連絡運輸

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連絡運輸(れんらくうんゆ)とは、2つ以上の運送事業者間を経由する旅客貨物を運送する場合に、関係事業者間で締結した契約に基づき行われる運送業務のことである。

目次

[編集] 概要

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[編集] 運送事業者

連絡運輸がされる運送事業者としては、次の事業者がある。

[編集] 実施内容

  • 相手方の事業者で利用可能な切符・利用券等の発売。
  • 直通運転乗継駅・施設等からの乗継・積替。

[編集] 日本の連絡運輸

日本では、鉄道事業者または軌道経営者間か、鉄道事業者・軌道経営者と自動車運送事業者(バストラック)または海運事業者(鉄道連絡船渡し船フェリー)間の運送・運送協定の締結が多く、連絡運輸といえば単に鉄道・軌道の連絡運輸のことについて述べられることが多い。かつては連帯運輸(れんたいうんゆ)と呼ばれていた。

2008年現在、連絡運輸は鉄道事業者・軌道経営者との鉄道・軌道路線とのものが大勢を占めているが、国鉄の末年までは周遊券(一般周遊券)の発売の関係もあり、国鉄から私鉄のほかに民営バス、海運事業者へ(から)の連絡運輸が多数設定されていた。地方のローカル私鉄では、私鉄駅から国鉄との接続駅周辺地区駅との連絡乗車券・連絡荷物・連絡貨物取扱などが存在し、東京都内や大阪市内など特定都区市内への長距離連絡乗車券が発売されていたこともあった。

国鉄分割民営化後は、各事業者間の精算業務の煩雑さなどや、貨物・荷物業務の大規模な縮小・廃止、自動改札機に対応する切符の発券機等の新設、マルス端末・鉄道電話等の費用や連絡線・留置線の維持などの問題から、連絡運輸を解消あるいは縮小している(例、しなの鉄道)。JRから他社地下鉄・私鉄・第三セクター鉄道へは直通運転の関係から、一応、規則上は数多く設定されていることにはなっているが、私鉄側が一切案内していないために実際に発売しているのかは不明となっている。また、規則上は存在していても、JR駅・私鉄駅相互の対象区間や設定接続駅が30年以上前(1970年代)の運転状況のままで、実際には利用困難・不可能なものなどがある。バス、海運事業者との連絡運輸は、JRバスグループ全体でもわずかに残る程度であり、他の事業者も大幅に削減されている。

だが、SuicaPASMOといったIC乗車カードプリペイドカードの発展に伴い、これらICカード(特にIC定期券)に限定した連絡運輸は拡大の方向にある。

[編集] 鉄道・軌道間の連絡運輸

日本では鉄道・軌道間での連絡運輸は私鉄が制度化された当初から存在しており、芝山鉄道横浜高速鉄道こどもの国線のように建設当初から、連絡運輸先事業者に業務の丸投げ(全面委託)を前提に建設され、事業の免許又は許可を受けた例があるほど、一般的な運送方法・協定である。連絡運輸の具体例は次の事例がある。

  • 直通運転
  • 連絡運輸先事業者との切符普通乗車券定期乗車券など)の販売
  • 乗換駅から連絡運輸先事業者への乗継(旅客)・積替(荷物、貨物) 
    • 駅舎統合されず、徒歩で連絡する場合もある。徒歩連絡も参照のこと。

なお、本項では、旧国鉄の後身である、複数のJR旅客鉄道会社にまたがる場合でも1つの「JR」として記載する。この事例はJR各社で協定を結んでいるが、通常は連絡運輸とは呼ばず、連絡乗車券の形でも発行されていないことによる(ただし、JR発足初期には、旅客会社の境界駅周辺駅の自動券売機で境界駅をまたがる場合の他社JRへの乗車券が発売されていた)。


[編集] 通過連絡運輸

A社~B社~A社という乗り継ぎが可能である場合に、前後2区間のA社線の営業キロを通算して1区間分の運賃を計算するように協定が結ばれている場合があり、この協定に基づく連絡運輸通過連絡運輸(つうかれんらくうんゆ)という。

通過連絡運輸協定は、中間に関東・関西・福岡の他社線乗り入れがある地下鉄を挟む形での一部の区間や、伊勢鉄道など、旧国鉄・JR線を転換した第三セクター鉄道を挟んだ一部の区間で行われている。過去には中間に民間フェリー航路やバス路線を挟んだ区間もあった。基本的には連絡普通乗車券・連絡定期券のいずれも適用されるが、一方のみ適用と言う場合もある。

JR以外では、定期券のみ取扱いだが東京地下鉄(東京メトロ)と東京都交通局都営地下鉄)の間の一部経路(東京メトロ-都営地下鉄-東京メトロ、都営地下鉄-東京メトロ-都営地下鉄)に同様の協定がある。

