青菜 (落語)

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青菜(あおな)は落語の演目の一つ。上方・東京とも同じ名である。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


[編集] あらすじ

初夏のさわやかなある日、隠居が出入りの植木屋と話をしている。植木屋はすっかり仕事を終えて片付けようとしているところ、

「ああ、御苦労さんじゃな。植木屋さん、こっち来て一杯やらんかいな。」「へえ。旦那さん。おおきにありがとさんでございます。」「一人で飲んでてもおもろあらへん。植木屋さん相手に一杯飲もうと用意してましたのじゃ。どや、あんた柳蔭飲まんか。」「へっ!旦那さん、もうし、柳蔭ちゅうたら上等の酒やおまへんか。いただいてよろしいんで。」「遠慮せんでよろし。こうして冷やしてました。さあ、注いだげよ。」「こら、えらいありがたいことでおます。」

と、柳蔭(上等の味醂酒)を御馳走になり、「うわあ、いい酒でんなあ。」とすっかりいい気分のところへ、ご隠居は「鯉の洗い食べてか。」と鯉の刺身を勧める。植木屋は「へえっ!こらえらいもんを!鯉ちゅうたら、もうし、大名魚言うて、わたいらのようなもん、滅多に食べられまへんで。」とこれまた鯉も御馳走になる。

旨い酒に上等の料理をよばれると今度は「青菜食べてか。」「へえっ!こらまたえらいもんを!青菜ちゅうたら、もうし、大名菜言うて、…」「そんなアホなこといいなや。そんなら待ってや。」と隠居手を叩いて「奥や!奥や!」と声をかける。次の間から来た奥方に青菜を出すように言う。ほどなく出てきた奥方が「鞍馬から牛若丸が出でまして名も九郎判官」「ああ、義経。」

いぶかる植木屋に「これは、もう食べてもて青菜がないのやが、お前はんの前で言うのはみっともないよって、名(菜)も九郎(食ろう)判官としたのや。そこでわしもよしとけ(義経)と、洒落言葉で言うた訳じゃ。」

隠居の粋なやりとりに感心した植木屋は「そんなら、うちのカカにも言わせますわ。」と、飛んで家に帰り、嫁に隠居のいきさつを語って、「お前もこんなことできるか」「何やねん。それくらい屁ェで言うたるわ。」「言うたな。もうすぐ大工の竹が来るから。用意しとけ。」と急ぎ酒肴を用意させ、隣の部屋がないので嫁を押し入れに入れてしまう。

おりしもやってきた友人に「ああ。植木屋はん。」「何いうとんねん。植木屋、おまえやないか。俺は大工や。」「あんた、柳蔭飲んでか。」「えっ!お前ええのン飲んでるやないか。ご馳走になるわ。…これ、濁酒やないかい。」「ああ。さよか。」「・・・ああ、さよかて・・・・お前なんか変なもん食うたんか。」「ああ、植木屋はん。」「植木屋ちゃう!て。」「あんた鯉の洗い食べてか。」「えっ!お前そんなん食うてんのか。ふだんから金ない言うといて、・・・どれどれ。・・・おい!これおからやないか!」「ああ、さよか。」「あんなんばっかしや。」と、植木屋、自分がされたとおりにいくが、なかなかうまくいかない。

ようよう、「あんた、青菜食べてか。」にこぎつくが、「わい、青菜嫌いや!」とむべもなく断られる。「おい、そんなこと言うてんと御馳走になるて、言うてな。」と泣きだすので「何や。何かのまじないか。そんならよばれるわ。」「さよか。奥や!奥や!」植木屋うれしそうに手を叩く。

嫁が押し入れから「はい旦那さん。」と飛び出すので「何や!ここの家は!」と友人腰を抜かす。「あれ!?嫁はん又、押入れ入って行きよったで。けったいな家やで。…あっ!また出てきた、うわぁ、でぼちんに汗かいとるがな。何か言うてるで。聞いたり、聞いたり。」と友人があきれる中、嫁は「鞍馬から牛若丸が出でまして、名も九郎判官義経。」と、植木屋の台詞までみんな言ってしまう。

「ええっ!!…弁慶にしておけ。」

[編集] 概略

上方ネタである。東京へは3代目柳家小さんが移植して以降、小さん一門の得意ネタとなった。初夏のころの季節感あふれる小品で、6代目春風亭柳橋は、その駘蕩とした口調で、爽やかな季節を見事に表現していた。変わったところでは、3代目春風亭柳好は冷素麵をマスタード(西洋がらし)で食べ、口直しに青菜を食べる演出を取っている。

上方では、2代目桂春団治、(「神戸の春團治」と呼ばれた初代桂春輔に稽古をつけてもらった)笑福亭仁鶴2代目桂ざこばなど多くの落語家が得意としている。上方では植木屋が隠居に嫁の愚痴をこぼすとき「…この前も、おいど(尻)の膏薬張り替えて言うさかい、おいどまくって出せ言うたら、いきなりわたいの目の前でブウッ!でっせ。」というナンセンスなクスグリが入り、長屋住まいの庶民の生活感が濃厚である。

[編集] 関連項目

暑気払い

最終更新 2009年7月14日 (火) 00:04 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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