Microsoft Windows Vista

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Windows Vista
[[Windows NT]] ファミリー
開発者
マイクロソフト
ウェブサイト Microsoft Windows Vista ホーム
リリース情報
リリース日 2006年11月9日(info)
最新版 6.0 Service Pack 2 (Build 6002)(2009年4月29日)(info)
ソース モデル クローズドソースシェアードソース
ライセンス Microsoft EULA
カーネル ハイブリッドカーネル
対応プラットフォーム x86, x64
サポート状態
メインストリームフェーズ

Microsoft Windows Vistaマイクロソフト ウィンドウズ ビスタ)は、マイクロソフトWindows XPの後継として販売しているパーソナルコンピュータ用のオペレーティングシステムである。開発時のコードネームLonghorn(ロングホーン)[1]。2006年11月30日にボリュームライセンス契約者へ提供が開始[2]され、2007年1月30日に全世界で発売された[3]

目次

[編集] 概要

"Vista" という名称はイタリア語で「眺望」という意味を持つ。マイクロソフトによると「混乱を解消し、あふれる情報を整理し、未来を垣間見せる」とのこと。

Windows Vistaの内部バージョンはWindows NT 6.0である。Windows 2000の内部バージョンがNT 5.0、Windows XPの内部バージョンがNT 5.1だったことを考えると、Windows 2000以来の大きなバージョンアップであることが伺える。その変更の多くは信頼性とセキュリティの向上に関する変更である。

マイクロソフトは過去にほぼ3年のサイクルでWindowsのメジャーバージョンアップを実施していたが、Windows XPに限っては5年もの長きにわたり販売され続けた。その理由としては脆弱性が指摘されていたXPにセキュリティ強化やブロードバンドインターネット接続時代への対応など緊急を要する改良が必要とされ、マイクロソフトは開発リソースをWindows XP Service Pack 2などのアップデート・IEのセキュリティ対策に優先的に回したため、必然的にXPの後続であるVista開発が遅れたという説が有力視されている。

また、長いリリース間隔となったため、当初の構想とは異なり、Vistaには多くの機能が盛り込まれることになり、大幅な延期を重ねた。PDC 2003の段階では2004年第2四半期とされていたが[4]、PDC 2005では2006年後半に出荷予定だった[5]。さらにMicrosoftのプレスリリースで2007年1月に提供すると発表された[6]

さらに、開発当初の段階から発表されていた主要な機能であるWinFSの搭載が中止[7]となった。Common Security APIなど、標準APIの変更も予定していたが、これもファーストリリースでは提供されず、SP1以降で提供する予定に変更となった。このように、さらに一部の新機能搭載を見送る形になりながらも、最終的に一般消費者向けを2007年1月30日へと再延期し、ようやくリリースされた。なお、Windowsサイドバーとガジェットも削除される予定だったが、リリース目前にして急遽搭載が決定された。

セキュリティ機能の初期設定の検討と検査にはNSAが協力している。また、NATOなどの国際機関もMicrosoftに対して、検査したいとの申し出を行っている[8]

パッケージ版はXPまでは紙製のケースだったが、Vistaからはプラスチック製の化粧箱に変更された。この変更はディスクやマニュアルなどを安全に保管することを目的に行われたものである[9]。また、これを機に、マイクロソフト社が販売するPC用ソフトウェア製品は、全てこのパッケージで統一された。

[編集] 沿革

[編集] 2004年

  • コードネーム「Windowsベーター」で開発が本格化
  • のちにコードネーム「Longhorn」に変更。

[編集] 2005年

  • 7月22日 - コードネーム「Longhorn」の正式名称が「Windows Vista」に決定。
  • 7月28日 - Windows Vista Beta1を公開。

