遠鉄バス北遠本線

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水窪町バス停と遠鉄バスの車輛
(2006年1月)

北遠本線(ほくえんほんせん)は、西鹿島駅水窪町を結ぶ遠州鉄道遠鉄バス)のバス路線である。全線が静岡県浜松市天竜区内を走行する。

1946年までは(高木保治氏による)個人営業→遠州秋葉自動車→遠州鉄道バスの水窪線(みさくぼせん)として、1946年から2002年までは国鉄バス東海旅客鉄道バス→ジェイアール東海バスの自動車路線である天竜線(てんりゅうせん)として運行されていた。本項では、水窪線・天竜線の歴史や北遠本線の支線(浜松市自主運行バス含む)についても含めて記述する。

目次

[編集] 概要

全区間天竜区内で、西鹿島駅(起点については変動があり、国鉄→JR時代は遠江二俣営業所が始発)から国道152号を北上し、山東・横山町・龍山町佐久間町を経て、水窪町に至る。総延長約50km。

ほぼ全線にわたって天竜川に、西渡からは支流の水窪川に沿う。国道ながらも狭隘(きょうあい)な箇所が多いが、大型のバスで運行されることがある。また、決して路面状況が良いとは言えないが、オムニバスで運行される便がある[1]

2009年1月現在遠鉄バスの一般路線では最も運行距離が長く、ジェイアール東海バスの時代は全区間の通し運賃は1470円だったが、遠鉄バス移管時に上限運賃制により630円に値下げされた。

[編集] 沿革

国道152号、旧 天竜市(現天竜区)山東付近を走るジェイアール東海バスの車輛
(1997年12月)
ジェイアール東海バスの旧遠江二俣営業所
(1997年12月)
旧遠江二俣バス停留所時刻表
(1996年12月)

この区間の路線バス運行は、大正末期に高木保治の個人営業により水窪線・佐久間線の運行を開始したのがルーツである。この路線は1937年に遠州秋葉自動車に買収され、さらに1943年には戦時統合により遠鉄のバス路線となっている。一方1944年には省営自動車の貨物路線が峰之沢鉱山からの鉱石輸送目的で、遠江二俣 - 遠江青谷間および瀬尻 - 峰之沢間の竜山線として運行を開始している。

戦時中は遠鉄が旅客輸送、鉄道省営自動車が貨物輸送をそれぞれ分担する形になっていた。終戦後、民営バスの復旧が遅れている地区においては国の復興政策にのっとり国鉄バスが新たに進出することになった。これにより1946年7月、国鉄二俣線遠江二俣駅(現在の天竜浜名湖鉄道天竜浜名湖線天竜二俣駅)と、飯田線中部天竜駅を結ぶ予定で計画された国鉄の計画線「佐久間線」の先行ルートとして国鉄バスによる運行を計画、遠鉄に対して路線免許の譲渡を要請した。

遠鉄は当初反対の意思を示したものの、鉄道の先行という使命が設定されたことにより、将来鉄道線が開通すると理解した沿線住民は国鉄バスの運行に賛成という立場をとった。また遠鉄自身も戦後の復興途上で、1946年の時点では本路線の完全復興の見通しが立っていなかった(遠鉄バス路線の復興が本格的に進むようになったのは翌1947年以降である)ことから、遠鉄と国鉄が協議した結果、遠鉄の鉄道線との連絡運輸や、これ以後遠鉄のエリアで一般路線バスの運行を計画しないなどの条件により、路線免許の譲渡について合意に至った。路線免許の譲受を受けた国鉄バスは、天竜線として運行を開始した。運行開始当初は西鹿島駅は経由していなかった。

