近鉄22000系電車
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| 共通事項 | |
|---|---|
| 電気方式 | 直流1500V |
| 主電動機 | かご形三相交流誘導電動機 |
| 駆動装置 | WNドライブ |
| 台車 | 積層ゴムブッシュ軸箱支持方式ボルスタレス台車 |
| ブレーキ方式 | 回生制動併用電気指令式電磁直通空気ブレーキ、 抑速回生制動、保安ブレーキ |
| 保安装置 | 近鉄型ATS(点制御車上連続照査方式)、列車選別装置、列車無線装置 |
| 製造メーカー | 近畿車輛 |
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この表について
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22000系電車(22000けいでんしゃ)は、近畿日本鉄道の特急形車両。「ACE」(読み方については後述)の愛称が与えられている。AはAdvanced、CはComfortableまたはCommon、EはEasy-operationまたはExpressの頭文字から与えられている。22000系はグッドデザイン賞も受賞している。
本項ではその狭軌仕様である16400系、および2009年度以降に新造されている派生系列の22600系「Ace」についても解説する。
目次 |
[編集] 22000系
| 近鉄22000系電車 | |
|---|---|
近鉄22000系電車
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| 編成 | 2両・4両編成 |
| 起動加速度 | 2.5km/h/s |
| 営業最高速度 | 130km/h、 ただしHSC型ブレーキ搭載車種との併結の場合120km/h |
| 減速度 | 4,0km/h/s(常用最大) |
| 編成定員 | モ22100・ モ22300:60名 モ22200:58名 モ22400:56名 |
| 全長 | モ22100:20,800mm、それ以外:20,500mm |
| 全幅 | 2,800mm |
| 全高 | モ22200のみ:4,135mm、それ以外:4,150mm |
| 車両質量 | モ22100:44t、 モ22200:41t、 モ22300:43t、 モ22400:42t |
| 軌間 | 1,435mm |
| モーター出力 | 135kw/1050V |
| 主電動機 | MB-5040A |
| 編成出力 | 2160kw(4両)、1080kw(2両) |
| 歯車比 | 19:82(4.32) |
| 制御装置 | PWM制御GTO型VVVFインバータ方式 MAP-148-15VD102A33 4500V/3000A/1C8M |
| 台車 | KD304 |
| ブレーキ方式 | KEBS-2 |
| 備考 | AS(2両)、AL(4両) |
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この表について
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[編集] 概要
1992年3月に、それまで汎用特急車両として使用されていた、10400系、11400系「エースカー」の老朽取替を目的に製造された。つまりACEは新世代のエースカーという位置付けが出来る。また、12400系など「サニーカー」シリーズから大幅にモデルチェンジした系列であり、設計思想・デザイン・性能など全てにおいてそれまでの汎用特急車両とは一線を画すものとなっている。
車体断面は卵形で、車内の天井高さを充分に確保するべく屋根巻き上げ半径を小さくし、構体高さを高めている。床部分にはアルミパネルを採用して工程の簡略化も行われている。12200系など既存特急車との併結を行うために、前面にはスイング式の幌カバーの付いた貫通式を採用、運転台に大型曲面ガラスを採り入れ凹凸の少ない丸みを帯びた前頭形状とするなど車体デザインも一新している。特急標識はなくなり、向かって左側の窓内に方向幕を設置している。方向幕は行先のみの表示で、1次車の製造当初は黒地に白文字でローマ字表記もされていたが、まもなく赤地に白文字に変更された。側面方向幕は各乗降扉脇にあり、号車番号表示も設置している。
VVVFインバータ制御(三菱電機製)を特急車両としてはじめて採用。主電動機は三菱製135kWのかご形三相交流誘導電動機で、1台の制御装置で8台の主電動機を操作するオール電動車とし、最高速度130km/hを実現している。補助電源装置(DC-DCコンバーター)と空気圧縮機は2両に1台ずつの搭載とし、故障時には他車からのバックアップが可能である。
