DQN
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概要
ヤンキー(不良)など、"粗暴そうな風貌をしている者"や実際に"粗暴な者"、また"非常識で知識や知能が乏しい者"を指すときに用いられる[1]。 この言葉はテレビ朝日系(ANN)で1994年から2002年まで放送されていたテレビ番組『目撃!ドキュン』に由来する[要出典]。この番組に出演する一般人にいわゆる元ヤンキーが多く、時として非常識な行動が多々見られたことから、インターネットスラングで非常識な人物を指す蔑称としての「ドキュン」という言葉が生まれた[要出典]。
2ちゃんねる等に言葉が広まるにつれ、別のインターネットスラングである「厨房」と共通する意味が生まれ、現在では低学歴者に限らず、非常識であったり支離滅裂な主張を表す者一般を指すインターネットスラングとなった[要出典]。偏差値が低い高校・大学を「DQN高校」・「DQN大学」などと蔑んで呼ぶことも多く、「学歴」を意識したスラングであることは今も変わっていない[要出典]。表記は初めはカタカナ書きの「ドキュン」だったが、発音にアルファベットを当てた「DQN」に主流が移り、それを略した「DQ」という表記や、2ちゃんねるでは独自の用法に従って表記を変更した「ドキュソ」、それを略した「DQS」という表記も見られる[要出典]。示唆的にこれらの英語音声で読まれることもある[要出典]。
2010年の調査では、一般的なインターネットスラングであるとみなされている[2]。
メディアでの取り上げられ方の一例
プロバイダ責任制限法の関連の情報を伝えるプロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会[3]が2007年2月に策定(2011年9月改訂)した「発信者情報開示関係ガイドライン」[4]の中で、「DQN」がその他の表現と並んで「いずれも侮蔑的な表現を使って原告を誹謗中傷する内容であると認められ、原告の社会的地位を低下させるものであると認められる」(東京地裁平成15年(2003年)9月17日判決、控訴審東京高判平成 16年(2004年)1月29日も結論を維持)と判示され、初めて司法の場によって「DQN」が侮蔑語として認められたことが示されている[5]。今後匿名掲示板において「DQN」の言葉を用いると、書き込んだ者のリモートホストや氏名などの個人情報が開示される危険性があるとニュースサイトなどのメディアで報道された[6]。
2007年12月2日放送の、NHK「未来観測 つながるテレビ@ヒューマン」内で、「あまり能力が高くない人」という解説で流行語として取り上げられた[要出典]。
DQNネーム
子供の名前に見られる、暴走族のような当て字や漫画・アニメ・ゲームなど架空のキャラクターからとった当て字の名前のように、読みづらい名前や、常識的に考えがたい言葉を(戸籍上の)名前にすることをDQNネームと呼ぶ場合がある[7][8]。ただし、三国志にもそれらしい記述があり、落語の『寿限無』や本居宣長の随筆『玉勝間』第十四巻[9]にも見られるように、子供に珍しい名前を付けたがる親というのは現代に始まったことではないようである。
正確な定義はないが、一般的に使われる「珍名」とほぼ同義である[要出典]。「キラキラネーム」と呼ぶこともある[9][10]。一説にはベネッセコーポレーション発行の育児雑誌「たまごクラブ」「ひよこクラブ」およびその増刊号の「名づけ特集」[11]の影響もあるといわれる[要出典]。
どのような名前がDQNネームにあたるのかは各個人の主観によるため、人によって異なることもある[12]。裁判所の見解では「親権者がほしいままに個人的な好みを入れて恣意的に命名するのは不当で、子供が成長して誇りに思える名をつけるべき」とある[13]。
命名研究家の牧野恭仁雄は「DQNネーム」「キラキラネーム」共に中立的な立場に取った名称ではないとして、中立的な名称として「珍奇ネーム」と命名した[14]。
主な例
- 本来の漢字の読みを無視している
- 現在の日本の法律(戸籍法)では、人名に使用できる漢字については常用漢字と人名用漢字に限定(戸籍法施行規則第60条)されているが、その読みについては戸籍に記載されないため、全く規制がない。住民登録においては便宜的に読みも登録するが、漢字よりも読みの方が重要視されているため、突拍子もない読みで住民登録することも可能である。
- なお、戸籍に読みは登録されないため、名前をどのように変えて読んでも、法的に問題はない。自分のDQNネームが嫌いな人は、親から与えられた読み方ではなく、自分で考えた読み方をあてて名乗ることも可能である(当然だが名前の「表記」自体は変えられない。「読み」を自由にできるだけである)。
- 言葉自体に別の意味がある
- 「当馬(とうま)」(=当て馬)、「心太(しんた)」(=ところてん)など、特に旧来の意味が人名として不適切な場合に問題となる。
- 漢字の別の読み方が、人名として不適切な意味になる
