2007年東京都知事選挙
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2007年東京都知事選挙(にせんななねんとうきょうとちじせんきょ)は、2007年4月8日に執行された東京都知事選挙。統一地方選挙の一環で実施され、現職の石原慎太郎が3選された。
目次 |
[編集] 選挙データ
[編集] キャッチコピー
東京の未来は私が決める
[編集] 執行日
[編集] 同日選(東京都内)
[編集] イメージキャラクター
[編集] 立候補者
14名(立候補届け出順)
| 立候補者名 | 公認・推薦・支援政党名 | 肩書・備考 |
|---|---|---|
| 山口節生 | カント平和で親ナチ的改憲阻止最高裁訴訟会[1]公認 | 不動産鑑定士 |
| 吉田万三 | 共産党推薦 | 歯科医師、前足立区長 |
| 外山恒一 | 無所属 | 政治活動家、ストリートミュージシャン |
| 石原慎太郎 | 自民、公明支援 | 東京都知事(現職) |
| 浅野史郎 | 民主、社民支援 | 慶應義塾大学教授、前宮城県知事 |
| 黒川紀章 | 共生新党公認 | 建築家、共生新党党首 |
| ドクター中松(中松義郎) | 無所属 | 発明家、国際創造学者 |
| 高橋満 | 無所属 | タクシー運転手 |
| 佐々木崇徳 | 無所属 | 旧姓小林。行政書士(勝訴証拠評論家)、元大阪府警警部補 |
| 桜金造 | 無所属 | コメディアン、俳優、創価学会員 |
| 高島龍峰(木村一成) | 無所属 | 易学者、神宮館高島暦顧問。古川のぼる(ふくろう博士)の代理出馬 |
| 内川久美子 | 無所属 | 風水研究家。芸名“内川あ也”。 |
| 鞠子公一郎 | 無所属 | 元野村證券社員、ディレッタント |
| 雄上統 | 無所属 | 作家、真宗大谷派住職 |
マスメディアでは、吉田・石原・浅野・黒川の4候補を「主要候補」として、報道時間や紙面のスペース、記事として取り上げる回数などを多く取るなどして扱った。青年会議所・リンカーン・フォーラム共催の公開討論会(3月15日開催)でも上記の4人が招かれ(中松は20日に立候補を表明しているので、元々招かれる立場にない)、各テレビ番組での討論も主要4候補のみが招かれた。
以上4候補と、過去の都知事選で一定の得票を得ている中松、タレントである桜以外の8候補は、メディアからほぼ完全に無視される形となった(→泡沫候補)。
[編集] 立候補を断念した人物
- 「ふくろう博士」の通称名使用届が却下され、糖尿病も悪化したため直前に断念し、高島龍峰(木村一成)が代理出馬した。
[3]。
- 羽柴秀吉 - 会社社長
- 夕張市長選挙に転出
他にも数名が立候補の動きを見せた。
[編集] 投票結果
東京都選挙管理委員会確定。
投票率は54.35%で、前回2003年の44.94%を大きく上回った。当日の有権者数は1023万8704人で投票総数は556万5127票。
| 順位 | 候補者名 | 新現元 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 供託金 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 当選 | 1 | ■石原慎太郎 | 現 | 2,811,486 | 51.06% | ---- | ○ |
| 2 | ■浅野史郎 | 新 | 1,693,323 | 30.75% | 60.23% | ○ | |
| 3 | ■吉田万三 | 新 | 629,549 | 11.43% | 22.39% | ○ | |
| 4 | ■黒川紀章 | 新 | 159,126 | 2.89% | 5.66% | × | |
| 5 | ■ドクター・中松 | 新 | 85,946 | 1.56% | 3.06% | × | |
| 6 | ■桜金造 | 新 | 69,526 | 1.26% | 2.47% | × | |
| 7 | ■内川久美子 | 新 | 21,626 | 0.39% | 0.77% | × | |
