鳴き砂
鳴き砂の最新ニュースをまとめて検索!
| 島根県大田市(旧邇摩郡)仁摩町馬路町 琴ヶ浜(近影) | ||||||||
|
||||||||
鳴砂(なりすな、なきすな)とは、砂の上を歩くとキュッと鳴る砂をいう。地域により「なりすな」とも「なきすな」とも呼ばれ、鳴り砂、鳴き砂あるいは泣き砂とも表記される。鳴砂は、2007年に全国鳴き砂(鳴り砂)ネットワークが決定した統一表記法である(#「なき砂」か「なり砂」か参照)。
目次 |
[編集] 概要
鳴き砂は、一般的には石英粒を多く含む砂が、急激な鳴き砂層の動きにより表面摩擦を起こし、音を出す現象である。
日本国内には、十八鳴浜(くぐなりはま、宮城県)、琴ヶ浜(石川県)、琴引浜(京都府)、琴ヶ浜(島根県)をはじめとして多数の鳴き砂の海岸が存在する。伝説、民話の題材となったものがある。
日本国外では、海岸はもとより内陸部にある沙漠や砂丘の砂でも鳴るものがある。砂漠の鳴砂の場合、堆積した砂の山が強風によって崩壊したり人為的に砂山を崩壊さたりする(砂の雪崩現象が発生する)と砂が擦れて音を出す。英語では、鳴き砂のことを"singing sand"、"whistling sand "または"musical sand"などと言う。
[編集] 砂が鳴る仕組み
鳴き砂の成分は石英粒が主体で、砂全体に対してほぼ65パーセント以上含んでいるものが多い。鳴るためにはゴミ(浮遊性の植物起源のゴミは含まない)が少なく、粒度範囲が限られていて、さらに均一な組成(結果的に海岸や沙漠の砂は均一化している。鳴り砂になるには、粒度は均一化する必要はない)といった多くの条件が揃っていなくてはならない。海浜の工事(波消しブロックを設置したり、岬の工事等)などのために海流が変化し砂の成分構成(鉱物成分や粒度分布など)が変ってしまうと鳴らなくなる。また、鳴き砂の浜の背後やその近辺には石英を多く含む花崗岩が分布する場合が多い。
音の発生は砂粒の表面摩擦に起因する砂層の振動よるものであるが、その詳細なメカニズムは1980年代後半に入り、同志社大学の日高重助教授らによって解明されるまで謎であった。
鳴き砂は、川から流れた細かい砂や海岸線の崖などの砂が水中に攪拌され、それが一定の波の穏やかな場所に漂着、均一化し堆積して長年のうちに表面研摩される。その地域の海が汚れることで、砂が鳴らなくなってしまうこともある。そのため、海洋汚染や自然破壊と関連づけて取り上げられることが多い。汚染によって鳴らなくなった砂を再度鳴かせるNHKのドキュメンタリー番組の企画では、長時間にわたる洗浄によって砂の汚れを完全に落とす必要があったという。
鳴き砂が鳴らなくなる原因としては、粒度や構成成分が変わってしまう場合がある。この場合には、長時間洗浄しても回復の望みはなく、絶望的である。
鳴き砂に音を出させるためには、砂の間で表面摩擦を起こさせる必要がある。鳴り砂の砂浜の乾いた表面を手のひらで強く擦ると良く鳴り、また下駄を履いて摺り足で歩くと良く鳴ることが知られている。
[編集] 鳴砂の分布
日本に存在する鳴き砂を持つ海岸は約200ヶ所におよび、そのうち現在でも音を発する地域は、程度の差はあるものの100ヶ所以上存在する。その数は次第に増えてきているが、これは各地で地元の鳴き砂研究家が増え、発見につながっているからである。
2006年6月の「全国鳴き砂(鳴り砂)サミット」(開催地・山形県飯豊町)では、地元の鳴き砂研究家、および仙台市の愛好家と高校の科学部の生徒により、ほぼ同時期に阿武隈川河口の宮城県亘理町の汽水湖「鳥の海」付近に3kmにわたる国内最大級の鳴り砂が発見されたという事例が発表されている。
日本国外では、カナダ・プリンスエドワードアイランド州のBasin Head Beachが鳴き砂の浜として有名である[1]。同州内には、他にも2ヶ所の鳴き砂の浜があることが、カナダのウェブサイトから明らかになっている。また、アメリカ合衆国をはじめ、世界各国の35の砂漠に鳴き砂があることが知られている。