その後1955年に瀬尻 - 白倉峡間の白倉線が開業した。また遠鉄による浜松駅 - 佐久間ダム間の佐久間線が1958年11月8日に運行を開始しているが、国鉄バスと遠鉄バスでルートが違い、国鉄バスの佐久間線は流れを汲む天竜川沿いをたどるルートであるのに対し、遠鉄バスの佐久間線は浜松駅-西鹿島-熊-浦川-佐久間-佐久間ダムを結んでいた。遠鉄バスのルートは現在の県道、天竜東栄線をたどる山越え路線である。遠鉄バス担当便は一日二往復あり、末期まで車掌が乗務していた。なお、そのうち一往復は佐久間で乗務員が宿直するダイヤ構成となっていた。因みに国鉄バスが遠鉄バス佐久間線に相互乗り入れを開始したのは1959年4月に遠鉄と相互乗り入れ協定を結んだためで、それ以降に同区間の直通運行を行った。

国鉄バスは、1968年には、それまで貨物輸送のみであった竜山線の瀬尻 - 峰之沢間で旅客営業を開始するなど路線網の充実が見られた。

しかしモーターリゼーションが進むにつれ、こうした山間部の路線バスの運行は厳しい状態におかれ、佐久間線の浜松駅からの直通運行も1971年3月11日に廃止された。その後も縮小が続き、1996年3月31日限りで西渡 - 中部天竜間は廃止となり、佐久間町営バスに移管された。その後、佐久間町営バスは遠鉄に運行委託されたため再び中部天竜・佐久間に遠鉄の運行によるバスが走ることになった。

そして2002年9月限りでジェイアール東海バスとしての運行は廃止、遠鉄が運行を引き継ぐことになり結果的には56年前の運行主体に戻ったことになる。

なお、ジェイアール東海バスとしての運行の末期には本線(遠江二俣 - 水窪町)の通し便が5往復のほか、遠江西川から分岐する白倉線関係の運行が数便あったのみであった。竜山線・東天竜線などの支線は廃止もしくは自治体へ移管(現在の浜松市自主運行バス。但し白倉線のみ龍山村営バス→浜松市自主運行バス龍山線を経て遠鉄直営の龍山支線)された。

現在も、佐久間線などの支線は浜松市自主運行バスとして運行している(多くは遠鉄に委託)。なお、龍山線は2007年に運行委託路線から遠鉄の直営路線に切り替わっている。

  • 1937年 - 遠州秋葉自動車、個人営業により運行されていた水窪線佐久間線(旧)を買収。
  • 1943年10月 - 戦時統合により遠州鉄道バスの路線となる。
  • 1944年 - 鉄道省遠江二俣自動車区を開設、国鉄バス竜山線の運行を開始。
  • 1946年10月10日 - 遠州鉄道バス水窪線国鉄バスに移管、天竜線として遠江二俣 - 水窪町間の運行を開始。
  • 1955年 - 国鉄バス白倉線(現在の龍山支線)開業。
  • 1958年11月8日 - 遠州鉄道バス佐久間線(新)開業。
  • 1959年4月 - 国鉄バス遠州鉄道バス佐久間線(新)に乗り入れ開始。
  • 1968年 - それまで貨物輸送のみであった竜山線の旅客営業を開始。
  • 1971年3月11日 - 佐久間線(新)から遠州鉄道バスが撤退。同時に浜松駅発着便がなくなる。
  • 1971年7月1日 - 佐久間線(新)を管轄していた遠州鉄道バス佐久間貸切営業所廃止。
  • 1987年4月1日 - 国鉄分割民営化により、東海旅客鉄道JR東海)バスが承継。
  • 1988年4月1日 - 東海旅客鉄道バスからジェイアール東海バスへ移管。
  • 1996年4月1日 - 佐久間線(新)を佐久間町営バスに移管し遠鉄へ委託。
  • 2002年10月1日 - ジェイアール東海バスから遠州鉄道バスへ路線移管、北遠本線として西鹿島駅 - 水窪間の運行を開始。白倉線龍山村営バスに移管し遠鉄へ委託。
  • 2005年7月1日 - 広域合併により佐久間町営バス龍山村営バス浜松市自主運行バス佐久間線浜松市自主運行バス龍山線に改称。
  • 2007年4月1日 - 浜松市からの龍山線運行受託を解消、龍山支線として路線統合。

[編集] 運行区間(浜松市自主運行バスは除く)