- 「満子(みちこ)」「佐世子(さよこ)」など。どちらも性的なイメージのある読み方(まんこ、させこ)が可能となる。
- 当て字
- 「夜露死苦」のように無理矢理に当て字するケースや、ハーフでもないのに欧米人のような名前をつけるケースがある。ただし、「じょうじ」や「えりか」といった具合に元々は外国人の名前だったが現在は日本人の名前として一般的になっているケースもあり、多くの人にとって自然に当てはめられるものであるかどうかがポイントとなる。
- 人間外の名前をつける
-
「悪魔ちゃん命名騒動」も参照
- 性別の混同
- 男の子に一般的に女の子の名前とされる名前をつけたり、逆に女の子に男の子の名前をつけたりする場合。例えば、女の子に英語の男性名の「リオン」という名をつけるなど。
- 「あきら」「ひかる」「のぞみ」「ゆうき」「しずか」「かおる」などは、以前から男女ともによく使われる名前でありDQNネームには当たらないが、男女の区別がつきにくいということで、時として違和感を持つ人もいる。
- なお日本には、実際の性別とは逆の性別にうけとれる名前をつけることで、健康を祈願する俗信があった[15]。
- おこがましい
- 神話における神やその眷属、救世主といった畏れ多いとされる名前。ただしキリスト教圏では聖人やキリストの弟子に由来する名前は普通に命名されており(英John、仏Jean、西Juanなど)、以下の例の通りイエス・キリスト本人に由来する名をつけてもおこがましいとは認識されないケースもある。
- 東洋圏で見ると、中国では自分と同名の人物が皇帝になると暗黙のうちに改名を強要される(避諱)といった事があり、日本でも徳川光圀のことを水戸黄門と呼ぶように名前はおろか名字でさえも口にすることを憚られる雰囲気があった。現在でも軍艦の名前や列車の愛称名、設備名などに人名をつけることは稀であることから、東洋と西洋では名前の考えかたに違いがあるというべきである。なお、後述する孫休は「近頃、立派な名前をつける事がはやっているが、行いが伴っておらず、まるで、盲に伯明(良く見える)という字をつけるみたいで、この風潮を笑ってきた」と述べている。
- 難解な名前
- それ自体は良い意味がある漢字や語句だが、難解なために周囲や本人が理解できず、結果として珍名と変わらない場合。
- 実際に息子に鼎(かなえ)という名前を付けたところ、周囲から変な名前だと馬鹿にされ成人後に改名、それでも収まらず2000年9月、息子が命名した父親を殺害した事件が起きている。
- 被告人は裁判で裁判官から名前の意味を聞かされて初めて自分の名前の深い意味を知ったと証言しており、良い意味の名前であっても周りが理解できずに珍名と同じ苦痛を被っただけでなく、名付けられた本人ですら理解できない難解な名付けだったことから殺人事件にまで発展してしまった。
影響
こういった名前による悪影響はつけた者よりも、むしろつけられた者が大きく負うことになるということが問題とされ、以下のような影響が指摘される。
- 理解させるのに困難
- 読むことの困難な名前をつけられた場合、通常の名前にはない余分な労力を費やす羽目になる。
- 笑われる
- 珍奇な名前や読みが卑語になる名前は嘲笑の対象になり、心に傷を負ったり、いじめを引き起こしたりする[16]。
- 親子関係の悪化
- 笑われることによって、名づけられた子供は名づけた両親に恨みを抱くことがある。戸籍名の変更を申し立てる事例が多いが、上述の通り過去には父親を殺害するにまで至ったケースがある[17]。
- 誤解される
- 語感から得れる人格や能力について偏見を受けてしまう。これは子供だけではなく、名付けた親も受ける。
- 性別の誤認
- 男女両方に用いられる名前の増加により今後は減っていくと思われるが、特に性別を証明する必要があるときに本人かどうかを疑われたりする場合がある。
- なお、戸籍法第107条の2を根拠として、家庭裁判所に判断を仰ぐことで名の変更が可能な場合もあるが、上記のケースもあるため、子が将来になって変更を求める名をつけないようにするほうが望ましいことは言うまでもない[独自研究?](名の変更届も参照)。
- 受験に不利
- いじめの対象となりやすいため、学校側から忌避されうる[16]。
- 就職に不利
- 名付けた親の常識を根拠に大手企業の就職に対し不利になってしまう[18]。
エピソード
- 呉の君主である孫休は自分の息子を名づけるにあたって、新しい漢字を創造した。名前は競合するべきでなく、他者が避けやすくするためという理由からであるが、たいへん字画の多い漢字で現代では死字のようになっている。この事に関して裴松之は「被られるのが嫌なら、名前なんてつけなければいいじゃないか」と身も蓋もないような事を述べ、「こんな事をしているから自分の死後に妻子が殺される羽目になるのだ!」と三国志に注釈を入れている。いずれにせよ、DQNネームにまつわる最古の記録の一つではある[要出典]。
- 古事記にも、のちに神倭伊波礼琵古命(かむやまといわれひこのみこと、神武天皇)の正妃となる富登多多良伊須須岐比売命(ほとたたらいすすきひめのみこと)が、「ほと」という言葉が入っているのを嫌って比売多多良伊須気余理比売(ひめたたらいすけよりひめ)に名を改めた故事が記されている。
