近代陸軍の編制

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現代まで続く近代陸軍の編制(きんだいりくぐんのへんせい)は、根幹となる部隊の名称の上では、18世紀ナポレオンが率いたフランス軍のものからあまり変わっていない。しかしその中身は複雑化と柔軟化に向けて20世紀に大きく様変わりした。

目次

[編集] 概要

[編集] 兵科

()内は別名

など

[編集] 部隊の単位

近代陸軍の部隊の単位は、以下の通りである。小隊は複数の分隊で構成され、中隊は複数の小隊で構成され……と階層構造をなす。詳細はそれぞれの単位ごとの項目を参照のこと。

シンボル 名称 人数 従属部隊 指揮官
XXXXXX 総軍 多数 複数の師団以上の部隊 元帥から大将
XXXXX 軍集団 多数 2以上の軍 元帥から大将
XXXX 50,000から60,000ないしはそれ以上 2以上の軍団又は師団 元帥から中将
XXX 軍団 30,000以上 2以上の師団 大将又は中将
XX 師団 10,000から20,000 2から4の旅団又は連隊 中将又は少将
X 旅団 2,000から5,000 2以上の連隊又は大隊 少将又は准将又は大佐
III 連隊 500から5,000 1以上の大隊又は複数の中隊 大佐
II 大隊 300から1,000 2から6の中隊 中佐又は少佐
I 中隊 60から250 2以上の小隊 少佐から中尉
••• 小隊 30から60 2以上の分隊 中尉から軍曹
••又は• 分隊(または班) 8から12 なし。複数の組に分けられる場合もある。 軍曹から兵長
Ø (または組) 4から6 なし 伍長から一等兵

小隊または中隊より上の単位は、「司令部」または「本部」と呼ばれる指揮専門の小単位を編制内に有することが多い。また、歩兵部隊の場合は、歩兵連隊の「歩兵砲中隊」のような火力支援担当の小単位を有することが多い。

陸軍の戦略単位は、旅団と師団である(イギリスイスラエルなど旅団を戦略単位として運用している)。旅団・師団には60日分の補給と戦闘支援のために必要な人員装備が備わっており、単体で完結している。旅団より下の単位は一つの主力兵科で編制されている事が多く、上級の部隊に配属されてその一部となって補給を賄うか、必要な人員装備を補ってもらうか(増強連隊(イギリス)や混成旅団・戦闘団(アメリカ)など)しないと、能力を継続的に発揮できない。師団の人数はかつては約2万人を超えるもの(増強師団)もあったが、20世紀には旅団、連隊、大隊のうちのどれかを省く編制が広まり、約1万5千人前後である(アメリカ軍では前方展開部隊数は減ったが、代わりにロジスティクス部門が増強された)。ただし、人数には国や兵科による違いも大きい。また、師団のかわりに数千人規模の旅団(独立混成旅団)を戦略単位とする場合もある(旅団省略型:アメリカ海兵隊ロシア陸軍ロシア空挺軍など。連隊省略型:アメリカ陸軍ドイツ連邦陸軍など。大隊省略型:フランス陸軍日本陸上自衛隊など)。

師団より上の単位は平時には存在しない場合があり、作戦の必要に応じて自在に部隊を編成する。このレベルでは各国ごとの呼び方の違いも大きい。第二次世界大戦当時には、旧日本陸軍には軍団がなく、軍の上に方面軍 (area army)、総軍 (general army)、ソ連に戦線 (front)(東部戦線などの用語との混同を防ぐため『方面軍』とも訳される)、アメリカに軍集団 (army group)、またドイツに軍集団・総軍などがあった。

また、伝統的なこれらの単位以外にも、より柔軟な部隊編制として、集団やおよびなどがある。

[編集] 戦時の編制単位

戦時において隷属系統や兵科の異なる部隊を組みあわせ、独立した作戦行動が出来るような一つの単位を編成することがある。具体的な名称は国などによって異なるが、例としては兵団(複数の師団、旅団を合わせたもの)、戦闘団(連隊などを核に支援部隊を付加したもの)、増強○○あるいは戦闘群(戦闘団の小規模なもの。○○は核となる部隊の単位)、支隊(大きさや構成を問わず、一時的に編成された独立部隊)などがある。

なお、「戦時編制」という語があるが、これは「平時編制」と対になる言葉で、有事の際に常設の師団等の規模を大型化した状態のことを言う。師団隷下の小単位の構成人員を増やし、あるいは小単位を増設して戦時編制に移行する。戦時の編制単位のことではない。

[編集] 特異なもの

現代の軍事組織においては上記のような区分のみならず英語表記でForceCommandなどと表される単位が存在する。これらはそれぞれの軍事組織において軍団集団とされたり司令部あるいは単純にコマンドとされるなど、それぞれその組織の任務や階位、指揮官の職位・階級あるいは所属する軍事組織の事情などで区別される。これらは日本語での(逆にその他の言語の場合でも)翻訳例は様々である。

