赤毛のアン

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赤毛のアン』(: Anne of Green Gables グリーンゲイブルズのアン)は、カナダの作家L・M・モンゴメリ1908年に発表した長編小説。とくに児童を対象に書かれた作品ではないが、この数十年は児童文学とみなされている。グリーンゲーブルズはアンが住むことになるカスバート家の屋号

目次

[編集] 概説

文学
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モンゴメリは新聞記事で読んだ男の子と間違えて女の子を引き取った夫婦の話に着想を得てこの作品を書いた。彼女はプリンス・エドワード島の田舎で育った自身の少女時代も作品に投影した。孤児院暮らしだったアン・シャーリーが、11歳でアヴォンリーのカスバート家に引き取られてからクィーン学院を卒業するまでの少女時代 5年間を描いた『赤毛のアン』は人気作となり、モンゴメリーはアンを主人公とする続編や周辺人物にまつわる作品を多数著している。モンゴメリーはイヴリン・ネスビットの写真を雑誌から切り取り、書き物机の上に貼り、主人公アン・シャーリーのモデルにした。

第1作『赤毛のアン』ほか、シリーズ全作には、ウィリアム・シェイクスピアやイギリス、アメリカの詩、『聖書』の句が多数引用され、原典を知っている人なら、感嘆させられる。『赤毛のアン』を読んだマーク・トウェインはモンゴメリに、1908年10月3日付けで「the dearest and most moving and most delightful child since the immortal Alice」(直訳すると「かの不滅のアリス以来最も可愛らしく、最も感動的で最も利発な子」)と絶賛の手紙を送った。これはその後のアンの宣伝コピーとして使われることになった。

[編集] よくある誤解

『赤毛のアン』の印税は500ドル

村岡花子訳の『アンの愛情』のあとがき等に書かれているが、出版社が500ドルを提示した事と、映画からは印税が得られなかったという情報は事実であるが、モンゴメリは500ドルの条件では受諾していなかった。モンゴメリはマクミランへこのような手紙を書いている。

ペイジ社が『赤毛のアン』の出版に応じたとき、印税にした方がいいか、それともある一定の額のお金を即金で受け取る方がいいか、と尋ねてきました。今でこそわかりますが、ペイジ社側はわたしが《ある一定の額》の方に飛びつくだろうと思ったのです。その場合には『赤毛のアン』の原稿料として五百ドル手に入っていたでしょう。でもうぶだったとはいえ、そんな話に乗るほどうぶではありませんでしたので、《印税》の方がよいと言ったのです。[1]

[編集] 日本語訳一覧

アンの家のモデルになったモンゴメリーのいとこの家(プリンスエドワード島
アンの家のモデルになったモンゴメリーのいとこの家の中(プリンスエドワード島
  • (1952年) 村岡花子訳 - 日本にアンを普及させた名訳として知られているが、完訳ではなく所々に省略箇所がある。三笠書房新潮文庫(1954年)。外部リンクを参照。
  • (1957年) 中村佐喜子 訳 - 角川文庫
  • (1969年) 岸田衿子 訳 - 学習研究社
  • (1973年) 神山妙子 訳 - アニメ作品の底本となった訳。これも名訳。旺文社文庫、新学社文庫。旺文社文庫版は絶版入手困難。新学社文庫版は中学生用図書教材であり、一般書店では流通しておらず、最寄りの新学社教材取扱店が注文を受けてくれれば個人でも現在入手可。
  • (1975年) 猪熊葉子 訳 - 講談社文庫(旧版)。
  • (1987年) 茅野美ど里 訳 - 偕成社
  • (1989年) 石川澄子 訳 - 東京図書。
  • (1989年) きったかゆみえ 訳 - 全訳に近い抄訳。金の星社。
  • (1990年) 谷詰則子 訳 - 篠崎書林。
  • (1992年) 曾野綾子 訳 - 抄訳。河出書房新社河出文庫、新学社世界文学の玉手箱シリーズ。
  • (1993年) 松本侑子 訳 - 訳者の研究による注釈が豊富な訳本。文学引用を解説している。集英社。
  • (1999年) 掛川恭子 訳 - 完訳シリーズ。ただしトビラでのブラウニングの詩の引用がない。講談社(2005年4月から文庫化)。
  • (1999年) 山本史郎 訳 - 『完全版・赤毛のアン』(: The Annotated Anne of Green Gables 注釈つき『赤毛のアン』)の翻訳。訳が独特。原書房。
  • (2008年) 村岡花子 訳- 1954年に出版された村岡花子訳の改訂・補訳版。新潮文庫ISBN 978-4-10-211341-7

[編集] アン・シリーズ一覧

各タイトルは村岡花子訳に準拠する。一般に、『赤毛のアン』から『アンの娘リラ』までの八冊の本をアン・ブックスと呼ぶ。アン・ブックスをより狭い範囲に呼ぶ場合もあるが、八冊の本は、アンを主人公とするか準主人公とする「アンの物語」である。これに対し、追加の二冊は短編集で、アヴォンリーの村を舞台とし、「アンの物語」と同じ背景設定であるが、大部分の作品はアンとは直接に関係していない。総じて、題名が示す通り、「アンの周囲の人々の物語」である。