[編集] 「なき砂」か「なり砂」か
2007年9月27日に八戸市で開催された「2007年全国鳴砂サミットINはちのへ[2]」では、全国鳴き砂(鳴り砂)ネットワーク(代表幹事団体・京都府京丹後市)が総会において表記を「鳴砂」に統一することを決定(提案)した。ただし、読みは「なきすな」、「なりすな」の二種類を、地域での呼び方に応じて使うとしている[3]。
文法的には「鳴り砂」が正しいという主張する人たちがいる。その理由は、砂は自ら「鳴く」のではなく、他からの働きかけによって「鳴る」のであるから(たとえば、犬は「鳴く」が、ベルは「鳴る」ものであり、「ベルが鳴く」とは言わない)、自動詞の「鳴く」ではなく、他動詞の「鳴る」が適当であるというものである。また、プライオリティ性から”鳴り砂”を使うべきであるとも言われている。
[編集] 代表的な鳴り砂の海岸
[編集] 日本国内
- 小清水海岸(北海道斜里郡小清水町)
- イタンキ浜(北海道室蘭市)
- 猿ヶ森砂丘(青森県下北郡東通村)
- 大須賀海岸(種差海岸)(青森県八戸市)
- 浪板海岸(岩手県上閉伊郡大槌町)
- 小久保海岸(岩手県上閉伊郡大槌町)
- 九九鳴浜(宮城県気仙沼市)
- 十八鳴浜(宮城県気仙沼市)
- 夏浜(宮城県牡鹿郡女川町)
- 小屋取浜(宮城県牡鹿郡女川町)
- 鳥の海(宮城県亘理郡亘理町)
- 角海浜(新潟県新潟市) - 現在は鳴らない
- 千代浜(石川県輪島市門前町)
- 琴ヶ浜(石川県輪島市門前町)
- 琴引浜(京都府京丹後市) - 日本の音風景100選
- 青谷浜(鳥取県鳥取市)
- 井手ヶ浜(鳥取県鳥取市)
- 石脇海岸(鳥取県東伯郡湯梨浜町)
- 波根海岸(島根県大田市)
- 琴ヶ浜(島根県大田市仁摩町馬路) - 日本の音風景100選
- 犬ヶ浜(島根県大田市温泉津)
- 清ヶ浜(山口県阿武郡阿武町)
- 小原浜(山口県萩市)
- 室津海岸(山口県下関市)
- 姉子の浜(福岡県糸島郡二丈町)
- 奈多海岸(福岡県福岡市)
- 恋の浦(福岡県福津市)
- 勝浦浜(福岡県福津市)
- 白石浜(福岡県福津市)
- ぎぎが浜(長崎県松浦市)
- 月ヶ浜(沖縄県八重山郡竹富町(西表島))
[編集] 日本国外
[編集] 海岸
- ホワイトヘブンビーチ(オーストラリア・クイーンズランド州、グレートバリアリーフ内)
- Basin Head Beach(カナダ・プリンスエドワードアイランド州)
- シンギング・ビーチ(アメリカ合衆国・マサチューセッツ州マンチェスター・バイ・ザ・シー)
- ポルトセグロの海岸(ブラジル連邦共和国・バイーア州)
- コラ半島の浅瀬(ロシア)[4]
[編集] 砂漠
- ケルソ砂丘(アメリカ合衆国・カリフォルニア州モハーヴェ砂漠の一部)
- ユーリカ・バレー砂丘(アメリカ合衆国・カリフォルニア州モハーヴェ砂漠の一部)
- サンド・マウンテン(アメリカ合衆国・ネバダ州)
- ウォーレン砂丘(アメリカ合衆国・ミシガン州)
- Booming Dunes(ナミビア・ナミブ砂漠の一部)
[編集] 河川
[編集] 脚注
- ^ Basin Head Beach Information
- ^ 2007年全国鳴砂サミットINはちのへ(日本ナショナル・トラスト)
- ^ 表記「鳴砂」に統一 八戸で全国サミット開幕 - デーリー東北、2007年9月30日
- ^ い ろ は に ほ ロシアの声、日本語版、2009年11月6日
- ^ ru:Кировская область#Природные ресурсы
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
[編集] 外部リンク
- 鳴き砂 鳴き砂と石臼 三輪茂雄のホームページ 2008年12月31日復旧しました
- 琴引浜の鳴り砂を守る会
- 琴引浜鳴き砂文化館
- 粉の世界(仁摩サンドミュージアム元客員研究員)






