LE-7A
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LE-7Aは、日本の宇宙開発事業団が開発した液体燃料ロケットエンジン。H-IIロケット第一段に使われていたLE-7エンジンを改良したもので、H-IIAロケットの第一段には1基、H-IIBロケットの第一段には2基使用されている。
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[編集] 概要
LE-7Aは日本初の国産第一段主エンジンであるLE-7の後継として1994年から2000年にかけて開発された。ただし液体水素 (LH2) ポンプに特異な振動の問題があったため、インデューサの改良が2001年まで行われた。
また当初計画では、ノズルスカートは2分割構造で、上部ノズルスカート(再生冷却構造)のみの「短ノズル仕様」と、下部ノズルスカート(フィルム冷却)を組み合わせた「長ノズル仕様」を必要に応じて使い分け、様々な重量の衛星打ち上げに対応することを目指していた。しかし「長ノズル仕様」の開発段階において、エンジン起動・停止時に過大な横推力が発生する問題が生じ、H-IIAロケットの1号機から7号機、10号機は「短ノズル仕様」で打ち上げられた。この問題を解決するために、一体型の完全再生冷却型長ノズルが開発され、8号機、9号機、11号機の打ち上げに使用された。
LE-7Aに限らずロケットエンジンは、耐久性を犠牲にしても軽量化と高出力化を求めた設計がなされる。LE-7Aではわずか10回の起動と停止が行なえるという条件で設計されている[1]。2009年の15号機まで、打ち上げ失敗を招くほどの重大なトラブルは発生していない。
なお、LE-7Aは設計当初からクラスター化を前提としている。H-IIAにLE-7Aを2基搭載したLRB(液体ロケットブースタ)を追加する推力増強型の開発が計画されていたが中止され、H-IIBロケットに置き換えられた。H-IIBの1号機(実証試験機)は2009年9月11日午前2時1分46秒に打ち上げられ、打ち上げは成功した。
[編集] 構造
燃焼サイクルはLE-7と同じ二段燃焼サイクルである。LH2はLH2ターボポンプにより昇圧され、まず主燃焼器の壁面とノズルスカートを冷却し、気体水素(GH2)となる。また液体酸素 (LOX) は同様にLOXターボポンプで昇圧され、91%が主燃焼室に送られる。残りの9%はさらに同軸のプリバーナポンプで昇圧され、プリバーナに送られGH2と燃焼し、750Kのタービン駆動用ガスを生じる。タービン駆動用ガスはLOXターボポンプとLH2ターボポンプを回転させた後主燃焼室に送られ、燃え残った水素が前述のLOXと燃焼し推力を生み出す。
世界的に見ても、この二段燃焼サイクルを採用したエンジンを実用化したのは日本、アメリカ、ロシアのみである。
基本はLE-7と変わらないが、艤装を見直し、配管取り回しを改善。精密鋳造や機械加工を増やし、溶接箇所を260箇所から60箇所へ削減することで、コストダウンと信頼性向上を図った。また、製作コスト削減を優先して燃焼器の噴射エレメントの数を減らしているため、ロケットエンジンの性能の指標となる比推力は440秒(長ノズル)と、LE-7の446秒より低下している。
短ノズル仕様と完全冷却の長ノズル仕様ではノズルの膨張率が異なる。短ノズルは上下にややつぶれた形状をしており、開口比を変えることなくLE-7より長さを短縮できた。しかしフィルム冷却の長ノズルを取り付けた状態で試験したところ、前述のように過大な横応力が発生した。これはつぶれた形状のノズルが過膨張となり、さらにフィルム冷却の長ノズルを取り付けた部分のわずかな段差で燃焼ガスが剥離してしまうことによるものだと判明した。そのため、完全冷却の専用長ノズルは長さを元に戻し、LE-7と同様のノズル形状となっている。
[編集] 諸元
| [2] | 短ノズル | 長ノズル |
|---|---|---|
| 真空中比推力 | 429 秒 | 440 秒 |
| 真空中推力 | 1,074 kN (109.5 tf) | 1,098 kN (112.0 tf) |
| 全長 | 3,400 mm | 3,700 mm |
| 最大径 | 1,815 mm | |
| 重量 | 1,715 kg | 1,832 kg |
| エンジンサイクル | 二段燃焼サイクル | |
| 推進剤 | 液体水素 / 液体酸素 | |
| 主燃焼室圧力 | 12.0 MPa | |
| ターボポンプ回転数 | 41,900 rpm(液体水素) / 18,300 rpm(液体酸素) | |
| スロットリング | 72% | |
| 混合比 | 5.9 | |
| 膨張比 | 51.9 | 54.0 |
[編集] 参考資料
- ^ 『国産ロケットはなぜ堕ちるのか』松浦晋也、日経BP社 ISBN4-8222-4383-4
- ^ http://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/355/355344.pdf
[編集] 外部リンク
最終更新 2009年10月22日 (木) 13:47 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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