髄膜炎

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髄膜炎

髄膜炎(ずいまくえん)とは、髄膜下腔のうち、主に軟膜に炎症が生じた状態。脳膜炎、脳脊髄膜炎ともいう。

目次

[編集] 原因

各年齢層によって異なる。

シドニー大学の寄生虫学教授ジョン・ウォーカーの論文によると、ナメクジカタツムリなど、粘液性腹足類動物を食べることによって感染したというケースが、多数報告されているという。 さらに、ネズミに存在する寄生虫を、ナメクジカタツムリの幼虫が運び、それを食した人間が感染するという説もある。

[編集] 臨床像

[編集] 症状

発熱頭痛意識障害(特に細菌性髄膜炎に多い[1])、髄膜刺激症状が認められ、悪心嘔吐も生じ、時には麻痺も起こす[2]。neck flexion test, jolt accentuation が感度が高い。ケルニッヒ徴候、羞明、眼球の圧痛などもみられることがある。

[編集] 所見

  • 一般細菌 - 細菌性髄膜炎または化膿性髄膜炎と呼ぶ。脳に細菌が入る事もあり、脳障害になる恐れもある。
    腰椎穿刺施行にて得られた脳脊髄液において、菌体を認め、好中球の増加、ブドウ糖の減少を認めることが多い。症状は最も激烈で、適切な治療が速やかに要求される。
    髄膜炎菌は欧米では重要な起炎菌だが、日本では少ない。
  • ウイルス - 年長小児(幼稚園児〜小中学生)に多い。
    脳脊髄液では単核球優位の細胞数増加が見られる一方、蛋白やブドウ糖の変化はほとんどない。
    原因ウイルスとしてはエコーウイルス、エンテロウイルスなどのエンテロウイルス族のほか、ムンプスウイルスによる流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)に合併することも少なくない。
    根本原因を解決することはできないが、頭痛や嘔吐に対する対症療法を行っていれば、ほとんどの場合、自然軽快傾向を示す。死亡したり後遺症を残すことはまれ。
  • 結核菌
  • 真菌

[編集] 治療

細菌、真菌、結核菌による髄膜炎では、速やかに強力な抗菌療法を開始しなければならない。小児の細菌性髄膜炎では、難聴を予防するためにステロイド薬のデキサメタゾンを併用することもある。 頭蓋内圧亢進症状が強い場合や、意識障害が見られる場合には、グリセリンマンニトールなど多糖類の投与で脳浮腫の改善を図る。 一方、ウイルス性の髄膜炎は自然軽快傾向を持つため、疾患自体に対する治療は不要である。嘔吐に対しては絶飲食と輸液、頭痛に対しては鎮痛薬の投与、発熱に対しては解熱剤の投与といった対症療法で苦痛の緩和を図る。

[編集] 予防

インフルエンザ桿菌b型 (Haemophilus influenzae type b, Hib) による髄膜炎は、Hibワクチンの登場により、諸外国では極めてまれな疾患となった。日本では依然として、Hibは小児細菌性髄膜炎の最も多い起炎菌である。日本ではHibワクチンが2008年12月より、医療機関で任意接種可能となった。

肺炎球菌による髄膜炎も、成人免疫不全患者、高齢者に対する肺炎球菌23価ワクチン(日本も承認済み)によって予防できる。乳幼児(2歳未満)にはこの23価ワクチンが無効であるため、乳幼児の肺炎球菌性髄膜炎の予防には多価(最も知られているのは7価)蛋白結合肺炎球菌ワクチンが必要である(国内未承認)。7価の肺炎球菌ワクチンも、輸入ワクチンを取り扱っている医療機関において接種可能である。

髄膜炎菌性髄膜炎の予防については「髄膜炎菌」を参照

[編集] 脚注

  1. ^ 軽度のものから昏睡まで含めると、細菌性髄膜炎の約75%で意識レベルの低下がみられる。対してウイルス性のものでは、昏睡に至ることは稀である。Harrison's Principles of Internal Medicine, 17th edition. Fauci, AS, Braunwald E, Kasper DL, Hauser SL, Longo DL, Jameson JL, Loscalzo J. McGraw Hill. pp. 2623, 2627. ISBN 978-0-07-159991-7
  2. ^ 関根今生監修 『新編 図解 症状でわかる医学百科』 主婦と生活社、2002年、77頁、ISBN 4-391-12572-2

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク


最終更新 2009年10月12日 (月) 01:21 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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