電力量計

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誘導形電力量計
一般家庭でよく目にするタイプ。透明な容器の中に、回転する円盤と電力量を表示する文字盤が見える。

電力量計(でんりょくりょうけい)は、電力積算し計量する電気計器である。略式としてメーターともいわれ、電力の売買取引上、重要な役割を担っている。

電力量計は動作原理や構造、用途などにより多種が存在するが、一般家庭には交流電力のうち有効電力を積算計量するものが設置されており、内部に回転する円盤が見える誘導形電力量計を特に多く目にする。

目次

[編集] 種類

[編集] 誘導形電力量計

電力量を一桁ずつ指針によって表示するもの

現在、電力量を計量するものとして一般的に広く用いられているのが誘導形電力量計(ゆうどうがた-)である。原理としてはアラゴーの円板を応用したもので、計器の内部には電力に見合った速度で回転する円盤がある。

円盤はアルミニウム製で、直径およそ85ミリメートル、厚さは1ミリメートル程度。円周を100等分した目盛りを外周に刻み、うち一点を色に塗り基準としている。電力が流れていないにもかかわらず、円盤が回転してしまうクリーピング(潜動)現象を抑えるため、円盤上に2か所、直径1~2ミリメートル程度のが開けられている。

円盤を挟み込むようにして電圧コイル電流コイルとが配置されており、これらが円盤を駆動させる原動力を生む。円盤の回転速度を電力に比例させるため、永久磁石を他方に配置し制動力としている。計器の精度を高めるため、重負荷補償装置や位相補償装置、温度補償装置、加えて誤差調節のための重負荷調整装置、位相調整装置、軽負荷調整装置が設けられている。

円盤の中心にはが通され、その両端を軸受によって支持している。軸受における摩擦は計器誤差の原因となるばかりか、計器の耐久性をも左右するため、可能な限り摩擦の少ない軸受が用いられる。

円盤の回転力は減速歯車を介して取り出され、計量装置に電力量を表示する。計量装置は電力量計の表面、外から見えるようにして配置されており、数字によって表示する現字形(げんじがた)と、指針によって表示する指針形(ししんがた)がある。中には、一定の電力量に達するごとにパルス信号を送信する端子を設けたものもあり、これにより電力量を遠隔地でも確認できるようになっている。

[編集] 無効電力量計

無効電力量計(むこう-)は、無効電力を積算計量する電気計器である。原理や基本的な構造は有効電力量計と同一で、計器内部において電流・電圧に位相差を設けるようにされている。無効電力量計には遅れ無効電力量を計測するものと進み無効電力量を計測するものがあり、それぞれ専用のものは兼用することができない。

電力会社が設ける電気料金プランの中には力率によって電気料金が優遇されるものがある。これは主に工場など大口の顧客向けで、一定期間ごとの有効電力量と無効電力量とで力率の平均値を算出し電気料金を割り引くなどの措置がとられる。

なお、皮相電力を積算計量する皮相電力量計も存在しうるが、ほとんど用いられない。

[編集] 最大需要電力計

最大需要電力計(さいだいじゅようでんりょくけい)は、ある期間内において最大の電力値を計量する電気計器である。大きな電力の取引をするにあたって利用される。

[編集] 直流電力量計

直流電力量計(ちょくりゅう-)は、直流電力を積算計量する電気計器である。交流用の誘導形電力量形を直流用に転用したものが多く用いられている。このほか整流子電動機形や、古くから用いられてきた水銀電動機形などがある。二次電池充電量および放電量を測定することなどを目的に、電流値を積算する直流電量計(ちょくりゅうでんりょうけい)というものもある。

[編集] 電子式電力量計

電子式電力量計(でんししき-)は、内部の電子回路により電力を積算計量するものである。この形式のものはセグメントLEDや液晶ディスプレイ上にデジタル表示するものがある。

[編集] 設置

発変電規定では、電力量計を設置する目的として「発電電力量又は使用電力量等の確認、負荷の想定及び取引等のために設ける」(第4-1条 計測装置の施設目的)とある。特に電力量計を電力の取引に用いるためには、日本電気計器検定所 (JEMIC) の検定に合格したことを証明するマークが必要である。このマークには有効期限(=検定の有効期限)の表示があり、これを過ぎたものの使用は計量法違反となるので、期限満了までに適宜交換する。

電力会社の所有物として取引に用いられる電力量計には、銘板の右下に「電」の表示がある(通称「子メーター」と呼ばれる管理用計器には表示はない。ただし、子メーターであっても大家等(施設の設置者)から店子・自販機設置者等への料金再請求に使用される場合は「証明用」の計量器となり、所有者(通常は施設の設置者)に計量法上の検定受検義務が生じる(通常は修理・取替業者への依頼という形になる)。また設置後、電力量計もしくは計器箱に電力会社による封印が取り付けられる。

電力量計の設置にあたっては、電力量の値が読み取りやすいよう配慮される。具体的には床上高さ1メートル以上、2メートル以下がよいとされる。電力量計は精密機械であるため、寒暖差、振動、塵埃飛散の激しい箇所への配置は避けた方がよい。誘導円盤形計器では取り付け角度も重要となり、傾きがあると円盤を支える軸受部分での摩擦抵抗が大きくなり、回転を鈍らせ実際の値よりも少なめに表示されてしまう。

[編集] 規格

電力量計は、その仕様について日本工業規格 (JIS) によって規格化されている。

  • JIS C 1210 電力量計類通則
  • JIS C 1211 電力量計(単独計器)
  • JIS C 1216 電力量計(変成器付計器)
  • JIS C 1263 無効電力量計
  • JIS C 1281 電力量計類の耐候性能

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • 社団法人電気学会『電気工学ハンドブック』第2版

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年12月2日 (水) 23:50 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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