近鉄23000系電車

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近鉄23000系電車
近鉄23000系(2006年3月25日、京都線新祝園 - 狛田間にて撮影〈後追い撮影〉)
近鉄23000系(2006年3月25日、京都線新祝園 - 狛田間にて撮影〈後追い撮影〉)
編成 6
起動加速度 2.5km/h/s
営業最高速度 130km/h
設計最高速度 130km/h
減速度 4.0km/h/s(常用最大)
編成定員 281人
車両定員 (ク23600)52人
(モ23500)50人
(モ23400)56人
(モ23300)48人
(モ23200)36人
(ク23100)39人
全長 124,400mm
全幅 2,800mm
全高 4,150mm
編成質量 244t
車両質量 (ク23600)37.0t
(モ23500)43.0t
(モ23400)42.0t
(モ23300)42.0t
(モ23200)43.0t
(ク23100)37.0t
軌間 1,435mm
電気方式 直流1,500V架空単線式
モーター出力 200kW
編成出力 3,200kW
歯車比 4.32
制御装置 GTOVVVFインバータ制御
駆動装置 WNドライブ
台車 積層ゴムブッシュ片側支持式ボルスタレス台車
KD307・KD307A
ブレーキ方式 発電回生ブレーキ併用電気指令電気演算式空気ブレーキ抑速ブレーキ付)
保安装置 近鉄形ATS(多変周式)

23000系電車(23000けいでんしゃ)は、近畿日本鉄道特急形車両「伊勢志摩ライナー」(略称:ISLまたはIL)の愛称を持つ。1994年4月22日にオープンした志摩スペイン村への大阪名古屋方面からのアクセス輸送用として、同年3月のダイヤ変更時から登場した。

1994年に社団法人日本鉄道建設業協会ブルネル賞を受賞している。

目次

[編集] 概要

1993年(平成5年)から1995年(平成7年)にかけて6両編成6本(36両)が近畿車輛で製造された。

車体デザインと形状は21000系「アーバンライナー」のイメージを受け継いだ流線型の前面形状とし、そのフロントガラスは日本一大きな曲面ガラス2枚で構成されている。前照灯は4個あり、標識灯はLED式のものが車体下部のバンパー状になった部分に左右1対設置される。また、中央に非常用の連結器が格納されている。

また、断面と構造は22000系「ACE」と同様である。側面窓は連続ガラスの外はめ式であるが、特にモ23200形の側面は縦1m×横2mの大きな窓となっている。上半分が太陽のイメージで黄色、下半分が白、裾は砂浜をイメージしたベージュが塗られ、境目は海をイメージした青の細い帯が引かれている。なお、同時期に製造された同系列と同一の方向幕を装備しているので、固定編成にも関わらず、多層建て列車用の方向幕を装備している。なお、前面には装備されていない。

編成はMT比4M2T(電動車4両・制御車2両)の6両編成で、大阪側からク23100形(Tc1)-モ23200形(M)-モ23300形(M')-モ23400形(M')-モ23500形(M)-ク23600形(Tc2)と構成される。機器システム上は大阪側3両と名古屋側3両で分割可能な構成になっており、モ23300形とモ23400形が接する貫通路部分には入れ換え用の簡易運転台が設けられている。

性能面では22000系列と同様のVVVFインバータ制御だが、全電動車方式だった同系列に対し、固定編成であることや製造コストの面から両先頭車はモーターなしとし、1台の制御装置(三菱電機製)で4台(1両分)の主電動機(同200kW)を採用し、これを電動車に2両分をまとめて1台のケースに入れて搭載している。回生制動が失効した際に発電制動に切り替わるため、使用する抵抗器は両先頭車に搭載されている。ブレーキ装置は電気指令式となっている。緊急時には電磁直通ブレーキの車両との連結ができるように読み替え装置も設置している。

補助電源装置はモ23300・23400形に、空気圧縮機は両先頭車に設置されている。パンタグラフはモ23200・23500形にそれぞれ下枠交差式が2台ずつ設置されている。台車は電動車がKD307形、制御車がKD307A形を装備する。いずれもヨーダンパ付のボルスタレス式で、車軸にディスクブレーキが搭載されている。

本系列は大手私鉄で初めて最高速度130km/hでの運転を実施した車両でもある。130km/h運転可能な区間はさほど多くない[1]こと、ダイヤ構成の問題や停車時間に余裕を持たせたため、全体としてはスピードアップとはならなかった。

