近鉄30000系電車

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近鉄30000系電車
山田線を行く30000系による名古屋行
山田線を行く30000系による名古屋行
編成 4両編成
起動加速度 2.5km/h/s
営業最高速度 120km/h
減速度 4.0km/h/s(常用最大)
4.5km/h/s(非常)
車体幅 2800mm
車体高 Мc車3860mm T車4135mmmm
軌間 1435mm
電気方式 直流1500V
モーター出力 180kW
主電動機 三菱電機製MB-3127-A
編成出力 1440kw
歯車比 3:81
制御装置 抵抗制御
駆動装置 WNドライブ
台車 近畿車輛シュリーレン式KD-83・KD-83A
ブレーキ方式 電磁直通ブレーキ
保安装置 近鉄型ATS
製造メーカー 近畿車輛
備考 電算記号:V
第22回(1979年
ブルーリボン賞受賞車両
登場時の姿(河内国分 - 安堂間)

30000系電車(30000けいでんしゃ)は、近畿日本鉄道特急形車両である。

目次

[編集] 概要

1978年(昭和53年)にビスタカーII世こと10100系の老朽化・廃車に伴い、後継車両として登場した。元々、ビスタカーII世には、一部の先頭車両が非貫通であったこと、連接台車を採用してダブルデッカーを連結した3両1編成であったことから、当時の特急運用であった2両編成単位とは異なり運用上制限があったこと、製造当時の運行上の中心であった名阪ノンストップ特急東海道新幹線の開業によって衰退し、代わって伊勢志摩方面へ向かうことを中心とした特急運用が増えたことなどの欠点があった。また伊勢志摩方面への特急運用では、停車駅が多い「乙特急」としていたため、ダブルデッカーの欠点であった乗降の際に時間が掛かることが問題になった。

日本では、新幹線100系電車登場まで唯一ダブルデッカーを運転していた近鉄特急ビスタカー」の3代目にあたる。登場時は「新ビスタカー」10100系と区別するため「ニュービスタカー」と呼ばれていたが、「ニュー(New)」と「新」では意味が同じでこの区別方法はおかしいため、後に「ビスタIII世」と通称されるようになる。後に更新工事で「ビスタEX(ビスタ・エックス)」に改称された。

伊勢志摩特急用にデビューした30000系ビスタIII世であったが、この頃国鉄の債務状態・労使関係悪化により、運賃新幹線特急料金1975年より値上げに継ぐ値上げで高騰し、コストパフォーマンスと乗務員のサービス体制で近鉄に有利性が生じ、名阪ノンストップは息を吹き返すことになった。そのためビスタIII世も近鉄の看板列車として名阪ノンストップの一部を担当。「アーバンライナー」登場まで、12400系「サニーカー」や12000系・12200系「スナックカー」・18400系「ミニスナックカー」などと組み6~8連で運転された。

登場時から21000系「アーバンライナー」の登場までの間、近鉄を代表する車両であり、近鉄特急のCMでは12200系2両と併結した6両編成での映像が多く使われた。1979年鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞している。

[編集] 車体

製造当時の特急車両の中心であった12200系12400系を基本とし、20m車両・ボギー台車を採用。難波寄りからcM(モ30200)+T(サ30100)+ T(サ30150)+ Mc(モ30250)の4両固定編成を組む。また、「ビスタカー」のシンボルであるダブルデッカーを中間のT車2両とし、連接構造ではなくボギー台車を採用した。

性能面では12400系同様MB-3127型180kW(定格675V)の主電動機が採用され、歯数比を従来特急車同様の1:3.81を採用。最高運転速度120km/h・33‰上り勾配においても均衡速度100km/hを確保している。パンタグラフは下枠交差形(PT-48形)を採用している。台車はMc車(モ30200とモ30250)は近畿車輛シュリーレン式KD-83を、T車(サ30100とサ30150)は同KD-83Aを採用。KD-83Aは重心の高い2階建て用に空気バネの位置を高くしている。制御装置は12400系と同一であるが、一部編成でビスタカーII世10100系のものを改造・流用している(現在は取替済)。

また、補機関係は中間T車に電動発電機(サ30150)とコンプレッサ(サ30100)を搭載している。集電装置は下枠交差式が両Mc車に2台ずつ設けられており、雄雄しい雰囲気となった。空調装置は、Mc車はユニットクーラー6台とロスナイ2台を設置、T車は2階席床下にユニットクーラー4台を搭載して、2階客室はダクトで荷棚下の風道に通している。

Mc車(モ30200とモ30250)の車体は前年に登場した12400系のデザインを踏襲したが、特急標識・前面行先表示器や尾灯・種別灯の形状は異なったものにしている。また、貫通路上部に2本の筋が入るようになった。この変更は12400系増備車である12410系12600系、そして12400系の狭軌バージョンである16010系にも引き継がれている。モ30200形は乗降扉1か所、モ30250形は同2か所である。T車(サ30100とサ30150)の側扉は車体の中央に1か所設けられ、扉付近はエントランスホールとしている。天井照明には奈良・春日大社の灯篭からイメージを得た模様を入れている。側面窓は1列ごとに設けて軽快感を出した。2階席の窓上には飾り小窓が設置されている。階下席を除き、「奈良大和路」「伊勢志摩」のイラストが入っている。車体全体は鋼製だが、T車の階下部分台枠はステンレス製とした。