冷房は、屋根上に準集中式クーラーを2台と、荷棚下にスポット式の吹き出し口用のクーラーを1台併設する。暖房は一般的なシーズワイヤー式である。
台車は、高速運転のための走行性能の向上・軽量化・保守の軽減を目的として新しく設計されたボルスタレス形のKD-304形を採用した。電気指令式電磁直通空気ブレーキを採用したが、それまでのHSC-D型電磁直通空気ブレーキ搭載車種と併結するため、ブレーキ読替装置を搭載する。車軸には薄型のディスクブレーキが装備され、ブレーキ力の強化も図った。
座席はバケット型シートが採用され、座席の転換も伝統の背起こし式からペダル式へ変更され、リクライニングの駆動方式もメカ式から油圧式になった。テーブルはひじ掛けの蓋を開けて引き出す方式、足置き台は新幹線100系電車の普通車で採用されたのと同様の形状である。また座席幅も従来車より広げられ、シートピッチ(座席前後の間隔)は1000mmである。化粧版のカラーリングは明るいグレー系で21000系で採用された色の模様は入っていない。モケットはグレー系に緑のラインが入ったものでグレー系の化粧版と併せて落ち着いた雰囲気を出している。このシートは23000系伊勢志摩ライナーにもモケット変更・シートピッチ拡大のうえ、採用されている。また、2006年以降の12200系B更新にも部分変更の上採用された。
21000系アーバンライナー・23000系伊勢志摩ライナーと同じ車内チャイムを持っていたが、1999年3月からは特急券の回収方法の変更により使用していない。側面窓はガラス外付けの連続窓を採用。側扉は従来の二枚折り戸からプラグ式に変更され、密閉性を高めている。外部塗装は10000系以来のオレンジとブルーを基本としているが、車端部の窓のない部分では愛称名のイニシャル「A」を浮かび上がらせたブルーのストライプでアクセントをつけている。前面はオレンジ1色となった。
2両編成と4両編成がある。4両編成は難波寄りからモ22100-モ22200-モ22300-モ22400と組成。2両編成は難波寄りからモ22100-モ22400と組成。4両編成と2両編成が混在する中で番号の下2桁をそろえるため、中間車のモ22200・モ22300は欠番が大量に発生している。なお第22編成は2両編成のため「モ22222」という車両は存在しない。
4両編成の車両には、近鉄の鉄道車両としては初の車椅子対応シートと車椅子用トイレが設置(モ22200形)されている。トイレはいずれも洋式便所と男子小用便所の組み合わせとなった。汚水処理は循環式である。パンタグラフは下枠交差形のPT-48形を採用。4両編成はモ22100とモ22300に各1基ずつ装備(母線引き通し)しているが、2両編成はモ22100形に2基装備している。
1994年までに86両が製造されたが、その後は23000系の増備や30000系など既存車両の車体更新、特急利用客の減少などから増備は行われていない。ただし当初計画では1995年までに合計112両製造される予定であった。しかしながら他私鉄ではこの後、本形式に類似した前面貫通・平屋ボギー構造・連窓風の側窓というスタイルで小田急30000形や名鉄1600系などの特急車が登場している。
なお1993年に製作された22111Fは近鉄車両で在籍車両数(当時)2000両を初めて突破した車両として車内デッキ部の形式名板直下に記念プレートが取り付けられている。また同編成は1993年12月に2000両突破記念式典のイベント列車に充当されたことがある。
登場時から現在まで、12200系や12400系サニーカー、30000系ビスタカーなどと併結した6・8両編成で運用されているが、本系列と併結した6・8両編成も数多く運転されている。ラッシュ時に阪奈特急や阪伊乙特急で運用される場合は10両編成の運用も存在する。2009年4月以降は新車投入された22600系(後述)とも編成を組んでいる。
[編集] 改造
2008年から一部編成で定期検査と同時に新型ATS設置・デッドマン装置更新工事が施工されている。22117Fは、標準軌特急車両の中では初めてこの工事が施工されている。また、22103F・22108F・22116F・22122F・22126F・22128Fに特急車用の転落防止幌が設置された。
[編集] 編成表
| ←大阪難波・京都 | 近鉄名古屋・近鉄奈良・橿原神宮前・賢島→ | |||
| 電算記号 | モ22100(Mc) | モ22200(M') | モ22300(M) | モ22400(M'c) |
| AL01 - AL02 AL05 - AL07 AL10 - AL12 AL14- AL20 |
22101 - 22102 22105 - 22107 22110 - 22112 22114 - 22120 |
22201 - 22202 22205 - 22207 22210 - 22212 22214 - 22220 |
22301 - 22302 22305 - 22307 22310 - 22312 22314 - 22320 |