また、名古屋鉄道(名鉄)では、瀬戸線栄町駅名古屋本線名鉄名古屋駅あるいは金山駅についても類似の扱いがある。なお、名鉄では中間の交通機関の乗車券については、犬山線名古屋市営地下鉄鶴舞線豊田線以外取り扱わないため、厳密な意味での通過連絡とは異なる。2006年12月16日から通学定期券を除き廃止し、2009年3月31日付けで完全に廃止した。

JRの連絡運輸の取扱い区間については、旅客連絡運輸規則、旅客連絡運輸取扱基準規程の別表に掲載されている。(規程の冊子が赤い本なので、「赤本」「赤表紙」などと呼ばれることもある)

[編集] 通過連絡運輸の例

東日本旅客鉄道(JR東日本)常磐線亀有駅取手駅までの区間などから、「東京地下鉄(東京メトロ)千代田線北千住西日暮里の区間」を経由して、JR東日本山手線内の駅などまでの区間の運賃は、通過連絡運輸の特例が適用される。

例:南柏駅→(東日本旅客鉄道常磐線~東京地下鉄千代田線)→西日暮里駅→(東日本旅客鉄道山手線)→池袋駅
この場合だと、
JRの「南柏→北千住の営業キロ数」(19.3km)
JRの「西日暮里→池袋駅の営業キロ数」(6.0km)
を通算した営業キロ数(25.3km)で求めたJRの運賃 =450円
東京地下鉄の「北千住→西日暮里」の運賃 =160円
を合計して610円ということになる。

なお、2007年3月18日開始のSuica及びPASMOといったICカード乗車券は通過連絡運輸の運賃計算に対応していないため、SuicaあるいはPASMOを使った場合、それぞれ区間の運賃を単純に合算してから一定額を差し引く。上記の例では

JR線「南柏~北千住の運賃:290円」+JR線「西日暮里~池袋の運賃:150円」の合計440円から100円差し引いた額+東京地下鉄線「北千住~西日暮里の運賃:160円」を合計し、500円となる。

このように、ICカード相互利用の場合だと乗車券購入の場合に比べて安くなる場合が多い。しかし、金町駅→(東日本旅客鉄道常磐線~東京地下鉄千代田線)→西日暮里駅乗換→(東日本旅客鉄道山手線)→巣鴨駅間など一部区間では逆に多少割高(2009年4月現在、金町駅→西日暮里駅→巣鴨駅は、切符購入より50円割高)となる場合もある。

他にも

などがある(いずれも、販売範囲は限定されている)。また、前述のIC乗車券を使った場合は通過連絡運輸は適用されない。そのため連絡乗車券の購入を促している。

かつては東武鉄道をはさんだほぼ関東一円の区間にも連絡乗車券が発売されていたが(一例としてJR総武線(西船橋・津田沼方面)~船橋駅東武野田線柏駅~JR常磐線(北柏・南柏方面))、2007年3月18日に全廃された。

定期券のみで区間限定ではあるが、A社~B社~A社~C社の連絡定期券もある。[1]

大都市圏以外では、両端のJR線を結ぶ短絡路線として特別急行列車などが運行される伊勢鉄道、北越急行等に通過連絡運輸の扱いがある。

通常、乗車券は事前に購入しないと適用されないことが多いが、改札駅の精算所で乗車券の変更が可能である場合もある(上記の西日暮里接続の例が該当)。

東京地下鉄東西線および千代田線経由の通過連絡運輸の場合、あらかじめ通過連絡運輸の乗車券を購入しておくと、通過連絡運輸区間外の乗り越しであっても、東京近郊区間内であれば全区間を通過連絡運輸区間として計算できる。

  • 例:金町駅~(千代田線・常磐線各駅停車)~西日暮里駅~(山手線)~東京駅間の乗車券で鎌倉駅まで乗り越すとき、(鎌倉駅は通常はこの通過連絡運輸の区間外であるが)通過連絡運輸として計算される。

[編集] 連絡乗車券

切符発売に関する連絡運輸を実施している場合、出発地から到着地までの各事業者の乗車券等を1枚にまとめたものを発行することがある。これを連絡乗車券(れんらくじょうしゃけん)という。連絡乗車券は、原則として乗換場所を限定し、双方の運賃、料金を合算するが、特定の割引(各社毎の乗車距離が短く、最低運賃の合算で距離の割に割高になる場合など)を行うものや、乗換場所を限定しないものがある。また、一部区間が複数事業者で重複する場合、特殊な計算をする場合がある。

