JR西日本521系電車

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JR西日本521系電車
521系クハ520形(2007年10月5日、坂田駅)
521系クハ520形
(2007年10月5日、坂田駅)
編成 2両編成
営業最高速度 120 km/h
車両定員 座席56(補助座席8を含む)・立席129(クモハ521形)
座席52(補助座席12を含む)・立席123(クハ520形)
最大寸法
(長・幅・高)
20,100 × 2,950 × 3,690 (mm)
車両質量 43.2t (クモハ521形)
44.3t (クハ520形)
軌間 1,067mm(狭軌
電気方式 直流1,500V・交流20,000V (60Hz)
架空電車線方式
主電動機 かご形三相誘導電動機
WMT102C形 220kW
編成出力 880kW
歯車比 98:15 (6.53)
制御装置 VVVFインバータ制御IGBT素子
WPC11-G2(1C1M)
駆動装置 WN平行カルダン歯車形たわみ軸継手方式
台車 軸梁式ボルスタレス台車(ヨーダンパ付
WDT59B・WTR243C
ブレーキ方式 電気指令式ブレーキ
回生ブレーキ抑速ブレーキ付き
保安装置 ATS-SWATS-P(第2編成までは準備工事)、列車防護無線装置
EBTE装置
製造メーカー 川崎重工業近畿車輛

521系電車(521けいでんしゃ)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の交直流近郊形電車

目次

[編集] 概要

2006年10月21日北陸本線長浜 - 敦賀間、湖西線永原 - 近江塩津間の直流化に伴い投入された。1編成(2両)の製造費用は約4億円で、滋賀県福井県が費用負担している。2002年から製造されている125系と同じく、税金を投入して製造されたため、費用を負担した滋賀県と福井県内で優先的に運用されている(後述)が、2009年3月14日のダイヤ改正で小浜線にも運用範囲を拡大したため京都府内(松尾寺駅東舞鶴駅)にも入線するようになった、また車両検査等で金沢総合車両所松任本所まで回送されることがある。

導入以来、北陸本線米原 - 敦賀 - 福井間および湖西線近江今津 - 近江塩津間の普通列車として運転されてきた。これにより、敦賀以南で運用されていた419系などは、本系列や125系223系に置き換えられた。ただし、検査時には419系などが入線することもある。今後、北陸本線敦賀以東で運用されている413系471系・475系・457系などを置き換えるかどうかは未定である。2009年3月14日からは小浜線でも運転を開始し、同線ではワンマン運転も開始された。これによりキハ48形が撤退して以来、17年半ぶりに3線共通運用車両が復活した。

[編集] 投入まで

2006年9月27日、JR西日本への納入を前にして川崎重工業兵庫工場にて第1編成が報道用に公開され、翌9月28日から鷹取芦原温泉京都総合運転所間で試運転を開始した。また、10月21日には敦賀駅にて川崎重工製の第4編成が一般公開された。同年11月30日から、第3編成が営業運転に入り、12月5日からは第4編成が追加投入された。11月下旬以降に残る第1、2編成と近畿車輛製の第5編成が営業運転を開始し、合計2両編成5本の計10両の陣容となった。全車両が金沢支社福井地域鉄道部敦賀運転派出(金フイ)に在籍している。

2009年10月27日に近畿車輛から第6・第7編成が出場したが、当該編成は金沢総合車両所を意味する「金サワ」の所属表記となっている[1]

[編集] 構造

223系5000番台の前頭部形状と窓・座席配置、321系の構体設計を組み合わせた車体に、投入先の路線条件の違いから様々な変更点が加えられた各種機器を搭載している。

[編集] 形式

[編集] システム・外装

クモハ521形
(2007年3月9日、武生駅
屋根の様子
手前からクモハ521形-クハ520形。手前の楕円形の物体はホイッスル
右側は223系モハ222形-サハ223形…で、パンタグラフ搭載位置や屋根肩の丸みが異なっている。

223系に代表されるJR西日本の直流電車の電装品等を極力共用しつつ、交流区間でも使用できるよう、電動車は直流電車相当の機器のみを搭載し、制御車に集電・変圧・整流を行う交直流対応装備が搭載されるというM-Tp(pはパンタグラフのp)ユニット構成となっている。これにより、電動車は直流電車と機器の共通化が容易となり、保守上も特高圧機器と高低圧機器の混在によるトラブル防止のメリットがある。

このため、電動車だけでなく、制御車にも変圧器をはじめ床下に多数の機器が配置され、高圧碍子で厳重に絶縁されたパンタグラフも同車に搭載されている。このシステムは当初旧・日本国有鉄道(国鉄)時代の781系の試作時に開発された方式であり、JR西日本においては特急形681系683系で確立されたが、JR西日本の近郊形電車としては本系列で初めて採用された。

耐寒耐雪装備として各車の床下機器・台車には防雪カバーが取り付けられている。なお、交流対応装備は西日本地区の電源周波数である60Hzのみに対応している。本系列の主変換装置は落成時点では全て三菱電機IGBT素子使用のVVVFインバータを搭載していた。第4編成のみ2007年に東芝製のものに換装されたが、理由は不明である。

パンタグラフ形状は223系の下枠交差式ではなく、125系と同様のシングルアーム式が採用されている。最高速度も223系の130km/hではなく120km/hとされており、通常最高速度120km/hの485系等の旧型車両が特例で130km/h運転が認められている北陸トンネルや湖西線内でも、本系列の最高速度は120km/hである。なお、223系との併結営業運転は不可能である。