[編集] インテリア

客席はレギュラーカーが4両(1号車 - 4号車)(モ23300 - ク23600形)、デラックスカーが1両(6号車)(ク23100形)、他に本系列独特のサロンカー(5号車)(モ23200形)も1両連結されている。これはグループ向けのセミコンパートメントとなっており、向かい合わせ式の座席とテーブルが通路を挟んで2人用(ツイン)と4人用(サロン)がそれぞれ6区画設けられている。座席が背中合わせになった部分には荷物を置くスペースがある他、当初は喫煙車だったため、タバコの煙が隣の区画に移らないようにエアカーテンが設けられている。デラックスカーは21000系で好評だったことから採用されたもので、通路を挟んで2人掛けと1人掛けリクライニングシートが並んでいる(計39席)。しかし、サロンカーが設けられた関係で同系列とは異なり1両だけとなった(同系列も現在は「アーバンライナーplus」への更新で1両になった)。これは当初から禁煙車である。座席の仕様は同系列と異なっており、エンジ色の表地を採用した重厚なものとなっている。足置き台は同系列と共通の形状で、靴を脱いで使用できる。レギュラーカーは22000系と同じ形状のリクライニングシートで、志摩スペイン村のテーマカラーと同じ4色をランダムに配置している。なお、レギュラーカーにはテーマカラーが設定されており、そのテーマカラーが座席の7割を占めるようになっている。2号車には車椅子スペースを2台分設置しており、このスペースと直後の4人分の座席番号は90番台になっており、これらの座席は別枠発売になる(一般客の購入は不可能)。また、2号車のトイレは車椅子対応仕様になっており、ベビーベッドも設置されている。大阪寄りがデラックスカー、 名古屋寄りがレギュラカーである。

また、モ23300形には「シーサイドカフェ」と名付けられた壁面にディスプレイを持つ対面式カウンターがあり、リゾート特急の特色を前面に出した構成とした。ちなみに当初はオーディオサービスや車内販売が実施されていたが、利用客の減少に伴い2002年3月を以って廃止された(代替として飲料の自動販売機を設置)。その後、車内販売については2006年11月より土曜・休日ダイヤの阪伊・名伊・京伊特急のうちこの伊勢志摩ライナーを使用する上下各12本で営業を再開した。

運転室後部は「パノラマデッキ」となっており、出入口だけでなく簡易ベンチを設けて展望スペースとしての機能を持たせた。本系列にも遮光幕は設置されているが、デッキの照明を控えているためか、あまり使われない。その他、駅名などを表示するLED式のディスプレイが客室内に、テレホンカード専用公衆電話が両先頭車の連結部に設けられている。

空調装置は22000系と同一で、準集中式クーラー2台と荷棚下スポット空調用クーラーの1台である。暖房はシーズワイヤー式である。なお、喫煙者対策として空気清浄機が後に追加装備されている。

[編集] 運用

1994年のダイヤ変更時当初は、上本町(現在の大阪上本町)と名古屋から賢島までの阪伊・名伊甲特急系統に起用された。従来の甲特急のダイヤとは別に増発する形で新設されている。また、阪伊甲特急は難波(現在の大阪難波)発から上本町発となった。1996年から京都始発も加わった。その後は伊勢志摩方面の利用者が減少したため甲特急の本数も減少し、また車両運用効率の向上を目的として乙特急にも使用されるようになった。さらに阪伊特急は一部が大阪難波発に戻ったため本系列も大阪難波に乗り入れるようになった。

また、2001年のダイヤ変更では名古屋三重県内からのユニバーサル・スタジオ・ジャパン利用者を見込んで名阪特急にも使われるようになった。そのため、これまでは伊勢中川 - 賢島間における編成の向きが23000系に限って阪伊特急・京伊特急・名伊特急共に同じであったが、名阪特急に充当されることになった以降は他の特急車両と同様、伊勢中川 - 賢島間では阪伊特急・京伊特急と名伊特急とでは編成の向きが逆になっている(近鉄特急の項も参照)。

現在も大阪難波・京都・名古屋と宇治山田鳥羽・賢島方面を結ぶ一部の特急列車に使われ、他に京奈特急の一部に使われている(過去には名阪・阪奈・京橿特急にも使われていた)。名阪・阪伊・名伊・京伊の各特急では各駅到着前に違う車内チャイムが流れていたが、2005年7月にサロンカーが禁煙車になってその際に放送内容が更新されていないため、現在は使用されていない。時刻表では、JR時刻表と近鉄が発行する近鉄時刻表および近鉄各駅で配布されるポケット型時刻表(ただし伊勢中川以北〈同駅は含まない〉の駅かつ特急停車駅の時刻表を掲載している場合のみ)では太陽と海をイメージしたシンボルマークが使われ、JTB時刻表では「IL」の表記がなされている。なお、近鉄時刻表では車椅子マークも併用されている。

所属車両基地は当初は大阪線の高安車庫で、その後奈良線・京都線の西大寺車庫に変更されていたが、2009年3月20日付で再び高安車庫に変更されている[2]

[編集] 車体装飾

2007年10月9日から2008年2月頃まで、近鉄特急運転開始60周年を記念して、車体側面にイラストレーター黒田征太郎デザインの特製ロゴマークを側面に貼付していた。

[編集] 脚注

  1. ^ 大阪線、山田線、鳥羽線、志摩線のごく一部のみ。
  2. ^ 「鉄道ファン」2009年9月号特別付録「大手私鉄車両ファイル」(交友社)より。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月18日 (水) 15:21 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【近鉄23000系電車】変更履歴

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