[編集] 各国陸軍の編制

[編集] 大日本帝国陸軍の編制

師団#大日本帝国陸軍」および「旅団#大日本帝国陸軍の旅団」も参照

日本陸軍では主な編制単位に「総軍」、「方面軍」、「軍」、「師団」、「旅団」、「連隊」、「大隊」、「中隊」、「小隊」、「分隊」があった。うち平時にも設置されているものは師団から中隊で、軍以上は軍令などにより設置される。小隊・分隊は戦時等、動員の際に中隊を分ち設置される。旅団以上に司令部が設けられ、連隊以下中隊までは本部が置かれる。前述の他「集団」は師団に準ずる規模のものと師団を統括する規模の物と二種類あった。前者は騎兵集団や飛行集団などがあり、飛行集団は後に飛行師団へと改編された。後者は複数の師団や独立混成旅団を統括するもので、「パラオ地区集団」、「北部マリアナ地区集団」、「南部マリアナ地区集団」などがあった。同様の規模の部隊として「兵団」があり、「支那駐屯兵団」、「東京湾兵団」、「小笠原兵団」などが例である。ただし、兵団文字符といった用法のように、師団や旅団などことを総称して「兵団」と呼ぶこともあり、この場合は正式な編制単位としての用法ではない。

師団は主に師団司令部と2個歩兵旅団(各2個歩兵連隊)、砲兵騎兵工兵輜重兵連隊、師団通信隊・衛生隊・野戦病院・兵器勤務隊で構成された。歩兵旅団にはそれぞれ2個歩兵連隊が属していた。これを4単位編制或いは4単位師団といい、日中戦争が始まった頃まではこの編制が基本となっていた。日中戦争から太平洋戦争が始まる頃には、それまで各師団に4個歩兵連隊ずつあったものを1個連隊ずつ抽出しそれをもって新たな師団を編成した。師団には歩兵連隊が3個ずつ配置されており、それまで歩兵連隊の上位であった歩兵旅団は廃され、歩兵団が編成された。これを3単位編制或いは3単位師団という。これは作戦地域が広範囲になり、戦略単位である師団の数を増やして対応した為である。歩兵戦力は減少したが、代わりに砲兵・戦車等の部隊を増員した為、諸外国の師団に於いては総合的な戦力は向上したとされる。また、日本では師団長は長く中将の職で、更に特に親補職としていたが、終戦間際に新設された機動打撃師団などの師団長は親補職では無く少将も任命された。その他、一部の教導師団や航空師団等でも少将が師団長を務めた。

日中戦争中の戦線拡大に応じて、治安維持には師団より小規模な独立混成旅団が多く編成される。独立混成旅団は、1個旅団規模の歩兵部隊に砲兵・戦車・工兵等の特科部隊をあわせて独立した作戦を行えるようにしたもの。多くの独立混成旅団に歩兵連隊は無く、4個乃至5個独立歩兵大隊と旅団砲兵隊・旅団工兵隊・旅団通信隊等で構成され約5000人規模になる。独立混成旅団は凡そ100個編制されたが、この内幾つかは師団に改編される。

これとは別に、「独立」が付かない「混成旅団」という編制もあり、一般には、師団全部を動員する代わりに、師団内の歩兵旅団に砲兵などを臨時に分属させて動員したものである。ただし、第二次世界大戦中の師団の一部には、師団内旅団として歩兵旅団の代わりに最初から混成旅団を持つ例がある。

満州国内に駐留する部隊には国境守備隊や独立守備隊など、歩兵連隊と同等規模の部隊を配置した。

このほか、軍隊区分と呼ばれる作戦上の都合による臨時の組織変えを行うことがあった。支隊の多くはこの軍隊区分の方式で編成されたほか、各師団の患者収容隊や防疫給水部なども軍隊区分で設置されることがある。

[編集] 通称号・兵団符号

詳細は「通称号」を参照

戦時において部隊の正式名称は防諜の為、新聞など一般に戦果を発表する場合は指揮官と部隊の種別を合わせて発表された。独立混成旅団及び師団以上は「兵団」、一般旅団と連隊、大隊は「部隊」、中隊・小隊・分隊は「隊」とし、「山田兵団」・「中川部隊」のように使用した。

この使用法は1940年昭和15年)に改定され「兵団文字符」が制定された。これは各兵団に一文字または二文字の漢字からなる兵団文字符(兵団符号、通称号、防諜名とも言う)を割り当てた。当該兵団本体を呼ぶには「兵団文字符+兵団」の形で呼ばれ、第2師団では「勇兵団」だった。その隷下の部隊には3桁~5桁の番号が割り振られ、勇第1339部隊(第2師団司令部)、勇第1301部隊(歩兵第4連隊)、勇第1302部隊(歩兵第16連隊)のように呼称した。師団の場合番号が割り振られるのは歩兵旅団又は歩兵団及び歩兵連隊並びに砲兵・工兵連隊、師団司令部、師団通信隊、野戦病院、衛生隊など。所属している兵団が変わると、勿論兵団文字符が変わるが通常、番号は変わらない。しかし、全部隊を通しての通番ではなかったので変わる事もあった。

満州の場合、731部隊関東軍防疫給水部の事で関東軍は「徳兵団」だったが、「徳第731部隊」とは言わず「満州第731部隊」とするのが正しい。これはそれまであった常設部隊は「徳」を使い、その他の特設部隊には「満州」を使用すると定められた為であった。

[編集] 関連項目

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最終更新 2009年11月23日 (月) 05:19 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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