塗装は従来のオレンジと紺色であるが、T車側面には大きくVのラインとしてアクセントとした。また、"VISTA CAR"のロゴが紺帯内(モ30200形の車内販売準備室部分にも)に取り付けられている。

2階席の居住性を重視し、10100系よりも居住空間を広く取り、天井の高さを2.18mとして乗客に窮屈な印象を与えないようにした。座席は高原をイメージしたグリーンのリクライニングシートとなっている。一方、T車1階席は6人掛けの藤色のソファーセミコンパーメント調としている。なお、1階も圧迫感を与えないよう、天井高さを取っているため、2階客室はエントランスから上がって入った部分は床が1段高くなっており、この部分にある座席は回転できない。Mc車は回転式リクライニングシートを採用している。フラット車であるMc車は12400系に準じており、内装は「くつろぎのサンシャイン」というキーワードの通り、オレンジ色の座席をはじめ、明るい色調を採用し、なお、Mc車とT車間の通路は階段状となっており、T車間は2階客室同士での連絡となっている。連結面の扉は両開き式の自動ドアである。トイレは、両Mc車連結側に和式1か所と独立した洗面所が設けられている。床下は機器で余裕がないため、水タンクは床上設置としている。処理は貯蔵タンク式である。

1978年暮れから1980年にかけて、近畿車輛で計14編成が製造されたが、間を開けて1985年に増備された第15編成は第1編成が登場してから7年経過しているため、マイナーチェンジが施されている。モ30215は当初から車販準備室とトイレ部には窓(すりガラス)が取り付けられておらず(後に他の編成も窓を埋めた)、中間T車は天井の中央部に冷房ダクトを2本追加したため、屋根に段が付き、高さが変更されている。

[編集] 改造

近鉄特急ビスタカー」30000系電車(『ビスタEX』への更新後) 新祝園 - 狛田駅間にて
30000系電車のダブルデッカー部分。大和西大寺駅にて。(『ビスタEX』)

21000系「アーバンライナー」の登場後、近鉄を代表する車両というポジションを21000系に奪われ、22000系23000系の登場により、後発の特急車より設備面の見劣りが顕著になったため、1996年(平成8年)から2000年(平成12年)にかけて大幅なリニューアルがなされ、同時に愛称を現行のVista EXに変更した。

2階建中間車の2階部分を新製し、天井部分と床部分をかさ上げ、側窓は従来ハーモニカと言われた小窓が連続していたところを、天井部の明かり窓と一体化した曲面ガラスに取り替え、また縦さんを黒塗装している。この改造により、中間車の車体断面寸法を20000系「楽」に準じたものとしたため、外観も「楽」に近いものとなった。中間車出入り口付近のイメージを一新し、観賞用植物を踊り場中央に置き、2階客席の車端部の固定式座席を撤去(全席が回転可能になった)、シートピッチを980mmから1000mmに拡大している。2階部分とMc車のシートは背ずりを22000系のものに似たタイプに変更、モケットはオレンジ系とグリーン系を採用して、これをランダムに配置した。階下席についてはモケット張替のみで、その他は全車において内装のカラー変更やカーテン留め具の採用も行われている(なお、Mc車のシートピッチは従来通り)。これらにより編成定員は272名から252名に減少した。トイレについては、モ30200形は洋式と男子小便所、洗面所の組み合わせに変更された。また、処理方法は真空式に改造されている(一部編成は従来どおり)。

塗装は従来のオレンジベースにブルーの帯を引き続き採用したが、従来T車にあったVマークはMc車側窓に変更し、ブルーの帯の上にホワイトの帯を追加した。また車体裾部はグレーの帯を配した。Mc車のT車寄り側面には、志摩スペイン村のキャラクターが描かれている。先頭車の特急表示を省略し、10100系から流用した制御装置(第4~10、14編成)を12200系や18400系の廃車となった車両から発生したものに交換している。

製造時より母線の引き通しがあった14・15編成以外は編成内に母線の引き通しを行い、またすべての編成でMc車のパンタグラフをそれぞれ1基とした。パンタグラフの母線引き通しは保安上の理由もあり従来は30m以内となっていたが、これが50m以内に緩和されたことから可能になったものである。この改造により、車体更新前は、パンタグラフが接近しすぎるという理由で、試運転時のCM撮影と未改造車のさよなら運転の時以外避けられてきた30000系同士の重連を可能とした(改造前の重連時は、向かい合う先頭車のうち片方の車両の先頭側パンタグラフを下ろして運行した)。また、電算記号もIII世時代の「LV」から現在の「V」に変更された。

ビスタEX改造後も12200系12400系22000系などと組んで6・8両編成で運行されているが、10両編成や単独4両編成で運行することもある。2009年4月以降は新車投入された22600系とも編成を組むようになった。しかし、2009年3月20日のダイヤ改正により多客時を除き定期列車でのビスタEXの重連で運転することがなくなった。

現在も名伊・阪伊乙特急、京伊特急を中心に運用されているが土・休日の増発列車では甲特急の運用もある。 また、近鉄名古屋駅京都駅大阪難波駅折り返しで名阪乙特急や阪奈特急、京奈、京橿特急でも運用されている。

2009年から定期検査と同時に順次、新型ATS設置・デッドマン装置更新工事が行われている。現在30204F・30206F・30213F~30215Fがこの工事を受けている。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月24日 (火) 03:56 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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