[編集] 2006年

  • 5月19日 - Vistaの動作環境、対応可能かチェックするツールを公開。
  • 5月24日 - Windows Vista Beta2 一部テスター向けを公開。
  • 6月8日 - Windows Vista Beta2 日本語版一般向けダウンロードを開始。
  • 6月27日 - Windows Vistaの機能全般の解説ドキュメントを公開。
  • 7月1日 - カスタマ プレビュー プログラムの新規受け付けを終了。
  • 8月31日 - Windows Vista Pre RC1を公開。
  • 9月1日 - Windows Vista RC1を公開(1部テスター限定公開)。
  • 9月7日 - Windows Vista RC1を公開(Beta2 CPP参加者限定)。
  • 9月15日 - Windows Vista RC1を一般公開。
  • 10月7日 - Windows Vista RC2を公開(一般公開は終了)。
  • 11月2日 - Windows Vistaを11月30日に企業向けに発売すると発表。
  • 11月8日 - Windows Vistaの開発が完了。
  • 11月9日 - Windows Vistaを2007年1月30日にコンシューマ向け(一般向け)に発売すると発表。
  • 11月30日 - Windows Vista ボリュームライセンス向け(企業向け)発売。

[編集] 2007年

  • 1月16日 - PCメーカー各社が、Windows Vistaを搭載したPCを一斉に発表。
  • 1月30日 - Windows Vista コンシューマ向け(一般向け)発売。
  • 8月29日 - Windows Vista Service Pack 1(以下「SP1」)のリリースを発表。
  • 9月24日 - Windows Vista SP1 Beta版を提供。
  • 12月5日 - Windows Vista SP1 リリース候補版を提供。

[編集] 2008年

  • 1月24日 - Windows Vista SP1 RC Refresh 2をSP1のBetaを既に試している1万5000人のベータテスターに提供。
  • 2月4日 - Windows Vista SP1開発完了を正式に報告。
  • 3月19日 - Windows Vista SP1をWindows UpdateとDownload Centerに公開。

[編集] 2009年

  • 4月28日 - Windows Vista Service Pack 2の開発が完了したと発表した。一般公開は2009年第2四半期の予定。[10]
  • 5月27日 - Windows Vista SP2をWindows UpdateとDownload Centerに公開。

[編集] エディション

Windows Vistaは、世界市場向けに5エディション、地域市場向けを含めると計6エディションがリリースされた。この内一般に市販されるのは4エディションである。Starterを除く全てのエディションで32ビット版と64ビット版の2種類が提供され、リテール(単体販売)版のUltimateのみ64ビット版のDVDメディアが同梱される。また、Ultimate以外の32ビットリテール版では、実費と送料をユーザーが負担する形でマイクロソフト社に発注することで64ビット版のDVDメディアを郵送で入手することが可能である。