| 8 | ■外山恒一 | 新 | 15,059 | 0.27% | 0.54% | × | |
| 9 | ■高橋満 | 新 | 5,558 | 0.10% | 0.20% | × | |
| 10 | ■雄上統 | 新 | 4,020 | 0.07% | 0.14% | × | |
| 11 | ■山口節生 | 新 | 3,589 | 0.07% | 0.13% | × | |
| 12 | ■高島龍峰 | 新 | 3,240 | 0.06% | 0.12% | × | |
| 13 | □佐々木崇徳 | 新 | 2,845 | 0.05% | 0.10% | × | |
| 14 | ■鞠子公一郎 | 新 | 1,373 | 0.02% | 0.05% | × |
無効票 58861票
供託金欄の○は全額返還、×は全額没収(有効投票総数の10%を下回った候補)、得票率と惜敗率は未発表のため暫定計算(小数3位以下四捨五入)
[編集] 有権者の投票行動
- 以下、報道各社の出口調査を参照する。
- 2003年に石原に投票した有権者のうち、約64%が再び石原に投票し、約25%が浅野に投票した。
- 支持政党別にみると、自民支持層は約80%が石原、約10%が浅野に投票した。また、民主支持層は約63%が浅野に、25%が石原に投票した。公明支持層は75%が石原に投票し、創価学会員の桜に流れた票は少なかった。
- だが、有権者の33%程度を占める無党派層は、石原に投票した割合も浅野に投票した割合もそれぞれ40%程度と二分しており、民主党の議員などは「無党派層をうまく取り込めなかった」と述べている。
[編集] 選挙の論点
[編集] 東京オリンピック誘致の是非
詳細は「2016年東京オリンピック構想」を参照
石原は実現すれば1964年以来となる2016年夏季五輪の東京招致計画を推進している。招致に巨額の費用を投じること、招致を契機とした都市基盤整備への是非など、黒川・吉田らが明確な招致反対を掲げて立候補を表明したことによって、今選挙の争点の1つとなった[4]。
[編集] 石原都政への評価
- 都政批判・多選批判
- 石原がトーキョーワンダーサイトにおける身内の採用や、高額の出張費・交際費の支出を行ったとして批判を受けていた。これを多選の弊害とする指摘があった。しかし、宮城県知事を3期務めた浅野の立候補表明により、反石原派からの多選批判がひそめるようになった。
- 情報公開
- 東京都は、全国市民オンブズマン連絡会議が作成した「全国情報公開度ランキング」で、閲覧手数料が必要であることを理由に「失格」とされている。知事交際費が問題視されたことで、石原は知事交際費のホームページ上での公開を始めた他、選挙公約にも「世界の最先端都市にふさわしい『情報公開』」を掲げた。宮城県で徹底した情報公開に取り組んだ浅野らも積極的な情報公開を公約とした。[5]
- 政治手法
- 石原の政治手法、特に保守的・右翼的と受け取られかねない発言について市民団体・近隣諸国などからの反発は大きかった。浅野は、国旗国歌訴訟などをめぐって石原と対立する市民団体の強い招請を受けての立候補[6]であり、「日本人が国旗・国歌へ敬意を払うのは当然」(NEWS23での発言)としながらも、石原の近隣諸国への発言などを問題視した[7]。黒川は「良いところは引き継ぐ」とし、吉田は「侵略戦争と天皇への個人崇拝の象徴」として日の丸君が代そのものに反対している。
[編集] 築地市場の移転
築地市場を2012年度をめどに中央区築地から江東区豊洲へ移転するという、東京都が2004年に発表した豊洲新市場基本計画をめぐり、移転先の地中から国の環境基準を大きく上回る有害物質[8]が検出されたことで、移転反対派の反対運動の根拠となっており[9]、争点の1つとなった。
石原は当初、土壌の入れ替えを行うため問題ないとしたが、専門家から意見を聞くという慎重な行動へシフトした[10]。
[編集] 政党
1991年以降、都知事選において政党本部の推薦を受けた候補はすべて落選しており、1991年の選挙では自由民主党幹事長だった小沢一郎が辞任に追い込まれている。石原は自民党推薦候補らを破って初当選しており、2003年にも自民党の推薦・支持を受けていない。しかし、今回の選挙では長男伸晃が東京都連会長である自民党が推薦を決定していた。
