騎士

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曖昧さ回避 この項目では、身分階級としての騎士について記述しています。これ以外の騎馬部隊については「騎兵」をご覧ください。
騎士の叙任(エドモンド・レイトン画)
騎士が装備していた

騎士(きし、knight)は騎馬する戦士をいう。

1.西欧における騎士とは、主に中世において騎馬で戦う戦士に与えられる名誉的称号及びそこから派生した階級を指す。称号としての騎士を騎士号という(以下では主に1の騎士について概説する)。
2.日本においては江戸時代、馬に乗り「御目見え」の資格を持つ武士の称として用いられ、主に徒士との比較語として用いられた。

目次

[編集] 各言語における名称

フランス語ではchevalier (シュヴァリエ)、イタリア語ではcavaliere (カヴァリエーレ)、スペイン語ではcavallero (カバジェロ)、ドイツ語ではRitter (リッター)、オランダ語ではridder (リッデル)であり、いずれも「騎乗」を語源としている。英語knight は「従僕」を意味するcniht に由来する。なお、現代英語では騎兵をcavalier (カヴァリエ)と呼称し、knight と区別する。

[編集] 概要

ヤン・ファン・エイクの描いた中世の騎士
15世紀の騎士を再現した展示物

騎士は、もともとは、古代ローマの兵役で経済的に騎兵を提供するほどの財産を持っている者を指し示していた(エクィテス)。

中世ヨーロッパにおいては、重装騎兵が戦闘の主役であり、そのためには優れた技量と精神的、肉体的な鍛錬が必要だとされ、その資格を有するものに騎士という称号を与えるようになった。

騎士になるにはまず、7歳頃から小姓ペイジ)となり、主君の元に仕え、使い走りなどの仕事をする一方で、騎士として必要な初歩的技術を学んだ。14歳頃で従騎士(エスクワイア)となると、主人である先輩騎士について、身の回りの世話をはじめ、甲冑や武器の持ち運びや修理をも担当し、実際の戦闘にも参加するようになった。20歳前後で一人前の騎士と認められると、主君から叙任を受け、金もしくは金メッキの拍車をつけるようになった。

叙任の儀式は基本的には、主君の前に跪いて頭を垂れる騎士の肩を、主君が長剣の平で叩くというものだが、騎士の戦士としての重要性が薄れると、かえって叙任の儀式は複雑化して、宗教色や騎士道精神といったものが強調されるようになり、聖職者が式に絡むことも多くなった。

騎士道においては一般にキリスト教的観念に基づく、忠誠、公正、勇気、武勇、慈愛、寛容、礼節、奉仕などがとされてきた。

当初は騎士は叙任されるもので、生まれついての身分・階級ではなかったが、騎士としての装備を維持する必要から封建領地をもった階層に固定され、やがて男爵以上の貴族称号を持っていない者の称号となった(ナイト爵)。

16世紀以降、火器の使用により騎乗戦の意義が薄れ、また、馬や鎧、武器の調達に莫大な費用がかかることから、軍役を金銭によって済ますことが多くなり(軍役免除)、騎士は戦士としての役割を終えて、純粋な社会的階級となった。現在でもイギリスなどでは、男爵、準男爵に次ぐ爵位として、ナイト爵が勲章システムと結びついて存在している。別称は勲功爵、勲爵士ともいう。

騎士への敬称は主にSir()という。但し、騎士は中国や日本の卿に比べてはるかに低い階級(卿、太夫)であるため、Sirを卿と訳するのはあまり正しくない。また、貴族の尊称Lordも同じくと訳されるため誤訳・誤用を招くこともある。

また、自らの力を試したり、ロマンチックな冒険を求めて方々を渡り歩く騎士を遍歴騎士と呼んだ。

[編集] 騎士の終焉

騎士が軍事的価値を喪失しはじめたのは1400年ごろからだと言われている。 傭兵部隊が軍事の主力となると騎士は自分の連隊を率いて傭兵隊長となるなどの転身をしなければ軍人としては生き残れなくなっていった。 多くの騎士はフェーデを悪用した合法ギリギリの強盗、恐喝、身代金誘拐などで生計を立てるようになったが、フェーデの全面禁止に伴い生活基盤を失って単なる傭兵となるなどして没落していった。

中世ドイツでは国王と騎士による国家再建を目指して騎士戦争を起こしたが、結果として騎士が滅亡することになった。

中には自身の軍事的価値を放棄して土地を所有して荘園領主として自活する道へと進んでいった者たちもいる、現代まで存続している騎士の家系の多くはこの系統である。

[編集] 現代の騎士

騎士の姿をしてタンネンベルクの戦いを再現する祭り

上記の通り、英王室における爵位として、今日でもイギリス内外の功労者への称号として授与されるケースは多い(映画『パトリオット・ゲーム』でジャック・ライアンが、王族の一人を暗殺から救った功でナイト位を受けた例がこれに該当)。論文等の中で学者の名称が「~卿」となっている場合は、こうしたナイト爵を得ている人がほとんどである。その他、ヨーロッパにおいては、中世以来今日に至るまで騎士団の伝統を受け継いでいる人々が多くおり、中でもワインやチーズなど食文化の伝道者としての団体として続いているものも多い。また、君主制の国家ではないものの、政府として騎士号を授与する国もある。

食文化を守る騎士団としてはフランスボルドーワインの伝統を守るボンタン騎士団なとが有名であるが、その他、フランス、ドイツを中心にワイン騎士、ベルギービールの騎士号やフランスチーズ鑑評騎士などの称号があり、それぞれの食文化において活躍する人材に対してこれらの騎士号が授与されている。日本でも、とりわけ国内の著名人などが授与されるケースも多い。

またマルタ騎士団は現在、独立国家として国際医療に従事している。これも今日の騎士のあり方の一つであろう。

[編集] 日本

独特の美学を有する戦士階級と言う意味では、武士が騎士に良く似た存在である。ただし、西欧から導入した爵位の制度はかつて存在したが、これらは騎士または騎士団の制度とは根本的に違うものである。

青森県商工会議所雪かきの功績者に対して「雪の騎士」という騎士号を授与する例や、日本吟醸酒協会が開催する吟醸酒大学校の受講生の中で一定の要件を満たした人に「吟の騎士」の称号を授与しているケースもある(さらにその上級課程を修了すると「吟の衛士」の称号が授与される)など、現在では業界団体、ボランティアへの表彰や、民間法人の私設カレッジの私的称号として騎士号が用いられるケースが見られる。

2008年以降、和歌山県は県内で功績のあった人物・動物などに対し、「和歌山県勲功爵(わかやま で ナイト)」を送るとしている。第1号は、猫の駅長であるたま

なお、これらの場合、称号と言うよりも、愛称に近いものである。

[編集] 創作物としての騎士

詳細は「騎士道物語」を参照

現在でも騎士及び騎士道を扱った作品は様々な形で数多くある。作品によって騎士としての在り方、捉え方も多岐に渡る。

[編集] 関連項目

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歴史
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最終更新 2009年9月5日 (土) 23:29 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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