Starter (スターター)
Home Basicの下位に位置する最下位エディション。エディションカラーは白。Windows XP Starter Editionの後継にあたる。低価格PCが豊富な新興市場向けの低価格・機能限定版で、海賊版対策として発展途上国を対象しているため日本などでは販売されない。Windows Internet Explorer 7とWindows メール、Windows Media Player 11は提供されるものの、それ以外のWindows Aeroを含めた新機能は提供されない。
これに加えて、
  • 同時に開けるウィンドウの数が3つのみ
  • インターネットとメール以外のネットワーク機能を利用出来ない
  • ログオンパスワードを設定できず「高速ユーザー切り替え」ができない
  • DWMが提供されない
  • 使用機種の性能に関わらず搭載可能なメインメモリの最大容量が1GBまで
など、本来あるべき機能に対して大幅な制限が加えられる[11][12]
また、上位エディションへのステップアップグレードも存在しない。なお、ログオン画面の背景は、他のエディションではオーロラのようなCGが使用されているが、Starterに限ってはWindows Server 2008と同じく純色のブルーとなっている。バンドルされている壁紙やスクリーンセーバーなどが各国毎に異なり、各国の事情に配慮した形となっている。
Vistaのエディションの中で唯一64ビット版が存在せず、32ビット版のみのリリースである。
Home Basic (ホーム ベーシック)
下位版。エディションカラーは若草色。Windows XP Home Editionの後継にあたる。Windows Internet Explorer 7とWindows メール、Windows Media Player 11の他にWindows フォトギャラリーなどのWindows Vistaの基本的な機能が提供される。Starterと同様にWindows Aero Glassは提供されないが、DWMの利用は可能である。
十分な性能の備わっていないシステムを対象にしている。一般的なエディションの中で最も安い価格設定が行われていることから低価格機種を中心にプリインストールされている。特にネットブック向けとしてさらに安い価格で出荷されている。
Home Premium (ホーム プレミアム)
上位版。エディションカラーは緑。Windows XP Media Center Editionの後継にあたる。Home Basicの機能に加え、Vistaの主要機能であるWindows Aeroやファイル単位のデータバックアップ、タブレットPC、更にビジネス向けのエディションにはないWindows Media Centerなどが提供される。Windows AeroやWindowsムービーメーカーなどを使いたいユーザーや主にマルチメディアなどに代表されるエンターテイメント関連の利用を中心とするユーザーを対象にしている。
一般向けプリインストールではHome Basicと採用数を二分している。
単体販売のVistaのエディションの中で、唯一アカデミック版のパッケージが存在する。
Business (ビジネス)
ビジネス向け。エディションカラーは青。Windows XP Professionalの後継にあたるが、マルチメディア機能がいくつか省かれ、ビジネス用途のための機能に特化している。中小規模の企業向けで一般企業のユーザーを主な対象としている。
Home Basicの機能を元に、Active Directory への参加やリモートデスクトップ、シャドウコピー、デュアルプロセッサ対応やIISなどのビジネス用途向けの機能が提供される。
法人向けのメーカー製機種を中心に、その他サブノートパソコンの一部にプリインストールされている。
Enterprise (エンタープライズ)
エディションカラーは黄。Vistaで新設された。ボリュームライセンス契約者のみへの提供であるためにパッケージ版が存在しない。大規模なグローバル企業向けで、企業での情報処理技術者を対象としている。
Businessの機能に加え、多言語インターフェイスの対応や高度なセキュリティ機能、UNIXベースのアプリケーションを実行できる機能などが提供される。
Ultimate (アルティメット)
ホームユースとビジネスユースの機能を全て搭載した最上位版。Vistaで新設された。エディションカラーは黒。正確には他のエディションは、このUltimateから機能を引き算した物となる。Home PremiumとEnterpriseの機能に加え、ゲーム環境への統合機能が提供される。Vistaのエディションで唯一32ビット版と64ビット版が同梱されており、Windows Ultimate Extrasによる各種サービスも提供される。また、Windows ReadyBoost対応USBフラッシュメモリー等の特典付きパッケージも存在する。ヘビーユーザーを対象としている。
個人向けのハイエンド機種(主にBTOのショップブランドや一部メーカー製)にプリインストールされている。
Ultimate以下のSKUでは、Anytime Upgradeやステップアップグレードパッケージを購入することによりUltimateへのアップグレードが可能だったが、現在はこのサービスやパッケージは終売している。

[編集] 特定地域限定

K
韓国の公正取引委員会によってWindows系OSが独占禁止法違反であるとの判断が下されたために韓国でのみ販売されているエディション。競合他社のインスタントメッセンジャーメディアプレーヤーへのリンクが含まれている。
N
独占禁止法対策のために、EU圏でのみ販売されているエディション。Windows Media Playerが含まれていない。
KN
上記の二つを併せ持った物。

[編集] 新機能とXPからの変更点

従来のWindowsにはない新機能が多数搭載され、これまでのWindowsとはかなり異なる印象を受ける。また、XPまで存在した「マイ コンピュータ」や「マイ ドキュメント」などの伝統的なフォルダの名称から「マイ」が外れ、単に「コンピュータ」や「ドキュメント」と呼ばれるようになった。

[編集] ユーザインタフェース

Windows Aero(ウィンドウズ エアロ)
Home Premium、Business、Enterprise、Ultimateに搭載。
Windows XPのLunaに替わる新しいUI3Dグラフィックを使用し、透過ウィンドウ、フリップ3Dなどの視覚効果が可能(詳細は視覚スタイルの節を参照のこと)。これらの視覚効果は、従来の画像処理APIであるGDIに代わってDirectXを用いて処理されるようになっており、GPUを使用するようになっている。このため、高性能なGPUを搭載している場合においては、GDIを用いた従来の場合よりも高速な処理を期待できる。反面、パソコンのスペックによっては、Aeroを有効にすることによりパフォーマンスが落ちることがある。
シェル
スタートメニューが整理され、表示方法やフォルダウィンドウの操作性などが変更された。これにより、マウスの移動距離そのものは若干だが少なくて済むようになった。
タスクバーの内容がサムネイル表示できるようになった(ウインドウプレビュー機能)。これによりフォルダの中身を表示したり、アイコンの大きさを自由に変更できるようになったため、ファイルやその内容の確認がしやすくなり可視性が向上した。
音声認識
音声認識技術の向上によって音声での文字入力および音声でのパソコンの操作が可能である。
タブレット機能
Home Premium、Business、Enterprise、Ultimateに搭載。
Windows XP Tablet PC Editionから受け継いだ機能。ペンタブレットタブレットPCで動作する。ペンの動きで簡単な操作を行う「フリック」が追加された。
日本語環境の充実
新デザインの日本語フォント「メイリオ」が搭載され、JIS漢字コードJIS X 0213:2004 (JIS2004) に対応した[13]