一方で、同年7月に予定されていた第21回参議院議員通常選挙を前に自民党との対立姿勢を示したい民主党が独自の対立候補擁立を模索したが、都議会民主党は知事与党であり、菅直人擁立をめぐる党内の混乱を招いて失敗に終わった。最終的に民主党は菅のブレーンでもある五十嵐敬喜が擁立に大きく関与した浅野の支援を決定して独自候補の擁立を断念した[11]。また石原も自民党推薦を一度受諾したが、最終的に断った[12]。しかし、石原は「支援はいくらでも受ける」と自民・公明に支援を要請し、浅野も民主・社民に支援を要請しつつ、共産に出馬辞退を迫った。今回の選挙を巡っては無党派層の拡大の前に政党色を隠し、事実上の支援に限定する構図となっている。黒川は、自身が出馬当日立ち上げた政党の公認候補として立候補し、吉田は共産党の推薦を受けた。
[編集] タイムライン
- 2006年10月25日 - 吉田万三が出馬表明[13]
- 2006年12月7日 - 石原が都議会本会議で都知事選への出馬を正式表明。[14]
- 2007年2月21日 - 黒川紀章氏、都知事選に立候補へ[15]
- 2007年3月6日 - 浅野史郎が、正式に東京都知事選への出馬を表明。
- 2007年3月12日 - 丸山和也が出馬断念を表明する。
- 2007年3月15日 - 石原と浅野がマニフェスト発表。[16]
- 2007年3月19日 - 桜金造が正式に出馬表明。[17]
- 2007年3月20日 - ドクター中松が正式に出馬表明。[18]
- 2007年3月22日 - 告示
- 2007年4月8日 - 投開票の結果、現職の石原慎太郎が過半数の得票を得て圧勝。三選を果たした。
[編集] トピックス
- 候補者が多すぎるということから、塩川正十郎は2007年3月25日に放送されたTBS『時事放談』において、「選挙を利用して遊んだり売名行為を行っている。これは良くないことだと思う」と苦言を呈した。
- 中松候補が、テレビ朝日が4月1日に放送した『サンデープロジェクト』の都知事選候補者による討論(主要4候補のみが招かれた)に参加させなかったことを公職選挙法違反(選挙の公正の侵害や選挙運動の放送)として、4月4日にテレビ朝日を告訴し、主要4候補に対しても告発状を送った。[19]
- 外山候補の政見放送が2ちゃんねるをはじめインターネット上で取り上げられ、「YouTube」「AmebaVision」などの動画共有サイトに政見放送の映像や、これに別の音楽や映像などをコラージュした映像が続々とアップロードされた。東京都選管は動画共有サイトの運営会社にこれらの動画の削除要請を行った[20]。公職選挙法上の規定では、政見放送はその放送日時や回数、放送局が厳格に指定されており、その指定以外の放送を行ったり、放送内容の編集を行なったりしてはならない。[21]
[編集] 脚注
- ^ 東西冷戦後又左右のイデオロギーの終えん後、イデオロギーを超えてカントの「永遠平和のために」の反改憲論をよく読み、ヒットラー的自由な解散権の恐怖と核爆弾、徴兵制を目指す改憲を政治的強さの立場から絶対阻止する団体が正式な政治団体名。届出時の略称は「カント永遠平和論での最高裁反改憲訴訟の会」だったが、投票日に「カント平和で親ナチ的改憲阻止最高裁訴訟会」に変更した。
- ^ "丸山弁護士、不出馬表明「解決困難な事情多く」". livedoor (2007-3-12). 2007年3月17日 閲覧。
- ^ "「ふくろう博士」で登録できず出馬断念". 日刊スポーツ (2007-3-21). 2007年3月22日 閲覧。
- ^ "五輪招致で賛否くっきり 都知事選で公開討論会". 中国新聞 (2007-3-16). 2007年3月17日 閲覧。
- ^ "都知事選、情報公開の波 東京の「格付け」また失格". 朝日新聞 (2007-3-17). 2007年3月22日 閲覧。
- ^ "浅野氏、都知事選出馬へ 「市民の思い真剣に受け止め」". 朝日新聞 (2007-3-1). 2007年3月22日 閲覧。
- ^ "浅野氏「隣国の悪口を言うのは良くない」". 日本テレビ (2007-3-5). 2007年3月22日 閲覧。
