F-101 (戦闘機)

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F-101 ヴードゥー

複座型F-101B

複座型F-101B

F-101 ヴードゥー (Voodoo) はアメリカ合衆国マクドネル社が開発した双発の超音速戦闘機。初期設計では爆撃機の護衛用であったが、その後地上支援や写真偵察用にも転用された。アメリカ空軍の他にカナダ空軍が広く採用し、台湾空軍も偵察機型を少数機導入した。当初計画とは異なり、核攻撃任務兼任の偵察機および大型迎撃機として実用化されたものであり、1954年の初飛行の後、偵察機型は1960年代からベトナム戦争にも投入され、アメリカ空軍・カナダ空軍の迎撃機型は北アメリカ大陸の防空にあたった。1985年までに全機が退役している。

目次

[編集] 概要

アメリカ空軍戦略航空軍団 (SAC) は1951年1月に長距離戦闘機の開発要求を各社に出した。マクドネル社は開発中止となった長距離戦闘機の試作機 XF-881948年10月20日初飛行)を大幅に改良した案を提出し、それが受け入れられ、F-101の開発が開始された。なお、F-101の名称が付けられたのは1951年11月のことである。試作機YF-101Aは1954年9月29日エドワーズ空軍基地で初飛行した。初飛行で音速突破を記録している。

初飛行の日に戦略航空軍団の長距離戦闘機計画は中止が決定した。しかし、戦術航空軍団 (TAC) より戦闘爆撃機として、またF-102戦闘機の性能の低さに失望していた防空軍団 (ADC) より長距離要撃機として関心が示されたため、設計を変更し引き続き開発は続行された。

低翼配置の後退翼の機体で、テールに尾翼があるというのは、XF-88と同じであるが、胴体は3.2m延長され、尾翼面積も拡大している。水平尾翼の位置も垂直尾翼基部から垂直尾翼上部に移されている。機関はジェットエンジンの双発であり、インテークは主翼付け根に、ノズルは胴体後部(テールの付け根)にある。

本機は登場した当初はマッハ1.7を誇り、当時の最高速の戦闘機であったが、程なくしてマッハ2級の戦闘機が続々と登場して、一見して速度性能では平凡な機体になってしまった。ただ本機の最高速度がマッハ2に達しなかったのは、インテークの形状が固定式であるためであり、J57エンジン双発のパワーは、決して後に登場したマッハ2級機に劣るものではない。そもそも超音速機と言えど、そうそう超音速が出せるものではなく(アフターバーナーを使用する事によりたちまち燃料を消費してしまう)、マッハ2以上の最高速度に大した意味がある訳ではない。本機がマッハ1級でありながら、高速偵察機としてベトナム戦争で活躍した実績が、その事実を如実に物語っている。80年代以降、むしろ戦闘機の最高速度は頭打ちになり、低下していると言える状況である。

一方で、水平尾翼をT字配置として垂直尾翼の上に持ってきた設計は、大失敗であったと言える。迎え角を大きく取ると主翼の後流が水平尾翼の効果を無くし、急激な機体の頭上げ(ピッチアップ)を生じる事となった。そのためピッチ・コントロール・システムが付加され、機体の運動を制限して対処している。そのため高翼面荷重の設計と相まって、本機の運動性能はあまりよくない。要撃機や偵察機としてはともかく、本来の開発目的であった戦略航空軍団の長距離戦闘機(爆撃機護衛、あるいは爆撃機の安全のための敵国上空の制空権確保が任務であり、格闘戦能力は必須である)には全く向いていなかったと言える。

防空軍団では完全自動要撃戦闘システムを採用した F-106に対し、本機をパイロットのマニュアル操縦を重視した要撃機として位置づけていた。F-89戦闘機の後継機として主にアラスカの部隊で使用された。広大な北極海をパトロールするには長い航続距離が必要で、また半自動式防空管制組織 (SAGE) の十分な支援を受けられない環境であったので、本機のような戦闘機がF-106とは別に必要であった(F-106があまりに高価過ぎた事も理由である)。要撃機型が全て複座なのも、よりパイロットの能力を重視した結果である。

戦術航空軍団では戦闘爆撃機として当初採用されたが、後に開発された偵察機型のほうが好評で、ベトナム戦争前半の主力偵察機として運用された。なお偵察機型は固定武装は有さないが、後の改装で核爆弾投下能力は有するようになっていた。強行偵察という任務の過酷さゆえに損耗は激しく、F-105と並んでベトナム戦争で使い尽くされた機体となった。空軍州兵 (ANG) の機体まで動員されてベトナム戦争に送られたため、穴埋めとして戦術航空軍団で第一線を退いた戦闘爆撃機型が偵察機型に改修されて空軍州兵に配属された。