22401 - 22402 22405 - 22407 22410 - 22412 22414 - 22420 |
| 電算記号 | モ22100(Mc) | モ22400(Tc) | ||
| AS03- AS04 AS08 - AS09 AS13 AS21 - AS28 |
22103 - 22104 22108 - 22109 22113 22121 - 22128 |
22403 - 22404 22408 - 22409 22413 22421 - 22428 |
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[編集] 16400系
| 近鉄16400系電車 | |
|---|---|
16400系電車(布忍駅付近にて)
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| 編成 | 2両編成 |
| 営業最高速度 | 110km/h |
| 設計最高速度 | 120km/h |
| 編成定員 | モ16400:60名 ク16500:47名 |
| 全幅 | 2,800mm |
| 軌間 | 1,067mm |
| 主電動機 | 160kW |
| 歯車比 | 6.31 |
| 制御装置 | IGBT-VVVFインバータ制御 |
| 台車 | KD-310 |
| ブレーキ方式 | KEBS-2 |
| 備考 | 電算記号:YS |
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この表について
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[編集] 概要
1996年(平成8年)登場。22000系(ACE)の狭軌仕様である。南大阪線・吉野線の吉野特急に使用されている。1965年(昭和40年)より運転している16000系の老朽取替を目的に製造された。
22000系の車体を基本としているが、近鉄車両としてはじめてIGBT素子によるVVVFインバータ制御装置(日立製)を採用している。従来のGTO素子のVVVFインバータ制御と比較して、素子の高速スイッチングが可能となったことで、中低速で走行時のインバータ制御特有のモーターのうなり音の低減を実現している。またモーターに流れる電流が滑らかとなり、主回路構成機器の小型軽量化を図っている。南大阪・吉野線では2両編成での単独運用が多いため、インバータ装置1基でモーター(三菱電機製160kw)2個を制御する1C2M制御×2とし、一方の回路が故障した場合でも自力走行を継続可能としている。また、22000系は全電動車編成だが、本系列はMc-Tcの編成を組む。
特急専用車ではあるが、高速性能がそれほど要求されない路線で運用されるため、歯車比は、初期のVVVF制御の一般車やシリーズ21と同じ、6.31である。
台車は、22000系を基本に狭軌用に改良されたボルスタレス形のKD-310形を採用した(当初はヨーダンパが取り付けられていたが、後に撤去された)。22000系と同様にブレーキ読替装置を搭載する。また、最高速度が抑えられていること等からディスクブレーキは搭載されていない。
吉野寄りからモ16400(Mc)+ク16500(Tc)と組成。モ16400形に主制御器、制動装置、パンタグラフを2基設置し、ク16500形に補助電源装置、空気圧縮機、汚物処理装置(真空式に変更)を設置している。22000系には車販準備室があるが、吉野特急では既に車内販売が廃止されていたため、16400系では省略されている。また、ク16500形には車椅子対応の客席とトイレ・洗面所が設けられている。
22000系は最高速度が130km/hだが、16400系は線路設備の関係上120km/hまでの対応となっている。しかし、現在のところ南大阪線・吉野線の最高速度は110km/hに抑えられており、その性能は今のところ生かされていない。2両編成2本(4両)が在籍し、16000系初期車の01・02編成を置き換えたが、その後の増備は行われていない。
[編集] 改造
2008年に16401Fが新型ATS設置・デッドマン装置更新工事を受けている。
[編集] 編成表
| ←大阪阿部野橋 | 吉野→ | |
| 電算記号 | ク16500(Tc) | モ16400(Mc) |
| YS01 - YS02 | 16501 - 16502 | 16401 - 16402 |
[編集] 22600系
| 近鉄22600系電車 | |
|---|---|
| ファイル:Kintetsu 22600series 12.jpg
宇治山田駅に停車中の22600系Ace
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| 編成 | 2両・4両編成 |
