ESOP

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ESOP(エソップ)とは、『従業員株式所有制度=Employee Stock Ownership Plan』の頭文字をとった固有名詞であり、米国ではERISA(従業員退職所得保障法)およびIRC(内国歳入法典)において制度適格性厳格に定められた企業年金・退職給付制度の一形態。

[編集] 概要

米国では1956年或いは1958年にLouis O. Kelsoによって最初のスキームが考案され、1974年ERISA法において採用された自社株式による退職給付を前提とする確定拠出型年金制度であり、ESOP AssociationやNCEOの統計に依れば、現在では約1万社が導入しているといわれている。 英国でも、これに倣ったスキームが、1987年から導入されて広く用いられている。

日本では、日本版ESOPとして各種のスキームが考案されているが、旧来より存在する従業員持株会制度と名称が似ていることなどから、理解に混乱が見られ、従業員持株会が信託を用いて会社株式を先行取得するスキームを日本版ESOPと称している記事等が散見される。野村證券などが従業員持株会を用いた買収防衛策を、米国ESOPを参考に開発したスキームと宣伝していることなども、このような誤解に拍車をかけている一因であると考えられる。

このような混乱は、「従業員株式所有制度」という訳語が、会社従業員が自社の株式を所有するための制度全般を指すように捉えられるための誤った解釈から生じるものと思われるが、ESOPのもつ思想的な背景を理解すれば、このような解釈が誤りであることは明らかである。

また、一時のブームから従業員に株式を持たせてしまえば、会社経営者の保身を目的とする買収防衛スキームや安定株主対策として機能すると考える向きもあるが、このような考え方はESOPの本質から完全に逸脱している。

米国と同様の退職給付型の制度としては、三洋電機による基金型ESOPの導入が本邦初の事例と思われる。その他、ダイドーリミテッド川崎地質といった会社が導入もしくは導入を決定している。(2009年8月現在)また、退職給付型では日本駐車場開発バルスといった会社も導入を決定している。

[編集] ESOPの本来的意義

ESOPが最初に実現したのは1956年ともいわれるが、「ESOPについて考え始めたのは、大恐慌の底1931年である。」と発案者であるルイス・ケルソは語っている。ここで、ESOPの出発点は、米国資本主義経済が自壊する様を目の当たりにして発せられた、『資本主義とは何か』という問いにあったことが明らかにされる。(ケルソの資本主義に対する問いは、モーティマー・アドラーとの共著であるThe Capitalist Manifesto他において詳細が明らかにされている。)

この本源的な問いに「一つの明快な回答を提示し、さらにこの資本主義システムが不用意に用いられるときに起きる『富の偏在』がもたらす、社会構造に対する破壊的な挑戦(民主主義体制の崩壊、全体主義・国家支配へと向かう革命)から、資本主義を救済する手段」としてケルソが提示したのが、『ESOP=従業員による株式所有を実現する計画』であり、富の創造源である資本そのものを公平かつ正当に分配することによって、経済格差を是正し、資本主義の前提である自由と民主主義を実現するための究極的な手段である。

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年10月2日 (金) 22:31 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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