AIX

AIXの最新ニュースをまとめて検索!

AIX
公式サイト ibm.com/systems/jp/power/software/aix/
開発者 IBM
OSの系統 UNIX System V
ソースコード クローズドソース
最新リリース 6.1 / 2007年11月
カーネル種別 モノリシックカーネル
ユーザ
インタフェース
Common Desktop Environment
ライセンス プロプライエタリ・ソフトウェア
開発状況 現在進行
  

AIXAdvanced Interactive Executive、えーあいえっくす)は、IBMUNIX オペレーティングシステムのブランド名である。

目次

[編集] 概要

AIX は UNIX System V Release 3 (SVR3) ベースの IBMオペレーティングシステムであり、The Open Group の UNIX® 認証を受けている。

最新版の AIX 6.1 では、カーネル64-bit で、POWER 系の CPU(POWER4、POWER5、POWER6、PowerPC 970)をサポートする。

IBM の RT-PCRS/6000pSeriesSystem pPower Systems シリーズの他、フランスBull や、日立製作所の EP8000 シリーズで採用されており、主に信頼性・可用性が求められる用途に使われている。

[編集] 特徴

[編集] コマンド体系

AIX は System V Release 3 (SVR3) をベースに、更に BSDSystem V Release 4 (SVR4) などのコマンド等を追加したものである。このため SVR4 ベースの他の商用 UNIX(Solaris など)や、UNIX 互換 OS である Linux OS などとはコマンド体系が多少異なる。デフォルトのシェルKorn Shell (ksh) である。

なお LM (Loadable Module) のオブジェクトフォーマット形式は、Power チップ間の非互換部分の吸収幅を残すため、現用 UNIX および Linux OS の中で唯一、ELF ではなく COFF の拡張である XCOFF(拡張共通オブジェクト・ファイル形式、XCOFF32 および XCOFF64)を使用している。

[編集] 論理ボリュームマネージャ

論理ボリュームマネージャ (LVM) を比較的早く採用している。AIX では更にディスク装置のミラーリングやストライピングをサポートし、AIX 5L 5.2 以降では稼働中のバックアップ機能 (split copy)、AIX 5L V5.3 以降ではスケーラブル・ボリュームグループ、AIX V6.1 ではログ収集機能が強化された。

[編集] ジャーナルファイルシステム

ジャーナルファイルシステムである JFS/JFS2 を実装している。JFS は OS/2 で生まれた、ディスク障害時の回復時間を短縮するファイルシステムである。JFS では最大 64 GiB のファイル、最大 1 TiB のファイルシステムを作成できる。JFS2 では最大1 TiB(AIX 5L V5.2 以降では、最大 16 TiB)のファイルおよびファイルシステムを作成できる。また AIX 5L V5.2 以降の JFS2 は snapshot コマンドによるスナップショットバックアップ、AIX 5L V5.3 以降の JFS2 ではファイルシステムサイズの動的縮小、AIX V6.1 の JFS2 では暗号化ファイルシステムがサポートされた。

[編集] デスクトップ環境

標準のデスクトップ環境CDE である。COSE で採用されてから一貫して標準搭載している。なお AIX Toolbox for Linux Applications(後述)には KDEGNOME も含まれている。

[編集] 管理ツール

他の UNIX および UNIX 互換 OS と比較して特徴的な点として、主要なシステム設定を階層型の管理画面である SMIT から行う(HP-UX の SAM に相当する)。また主要なシステム設定情報は ODM という /etc ディレクトリ配下のデータベースにバイナリ形式で格納される。このためコマンドの知識が少ないユーザーでも操作を行え履歴も残り、システム設定ファイルの誤編集による問題も発生しにくいが、仮にデータベース情報の不整合などが発生した場合は専用の知識が必要である。

[編集] 仮想化

AIX 5L 5.2 の途中より動的論理区画(動的 LPAR、D-LPAR)がサポートされ、AIX 稼働中に CPU などのリソース割当変更が可能になった。AIX 6.1 からワークロードパーティション (WPAR) が登場し、1つの AIX 内で複数の AIX インスタンスを作成できるようになった。また AIX6.1 と POWER6 の組み合わせで partition mobility が登場し、業務稼働中に別の物理マシン(別筐体)へ移動できるようになった(VMware VMotion のような機能である)。