| 起動加速度 | 2.5km/h/s |
| 営業最高速度 | 130km/h、 ただしHSC型ブレーキ搭載車種との併結の場合120km/h |
| 減速度 | 4.0km/h/s(常用最大) |
| 編成定員 | 206人(4両)、 96人(2両) |
| 車両定員 | Mc・M:56人、 T:54人、Tc:40人 |
| 全長 | Mc:20800、 M・Tc・T:20500mm |
| 全幅 | 2,790mm |
| 全高 | Mc・M:4,150mm、 Tc・T:4,135mm |
| 車両質量 | Mc:47t、T:39t、 M:44t、Tc:43t |
| 軌間 | 1,435mm |
| モーター出力 | 230kw/1050V/160A/ 2960rpm/100Hz |
| 主電動機 | MB-5097B |
| 編成出力 | 1840kw(4両)、920kw(2両) |
| 歯車比 | 17:84(4.94) |
| 制御装置 | 2レベルPWM制御IGBT型VVVFインバータ方式純電気ブレーキ付 MAP-234-15VD102A 3300V/1200A/1C2M |
| 台車 | KD314B(Mc・M) KD314C(Tc・T) |
| ブレーキ方式 | KEBS-21A |
| 備考 | 電算記号:AT(2両)、 AF(4両) |
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この表について
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近鉄22600系電車は2009年に導入された近畿日本鉄道の特急型電車である。狭軌路線である大阪阿部野橋~吉野を除く標準軌路線の特急運用に既存の車両とともに広く運用することを想定して、2008年度に2両編成1本と4両編成2本が導入され、2009年4月1日より本格運用を開始した。
製造から40年近くが経過し老朽化の進んだ12200系電車(スナックカー)の後継に当たり、製造から17年が経過した22000系電車を全面改良した系列である。
愛称としては、22000系『ACE』(エーシーイー)に対して、本系列は『Ace』(エース)と呼ばれる。
[編集] 外観
前頭形状は貫通形でありながら正面を緩やかな曲面とし、天面や側面にかけて大きく丸みを帯びた曲面で構成することにより、1つ前の世代の車両である22000系電車よりも更に流線形に近づいたデザインとしている。運転台前面と貫通扉には大型曲面ガラスを用い、貫通扉には幌を内側に格納できる左右開きのスライド式プラグドアを採用している。
車体側面の客室側窓は高さ965mmの外付け連続窓としており、乗客用乗降扉には開くときに足元のステップが同時に引き出される外側スライド方式のプラグドアを採用している。また連結部に板状の転落防止幌を備える。
車体への塗り分けはこれまでの近鉄特急のイメージを踏襲し、オレンジ地に客室側窓周りをブルー、正面窓周りをブラックの塗装とした他、T車・Tc車側面の一部に8本のブルーのラインとAceの意匠をプリントしている。
前頭左右の窓の上部にはHID型の前照灯をそれぞれ2個ずつ格納している他、前頭右側の窓の下部には赤色と白色が表示できるLED方式の行き先表示器を、乗客用乗降扉近くの客室側窓上には赤色・橙色2色表示の行き先表示器を備える。
標識灯は車体前面底辺と排障器との間にLED方式のものを装備し、通過標識灯として表示する場合には電球色、尾灯として表示する場合は赤色に発光する。
パンタグラフはPT7126-A形シングルアーム式を、4両編成の場合はMc車のT車寄りとM車のTc車寄りに各1台ずつ、2両編成の場合はMc車に2台装備する。クーラーキセはこれまでの近鉄特急と同様に進行方向に向かって連続したものを採用している。
[編集] 内装
車体に従来の特急車両と同様に鋼製車体を採用することで、大型連続窓に対応する高いねじれ剛性を確保するとともに、車体側面の鋼材厚さを減らすことで室内空間を拡大を図っている。
室内化粧板は客室・デッキのいずれも明るいグレーを基調としており、赤を基調とした客室座席と合わせて落ち着きと高級感を出すよう意図されている。側窓には高さ965mmの大型UVカットガラスを採用し、展望を重視した26000系の高さ890mmの側窓よりも更に一回り広くなったことで室内の開放感を高めるとともに車窓からの優れた眺望を楽しむことができる。ガラスを通して外から差し込む光は淡い緑色となる。カーテンは嵩張らないプリーツカーテンを採用し、各座席上には個別に空調を調節できるエアコンのスポット吹き出し口を備える。
客室照明は天井が淡く発光するよう蛍光灯埋め込みの間接照明とし、荷棚灯下面のスポット照明にも間接照明を採用している。デッキ部の照明はダウンライトのほか、左右いずれかの妻板が発光することで次回停車時に開く側の扉を知らせる案内機能を備える。