  • 西鹿島駅~二俣仲町~山東~横山町~龍山町~瀬尻~佐久間町~水窪町(本線)
  • 西鹿島駅~二俣仲町~山東~横山町~龍山町~瀬尻(区間便)
  • 瀬尻~西川~白倉峡(龍山支線)
龍山支線は2007年4月1日付で浜松市からの委託が解消され、路線が統合された。

[編集] 廃止区間

  • 遠江二俣~西鹿島駅 - 遠州鉄道に移管時に廃止。
  • 西鹿島駅~双竜橋~山東 - 同じく遠州鉄道に移管時に廃止。遠鉄の他の路線と同じ二俣仲町経由に変更。

[編集] 運行本数(浜松市自主運行バスは除く)

2009年9月19日現在、西鹿島駅 - 水窪町間で1日5往復と、西鹿島駅 - 瀬尻間で1日1往復である。龍山支線は1日3往復。(いずれも平日・土日祝で時刻の変更が無い。)

[編集] 主要バス停

瀬尻バス停(元自動車駅)
(2007年9月)
  • 西鹿島駅(旧:西鹿島) - 遠州鉄道鉄道線 西鹿島駅前。
  • 二俣仲町 - 遠州鉄道の他の路線(秋葉線等)は元々二俣仲町経由で、北遠本線も遠州鉄道移管時に二俣仲町経由に変更された。
  • 山東 - 遠州鉄道天竜営業所がある。
  • 船明 - 「ふなぎら」と読む。難読バス停の一つ。天竜川船明ダム湖に沿う。
  • 伊砂入口 - 「いすかいりぐち」と読む。このバス停の近くに、トリビアの泉で紹介された、「月まで3km」の案内標識がある。
  • 月 - 遠州鉄道で数少ない一文字の停留所。
  • 横山町 - 横山町の中心バス停。
  • 横山車庫(旧:遠江横山) - 元自動車駅。待合所あり。浜松市自主運行バス(旧:天竜市営バス)の車庫が併設されている。
  • 西川(旧:遠江西川) - 元自動車駅。龍山町の中心。白倉峡方面の龍山支線が分岐する。
  • 白倉峡 - 龍山支線の終点。
  • 河内沢(旧:龍山中学校前) - 龍山中学校の閉校により河内沢に変更された。
  • 瀬尻 - 元自動車駅。待合所あり。龍山支線(旧:白倉線)の起点である(かつては峰之沢方面の竜山線も発着)ため山間部としては広い構内を有する。(乗務員の)夜間滞泊施設もあるが、現在は使用されていない。
  • 西渡 - 元自動車駅。待合所あり。天竜川と水窪川の分岐点に位置する。浜松市自主運行バス佐久間線接続。(乗務員の)夜間滞泊施設もあるが、現在は使用されていない。
  • 相月駅前 - 飯田線乗換え。
  • 切開 - 「きいなま」と読む。これも難読バス停の一つ。
  • 城西駅前 - 飯田線乗換え。
  • 水窪駅入口(旧:水窪駅口) - 飯田線乗換え。駅へは水窪川に架かる吊り橋を渡り、急な階段を上るか、バス停のある交差点を東へ行き、橋を渡り、次の交差点で駅へ続く坂道を登る。
  • 水窪町 - 元自動車駅。晩年の終点。待合所がある。(乗務員の)夜間滞泊施設もあるが、現在は使用されていない。

[編集] 廃止バス停(他の路線で残存しているものを含む)

[編集] 担当営業所

  • 国鉄・東海旅客鉄道時代は遠江二俣自動車営業所、ジェイアール東海バス時代は遠江二俣営業所。

[編集] 脚注

  1. ^ http://bus.entetsu.co.jp/rosen_time/72.pdf中の「北遠本線にオムニ登場!」表記による。

[編集] 参考文献

  • バスジャパン・ハンドブック14「ジェイアール東海バス」
  • バスジャパン・ニューハンドブック40「遠州鉄道」

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月29日 (日) 10:08 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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