Kunstformen der Natur

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8ページ目の「Discomedusaeクラゲの一種)」。中央の二匹(Desmonema annasethe)の流れる触手が、ヘッケルの後妻の長い髪を思わせる(本文参照)。

Kunstformen der Natur (英名“Art Forms of Nature”、邦訳「自然の芸術的形態」他)は、ドイツ生物学エルンスト・ヘッケルが著した本である。彼が描いた様々な生物のスケッチが収められている。印刷はリトグラフ及びオートタイプ法による。

目次

[編集] 概要

元々は1899年1904年にかけて出版された10冊組の本で、1904年に全100枚の絵を収めた完全版が出版された。中に収められた生物の大部分は、ヘッケルによって初めて描かれたものである。ヘッケルのスケッチや水彩を版画に起こしたのは、版画家の Adolf Giltsch であった。彼はヘッケルの下絵に基づいて1,000枚を超える版を作成し、本書のために出来の良いものを選りすぐった。

ちなみに本書は1924年に第2版が出ているが、この中にはたった30枚の絵しか収録されていない。近年の版(Prestel Pub より、ISBN 978-3-7913-1990-2)では、オリジナルの100枚に先立って本書の概要やヘッケルの紹介、彼の習作などが収められている。

[編集] 題材

ヘッケルに関する研究を行っている Olaf Breidbach (近年の「Kunstformen der Natur」 は彼の編纂による)によれば、「本書は単なるイラスト集ではなく、ヘッケルが見た世界の集大成なのだ」という[1]

本書の画の最重要テーマの一つが対称性と秩序である。題材はこのテーマを具現化すべく選択されており、例えばハコフグの模様からアンモナイトの螺旋・縫合線、そしてクラゲ微生物の完全な対称性に至るまで様々である。同時に各々の図は視覚的な美しさを最大限に考慮して配置されている[2]

中でも特筆すべき画としては数々の放散虫が挙げられる。彼の絵は、アマチュアの顕微鏡愛好家たちの間に放散虫を広めることに一役買った。イソギンチャク管クラゲ類、旗口クラゲ類、その他体制としてのクラゲなど、刺胞動物もまた特に収録数の多い主題である。クラゲの一種である Desmonema annasethe(現在は Cyanea に移されている)を含む本書一枚目の画は特に美しいが、これはヘッケルが、彼の妻である Anna Sethe を亡くした後まもなく観察し描きあげたものである。種小名の“annasethe”も彼女の名前からとっている。

[編集] 影響

ブールス・ファン・ベルラーヘの大ホール(Grote Zaal)に見る幾何学的な設計

「Kunstformen der Natur」は20世紀初頭の芸術建築・デザインに大きな影響を与え、科学と芸術の橋渡しとなった。特に René Binet、Hans Christiansen、カール・ブロスフェルトKarl Blossfeldt)、そしてエミール・ガレÉmile Gallé)といったアール・ヌーヴォーに傾倒した多くの芸術家らに多大な影響を及ぼした。

一つの顕著な例として、オランダの建築家であるヘンドリク・ペトルス・ベルラーヘHendrik Petrus Berlage)の手によるアムステルダムの著名な建築、ブールス・ファン・ベルラーヘ(Beurs van Berlage)がある。この一連の建造物には、本書の影響を受けている箇所が散見される[3]

[編集] ギャラリー(抜粋)

「Kunstformen der Natur」に収録されている絵の一部。ヘッケルによる原題を括弧書きで掲載した。

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 参考文献

  1. ^ Breidbach, Visions of Nature, pp 253
  2. ^ Breidbach, Visions of Nature, pp 229-231
  3. ^ Breidbach, Visions of Nature, pp 231, 268-269
  • Breidbach, Olaf. Visions of Nature: The Art and Science of Ernst Haeckel. Prestel Verglag: Munich, 2006.

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月29日 (日) 12:21 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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