- ^ ベンゼン・ヒ素・六価クロムなど。この地域では、かつて東京ガスが石炭を原料として都市ガスを製造していた。
- ^ "築地市場移転:市場業者ら「豊洲移転反対」でデモ あす安全配慮求め請願提出". 毎日新聞 (2007-3-6). 2007年3月22日 閲覧。
- ^ "石原知事「築地」移転は不変、都知事選では配慮". 読売新聞 (2007-3-17). 2007年3月19日 閲覧。
- ^ "民主が都知事選で浅野氏支援決定、独自候補は見送り". 読売新聞 (2007-3-6). 2007年3月22日 閲覧。
- ^ "石原都知事、無党派重視で自民推薦を辞退". 読売新聞 (2007-2-20). 2007年3月22日 閲覧。
- ^ "吉田万三氏が出馬表明「石原都政の横暴止める」". しんぶん赤旗 (2006-10-26). 2007年3月17日 閲覧。
- ^ "石原都知事が3選出馬表明". 日刊スポーツ (2006-12-7). 2007年3月17日 閲覧。
- ^ "建築家の黒川紀章氏、都知事選に立候補へ HPで公表". asahi.com (2007-2-21). 2007年3月17日 閲覧。
- ^ "石原氏と浅野氏がマニフェスト発表". 読売新聞 (2007-3-15). 2007年3月17日 閲覧。
- ^ "桜金造氏が出馬表明/動き続く都知事選". 四国新聞 (2007-03-19). 2007年3月27日 閲覧。
- ^ "ドクター中松都知事選出馬へ「候補予定者みんなダメ」". 産経新聞 (2007-03-19). 2007年3月27日 閲覧。
- ^ "ドクター・中松候補、テレ朝を公選法違反で告発". JANJAN (2007-04-06). 2007年4月8日 閲覧。
- ^ "サイバーエージェント「AmebaVision」上の政見放送を削除東京都選挙管理委員会の削除要請を受け". Impress Watch (2007-04-06). 2007年4月6日 閲覧。
- ^ 参考
- 公職選挙法第150条(政見放送)
- (略)
- (略)
- …(以上略)都道府県知事の選挙においては、当該公職の候補者…(中略)…は、政令で定めるところにより、選挙運動の期間中日本放送協会及び一般放送事業者のラジオ放送又はテレビジョン放送の放送設備により、公益のため、その政見…(中略)…を無料で放送することができる。この場合において、日本放送協会及び一般放送事業者は、その政見を録音し又は録画し、これをそのまま放送しなければならない。
- (略)
- 第3項の放送に関しては、それぞれの選挙ごとに当該選挙区(選挙区がないときは、その区域)のすべての公職の候補者に対して、同一放送設備を使用し、同一時間数…(中略)…を与える等同等の利便を提供しなければならない。
- 前各項の放送の回数、日時その他放送に関し必要な事項は、総務大臣が日本放送協会及び一般放送事業者と協議の上、定める。(以下略)…。
- 公職選挙法第151条の3(選挙放送の番組編集の自由)
- この法律に定めるところの選挙運動の制限に関する規定(「人気投票の公表禁止」を除く)は、日本放送協会又は一般放送事業者が行なう選挙に関する報道又は評論について放送法の規定に従い放送番組を編集する自由を妨げるものではない。ただし、虚偽の事項を放送し又は事実をゆがめて放送する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。
- 放送法第52条(候補者放送)
- 公職選挙法第150条(政見放送)
[編集] 外部リンク
- 東京都選挙管理委員会
- 2007年東京都知事選挙特集
- 東京都公式ホームページ
- 東京都知事選挙 東京23区区長選挙 公開討論会2007 - 招かれたのは「主要4候補」のみ
最終更新 2009年10月28日 (水) 13:48 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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