[編集] Linux との親和性

AIX 4.3.3 以降から付属する CD-ROM の AIX Toolbox for Linux Applications には、GNU およびオープンソースの AIX 用ツールが含まれている。また AIX 5L 以降は Linux Affinity と呼ばれる Linux 環境が提供され、Linux のプログラムソースの移植性を高めてアプリケーション開発者の負担を軽減できるとされている。

[編集] パッチ

累積フィックスであるフィックスパック (Fix Pack) は、IBM のサイト (Fix Central) よりダウンロードできる。従来は ML (Mentenance Level)、SP (Service Pack)、CSP(Concluding Service Pack、各 ML レベルでの最終の SP)の組み合わせだったが、2006年2月より TL(Technology Level、年2回、通常は2月と8月)、SP、CSP の組み合わせに変更され、更に2007年に CSP は廃止された。ML は過去の ML および SP を含む。SP は過去の SP を含む。2月の TL は安定性重視(フィックスおよび新ハードウェアのサポート中心)だが、8月の TL は更に機能拡張を含む。

単体フィックス (PTF) は現在は原則として提供されないが、緊急性・重要度が高いものは暫定フィックス(Interim fix、iFix、i-fix、IF。従来の緊急フィックス、e-fix)として暫定提供される。これらも最終的には TL、SP 等に含まれる。

現状の確認は AIX 4.3 では instfix、AIX 5L 以降では更に oslevel -r または -s などで行う。暫定フィックスは fixmgr で管理する。

[編集] 名称

当初、Advanced IBM Unix の略とされていたが、おそらく法的な問題があって現在の頭字語の説明に変更したものと思われる[1]

[編集] 歴史

いくつかの異なるバージョンの AIX がかつて存在していたが、不人気なものは消えていった。

1986年に登場した AIX V1 は IBM RT-PC で動作した。このバージョンは UNIX System V Release 3 をベースにしていた。

1989年、AIX は RS/6000 シリーズのワークステーションとサーバ用 OS となった。AIX は開発の過程で 4.2BSD や 4.3BSD の機能を IBM と INTERACTIVE Systems Corporation がマージした。

UNIX 戦争の際には、AIX は OSF 陣営の OSF/1 のカーネルとして採用された。OSF/1 は普及しなかったが、論理ボリュームマネージャ (LVM) はこの際に HP-UX などに移植された。

この頃まで、IBM は SMP による性能向上の必要性を認めず、RS6000-SP (Scallable parallel) に代表されるような、単体 CPU サーバによる並列処理性能の拡充を目指していた。しかし、2001年、AIX 5L の登場と共に、Power4 による大規模 SMP 構成のサーバを発表し、真の意味でエンタープライズ領域での必要な可用性と、Linux との先端的な親和性などを加え、基幹系 UNIX ベンダーとして疾走を始めた。

この2001年の AIX 5L の登場以降、可用性の圧倒的な向上とスケーラビリティの向上、CPU 性能の強化による性能の大幅向上を武器に IBM 社による強力なセールスによりライセンス数を伸ばし、基幹系システムにおける商用 UNIX としては HP-UX と並んで主流であり、基幹系適用への必須である高信頼性・高可用性には定評がある。

さらに IBM 製 UNIX および Linux OS の基幹系への圧倒的な傾注と、やっと基幹系向けとして認知された Itanium 系への不人気もあり、現状として基幹系ではトップの伸び率を誇る。

AIX 5L 5.3 でのスケーラビリティは以下の通りである。

[編集] サポートするアーキテクチャ

  • AIX v1……IBM PS/2 Micro Channel Architecture PC と IBM RT
  • AIX v2……6150-シリーズ IBM RT。
  • AIX v3……POWER アーキテクチャサポート開始。
  • AIX v4……PowerPC アーキテクチャと PCI バスサポート開始。
  • AIX v5……IA64 アーキテクチャサポート(ただし、β 版のまま商用化されていない[2])。
    • AIX v5.1……POWER4 での論理パーティショニングサポート。Micro Channel Architecture サポートはこのバージョンまで。
    • AIX v5.2……PowerPC 970 ベースのブレードサーバサポート。
    • AIX v5.3……POWER5 でのマイクロパーティショニングサポート。
  • AIX v6.1……POWER6 での partition mobility サポート。

