阿含経
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『阿含経』(あごんきょう、または、あごんぎょう、サンスクリット:agama、パーリ語:agama)とは、初期仏教の経典である。「阿含」とは、サンスクリット・パーリ語の「アーガマ」の音写で、伝承された教説、その集成という意味である。
目次 |
[編集] 歴史
釈迦の死後、その教説は迦葉や阿難を始めとする弟子達によって何回かの結集を経てまとめられ、経蔵(sutta-piTaka (pali))を形成した。他方、守るべき規則は律蔵(vinaya-piTaka (pali))としてまとめられた。 一般に、紀元前4世紀から紀元前1世紀にかけて徐々に作成されたものであると言われている。
経蔵はそれぞれ「阿含」または「部」(パーリ語:nikaaya、ニカーヤ)の名で呼ばれた。現存するものは、スリランカ、ミャンマー(旧ビルマ)、タイ、カンボジア、ラオス、ベトナムに伝えられているパーリ語聖典と、それに相応する漢訳経典などである。
中国においても原初的な経典であることに気付いており、研究を行った記録もあるが、大勢を占めることはなかった。 日本にも伝播初期から伝えられており、倶舎宗で研究されていたとされるが、ほとんど伝えられていない。
このニカーヤや『阿含経』は、ヨーロッパの研究者によって注目され世界中に広がった。そのため、ヨーロッパの哲学へ与えた影響は大乗経典より大きく、「新しい宗教」の考え方の基盤となっているとされる。しかし、厳密な翻訳作業を経ていないため誤った認識を示しているものも多く、注意を要する。
[編集] 内容
釈迦の言葉と呼ばれているものはこの経典に納められているものが多く、有名なものに「毒矢の例え」や、自灯明・法灯明などがある。釈迦の最後を記した『大般涅槃経』はニカーヤの長部経典の一部である。阿含経の内容にはかなりの多様性がある。
釈迦の言葉を直接伝えているものとして、インドの密教時代から真言として使用されて来ている。しかし、そのことはこの経典の趣旨からは外れている。
漢訳の『阿含経』は、パーリ語のものからの翻訳とは考えられない形跡がある。同経典がサンスクリット語で伝えられ、漢訳されたとも考えられている。さらに、パーリ語の「ニカーヤ」は、その名の通り部派仏教の部派にそれぞれ独自に伝えられており、少なからず異同がある。逆に、その異同によって部派を特定することも可能である。 現在、残存しているパーリ語経典よりも、漢訳の『阿含経』の方が古い形態を残していると認められることがしばしばある。これは上記の部派による伝承の間に、編集ないし変質が加わったためと考えられている。
しかし基本的には、『阿含経』が、『ニカーヤ』より後代に成立したことは間違いない。釈迦が一般の民衆に、人工語であるサンスクリット語で語ったとは考えられないため、サンスクリットの『阿含経』は、その時点で、すでに他の言語からの翻訳である。しかも漢訳は一般に意訳も多く、明らかに原語にない言葉が挿入されている場合もある。(漢訳からサンスクリットへの復元は困難とされている。)このため、漢訳『阿含経』の信頼性はより低いものと考えられる。
[編集] 構成
- 長部 (diigha-nikaaya (pali)) 長阿含経(じょう-) - 長編の経典。
- 中部 (majjhima-nikaaya) 中阿含経 - 中編の経典集。
- 相応部 (saMyutta-nikaaya) 雑阿含経(ぞう-)- 短編の経典集。
- 増支部 (aGguttara-nikaaya) 増一阿含経(ぞういつ-)- 法数ごとに集められた短篇の経典。
- 小部 (khuddaka-nikaaya) - 法句経(ほっくきょう)や本生経(ほんじょうきょう)など。漢訳では相当文が散在する。