最後までF-101を使用したのはカナダ空軍であり、1985年までには全機が退役した。

[編集] 各型

YF-101A
試作機。29機製造。
F-101A
初期生産型。戦略航空軍団の長距離護衛戦闘機として計画されたが、戦術航空軍団の単座戦闘爆撃機 (WS-105) として実用化が図られた。J57-P-13エンジン装備。M39 20mm機銃4門を機首に装備し、Mark 28B43などの核爆弾1発のほか、AIM-4ファルコン空対空ミサイルを搭載する。空中給油装置はプローブ式、ブーム式の双方に対応する。48機製造。1957年部隊配備開始。
NF-101A
GEJ79ジェットエンジンテスト機(1機改装)
RF-101A
戦術航空軍団向けの偵察機 (WS-105L)。試作機YRF-101Aは1956年5月10日初飛行。機首および胴体部に複数の偵察カメラを装備。35機製造。1957年部隊配備開始、1971年退役。台湾空軍にも1959年から供与され、1960年代に中国大陸本土の偵察飛行を実施し、被撃墜も記録している。台湾の機体は1973年に退役した。
カナダ西部航空博物館で展示されるCF-101B。
F-101B/CF-101B
防空軍団およびカナダ空軍向けの長距離要撃機である。当初F-109の名称を提案した。A型と異なりウエポンシステムはWS-217Aの名称があてられた。1957年3月27日初飛行。電子装備はF-106戦闘機より簡略化されているが、代わりに後席にレーダー要員が搭乗する。空中給油受油装置は装備しない。武装は機銃は無く、胴体前部のミサイル倉に空対空ミサイル4発を搭載する。このミサイル倉は回転式であり、2発は機外装備、もう2発は機内装備となっている。ミサイルベイが反転し、残りの2発を機外に出す構造である。搭載ミサイルはAIM-4ファルコン2発およびAIR-2ジーニ2発。エンジンはJ57-P-53またはP-55を装備。防空軍団での運用は1959年から1972年、その後、空軍州兵で1982年まで用いられた。生産機数480機。カナダ空軍はCF-101Bの名称で採用した。1961年から1984年まで運用、生産機数132機。66機が1960年代と1970年代の2回に渡り、機材更新の形で供与された。
EF-101B
カナダ空軍で用いられた電子戦機。模擬敵機役。1機改装。
TF-101B/TF-101F/F-101F/CF-101F
複座練習機型。後にF型に名称統一。79機製造。このほか152機が複操縦装置を装備した。CF-101Fとしてカナダ空軍で運用された。これはCF-101Bと同じく10機が1960年代と1970年代の2回に渡り、機材更新の形で供与された。
RF-101B
戦術航空軍団で運用された偵察機型。1機がF-101Bから、22機がカナダ空軍より返還されたCF-101Bより改装された。これは1970年代初期に改装され、1975年まで空軍州兵で運用された。
F-101C
戦術航空軍団向けの単座戦闘爆撃機型である。1957年8月21日初飛行。F-101Aより機体構造の強化し荷重制限が緩和されているほか、エンジン改良などが行なわれているが、ほぼA型と同等の機体である。94機が発注されるも47機の製造に終わり、残発注はRF-101Cに切り替えられた。1958年部隊配備開始。
RF-101C
戦術航空軍団向けの単座偵察機型である。1957年7月12日初飛行。RF-101Aの改良型であり、固定武装は無く、6台の偵察カメラを機首と胴体部に有する。166機製造、1957年部隊配備開始。1962年のキューバ危機で偵察活動を行ったほか、1961年から南ベトナムやタイ王国に派遣されており、ベトナム戦争に投入された。主に対空砲火により31機が戦闘損失となっている。
F-101D/E
GE社エンジン計画機。
RF-101G/H
F-101A/Cを空軍州兵向けの偵察機に改装した型。空軍州兵における旧式化した偵察機戦力を更新・増強するものであった。1966年以降改装開始、1979年までに退役。

[編集] 仕様

出典: en:F-101 Voodoo

諸元

  • 乗員: 2
  • 全長: 20.55 m (67 ft 5 in)
  • 全高: 5.49 m (18 ft 0 in)
  • 翼幅: 12.09 m(39 ft 8 in)
  • 翼面積: 34.20 m2 (368 ft2
  • 空虚重量: 12,925 kg (28,495 lb)
  • 運用時重量: 20,715 kg (45,665 lb)
  • 最大離陸重量: 23,770 kg (52,400 lb)
  • 動力: P&W J57-P-55 アフターバーナーターボジェット
  • 燃料容量: 7,771 L (2,053 US gal
  • 燃料容量(外部増槽): 11,178 L (2,953 US gal), 外部増槽 × 2

性能

  • 最大速度: 1,825 km/h (985 kt M1.72) (10,500 m (35,000 ft)時)
  • 航続距離: 2,450 km (1,320 nm)
  • 実用上昇限度: 17,800 m (58,400 ft)
  • 上昇率: 250 m/s (49,200 ft/min)
  • 翼面荷重: 607 kg/m2 (124 lb/ft2
  • 推力重量比: 0.74

武装

アビオニクス

  • ヒューズ MG-13 FCS
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[編集] 登場作品

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

最終更新 2009年10月24日 (土) 16:34 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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