BMW・Z1

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BMW・Z1
乗車定員 2
ボディタイプ 2ドア・ロードスター
エンジン 2.5 L L6 SOHC BMW M20B25 ガソリン
変速機 5速 MT
駆動方式 FR
全長 3921 mm (154.4 in)
全幅 1690 mm (66.5 in)
全高 1227 mm (48.3 in)
ホイールベース 2447 mm (96.3 in)
車両重量 1250 kg (2755.8 lb)(空虚)
1460 kg (3218.7 lb)
生産台数 8,000台
後継 BMW・Z3
-このスペック表は試行運用中です-

BMW・Z1(ビーエムダブリュー・ゼットワン)は、BMW・フォルシュング&テヒニーク (BMW Forschung und Technik GmbH) で開発され、1989年3月[1]から1991年6月まで製造された2座席ロードスターである。Z1は通常のドアのように外側やガルウイングのように上方に開く代わりに下方のドアシル(ドアの下部、前輪と後輪の間にある梁)内に収納されるドアを持っていた。わずか8,000台しか製造されなかった。

目次

[編集] 歴史

1986年BMWから初めてZ1がマスメディアに公表され、後の1987年のフランクフルト・モーターショー (Frankfurt Motor Show) で公式に発表された。当初の人気は凄まじいものでBMWは生産前に5,000台の注文を受けていたが、1988年頃には人気は急落して1991年には生産は終了した。この人気の下降はメルセデス・ベンツ SLの市場への導入[2]によるものと初期の人気は投機目的の過熱によるものであったと推測される[3]。しかし、1988年にBMWは35,000台分のZ1を受注していると発表していた。

Z1は3年以上かけて社内事業部のBMW・フォルシュング&テヒニークで設計された。開発はウルリッヒ・ベッツ (Dr. Ulrich Bez) の功績によるものであるが、彼の開発メンバーの中心となったBMWテヒニークの人々 (Alexander Pregl, Rudolf Müller, Lutz Janssen, Wolf-Henryk Menke, Dieter Schaffner, Klaus Faust, Sabine Zemelka, Stephan Stark) の貢献も大きなものであった。1988年10月にベッツがポルシェに移籍すると、開発の指揮はクラウス・ファウスト (Dr. Klaus Faust) に引き継がれた。

BMWは四輪駆動モデルの製造も考えていたが、後にこれは断念された[4]

Z1のためにいくつかの新しい機構が開発され、それが搭載された。Z1のデザイナーハーム・ラガーイは、Z1の生産がBMWのディスチャージランプ、格納式ロールバー、ドア開閉機構やアンダートレー型床構造の特許技術を生み出す役に立ったと述べた。

[編集] Z シリーズ

Z1のZは元々「Zukunft」(ドイツ語で「未来」)を意味し、後にZ3, Z4Z8に使用された。これらの車種はZ1を含めてすべて2座のロードスターである。

[編集] 構造

[編集] シャーシ

BMW・Z1

シャーシはZ1用の特別設計で、着脱式ボディパネル、連続亜鉛シーム溶接複合材製アンダートレー型床構造、そして異色の昇降式ドアといった幾つかの革新的な機構を備えていた。車の部品のいくつか(エンジン、トランスミッション、前輪サスペンションを含む)はE30の325iからの流用品であったが、Z1は大部分が独自の製品であった。

ボディは3つ(または5つ、情報源により異なる)の異なる種類のプラスチック製で、シャーシから完全に取り外すことができた。側面パネルとドアはゼネラル・エレクトリック製の熱可塑性プラスチック (thermoplastic) のゼノイ (XENOY) 製で、ボンネットとトランク、屋根カバーはゼガー+ホフマン社 (Seger + Hoffman AG) 製のGRP部品であった。Z1はAKZOコーティング社とBMWテヒニク社が共同開発した特製の柔軟ラッカーで塗装されていた。

