連接台車

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高速鉄道での連接台車の例(小田急50000形電車
低速急曲線線区での連接台車の例(江ノ島電鉄300形電車
日本以外での連接台車の例(ドイツ鉄道ET423型電車)

連接台車(れんせつだいしゃ)とは、鉄道車両の台車において2車体の間に1つの台車を設けたものを指す。連接台車を採用している車両を連接車両・連接車・連節車とも呼ぶ。対義語としては連結器(方式)である。欧州の路面電車を中心に古くから、台車を持たない「浮き車体」と呼ばれる物を持つ、フローティング構造と台車付きの客室モジュールの組み合わせを採用したもの、1台車のみ持つ車体をつなげたものなどもあり、これらの車両も連接車と呼ぶ場合が多い。

目次

[編集] 特徴

[編集] 長所

  1. 2車体が連結器を介してではなく台車によって直接つなげられた構造のため、加減速時の前後衝動が少ない。
  2. 台車の総数が減らせるので、軽量化に貢献する(6両編成の場合、ボギー台車なら12個の台車になるのに対して、連接台車なら7個で済む)。
  3. 車体に対する台車の動く角度が小さくなるため、曲線通過が容易になる。
  4. 曲線通過時に、車体のはみ出す量が小さくなるため、占有幅が小さくなる。同じ建築限界ならば、より広い幅の車体を用いることができる。
  5. 車室と台車が離れるため、室内の走行騒音を軽減できる。
  6. 台車の心皿(台車の回転軸)が2車体間に位置するため、車体高が下げられ、重心も下がるので安定性が増す。

[編集] 短所

  1. 編成を個々の車両ごとに切り離せないため、編成の自由度が下がり、保守にも手間がかかる。
  2. 重量を負担する台車と車軸が少ないため、台車(台車枠、ばね軸受車軸車輪)の強度と、軸重による軌道への影響を考慮し、重量を抑えるために、1車体あたりの全長はボギー式車両に比べ、短くなる場合が多い。
  3. 動力分散型車両では、車軸数が少ない分、可能な最大の編成出力が制限される。

[編集] 採用例

その構造から高速鉄道では有利とされ、特にフランス国鉄TGVでは全面的に採用されているが、日本では多層建て列車のように途中で編成を併結・分割させることや、輸送力に応じて適時車両を増結する事が多かったため、編成の自由度が下がることを理由にして採用例は少ない。ただし、欧州では高速鉄道の代名詞たるTGVが多層建て運用されているように不可能と言う訳では無く、更に昨今の連結式採用電車の殆どが固定編成を採用しているため、これが採用しない決定的理由にはならないとも言える。

一方で、車両の分割を殆ど行わず急曲線区間が多い路面電車では、輸送単位が大きくなることを利点として、幹線や朝のラッシュ時の輸送に使われている。因みに、特例を認めてもらわない限り長編成に出来ないと言う法令の都合もあり、路面電車では続行運転で輸送問題を解決する事が多い。

諸外国、特に欧州ではTGV以前より連接台車採用の車両は存在し1936年から登場したイタリア国鉄のETR200型高速特急電車は、本格的な高速電車として初の連接台車を採用した電車で200km/時以上の高速でも安定した走行性能を発揮した。また、この電車は台車装荷の電動機を持つ、いわゆるカルダン駆動を採用した点でも特筆に価し、以後セッテベッロとして名高いETR300型等に発展し、これも連接台車を採用している。このほか、スペインには1軸連接台車を採用したタルゴ(Talgo)と呼ばれる高速運転用の低床式客車が1950年から運転されている。その他欧州ではIC3423形タレントのように、優等、通勤、ローカル向けと用途を問わず連節構造が採用される例が、他の地域に比較すると多いといえる。

一方、アメリカでも1941年に登場したシカゴ北海岸線のエレクトロ・ライナーは連接台車とWN駆動による高性能高速電車として名高い。また、現代アメリカの鉄道の象徴ともいえるダブルスタックカーも、連節構造を採用した車両が大半を占めている。

日本における最初の採用例は、1934年京阪電気鉄道60形電車とされている。その後、西日本鉄道500形福井鉄道等で採用されたが、長期にわたる採用例としては、江ノ島電鉄の全車両や高速鉄道では小田急電鉄の特急車の一部で現在でも運行している。

小田急電鉄では、ロマンスカーと称する特急形車両において1957年3000形以降、連接台車を多く採用した。これは、当時の小田急電鉄の関係者が、欧州視察に訪れた際、スペインのタルゴの連接構造へ強い関心を持ったからだとされている。また設計段階でアメリカのエレクトロライナーについても研究したと言われている。

3000形電車「SE」では、モノコック構造を採用する等、その他に車体の軽量化に取り組んだ事もあるが、従来の車両に比べて重量を25%削る事が出来たと言う。だが、その小田急でも後に分割・併結を行う必要性等から、30000形電車「EXE」のように普通のボギー台車を採用した特急形車両を登場させている。

路面電車では札幌市電でのA800形A810形A820形A830形名古屋鉄道岐阜市内線モ770形名古屋市電3000形などでの採用例がある。近年はバリアフリーの進展に伴い、「コンビーノ」をベースとした広島電鉄5100形電車のような「フローティング構造」を持つ車輌や、富山ライトレール等に採用された単車体に単台車という構成の超低床電車が増えている。かつては超低床電車は輸入や海外メーカーのライセンス生産が主だったが、現在ではアルナ車輌の「リトルダンサーシリーズ」のように日本での独自の技術開発が進んでいる。

国鉄では振り子式車両の試験車として製作された591系試験電車と、ガスタービンエンジンを採用したキハ391系試験気動車が連接構造を採用していたが、前者は後に通常のボギー車に改造されている。

以降、国鉄→JRでは本格採用の例は無かったが、1992年新幹線952形・953形電車2002年東日本旅客鉄道(JR東日本)が開発した試作通勤形電車E993系「ACトレイン」は車輪に電動機を直結した構造としたDDM方式と併せて連接構造を採用した。

2007年より「ACトレイン」の成果を受けたE331系量産先行車が京葉線で営業運転を兼ねた試験に供されている。ただ、試作車的意味合いが強い車輌であり1編成しか存在しない事と、不具合の発生などにより運用が間欠的で、今後の量産の可能性は未知数である。

[編集] 関連項目

最終更新 2009年11月28日 (土) 10:38 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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