12月 東和歌山駅 - 伊太祁曽駅間電化。
  • 1942年(昭和17年)12月 伊太祁曽駅 - 大池駅間電化。
  • 1943年(昭和18年)12月 大池駅 - 貴志駅間電化。全線の電化が完成。
  • 1945年(昭和20年) 伊太祁曽駅 - 山東永山駅間の東山東駅を廃止。山東永山駅を山東駅に改称。
  • 1957年(昭和32年)11月1日 和歌山電気軌道が和歌山鉄道を合併、同社の鉄道線となる。
  • 1961年(昭和36年)11月1日 南海電気鉄道が和歌山電気軌道を合併。鉄道線は貴志川線となる。
  • 1968年(昭和43年)3月1日 東和歌山駅を和歌山駅に改称。
  • 1993年(平成5年)4月1日 CTC化。
  • 1995年(平成7年)2月6日 2270系電車運転開始。
  • 1995年(平成7年)4月1日 ワンマン運転開始。
  • 1999年(平成11年)5月7日 交通センター前駅開業。
  • 2003年(平成15年)11月 南海電気鉄道が貴志川線の廃止を検討していることを表明したことにより存続問題が浮上する。
  • 2004年(平成16年)8月10日 南海電気鉄道が2005年9月末を以って同線から撤退することを発表。
  • 2004年(平成16年)9月30日 南海電気鉄道が国土交通省近畿運輸局に鉄道事業廃止届出書を提出。
  • 2005年(平成17年)2月4日 和歌山県、和歌山市と旧貴志川町が貴志川線存続で合意、事業の引き継ぎ先を公募。
  • 2005年(平成17年)4月28日 岡山電気軌道が事業引き継ぎを発表。
  • 2005年(平成17年)6月27日 貴志川線の運営会社として和歌山電鐵が設立される。
  • 2006年(平成18年)1月20日 国土交通大臣に鉄道事業譲渡譲受認可申請書が提出される。
  • 2006年(平成18年)4月1日 和歌山電鐵による貴志川線運行開始。伊太祁曽駅を伊太祈曽駅に改称。
  • 2006年(平成18年)8月6日 水戸岡鋭治がデザインした「いちご電車」の運行を開始。
  • 2006年(平成18年)10月16日 第5回日本鉄道賞表彰選考委員会特別賞を受賞(受賞盾は「いちご電車」車内にあり)。
  • 2006年(平成18年)10月21日 ダイヤ改正を実施(平日10本・土日祝12本の増便)。和歌山駅 - 伊太祈曽駅間:平日53往復・土休日43往復、伊太祈曽駅 - 貴志駅間:平日34往復・土休日34往復となる。
  • 2007年(平成19年)1月1日 「貴志川線1日乗車券」発売開始。
  • 2007年(平成19年)1月5日 三毛猫の「たま」が貴志駅の駅長に就任。同時に、同居する猫「ミーコ」(たまの母親)と「ちび」が同駅助役に就任。
  • 2007年(平成19年)7月29日 「おもちゃ電車」運行開始。
  • 2007年(平成19年)11月23日 一部列車を減便する(ダイヤ上は運休扱い)。和歌山駅 - 伊太祈曽駅間:平日49往復・土休日42往復、伊太祈曽駅 - 貴志駅間:平日33往復・土休日34往復となる。
  • 2008年(平成20年)4月6日 一部列車を増便する(前回ダイヤ改正で運休扱いとしたものの一部復活)。和歌山駅 - 伊太祈曽駅間:平日49往復・土休日43往復、伊太祈曽駅 - 貴志駅間:平日34往復・土休日34往復となる。
  • 2009年(平成21年)3月21日 「たま電車」運行開始。


[編集] 駅一覧

全駅和歌山県に所在。

駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 所在地
和歌山駅 - 0.0 西日本旅客鉄道:阪和線紀勢本線(きのくに線)和歌山線 和歌山市
田中口駅 0.6 0.6  
日前宮駅 0.8 1.4  
神前駅 1.5 2.9  
竈山駅 0.8 3.7  
交通センター前駅 1.1 4.8  
岡崎前駅 0.6 5.4  
吉礼駅 1.0 6.4  
伊太祈曽駅 1.6 8.0  
山東駅 1.1 9.1  
大池遊園駅 2.2 11.3   紀の川市
西山口駅 0.8 12.1  
甘露寺前駅 1.0 13.1  
貴志駅 1.2 14.3  

[編集] 過去の接続路線

[編集] 廃止区間

中ノ島駅 - 畑屋敷駅 - 大橋駅 - 秋月駅(現・日前宮駅

[編集] その他

  • 南海からの継承後、車内チャイムが導入された。各曲をアレンジした短いもので、以下の3駅の到着直前・発車直後の案内前に鳴らされる。
駅名 曲名 由来
和歌山駅 紀州ぶんだら節 和歌山市に因む
伊太祈曽駅 鞠と殿様 和歌山市に因む
貴志駅 ストロベリー・フィールズ・フォーエバー 駅周辺の名産物、イチゴに因む

[編集] 脚注

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  1. ^ 和歌山電鉄:貴志川線、電圧上げ1500ボルトに JR・南海と統一」毎日新聞 和歌山版、2009年3月11日
  2. ^貴志川線と南海加太線を1本化構想」わかやま新報、2009年3月5日

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月28日 (土) 18:14 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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