Z1が発表されたとき、BMWは時に応じてボディの色を替えられるように、予備のボディパネルを購入することをオーナーに勧めていた。Z1は実際にポンティアック・フィエロ (Pontiac Fiero) のように全てのボディパネルを取り外した状態でも走行することができた。BMWは40分以内に全てのボディパネルを交換することが可能であるとしていたが、Z1のオーナー側ではこれは楽観的な数値であるとみていた[5]

Z1の車体全体は空力を考慮して設計されていた。特にアンダートレー型床構造全体が完全に平滑に整形され、マフラーと後部の遮風板は乱流と後輪の持ち上がりを防ぐように空力特性を考慮して設計されていた。車体前端は高圧域がちょうど前輪の真上になり、接地圧を高める形状になっていた[6]。幌を上げているときの抗力係数(Cd値)は0.36で、幌を下ろしているときは0.43であった。

[編集] ドア

Z1の最も興味深い装備の1つは通常とは異なるドアであった。このドアは外側や上側に開く替わりにボディ内部に垂直に引き込まれた。このドアの発想は、ずっと古風なロードスターが持っていた脱着式の金属製や布製のドアから来ていた。BMWデザインの目標と脱着式のドアは相容れないものであったので、替わりに引き込み式ドアが採用された。

背の高いドアシルを持つボディのためドアの有無とは関係ない対衝突性能が確保されており、Z1はドアを上げても下げても両方の状態で合法かつ安全な走行ができたが、アメリカ合衆国ではドアを下げた状態で走行することは違法となった。

ドア窓はドアの位置とは独立して操作ができたが、ドアが収納位置にあるときには自動的に下がった。ドア窓とドアは双方共にコグドベルトを介して電動モーターで動作したが、緊急時には手動でも操作できた[7]

[編集] 駆動系

上で触れたようにエンジン (BMW M20B25) と5速マニュアルトランスミッションゲトラグ 260/5)はE30の325iからの流用品であった。2.5 L (2494 cc) 12バルブ SOHCエンジンは低いボンネットの下に収めるために20度右に傾けて搭載されていた[8]。このエンジンは素の状態で170 hp (127 kW) /5800 rpmの出力と222 N•m (164 ft•lbf) のトルクを発生したが、何社かのチューナーが改良やエンジン換装(下記の改造を参照)を施し性能向上を行っていた。共通した不満点はトランスミッションがエンジンと車のスポーツ性に合致していないことであった[9]

[編集] サスペンション

Zアクスル」と呼ばれる後輪サスペンションはZ1用に特別に設計された[10]。これはBMW車が装着した最初のマルチリンク式サスペンションであった[11]

直径15 in (381 mm)、幅7 in (178 mm) のホイールに前後共205/55VR-15のタイヤを履いている[12]

[編集] テクニカルデータ

[編集] 内装

特徴的なドアは革新的であったが、多くのユーザーからは背の高いドアシルが乗降しにくいと指摘され、加えて手作業で組み立てられた内装は時間が経ると破れたり裂けたりしがちであった[14]

Z1の計器盤はオートバイのような形状で、他の計器が白い指針であったことに対し回転計のみは赤い指針であった。

[編集] 生産

上で言及したようにZ1の全生産数は8,000台であった。その大部分(6,443台)はBMWの本拠地であるドイツで販売された[15]。2番目に大きな市場はイタリアで、全生産数の7%弱が販売された。BMWは日産10から20台以上のZ1は製造不可能であったといわれている[16]。当初は北アメリカでは販売されなかったが、発売されてから何台かが並行輸入された。また、日本でも正規輸入はされていなかったが、アルピナ版の「アルピナロードスター リミテッドエディション」は正規輸入されている。

BMWは1986年1987年に12台を製造し、総生産台数は8,012台であるといわれる[17][18]が、ほとんどの情報源では8,000台とされている。

半数以上(正確には4,091台)が1990年モデルイヤーで製造された。78台が試験用車両として使用されたといわれるが、その多くが後に保証なしで安価に販売された。

Z1は6色の外装色と4色の内装色が選択できたがその大部分(6,177台)は濃灰色の内装と赤、黒、緑の組み合わせであった[18]。明るい黄色(ドイツ語でfun-gelb, 英語でfun yellow:133台製造)の外装色と赤い内装色(38台製造)がZ1で最も希少な色である。Z1の開発に携わったベッツとラガーイのために「スイミングプール・ブルー」(swimming pool blue) と「オーソー・オレンジ」(oh-so-orange) の塗色のZ1が別途製造された。