[編集] メインフレームでの AIX

1988年、IBM は AIX/370 を発表した。System/370 で UNIX 風の機能を提供するものである。AIX/370 は 1990年にリリースされ、System V Release 2 と 4.3BSD の機能に IBM 独自の機能拡張がされたものとなっていた。System/390 のアーキテクチャ (ESA/390) が登場すると、1991年には AIX/370 を AIX/ESA とし、OSF/1 のコードをベースとしたカーネルで System/390 上で動作させた。AIX/ESA はネイティブ OS としても VM 上のゲスト OS としても動作する。しかし、商業的には成功とは言い難く、現在では Linux on System z にその座を譲っている。

[編集] アップル製ハードでの AIX

アップルコンピュータは、PowerPC ベースの Apple Network Server を最上位機種として開発し、他の機種にはない様々な拡張を施した。このシステムでは AIX が標準 OS として動作した。しかし、アップルではこの機種以外に AIX を採用した例はない。

[編集] 日立製ハードでの AIX

日立製ハードである EP8000 シリーズは SystemP と互換性が高いハードウェア(ファームウェアなども同一)であり、AIX をサポートしている。

[編集] バージョン

  • AIX v1, 1986年
  • AIX v2
  • AIX v3, 1990年
  • AIX v3.1
  • AIX 4.2.1, 1997年4月
    • NFS Version 3 をサポート
  • AIX 4.3, 1997年10月
    • 64ビットCPU をサポート
    • UNIX98 認証
    • IPv6
  • AIX 4.3.3, 1999年9月
    • オンラインバックアップ機能追加
    • ワークロード管理 (WLM)
  • AIX 5L 5.1, 2001年5月(“5L” の L は Linux との相互運用性を高めたことを示す。)
    • カーネルの64ビット化
    • POWER4 をサポート
    • ロジカルパーティション(LPAR。マルチプロセッサシステムを論理的に複数に分割して、CPU・メモリー・I/O などのリソースを割当できる。物理分割 [PPAR] と異なり、CPU は1プロセッサを0.1単位で、I/O ならば PCI スロット単位で、配分できる。)
    • JFS2
  • AIX 5L 5.2, 2002年10月
    • POWER4+ をサポート
    • マルチパス I/O ファイバーチャネルディスクをサポート
    • iSCSI
    • ダイナミック・ロジカルパーティション(D-LPAR。LPAR の拡張。パーティション内で AIX が稼動中に、CPU などのリソース割当を自動または手動で変更できる。)
  • AIX 5L 5.3, 2004年8月
    • POWER5 をサポート
    • マイクロパーティションをサポート(LPAR・D-LPAR より更に細かいリソース配分が可能。CPU は1プロセッサを100分の1単位で配分できる。)
    • 仮想 I/O サーバ(VIOS。仮想 SCSI、仮想イーサネットなど。)
    • NFS Version 4 をサポート
    • 拡張アカウンティング
    • 同時マルチスレッディング (SMT) をサポート
    • JFS2 クォータサポート
    • JFS2 ファイルシステム縮小をサポート
  • AIX 6.1 2007年11月
    • Workload Partitions (WPAR)
    • Role Based Access Control
    • AIX Security Expert enhancements
    • Name Resolver Caching Daemon
    • probevue dynamic tracing
    • System Director Console for AIX

[編集] 脚注

[ヘルプ]
  1. ^ 訳註:X/Openが “UNIX” を商標登録して、XPG と呼ばれる互換動作テストにパスしないと(仕様が合っていないと)UNIX® を名乗れない時期があったので、そのとき変更したと思われる。ただし、AIX は XPG3 には準拠している。
  2. ^ Unigroup's April 2004 Meeting Announcement

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年9月15日 (火) 02:13 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【AIX】変更履歴

ご利用上の注意

もっと調べる!