[編集] 搭載フォントセットについて

Windows Vistaの以前の標準フォントセット(MS ゴシック類3種、MS 明朝類2種、Windows Vistaでは加えてメイリオの計6種)にも変更が加えられた。標準フォントセットにJIS X 0221:2001の文字集合とJIS X 0213:2004の追加文字が採用され、字形も旧来のJIS X 0208:1990から、前記の文字集合・追加文字の2つを合わせたJIS X 0213:2004に変更された[14]

[編集] セキュリティ

Windows Update
Windows XP以前で採用されていたWebベースでのインタフェースが廃止され、コントロールパネルから利用するようになった。
ユーザーアカウント制御 (UAC:User Account Control)
Vistaでは管理者アカウントであっても通常は一般ユーザー以下の権限で動作し、管理者権限が必要なときにダイアログでその確認を求めるようになった[15]。これにより、システムに変更を与えるプログラムの動作の可否を確認する手順を設ける事ができるため、システムに重大な影響のある操作を不用意に行ってしまうことを防止できる。
ユーザーアカウント制御は、ほかの管理者ではない標準ユーザーがログインした状態で管理者のパスワードを入力すると再起動の必要なくその場で管理者の権限を得ることができるため、標準ユーザーからでもソフトウェアなどをインストールすることができるようになった。
Windows XPなどUACのないバージョンからアップグレードされたVista環境では、旧環境でインストールされたアプリケーションの動作互換性のために、UACが一部緩和されている。このため、クリーンインストールした環境とアップデートした環境とで、同じVistaでありながらアプリケーションの挙動が異なるといった事態が起きている。
Internet Explorer 7 の保護モード
UACの関連機能の一つ。信頼済みサイトに登録されていないサイトを閲覧する場合、Internet Explorerを通常より低い権限で動作させ、悪意あるプラグインなどからコンピュータ内のファイルなどを操作されることを防いでいる。なお、副作用として保護モードで閲覧中はIMEのプロパティ変更や、辞書登録などが行えず、既に辞書登録済みの単語が変換候補に出ない、共有プリンタから印刷ができない[16]等の問題が起きている。なおこの機能は上記UACに依存するため、Vista/Server 2008で動作するIE7にのみあり、UACのないWindows XPやWindows Server 2003用のIE7にはない[17]
Windows リソース保護 (WRP:Windows Resource Protection)
WRPで保護されたファイルは、削除や変更が出来なくなっている。これにより、システムファイルを削除したり改変するような操作の過失や、悪意あるアプリケーションから守られている。この機能は上記UACとは独立して動作しており、たとえ管理者権限を有していたとしても削除や変更が行えない。なお、Windows Updateが行う変更については例外的に許可されている。
Windows Defender
スパイウェア(悪意のあるソフトウェア)を検出・削除するアプリケーション。ほかにも、スタートアップアプリケーションの管理やアプリケーションが行った不正な変更の監視なども行うことができる。ちなみに、Windows Defenderのスパイウェア定義ファイルは定期的に自動で最新版に更新される。
保護者による子供のパソコン利用規制機能
いわゆる一部のゲームやアプリケーションの起動、インターネットにおける特定のコンテンツの閲覧を制限させる機能。
ドライブの暗号化
Enterprise、Ultimateに搭載。
Windows XPまでに搭載されている暗号化ファイルシステムに加え、TPMもしくはUSBメモリと組み合わせて用いるBitLockerと呼ばれる暗号化機能が搭載される。
サービスとドライバのSession 0 分離
Vistaでは、以前のOSとは異なりサービスやドライバの動作するセッションと、フロントエンドのアプリケーションが動作するセッションが切り離された。これにより、ユーザーが実行した(もしくは、知らずに実行してしまった)悪意あるアプリケーションから実行中のサービスやドライバへ介入する手段が制限された。