1,101台のZ1が工場ではカーオーディオを装着されなかったといわれており、これらの車はBMWS AGが後付けのソニー製カーオーディオを装着した。

エア・コンディショナーは装着されなかった。Z1のダッシュボードは非常に小さく、その中にヒーターと冷房ユニットの両方を収納する空間はなかったためである。何台かにはBMW E30の部品を流用してエア・コンディショナーを装着したものがあったが、その場合は暖房関連部品は取り外されたといわれる。

フランスに正規に輸入されたZ1には透明のヘッドライトの代わりに黄色のヘッドライトが装着された[19]

[編集] 価格

新車のZ1は83,000から89,000ドイツマルク[16][20]、または42,000から45,500ユーロで販売された。2001年時点では中古のZ1が19.6%の付加価値税込みで125,000から250,000フラン(19,000から38,000ユーロ)で販売されていた[21]。ボーナム (Bonhams) の2004年のオリンピア・オークションでは1台のZ1が20,000UKポンド強で落札された[3]2006年にZ1はフランスでは20,000から25,000ユーロで入手でき、低走行距離で完全な状態の車は30,000ユーロに達する価格になっている。[要出典]

[編集] チューナー・モデル

ドイツのチューナーのアルピナ、ハーマン・モータースポーツ (Hamann-Motorsport)、シュニッツァー (Schnitzer)、ケレナース (Kelleners) はZ1用のチューンアップを用意していた[11]。ハーマンのチューンは220 hp の2.7 Lかターボチャージャー付き245 hp 2.5 Lエンジンであった。シュニッツァーのものは200 bhp (150 kW) の2.7 Lエンジンに大きなブレーキと独自のレンシュポルト・ホイールを装着していた。ケレナースは3.0 L、286 - 330 hpのエンジンも用意していた。

アルピナはBMW・Z1を "RLE" (Roadster Limited Edition) に仕立て上げた。アルピナは66台を製造したとしているがBMWは82台をアルピナを通して送り出したとしている。RLEは200 hp 2.7 Lに増強したエンジン、スポーツマフラー、タイヤ、オーダーメイドの銘板とストライプを備えていた。0–100 km/hの加速は8.4秒から7.1秒に短縮され、最高速度は219 km/h (136 mph) から 228 km/h (142 mph) へ上がった。価格は11万6,000マルクであった[16]

少なくとも1台のZ1にBMW・5シリーズM5の330 PS (325 hp/243 kW) エンジンが搭載された[22]

[編集] 関連商品と情報

ミニチャンプス、シャバク (Schabak)、レベルヘルパがZ1のダイキャスト製やプラスチック製モデルを製造していた。フランスでは1万6,000枚(1万枚は1992年2月に、6,000枚は1997年11月に)のテレフォンカードにZ1の図柄が採用された[23]

BMW・Z1はジャッキー・チェン主演の映画『プロジェクト・イーグル』にも登場している[24]

[編集] 出典

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[編集] 参考文献

  • Brossaud, Frederic (2001). "BMW Z1." Accessed on January 2, 2005.
  • Kittler, Eberhard (1996). Essential Bmw Roadsters & Cabriolets: The Cars and Their Story from 328 to Z3. Bay View Books. ISBN 1-870979-77-X (paperback). 
  • Zeichner, Walter; BMW (1998). Typenkompaß BMW Personenwagen seit 1952 Erstauflage. Motorbuch Verlag. ISBN 3-613-01873-X (paperback). 
  • Mueller, Thomas G.; BMW | DIE GROSSE BMW Z1 CHRONIK Erstauflage | publisher = www.edition-weiss-blau.de | year = 2002 |

[編集] 外部リンク

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最終更新 2009年10月9日 (金) 10:24 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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