- 吉田兼好は徒然草の百十六段で「人の名も、目慣れぬ文字を付かんとする、益なき事なり。何事も、珍しき事を求め、異説を好むは、浅才の人の必ずある事なりとぞ(やたらと凝った名前をつけるのは、いかにも教養のない人がやりそうなことである)」と書き記している。
- 織田信長は息子をそれぞれ、奇妙、茶筅、三七(3月7日に生まれたからという)、次、坊、大洞(おおぼら)、小洞(こぼら)、酌、人、良好、縁と名付けた。
- 伊達政宗は正室愛姫との間に結婚15年目にして初めて授かった子が男児でなかったのを惜しみ、「五郎八」と一見男児のような名を付けた。
- シーボルトの娘こと、楠本イネは強制的な情事によって産み落とした子供に「天がただで授けた子」という意味で「タダ子」と名付けた。後に楠本イネの庇護者であった伊達宗城の命令によって高子と改名している。
- 森鴎外は自身の本名「林太郎」が外国人には読みにくかったことから、子供にそれぞれ於菟(おと、Otto)、茉莉(まり、Marie)、杏奴(あんぬ、Anne)、不律(ふりつ、Fritz)、類(るい、Louis)と、外国人風の名前を付けた。孫にも、鴎外の命名でないものも含め、真章(まくす、Max)、富(とむ、Tom)、礼於(れお、Leo)、樊須(はんす、Hans)、常治(じょうじ、George)、爵(じゃく、Jacques)、亨(とおる、Thor)、五百(いお、Io)という名が付けられている。
- 大杉栄は、伊藤野枝ともうけた長女に魔子、次女・三女にエマ、四女にルイズ、長男にネストルという名を付けた。いずれも後に改名している。
- 与謝野鉄幹、晶子夫妻は、フランス滞在中に生まれた四男と五女をそれぞれアウギュスト、エレンヌと名付けた。四男は後に改名している。
- 実業家の松谷正一は、「明治維新の志士のような革命家になってほしい」という願いを込めて長女を「天光光(てんこうこう)」、次女を「天星丸(てんほしまる)」、三女を「天飛人(あまひと)」と名付けた。
- 下條アトムは、父の下條正巳の「将来は日本でもアメリカと同じように名前・苗字の順に呼ばれるようになり、名簿もローマ字順になるだろうからAで始まる名前を」との考えと、「今後の原子力は平和のために使われるはずである」という思いで名づけられたという。なお、手塚治虫が『鉄腕アトム』の連載を始めたのはそれよりも後である。
脚注
- ^ 『子供の名前が危ない』20頁。
- ^ 「orz」「DQN」「ノシ」…ネットスラングいくつ知ってる? 産経新聞 2010年11月10日 (cache)
- ^ [1] プロバイダ責任制限法対応事業者協議会
- ^ [2] 「プロバイダ責任制限法発信者情報開示関係ガイドライン」、プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会、初版:2007年2月 第2版:2011年9月、p.14
- ^ 判決文では、「「DQN」が侮辱的表現であることは」、証拠「より明らかである。」と判示されている
- ^ 「DQN」は名誉毀損 2ちゃん語が危ない (J-CAST) や「DQN」で実名開示も?悪質書き込み対策で業界ガイドライン (cache) など。
- ^ 考えはどこに 「面白いかどうかで決めるだけ」気分が選挙を制する!、産経新聞社、2010年1月4日15時30分。(インターネット・アーカイブのキャッシュ)
- ^ 牧野恭仁雄『子供の名前が危ない』ベストセラーズ(ベスト新書)、2012年、20頁。ISBN 978-4-584-12357-7
- ^ a b 日本の難読ネームは伝統だった!? - Web R25、2012年3月13日。(cache)
- ^ 『子供の名前が危ない』21頁。
- ^ 赤ちゃんの幸せ名前事典 (cache)を参照
- ^ 『子供の名前が危ない』22頁。
- ^ 名古屋高等裁判所昭和38年11月9日
- ^ 『子供の名前が危ない』22頁。
- ^ 田川, 邦子 (1986), “里見八犬伝論 : 信乃の物語”, 研究紀要 (埼玉東萌短期大学) 30: 25-33
- ^ a b ワイド ニッポンの積乱雲 (3) キラキラネーム アサ芸プラス 2012-07-12
- ^ 『読売新聞』 2001年4月13日 東京朝刊39面
- ^ 大手企業役員 「正直キラキラネームの学生の採用ためらう」 2012年6月26日07時00分 NEWSポストセブン
参考文献
- オタク文化研究会 『オタク用語の基礎知識』 マガジン・ファイブ、2006年。ISBN 4-434-07396-6。
- 小林康正 『名づけの世相史 「個性的な名前」をフィールドワーク』 風響社、2009年。ISBN 4-894-89764-4。
- 牧野恭仁雄 『子供の名前が危ない』 ベストセラーズ、2012年。ISBN 4-584-12357-8。
関連項目
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