近鉄21020系電車

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21020系電車(21020けいでんしゃ)は、近畿日本鉄道特急形車両。2009年現在、名阪特急の看板車種である。

近鉄21020系電車
近鉄21020系(2007年7月8日、東青山駅にて撮影)
近鉄21020系
(2007年7月8日、東青山駅にて撮影)
編成 6両
起動加速度 2.5km/h/s
営業最高速度 130km/h
編成定員 302名
全長 20500(21000)mm
全幅 2800mm
全高 4135mm
編成質量 244t
軌間 1435mm
電気方式 直流1500V
編成出力 230kW×12=2760kW
制御装置 2レベルPMW制御IGBTVVVFインバータ方式 MAP-234-15VD102A 3300V/1200A/1C2M
駆動装置 WNドライブ
ブレーキ方式 電気指令式ブレーキ(KEBS-21A)
備考
第46回(2003年
ブルーリボン賞受賞車両

目次

[編集] 車両諸元

21000系が登場して15年近くが経過し、設備の老朽化が進んだことから更新工事が必要になったが、そのための予備車確保、そして12200系の一部車両の置き換えなどの目的として、2002年に製造された。

21000系の後継となるため、系列は21020系、名称は「アーバンライナーnext」となった。

デザインは21000系と同様の流線型だが、前面は1枚窓になり、窓の上下は黒く塗っている。窓内にはHID前照灯が4灯埋め込まれている。LED式の尾灯と標識灯は黒く塗られた部分の下部に埋め込まれている。塗装は前面が黒の他は白をベースに裾部がベージュ、その上にオレンジのラインが通っている。車体は鋼製だが、側面の厚さを減らして室内空間の拡大に充てた。側窓を大型化した他、乗降扉はプラグ式となっており、扉が開いた際にはステップが出るようになっている。連結側に板状の転落防止幌を装備する。

編成は、難波方からク21120形(Tc) - モ21220形(M) - モ21320形(M) - サ21420形(T) - モ21520形(M) - ク21620形(Tsc)の6両である。このうちク21620形はデラックスカーだが、21000系と異なり、1両のみの設定となった。これはデラックスカーの利用状況やレギュラーカーの座席のグレードアップによる格差縮小などによる状況や、全車禁煙化により喫煙・禁煙で1両ずつ確保する必要がなくなったのが理由である。工場では3両ずつ切り離すことが可能である。

性能面は、130km/h運転を可能にしているが、同系列と異なり、編成中の電動車を半数としている。制御装置は三菱電機IGBT素子によるVVVFインバータ制御で、1台の装置で2台の主電動機を操作する(1C2M)方式として、異常時にも対応した。主電動機は三菱製の230kW、駆動方式はWN式である。起動加速度2.5km/h/s、減速度4.0km/h/s、33‰上り勾配において架線電圧10%減・定員乗車条件でも均衡速度118km/hを確保している。制動装置は回生発電併用電気指令式(KEBS-21A)である。抵抗器を備え、回生制動が動作しない場合には切り替わるようになっている。また、緊急時には在来車と連結可能にするためブレーキ読替装置を搭載する。台車は近畿車輛製のボルスタレス式で、ヨーダンパを装備した。基礎ブレーキは全車に片押しブレーキ、付随車はディスクブレーキを併設している。

車内は間接照明を採用し、天井と荷物棚下部に埋め込まれている。また仕切り付近の天井にはダウンライトを組み込んでおり、仕切りに光が当たるようになっている。また、デッキの照明は同系列と同様にダウンライトを採用している。客室のカラーは明るめのものとし、レギュラーカーは窓下をオレンジ、デラックスカーは同じくピンク調にした。荷物棚は物を置く部分の高さを下げて背の低い人でも使いやすくした。モ21220形には車椅子用の座席が設けられている。

デラックスシート車車内
レギュラーシート車車内

座席は新開発のゆりかご型リクライニングシートで、背もたれを倒すと角度に応じて腰部が沈んで座席が傾くような状態となる。シートピッチはいずれも1050mmである。デラックスカーはそれぞれが独立性の高い1人掛けシート(通路を挟んで1席と2席)となった。ただし、2席側の座席は回転時は2席が一緒に動く。モケットの色は赤系のものである。リクライニングは電動となっており、肘掛けのスイッチで操作する。また、読書灯が設けられ、背もたれ左側からLEDの光が出る。レギュラーカーは2人掛けで、同じくゆりかご型だが、リクライニング操作は手動で、肘掛けにあるボタンを押しながら倒す。2席の中央の肘掛けは2つ設置されている。モケットの色はグレー系である。テーブルはいずれも肘掛け内蔵で、この他にも窓際に小物を置ける小さな棚が設けられ、現在は小棚に落下防止のステンレス製の枠が取り付けられている(窓框には直接物を置くことができない)。座席の番号は荷棚下に大きめにプリントして目立たせている。

インフォメーション設備として、仕切り戸上部に22型の液晶モニターを設置し、号車番号、駅名、ニュース、天気予報や走行中の前面展望(夜間を除く)の放映などを行っている。

