7.62mm NATO弾

7.62mm NATO弾の最新ニュースをまとめて検索!

7.62mm NATO弾

7.62mm NATO弾。単3電池より長くて細い。
種類 ライフル
原開発国 アメリカ合衆国
使用の歴史
使用期間 1954年–現在
使用者・地域 アメリカ合衆国NATO、他。
使用された戦争 ベトナム戦争, 湾岸戦争, アフガン戦争, イラク戦争
特徴
元となったモデル .300 Savage (en
薬莢形状 リム無し, ボトルネック
弾丸 7.62 mm (0.300 in)
首径 8.77 mm (0.345 in)
肩径 11.53 mm (0.454 in)
底面径 11.94 mm (0.470 in)
リム径 12.01 mm (0.473 in)
リム厚 1.27 mm (0.050 in)
薬莢長 51.18 mm (2.015 in)
全長 69.85 mm (2.750 in)
ライフリング 1:12"
雷管のタイプ ラージ・ライフル
最大圧 415 MPa (60,200 psi)
弾丸性能
弾頭重量/種類 初速 エネルギー
146.6 gr (9.50 g) 2,756 ft/s (840 m/s) 2,472 ft·lbf (3,352 J)
出典: Popenker [1][2]

7.62mm NATO弾(7.62みりナトーだん、: 7.62 x 51 mm NATO)は、北大西洋条約機構(NATO)により標準化された小火器用の弾丸1950年代に提案され、NATO加盟国の軍隊を中心に幅広く採用された。

通常弾の他、曳光弾、空包、模擬弾がある。民間用のものは.308 ウィンチェスター弾として有名。陸上自衛隊においても、アメリカ陸軍との弾薬共通化のためにこの口径が採用された。陸上自衛隊が使用している64式7.62mm小銃及び62式7.62mm機関銃では、欧米人より体格の小さい日本人には反動が過大なため装薬を減らした減装薬が採用された。なお、64式・62式共にガスポート(規制子)の調整により、常装弾の発射も可能である。

目次

[編集] 概要

NATO加盟国軍では多種多様な銃が使われていたが、主力小銃バトルライフルアサルトライフル)と機関銃に適用するために、NATOによる小火器用の弾丸標準化が提案された。1950年代に、アメリカ陸軍のM14自動小銃および軽機関銃M60に使われていた弾丸が選ばれ、標準化された。1980年代にヨーロッパ諸国で広く使われたベルギーFN FAL自動小銃も、この弾丸を採用した。M14はベトナム戦争の際、5.56mm NATO弾を使用するM16に置き換えられたが、他の小火器は依然としてこの弾丸を使い続けた。現在でも利用され続けており、M14の復活(M21・M25)、利用が続いているM60、FN MAG用のほか、GE社製のM134ミニガンにも使われている。

軍用の7.62mm×51弾と民間用の.308ウィンチェスター弾の寸法は共通である。軍用のものはNATOにより規格化されているが、民間用のものはSAAMIによって規格化されている。

7.62mm×51弾は、アメリカ陸軍のM1903小銃(1906年モデル以降)で使われた.30-06弾を短縮化した物と言えるが、使用装薬の改良のため.30-06弾より少ない装薬でも銃口初速は860m/sとほとんど変わらず、同等の弾道性能を持っている。薬莢が小さくなっているぶん、真鍮の使用量が少なくなっている。また、この弾丸を使用する銃は、それまでの銃よりも小さくできた(類似した例として、拳銃弾の.45ACPとそれを短縮した.45GAPがある)。短縮化の副作用としてはリロード時のマキシマムチャージが.30-06に比べ劣るという事だけであるが、軍用としては決められた規格でしか装薬されないために、まったく問題とならない。

[編集] 開発経緯

7.62mm×51弾自体の開発は第一次世界大戦の直後から始まった。理由として、.30-06弾が半自動射撃や連続射撃時に扱いにくいという事情があった(.30-06弾自体が、.30-03弾の弾頭を軽量にして高初速にしたもの)。より短い弾丸は、機関部のコンパクト化に結びつき、給弾をスムーズにし、毎分あたりの発射速度を高くする。その時点でのもっとも有望な弾丸は、ペダーセン.276弾(約7mm)であった。しかし、1932年にアメリカ陸軍は、.30口径(7.62mm)の弾丸のみが必要条件を満たすとして却下した。

1940年代から1950年代初期までの間に、M1ガーランドを改良する実験がスプリングフィールド国営造兵廠で行われた。主に、エン・ブロック en bloc と呼ばれる8発装填クリップ式弾倉を箱形弾倉に変えるなどの改良が行われた。一番有名なものはジョン・ガーランド技師が改良したT20で、これは箱形弾倉・フルオート射撃可能であった。アメリカ陸軍はこの設計を、M1ガーランドの代替に十分有望と見て、弾薬も一緒に改善すべき時期であると決定した。

試作は数年の間続けられ、.30-06弾だけでなく、.300サヴェージ改良弾(後の7.62mm NATO弾)対応モデル(T65弾として知られる)も試作された。この試作品は、.30-06弾とほとんど変わらない性能、すなわち147グレイン(約9.5g)弾頭を約838m/sで発射できることを実証した。その一方で、給弾をより短時間かつ高い信頼性で行うこともできた。T20自動小銃をT65弾に適合するように設計されたT44は、コンペにおいて競合する銃を寄せ付けず、採用にこぎ着けた。

