高エネルギー物理学

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CERNの大型加速器Large Hadron Colliderは円の真下にある全周27kmの地下トンネルにあり、スイスとフランスの国土を跨いで設置されている。
1970年に泡箱を用いて初めて観測されたニュートリノ。右側にある三本線の起点にあった陽子に衝突したニュートリノがミュー粒子に変化し、新たにパイ中間子が生まれた。

ニュートリノ」も参照

高エネルギー物理学は、加速器で作られる高エネルギーを持った基本粒子の衝突反応を詳しく調べ、素粒子と呼ばれる究極の物質の構造や、その基本的相互作用について研究する分野である。

目次

[編集] 主な研究機関・施設

アメリカ合衆国では、スタンフォード直線加速器研究センター国立フェルミ研究所ブルックヘブン国立研究所などで、素粒子研究の黄金時代を築いた。 しかし、その後に計画されたSSC計画が予算を大規模に超過して中止に追い込まれた。現在は、欧州原子核研究機構高エネルギー加速器研究機構の研究に参加を行うことと同時に、将来の国際リニアコライダー計画への参加も表明。

欧州原子核研究機構では、2008年から始まるLHC加速器を用いた7TeVの陽子・陽子衝突実験により、素粒子の標準模型に必要なヒッグス粒子が発見されることが期待されている。更に、その先にある大統一理論候補の検証への最初のステップが開かれる予定である。

日本では、高エネルギー加速器研究機構における世界最高強度の電子・陽電子衝突装置KEKBを使ったベル実験つくば市から飛騨市ニュートリノを飛ばしてニュートリノ振動を検証するK2K実験など、世界的に注目される最先端の研究を実施。現在は、SPring-8J-PARCRIビームファクトリーなどによって、加速器科学の応用研究まで視野に入れた取り組みにも注目が集まっている。

将来的には、アジア・欧州・アメリカまで含んだ国際リニアコライダーと呼ばれる、電子・陽電子をテラ電子ボルトレベルのエネルギーまで加速し衝突させる大型加速器の建設が検討されている。 標準模型を超える素粒子物理学の記述に方向性を与える実験には必要不可欠の加速器であるが、全ての建設費用が2007年現在の概算で一兆円程度と非常に規模が大きく、建設が実現するとしても世界で唯一の施設になると予想されている。

[編集] 歴史

「高エネルギー」の定義にはいくつかあるが、一般的に高エネルギー物理学では通常の生活では考えられもしないような物理現象をその対象としてきた。

原子核物理学は、化学実験から始まった。ピエール・キュリーマリー・キュリーよる、ポロニウムの発見やラジウムの発見。そして、それらの原子が発する放射線の研究から、高エネルギー物理学への道が開かれた。

つまり、この項の定義である「高エネルギー物理学」とは、可視光線以上の周波数を持つ(もしくは、短い波長を持つ)放射線の研究から始まったものである。その後、様々な実験装置の開発によって、紫外線からエックス線ガンマー線が発見され、それらが原子及び原子核内の物理反応に由来することが判明した。実際に、アルファー線はヘリウム原子核・β線は電子線・ガンマー線は原子核内の励起反応や電子陽電子の対消滅によって生じる。

20世紀に入り、加速器霧箱写真乾板など実験観測装置の進歩によって、それらが宇宙から来ることが分かり、それが全ての物質の根源であるというところまで来た。さらに、研究が進み、原子自身も電子陽子中性子からなることが実験的に証明された。更に、陽子や中性子を結びつけるものとして、中間子が発見され、物質の根源を探す研究者達の探求の試みはにわかに活気づいた。宇宙由来の放射線の研究や加速器が次々に建設され、対称性を持つ粒子や今の宇宙には存在しない粒子が見つかることになり、これらを分類することによって、素粒子物理学の第一期が訪れた。この時期に活躍したのが、日本人では仁科芳雄湯川秀樹朝永振一郎らである。

第二期は、素粒子物理学の分類から始まり、その素粒子群が増えてきたことによって、これらの粒子にも根源となる粒子があるはずという仮説から、マレー・ゲルマンらによるクォーク仮説が提唱された。なお、同様の仮説は、名古屋大学の故坂田昌一によって提唱されているが、言語の壁等もあり、世界的に広まらなかった。しかし、実験分野では世界的に大型の加速器が建設され、日本でも大型の実験施設であるトリスタン計画がスタートし、遅ればせながら実験分野での貢献が始まった。

[編集] 関連項目

[編集] 研究課題分野

[編集] 装置

[編集] 大型実験

[編集] 応用技術

[編集] 実験装置運営機関

[編集] 日本国

[編集] アメリカ合衆国

[編集] ヨーロッパ連合

[編集] ロシア連邦

  • 国立加速器科学研究所 - 世界最初のシンクロトロン型粒子加速器が稼動。

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年9月26日 (土) 13:02 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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