[編集] ICカード・プリペイドカードの連絡運輸

東京近郊の連絡運輸を行っている区間の場合、「Suica」・「PASMO」やパスネット(2008年3月15日以降利用停止)などプリペイドカード対応社局同士の場合の乗り継ぎ割引は自動的に適用されるが、地下鉄の一部連絡駅などのように、乗り換えに一度改札を出る必要がある場合は、30分以内に乗り継がないと割引や乗り継ぎが打ち切られ、次回入場時には新たに運賃が差し引かれることになる(首都圏ICカード相互利用サービスの項を参照)。

[編集] 国際連絡運輸

連絡運輸には自国内の事業者相互間にとどまらず、国外の鉄道との間でも行われている。例えば欧州の場合、国際列車が各国間(多数またがる場合も多い)に多く設定されている為、必然的にそれが行われている。

日本の場合1988年(昭和63年)7月以降、韓国との間で「日韓共同きっぷ」が設定されている。2008年現在ではJR北海道JR東日本を除いたJRの主要駅から、寝台特急特急新幹線などを使用して下関駅博多駅までの乗車券特急券、そこから釜山までの船舶の乗船券、そして釜山・慶州からソウルまでのKTX(韓国高速鉄道)の乗車券がセットされた、特別企画乗車券として設定・販売されているものである。

また太平洋戦争終結までは、日本各地から朝鮮中華民国、そして欧州のローマロンドンに至るまでの国際連絡運輸が行われており、それら各地への切符を主要駅で買う事ができた。

[編集] 第2次世界大戦前の国際連絡運輸の沿革

[編集] 最盛期の日本からシベリア鉄道への経路

戦前から戦中にかけて日本~朝鮮・中国・欧州間の連絡輸送が活発に行われたが、日本から海を渡って大陸へ行き、そこからシベリア鉄道に乗り込んで欧州へ向かうには、さまざまなルートが存在していた。戦前、欧亜連絡輸送が最も盛んに行われた1934年(昭和9年)12月頃の、それらを示すと下記のようになる。

  • 釜山・新京経由 まず山陽本線下関駅へ行き、そこから鉄道省の運営していた関釜連絡船(下関~釜山間)で朝鮮の釜山へ向かう。そして朝鮮総督府鉄道と南満州鉄道で新京(現在の長春、当時満州国首都であった。)、ハルビン、満州里(中国とロシアの国境)、チタ(ロシア)と経由してシベリア鉄道に接続するもの。
  • 大連・新京経由 山陽本線の神戸駅または門司駅へ向かい、そこから大連への航路に乗り込む。大連からは南満州鉄道に乗り込み、あとは釜山経由と同じ経路でシベリア鉄道に接続するもの。
  • 敦賀・ウラジオストク経由 北陸本線敦賀港駅(汽船との接続を図るため、敦賀港の一角に設けられた駅。船舶の発着する時のみ旅客列車が入線した。)へ向かい、敦賀港からウラジオストクへの航路に乗る。そしてウラジオストクからシベリア鉄道に接続するもの。

これらの中では「釜山・新京経由」が欧州への最速のルートで、1934年(昭和9年)12月当時は東京駅を15時に特別急行列車富士」で出発し、下関に翌日の9時30分に到着して接続する関釜航路が10時30分発、そして釜山に18時につき同地19時20分発の急行「ひかり」に乗りかえれば、新京には東京発3日目の21時に到着した。そこから先も乗り継いでいくと、モスクワソ連)には東京を発って12日目の17時、ベルリンドイツ)には14日目の9時23分、パリフランス)には15日目の6時43分、ローマイタリア)には同日9時、ロンドンイギリス)には同じ日の16時55分に到着する事ができた。(いずれも現地時刻)

なお1937年(昭和12年)1月当時、東京~ロンドン間は釜山・モスクワ・ベルリン経由で13,645kmで、その運賃は一等795円、二等560円、三等390円だった。ちなみに当時の銀行員の初任給は70円、時刻表の値段が25銭、コーヒー1杯が15銭程度だったという。ただしソ連政府が外交官、軍人以外には査証をあまり発給しなかったので、多くの民間人は海路を利用した。

[編集] 国際連絡と日本の優等列車

設定された特別急行列車急行列車のなかには、国際連絡輸送に関わるものが多数存在した。代表的なのは特急「富士急行7・8列車で、両列車とも東京駅~下関駅間を運転し、前述した釜山への航路に接続していた。そのためこの両列車には、他の列車より優れた設備(一等展望車洋食堂車など)がなされていた。また東京駅~敦賀港駅間にも、同じく前述したウラジオストクへの航路が運行される日には、臨時列車が運転されていた。

[編集] 外部リンク

[編集] 注釈

  1. ^ JR東日本~私鉄・地下鉄~JR東日本~別の私鉄の例のPDF

最終更新 2009年9月30日 (水) 01:44 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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