アメリカ陸軍がT65弾を採用すると発表した時、イギリス陸軍は激怒した。彼らは独自の.303ブリティッシュ弾を採用しており、この弾丸は肩撃ちでフルオート射撃をした際に反動を制御することが難しいという結論にすでに達していたため、T65弾も同様に制御が難しいであろうと主張した。イギリス陸軍ではこれを解決するために、中威力弾である.280口径(約7.1mm)弾を開発していた。アメリカ陸軍側は第二次世界大戦前の「.30口径しか使用しない」という方針を押し通して反論した。米英二つの陸軍がこの戦いを続けている間、カナダ軍は.280弾に満足していると発表した。しかしながら、アメリカ陸軍は結局T65弾を採用し、.280弾を使わないことをはっきりさせた。T65弾は1954年にNATO標準弾として選ばれた。

試作自動小銃T44はM14として1957年に制式化された。また、FN FALの供給がイギリス陸軍、カナダ陸軍に同時採用され、西ドイツ(当時)のドイツ連邦軍スペインのセトメ CETME を改良したH&KG3を採用した。しかし.308(7.62mm)弾の反動制御が非常に困難である事実から、イギリス陸軍の主張が正しかったと関係者が理解するのに時間はかからなかった。M14の改良版M21、M25はフルオート機能を省いて供給された。また、FALには二脚およびヘビー・バレル(強化銃身)が付加された。

これらの事態が続く間、アメリカ軍はサルヴォ計画 Project SALVO という名で、射撃に関する研究を行っていた。4発の弾丸をバトルライフルからバースト射撃した場合、弾丸が20インチ(約50cm)範囲に着弾すれば、負傷者の数を倍にするが、弾薬の口径は結果に変動をもたらさない、という結論に到達した。彼らはまた、.22口径(約5.5mm)の弾頭が2発入った弾丸(二重装填 duplex load )の採用の提案を行い、別の研究者は、フレシェット弾であれば軽量化でき、.30-06弾より小さい口径でもより強力な貫徹力を示すとした。これらの調査結果は、イギリス陸軍が結果を知り、彼らの主張が正しかったことに対する証拠として使われることを避けるために、秘密とされた。

[編集] ベトナム戦争

M14がベトナム戦争に投入された際、その長さと重さは、ジャングルにおける戦闘に不向きであることが判明した。アメリカ軍の兵士達はAK-47の機動性に翻弄され、十分な戦闘力を発揮することができなかった。また、弾薬が重く、大量の弾薬輸送が困難であった。

大口径弾を推すグループと小口径弾を推すグループの戦いは、1960年代初期にピークに達した。典型的にAK-47で武装したNVA(北ベトナム人民軍)と実際に交戦した実戦テストでは、小口径の.223レミントン弾 (5.56mm) を使用するAR-15を装備した8名の部隊が、M14を装備した11名の部隊より火力で勝ることが示された。AR-15はM16として採用され、1964年から順に、アメリカ陸軍はM14をM16に置き換え始めた。このことは、もう一度イギリス陸軍の激怒を買うことになった。

[編集] その後

ジャングルの戦闘に向いていないと判明した後でも、この弾丸はいくつかの用途のために世界中で使われ続けた。7.62mm×51 NATO弾は、5.56mm×45 NATO弾よりも射程が長いことが十分に実証されたため、狙撃用の弾丸として使われた。たとえば、アメリカ陸軍では未だにM14とその改修バージョンM21・M25が狙撃銃として使われ続けている。また、いくつかのバトルライフル・アサルトライフルはM14よりも運用的に成功したと言える。たとえばH&K G3は、その内部機構とあいまって、命中精度・射程・威力・信頼性の点で高く評価されたため、採用各国で長く制式銃の座に留まり続けた。

7.62mm弾自体が、より大きい弾丸に対する小口径弾として、より優れた弾丸であることを証明した。特に機関銃の設計者はこれを高く評価し、少なくとも1990年代までは事実上ほとんどすべてのNATO加盟国の軍で機関銃弾として使われ続けていた。また、第二次世界大戦から使われ続けている、ブローニングM1919のような旧式の機関銃でも使われ続けた。これらも、後から5.56mm弾の機関銃(主にミニミ軽機関銃)に取り替えられたが、大部分の固定武装(ジープハンヴィーヘリコプターのドアガン、戦車)では現役のままである。また近年では5.56mm弾のパワー不足が指摘されはじめ、再び7.62mm弾が脚光を浴び始めている。勿論新型の6.8mm RemSPCなども注目されつつあるが、新型カートリッジとなると十分な信頼を得るのに時間がかかる為、今後暫くは7.62mm弾ほど普及しないだろう。

ウィンチェスター社は1952年にT65の民間用弾丸を発売した。これは今日でもスポーツ射撃用途に人気があり、.308 ウィンチェスター弾(.308 Winchester)の名で知られている。この弾丸は、中距離でヘラジカアカシカを狩猟する際によく使われる(長距離では短縮化前の.30-06や、それを更に延長した.300win Magに分がある)。

7.62mm弾は、ケネディ大統領暗殺に使用された弾薬ではないかとの説もある。犯人とされるオズワルド容疑者が使用したカルカノ6.5mm弾では、遠距離狙撃で、頭骨を盲貫することはできても、破砕することはできない。しかし、7.62mm弾の運動エネルギーであれば、頭骨に突入後、衝撃波によって頭部を破砕することが可能であると言われる。

[編集] 7.62mm NATO弾を採用している主な小火器

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月19日 (木) 08:43 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【7.62mm NATO弾】変更履歴

ご利用上の注意