警笛は、207系以降の新製電車と同様にミュージックホーンが採用された。それに加え、空気式のタイフォン・ホイッスルの合計3種類の笛を装備している。タイフォンは排障器(スカート)内に、ホイッスルは屋根にカバーを取り付けて設置された。

車体は同時期に近畿車輛で製造されていた通勤形電車321系の構体設計が流用され、レーザー溶接の適用範囲を側構体の腰部・吹き寄せ部に加え幕板部に拡大し、溶接跡が目立たず外観平滑性の高い構造となっている。屋根肩の雨樋カバーも321系同様にやや丸みが付けられたものとなっている。前面下部の排障器(スカート)も223系の強化型(製造途中に設計変更)よりさらに強固なものとなった。なお、営業開始後しばらくして、スカートに編成番号(第1編成=E1…第5編成=E5)が記入された。

寒冷地域を走行するため、車内の乗降扉横には半自動ドア操作スイッチが設けられている。デザインは321系と同様の、ボタン周囲が発光するタイプが採用された。また、ワンマン運転時に「入口」「出口」を表示(ワンマン運転時、乗客は先頭車両の最後部の扉から乗車し、最前部の扉から降車)するLED式表示器も設置され、妻面(連結面)部は車内視認性向上のため、窓(トイレ設置の関係で片側のみ)が設けられ、貫通扉部分の窓も223系より拡大されている。このあたりはJR西日本管内の播但線加古川線103系ワンマン対応車の妻面設計と共通性が見られる。

外装帯色は戸袋部に223系2000番台同様の茶色を、その下に上から順に青・白・青の3本の帯(北陸地区の近郊形電車と同イメージ)が入る。なお、戸袋部の貼り付け範囲は223系2000番台5次車以降及び5000番台側面に準じている。

保安装置はATS-SWを搭載しており、ATS-Pの準備工事もなされている。その後、第3編成についてはATS-Pが本設置された。

[編集] 内装

クモハ521形の車内。手前のオレンジ色の箱が整理券発行機。
クモハ521形の車端部。貫通扉の窓からクハ520形のトイレが見える。

座席は基本的に223系5000番台を踏襲した扉間2人掛け×5列の転換クロスシートが配置されているが、妻面窓からの車内確認をしやすくする目的で、クモハ521形の車端部には321系に類似した構造のロングシートが設置された。一方、クハ520形については223系と同じく、車端部が車椅子対応の洋式トイレ(処理方式は網干総合車両所配置の223系で採用されたカセット式に対し臭気対策に優れる真空式を採用)と車椅子スペースに充てられているため、同車にロングシート部分はない。

運転台の直後に運賃箱運賃表示器が、各車両最後部の客用ドア横には整理券発行機が設置されている。223系以来、ドア間のクロスシートのうち、ドアに隣接する固定座席には背面に補助席を装備する構造となっているが、本系列では整理券発行機設置の関係で、同部分には補助席が装備されていない。また、クモハ521形では運転台側の客用ドアに面した固定座席背面にも補助席は設置されていない。

運賃表示器には導入当初、北陸本線米原 - 福井間の各駅と湖西線近江今津 - 近江塩津間各駅の表示準備がなされていた。しかし、2009年3月からの小浜線における運用開始に伴い、北陸本線福井 - 南今庄間の表記が削除され、代わりに小浜線の敦賀 - 東舞鶴間および旅客流動上で関連の深い舞鶴線・山陰本線を経由した東舞鶴 - 綾部経由福知山間の表示が追加されている。

この521系導入に際して、北陸本線米原 - 福井間と、湖西線近江今津 - 近江塩津間の一部のホームでは後方確認用のミラー(一部は冬季の凍結対策で電熱器付き)と、車椅子スペース最寄り乗車口の案内看板が設置された。しかし、敦賀以北の一部駅では2008年頃から後方確認用のミラーが90度回転され、鏡面がレールと並行(レール側がミラーの背面)にされている。

運賃箱は乗務員室内に収納可能な構造になっており、車掌乗務時は運転台後部が邪魔にならないよう配慮されている。また、複数の編成を連結した場合は223系5000番台のように乗務員室を通路として開放することになり、いたずら防止のため車掌スイッチ類にカバーが設けられている。また、運賃箱は運転台と通路との仕切りとなるような配置になっている。

車内扉上には、223系などと同様の号車番号表示器とLED式のスクロール表示器が、片側の客用扉に1つおきの千鳥配置で1両あたり計3か所設置されている。表示内容も変化ないが、号車表示は223系の7セグメントディスプレイに代わりLED式となったため、数字表記の視認性向上が図られた。

この他、乗務員室と客室との仕切り扉は引き戸となった(運転台→助士側へスライド)。

本系列の床面高さは1,120mmで、乗降口にステップがない。そのため北陸本線敦賀 - 福井間の一部の駅では2両編成分のホーム嵩上げが実施された。ただしこの嵩上げは、ホーム高さが920mmに達していない駅に対して920mmへの嵩上げを行うものであった。なお、敦賀 - 長浜間の各駅(敦賀駅は4番のりばのみ)では1,100mmへのかさ上げが完了したため、ホームと床面との段差は20mmとなった。

[編集] 脚注

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  1. ^ 521系4両が近畿車輛から出場交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース、2009年10月28日

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月22日 (日) 08:14 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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