4割打者

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4割打者(よんわりだしゃ)とは、野球において1シーズンの打率が4割(.400)を超えたことがある打者のこと。(規定打席未満の場合は除外)

目次

[編集] 概要

リトルリーグ高校野球など、選手間の能力差が大きいレベルでは、4割を超える打率を残す選手は珍しくない。 しかし、プロ野球で4割打者になることはきわめて難しい。 メジャーリーグでの最近の4割打者は1941年テッド・ウィリアムズにまで遡る。これ以降で4割打者に迫った記録としては、1994年トニー・グウィンが達成した.394が挙げられる。

日本プロ野球では、4割以上を記録したのは野原祐也富山、現阪神)ただ一人で、NPBではいまだ存在しない。NPBに於いてはランディ・バース1986年に達成した.389が打率のシーズン最高記録である(詳しくは打率を参照のこと)。なお、1989年ウォーレン・クロマティは規定打席に達していた時点で4割を超えていたが、チームが優勝争いをしていたために試合に出続け、結果打率を下げてしまい4割達成は成らなかった。 イースタン・リーグではあるが鈴木健1991年に達成した.401が最高記録となっている。

[編集] 分析

テッド・ウィリアムズ以降、メジャーリーグに4割打者が生まれていない理由として、古生物学者であるスティーヴン・ジェイ・グールド博士は、進化論の観点から興味深い仮説を立てている[1]。グールドは、打率が投手と打者の勝負の結果で決まる相対的な指標であることに注目し、以下のような仮説を立てた。

  • (事実1)レギュラー選手の平均打率は、どの時代でもおおむね2割台後半を維持している。
  • (事実2)レギュラー選手の打率の標準偏差は、時代が進むほど減少している。
  • (推論1)メジャーリーグをプロスポーツとして成立させるために、ルールの細かい改正が行われ、平均打率は一定の範囲内に保たれていた。
  • (推論2)初期のメジャーリーグでは多様な技術が試されたため、打率の標準偏差も大きかったが、最良の結果を残した技術のみが模倣されて多様性が減少したため、打率の標準偏差は減少した。
  • (結論)打者の能力は時代が進むにつれ向上しており、現在ではかつてないほど多くの人数が最良の打者の範疇に近づいている。そのため、最良の打者の打率と平均打率との差が小さくなり、結果的に4割打者は出現しなくなった。

この仮説によると、4割打者が消滅したのは、打者の能力が低下したためではなく、打者の能力が全体的に向上して野球というスポーツが成熟したことの証拠である。なお、このように人間の技術の多様性が次第に減少していく経緯は、進化によって生物の多様性が増加していったのとは対照的である。

[編集] 歴代4割打者

[編集] 日本プロ野球

順位 名前 所属 打席 打率 達成年
1 野原祐也 富山サンダーバーズ .412 2007年

[編集] メジャーリーグ

  • 1900年以降が対象
順位 名前 所属 打席 打率 達成年
1 ナップ・ラジョイ フィラデルフィア・アスレチックス .426 1901年
2 ロジャース・ホーンスビー セントルイス・カージナルス .424 1924年
3 ジョージ・シスラー セントルイス・ブラウンズ .4197 1922年
4 タイ・カッブ デトロイト・タイガース .4196 1911年
5 タイ・カッブ デトロイト・タイガース .409 1912年
6 ジョー・ジャクソン クリーブランド・ナップス .408 1911年
7 ジョージ・シスラー セントルイス・ブラウンズ .407 1920年
8 テッド・ウィリアムズ ボストン・レッドソックス .406 1941年
9 ハリー・ハイルマン デトロイト・タイガース .403 1923年
10 ロジャース・ホーンスビー セントルイス・カージナルス .4027 1922年
11 ロジャース・ホーンスビー セントルイス・カージナルス .40128 1925年
12 ビル・テリー ニューヨーク・ジャイアンツ .40126 1930年
13 タイ・カッブ デトロイト・タイガース .4011 1922年

アメリカメジャーリーグにおいて1900年以降、打率4割が達成されたのは13回、わずか8人の選手によってのみである。

[編集] 韓国野球

順位 名前 所属 打席 打率 達成年
1 白仁天 MBC青龍 .412 1982年

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ スティーヴン・ジェイ・グールド 『フルハウス 生命の全容―四割打者の絶滅と進化の逆説』 早川書房

最終更新 2009年10月16日 (金) 06:55 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【4割打者】変更履歴

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