座席間隔は近鉄の汎用特急車両としては初めて、21000系(アーバンライナー)・26000系(さくらライナー)・23000系(伊勢志摩ライナー)・21020系(アーバンNext)と同じ水準の1050mmとなった。
座席には近鉄21020系や名鉄2000系で採用された、背もたれを倒すのに合わせて座席後部が沈み込むゆりかご式リクライニングシートを更に改良したものを採用している。座席部分や肘掛部分のクッションの堅さと肘掛の寸法が見直されているほか、背もたれを22000系に比べて50mm高く設計することでプライベートな空間を確保できるよう配慮されている。
従来は床置き式であったヒーターを座席下への吊り下げ式としたことで、新たに座席下にスペースを創出し、足を大きく伸ばせるようにするとともに荷物置きスペースとしても活用できるようになった。
座席背面には近鉄特急としては初めて吊り支え式の大型テーブルを装備し、足を降ろすと布張りの踏面がばねの力で自動的に反転することで靴を脱いだ状態でも清潔に使用できる固定可能な大型の跳ね上げ式フットレストと、携帯電話の充電やノートパソコンの電源に使用できる家庭用規格電気コンセントの差込口を1ヶ所備える。
座席肘掛け内部には座席背面テーブルとは別に、座席を向かい合わせにしても使用できる引き出し式の小型テーブルを収納している。また客室両端部には座席背面テーブルよりも更に大型の折りたたみ式テーブルと電気コンセントの差込口を1席当たり1ヶ所設置している。
車椅子対応座席は、座席から車椅子への乗り移りがしやすいよう、肘掛を折りたたみ式としたほか、折りたたんだ車椅子を固定するための引き出し式のベルトと、座席横の窓枠下に緊急時に車掌を呼び出すためのコールボタンを設置している。
本系列は製造当初から客室座席に灰皿を設けていない。しかしながら車内を全面禁煙とする方針は採らずに、客室・通路・トイレ内は全て禁煙とした上で、伊勢方の先頭車両であるTc車の運転室後寄りに設けられた喫煙室を利用することで、乗車中もたばこを楽しむことができる。喫煙室とデッキの間は、たばこの煙やにおいが漏れないよう透明な仕切り板と引き戸によって完全に区切られている。喫煙室内部は灰皿と換気扇および大きな側窓と簡単な腰掛が設けられており、喫煙室内の空気がデッキへ流れ出さないよう配慮するとともに、利用客の閉塞感が軽減されるよう配慮されている。
トイレはTc車(ク22900形)に男性専用・女性専用を各1ヶ所と男女共用を1ヶ所、車椅子対応座席最寄のT車(サ22700形)には折りたたみ式のベビーベッドを備え車椅子でも利用できる大型の多目的トイレと男性専用トイレを各1ヶ所設置し、男性用を除く全ての便座に温水洗浄便座を採用した。
その他、4両編成には中間M車のT車寄りに清涼飲料の自動販売機と車販準備室を備える。
[編集] 案内設備
ファイル:Kintetsu 22600series 11.jpg 座席番号などの案内表示は一部を除き部材に直接シルク印刷することで、表示が剥がれた場合に復元する際の手間とコストの軽減を図っている。 電光表示については21020系で採用された液晶ディスプレイではなく、停車駅や到着の案内はLED方式の電光表示器で行われる。 車内放送は行き先案内や停車駅については自動案内放送を採用している。また一部の駅に到着する際には専用の到着メロディーが用意されている。そのほか、乗降扉の開閉の際などには車掌による案内放送が行われる。また、他形式(12200系・30000系ビスタカー)と連結運転している時は、使用されない。
[編集] 性能
走行機器の仕様は21020系に準じており、主制御器にはIGBT素子を採用した三菱電機製VVVFインバータ制御装置を採用している[1]。全電動車である22000系と異なり、30000系までの抵抗制御の旧型特急車両と同じMT比1:1に戻されたが、1台の制御器で2台のモーターを駆動する1C2M制御を採用しており、1台の制御器が停止しても残りの制御器でモーターを制御することで故障時においても自力走行ができるよう考慮されている。
主電動機は定格出力230kwの三菱電機製かご形三相交流誘導電動機をMc車・M車に各4台搭載する。駆動方式はWN平行カルダン駆動方式で、歯車比は4.94、起動加速度2.5km/h/s、減速度4.0km/h/s、大阪線朝倉・榛原間の上り33.3‰の登り連続勾配において110km/h以上での登坂性能を確保している。
台車は21020系と同様、近畿車輛製ボルスタレス台車・KD314B(Mc車・M車)、KD314C(Tc車・T車)を採用し、基礎ブレーキには全車に片押し式踏面ブレーキを、加えてTc車・T車に片押し式ディスクブレーキを搭載するほか、高速走行に対応するためヨーダンパを設置した。軸距は22000系と同様の2200mmである。