アンの作者ルーシー・M・モンゴメリーのお墓(プリンスエドワード島
書名 原題 出版年 アンの年齢
赤毛のアン Anne of Green Gables 1908 11~16
アンの青春 Anne of Avonlea 1909 16~18
アンの愛情 Anne of the Island 1915 18~22
アンの幸福 Anne of Windy Willows 1936 22~25
アンの夢の家 Anne's House of Dreams 1917 25~27
炉辺荘のアン Anne of Ingleside 1939 34~40
虹の谷のアン Rainbow Valley 1919 41
アンの娘リラ Rilla of Ingleside 1920 49~53
以下はアンとの関連が薄い短編集
アンの友達 Chronicles of Avonlea 1912
アンをめぐる人々 Further Chronicles of Avonlea 1920

[編集] 派生作品

[編集] 小説作品

「赤毛のアン」100周年を記念してモンゴメリ財団から依頼された児童文学作家バッジ・ウィルソンが執筆した作品。
アン・シャーリーが両親を失い、マシュウとマリラの兄妹に引き取られるまでの11年間を物語る。この原作を元にしたアニメ作品が『こんにちは アン 〜Before Green Gables』として日本でテレビアニメ化されている。

[編集] 映画作品

  • (1919年)『天涯の孤児』Anne of Green Gables:ウィリアム・デズモンド・テイラー監督、フランシス・マリオン脚色、メアリー・マイルズ・ミンター主演のサイレント映画。現在では全てのプリントが失われている。
  • (1934年)『紅雀』Anne of Green GablesRKO製作、ジョージ・ニコラス・ジュニア監督、ドーン・オデイ主演のモノクロ映画。オデイはこの映画以後、芸名を「アン・シャーリー」とした。
  • (1940年)『そよ風の町』Anne of Windy Poplars:RKO製作、ジャック・ハイヴリー監督、アン・シャーリー主演。
  • CBCが製作したミーガン・フォローズの主演のテレビ映画、『赤毛のアン』は、初めてプリンス・エドワード島でロケを行ったことで話題となった。更に、『アンの青春』とその続編の計3作のダイジェスト版が劇場公開されている。第3作目は小説版での第3作『アンの愛情』とはかけ離れたオリジナル・ストーリーである。 製作、監督、脚本はケビン・サリバン。
    • (1985年)『赤毛のアン』
    • (1988年)『赤毛のアン アンの青春』
    • (2000年)『赤毛のアン アンの結婚』 ステファン・スケイニ監督。

[編集] テレビ映画

  • (1956年)Anne of Green Gables:CBC製作のテレビ映画。ドン・ハロン監督、Toby Tarnow主演。
  • (1972年)Anne of Green Gables:英国で製作された、全5回のミニシリーズ。ジョーン・クラフト監督、キム・ブレーデン主演。
  • (1985年)Anne of Green Gables:CBC製作の、全3時間強のミニシリーズ。ケビン・サリバン監督、ミーガン・フォローズ主演。
    • 日本では1986年に『赤毛のアン』としてダイジェスト版が劇場公開された。
  • (1987年)Anne of Avonlea:1985年にCBCで製作された、Anne of Green Gables の続編。4時間弱ある。アメリカではビデオ化の際、Anne of Green Gables: The Sequel と改題された。アンの青春のみならず、アンの愛情アンの幸福の題材も含まれている。 ケビン・サリバン監督、ミーガン・フォローズ主演。
    • 日本では1988年に『赤毛のアン アンの青春』としてダイジェスト版が劇場公開された。
  • (2000年)Anne of Green Gables: The Continuing Story 1987年にCBCで製作された、Anne of Avonlea:の続編。3時間強あり、ケビン・サリバンによる脚本は、オリジナル色が強い。ステファン・スケイニ監督、ミーガン・フォローズ主演。
    • 日本では2000年に『赤毛のアン アンの結婚」としてダイジェスト版が劇場公開された。

[編集] 舞台作品

1964年カナダで、ノーマン・キャンベル(Norman Campbell)等によって制作、初演。1969年イギリス1970年日本1971年アメリカで、それぞれ上演された。代表的なミュージカルナンバーは、アイスクリーム。日本では劇団四季が断続的に上演、他にもエステー主催で毎年8月に全国で上演しており、アン役はこれまでにタレントの山川恵里佳、歌手の華原朋美島谷ひとみが務めている。また、「国連クラシックライブ協会」が主催の、「生命のコンサート音楽劇」としても、上演されている。近頃では、海外公演もおこなわれている。

[編集] アニメ作品

世界名作劇場でのアニメ化作品については『赤毛のアン (アニメ)』と『こんにちは アン 〜Before Green Gables』を参照。

[編集] 脚注

  1. ^ 『モンゴメリ書簡集〈1〉G.B.マクミランへの手紙』 宮武潤三、宮武順子訳 篠崎書林 1992年 ISBN 9784784104963 P. 172

[編集] 関連書

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年10月31日 (土) 16:55 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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