また、全席が禁煙となったため、喫煙コーナーを2両に1ヶ所客室外に設けている。この部分はパーティションが用意され、横に細長い2枚の窓が設置されている。なお、デラックスカーの喫煙コーナーは2007年9月4日に廃止され、車内販売準備室に転用することになり、冷蔵庫などが設置された。

空調装置は、冷房装置が客室用に集約分散式を2台、運転室用と喫煙コーナー用も別個に用意した。喫煙コーナーには空気清浄機や脱臭装置も設け、非喫煙者に配慮している。暖房はシーズワイヤー式で、デッキにはファンヒーターを用意している。

トイレはモ21220・21320・21520形に設置されている。このうちモ21220形は車椅子対応の大型(洋式)と男子小用の組み合わせである。モ21320・21520形は女性専用と共用の洋式をそれぞれ1ヶ所、これに男子小用の個室を設けた。女性用にはベビーチェアも設けられている。車椅子対応の大型トイレは曲面を描いた壁面にして、ドアをボタン開閉式としている。ベビーベッドやベビーチェアも設置している。床は天然石、便器はいずれも陶器製で、男子小用は自動洗浄付き、洋式便器は壁掛け式として、清掃性を高めた。処理方式は真空式である。トイレの手洗い器はセルフストップ式水栓、トイレと同じ車両に併設の洗面所は自動水栓を採用している。

車内販売が廃止されていたため、サ21420形には自動販売機ダイドードリンコ)が設置されている。また、テレホンカード専用の公衆電話も同車に設置されている。紙おしぼりはデッキに取り出し口が設けられた。なお、車内販売については2007年10月8日から土曜・休日ダイヤに限り行われている(本系列での営業は初)。

2002年暮れに登場、2003年に第46回鉄道友の会ブルーリボン賞と日本産業デザイン振興会選定グッドデザイン賞を受賞した。

[編集] 運用形態

本系列は2002年暮れの年末年始輸送から運用を開始した。名阪特急には2003年3月6日のダイヤ変更から本格的な使用を開始している。基本的に運用が限定されており(名阪ノンストップ)、普段は2編成をフルに使用していることから検査などで運休する場合は21000系が代走することがあり、代走する日をホームページに記載している。逆に、同系列の検査時は伊勢方面の乙特急に本系列が代走することもある。なお、2008年現在、本系列は阪奈特急にはダイヤ乱れによる代走を除き充当されていない。また、2003年4月7日にはイベントの団体臨時列車で通常走行していない京都線橿原線にも入線した。しかし、21000系と比べてデラックスカーの車両が1両に削減された為に座席確保がしにくくなったとのクレームも多くなった。

2008年3月には、名古屋線津新町駅 - 南が丘駅間の踏切にて乗用車が下り線を走行していたUL22編成の2両目に衝突し、同編成は車体に激しい損傷を受けた。同編成が五位堂検修車庫に入場して修繕を受けている3ヶ月あまりの間は、一部の乙特急に一般車両が充当された。

2008年10月30日31日には、天皇皇后奈良視察に伴い、近鉄としては2002年5月以来となるお召し列車京都駅 - 近鉄奈良駅間で運転(往路は30日、復路は31日)し、往復ともに21020系が初めて充当された。

6両編成2本の12両すべてが名古屋線の富吉検車区に所属している。

[編集] 乗務員

基本的に鶴橋駅大阪上本町駅以外は無停車であるため、乗務員の交替は車内で行われる。通常、電車は運転士車掌のペアで運行するが、ノンストップ特急は運転士と運転士でペアが組まれ、一方の運転士が運転を、もう一方の運転士が車掌業務を担当する。アーバンライナーの場合は伊勢中川駅北側の短絡線徐行通過時に車内改札で先頭車両に移っている運転士とこれから車掌業務に移る運転士(要するに電車を運転中の運転士)とが入れ替わる。運転区間としては、大阪難波駅 - 短絡線間は高安列車区運転士、短絡線 - 近鉄名古屋駅間は富吉列車区運転士となる。運転士交代のため、運転席隣には折り畳み式の助士席が設けられている。

鶴橋駅 - 名古屋駅がノンストップとなる列車及び、大和八木駅のみ停車の列車では、上記の通り短絡線走行中に運転士の交代が行われるが、津駅に停車する列車では短絡線での交代はせず、津駅、列車によっては大和八木駅でも、乙特急や一般列車と同様に運転士・車掌のペア同士が交代する事が殆どである。

[編集] 車体装飾

60周年記念ロゴマークを貼り付て運行した21020系(2008年2月11日、大和八木駅にて撮影)

2007年10月8日から、近鉄特急運転開始60周年を記念してイラストレーター黒田征太郎デザインによるロゴマークが車体に貼付されて運転された。なお、同日には臨時名阪特急が近鉄名古屋大阪上本町間を1往復運転した。この車体装飾は翌2008年2月末で終了する予定であったが、前述の事故の影響もあって車両運用が不足したため、同年4月初旬まで貼付されていた。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月17日 (火) 08:48 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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