制動装置は三菱電機製電気指令式電磁直通空気ブレーキのほか、主電動機による回生ブレーキ・純電気ブレーキ・制御圧切替え装置・滑走防止装置・保安ブレーキを搭載する。連続急勾配を下る際の抑速回生制動が失効した場合に発電ブレーキに切り替えるための補助抵抗器を備える。
本系列も22000系・23000系・16400系・21020系と同様にブレーキ読み替え装置を搭載する。本系列の搭載するKEBS-21A型ブレーキとKEBS-2型ブレーキ・HSC-D型ブレーキの何れからの操作にも応答すると同時に、最高速度と加速度を併結相手の車両に合わせて自動調整する。これにより22600系単独時または22000系との併結時には130km/h運転が可能であるが、そのほかの汎用特急車両との併結時には最高速度は120km/hに抑えられる。
運転台は22000系と同様の2ハンドル方式によるデスクタイプの運転台を採用している。補助電源装置は4両分を賄えるAC440V/140kVAのものがTc車に、空気圧縮機は1000l/minのものをTc車・T車に各1台搭載する。
[編集] 運用
第1号として2両編成(AT51)が2009年1月9日未明、製造元の近畿車輛から高安検修センターに搬入された[2]。
2009年1月の搬入以来、大阪線での試運転や社員の研修・大阪上本町駅での報道機関などへの公開を経て、同年3月に団体列車として、特急としては2009年4月1日より営業運転を開始した。
初回製造の10両は西大寺車庫に配属され、平日は当初、大阪難波 - 賢島・京都 - 賢島、間合い運用として奈良 - 大阪難波・奈良 - 京都・橿原神宮前 - 京都で運用を開始した。土曜休日は大阪難波 - 名古屋の名阪乙特急での運用も見られる。
2008年度に製造された2両編成1本・4両編成2本、計10両の製作費は19億円である。2009年度は22両を導入予定で、その後も12200系等の旧型特急車両との置き換えを進める予定という[3]。
[編集] 編成
2009年10月29日現在、4両編成2本と2両編成2本の計12両が在籍している[2]。2両編成は車番に50を付加する。
| ←大阪難波・京都 | 近鉄名古屋・近鉄奈良・橿原神宮前・賢島→ | |||
| 電算記号 | モ22600(Mc) | サ22700(T) | モ22800(M) | ク22900(Tc) |
| AF01 - AF02 | 22601 - 22602 | 22701 - 22702 | 22801 - 22802 | 22901 - 22902 |
| 電算記号 | モ22650(Mc) | ク22950(Tc) | ||
| AT51 - AT52 | 22651 - 22652 | 22951 - 22952 | ||
[編集] 愛称
22000系・22600系・16400系の愛称は『ACE』とされているが、その読み方には「エー・シー・イー」と「エース」の2つが混在している。当初、近鉄では「エー・シー・イー」を公式の読みとして採用していたが、22000系が「エースカー」と呼ばれた近鉄10400・11400系電車の代替形式だったことや、呼びやすさ(語呂の良さ)などから「エース」の読み方が部内でも発せられるようになった。最近では、近鉄が監修もしくは協力した書籍・DVDなどでも「エー・シー・イー」と「エース」の双方が混在している。なお、22600系については当初より「エース」が公式な読み方である[4]。
なお、近鉄の現業機関の一部では、「New ACE(ニュー・エース)」を略して「NA(エヌエー)」とよぶことがあるが、この「NA」は、22000系初期の社内編成電算略号であった。編成電算略号はその後変更され、4両編成は「AL」、2両編成は「AS」となり、16400系は当初より「YS」を用いている。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 鉄路の名優 22000系「ACE」(近鉄公式サイト)
- 鉄路の名優 16400系「ACE」(近鉄公式サイト)
- 近畿日本鉄道殿向け、新型特急電車22600系ACE(エース)デビュー 近畿車輌(製造メーカー)による紹介
- 編集長敬白: 近鉄特急22600系ACE完成。 鉄道情報誌 Rail Magazine 編集長の編集日記
[編集] 脚注
- ^ 磁励音は21020系と同一。
- ^ い ろ 近畿車輌株式会社-車両出場状況
- ^ 「「22600系ACE」、来年4月1日デビュー!」(PDF)近畿日本鉄道 2008年12月11日
- ^ 新型車両投入の公式発表では「22600系ACE(エース)」としている。
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最終更新 2009年11月26日 (木) 01:54 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【近鉄22000系電車】変更履歴