[編集] システムおよび環境

.NET Framework 3.5
アプリケーション製作環境の新しいバージョン。マイクロソフトの説明によると、この規格で3Dを活用したソフトウェアなどがより簡単に製作できるとしている。
Windows SuperFetch
ユーザーのアプリケーション利用パターンに基づいて必要なデータをメモリ上にキャッシュし、アプリケーションの起動や切り替えの時間を短縮する技術である。
Windows ReadyBoot
Vistaの起動時のブートプロセスを学習し、そのシステムで最適化された起動のパフォーマンスを向上させる機能。
メモリが512MB未満のシステムの場合はWindows XP相当のプリフェッチを行い、システムに 700 MB 以上のメモリが搭載されている場合は、メインメモリのキャッシュを利用してブートプロセスを最適化する。
過去5回のトレース情報を元に、CPUの空き時間を利用し、次回のキャッシュ計画を生成する。
Windows ReadyBoost
フラッシュメモリの記憶領域をキャッシュメモリとして使用し、総合的なパフォーマンスを向上させる。PCに搭載している物理メモリと同じ容量か、それよりも多いものを使用することが推奨されているが、小容量でも効果が出ないわけではない。容量は空き容量が230MB以上のものが必要、設定可能な容量の上限は、32ビットのアドレス長の最大である4GBまで。
Windows ReadyDrive
ハイブリッドHDDをサポートするための機能、またハイブリッドHDDを活用した省電力機能。
DirectX 10.x
新しい表現能力とハードウェアの性能をフルに活用したDirect Xの新バージョン。
マイクロソフトによると、これによってゲームのスピードが向上し、ユーザーは新しい体験を手に入れることが出来るとの事である。
シャドウコピー
シャドウコピーでは、作業中の任意の時点でファイルのコピーが作成されるため、誤ってドキュメントを削除してしまった場合にそのドキュメントの各バージョンを迅速に復元することができる。

[編集] アプリケーションおよびエンターテイメント

Windows Internet Explorer 7
Low-Rights IE、フィッシング詐欺検出機能などによるセキュリティ対策の強化、アルファチャネルPNGへの対応や、CSS2への対応の強化、タブブラウズ機能、RSSリーダー機能が追加された。
Windows メール
Windows XPまで存在していたOutlook Expressに替わってWindows メールが搭載される。迷惑メール対策の強化などが行われている。
Windows Media Center
Home Premium、Ultimateに搭載。
Windows XP Media Center Editionのメディアセンター機能を継承。映像・音楽の再生や録画をリモコンを使って直観的に行える。これは、マイクロソフトがテレビとパソコンを一体化させた新しいエンターテイメント環境を提供するために制作されたものである。また、地上デジタル放送の録画に対応したWindows Media Centerを提供する事をマイクロソフト日本法人が発表した。この提供はパッケージ版やWindows Updateでの提供はなく、メーカーからの対応機種の出荷にのみに提供された[18]
Windows Media Player 11
音楽配信サービスに対応する。同じネットワーク内でのマルチメディアの共有が簡単にできるようになっている。
Windows フォト ギャラリー
Windows Media Playerの操作感で写真の表示や編集、管理することができ、DVDなどの記録メディアにまとめることもできる。また、エフェクトを交えながらスライドショーを表示したり、画像などを自動修正することができる。
Windows ムービーメーカー
Windows ムービーメーカーの後継版。Vista発売当初には、ムービーメーカーはAeroに対応した高性能なグラフィックカードを装着していないと実行できなかった。しかし、マイクロソフトは顧客の要望に応えるため、Aeroに対応した高性能なグラフィックカードを装着していなくてもムービーメーカーが実行できるバージョンを発表した。
Windows DVD メーカー
Home Premium、Ultimateに搭載。
ムービーメーカーで編集した映像などをDVD-Video形式でDVDに書き出せる。メニューも作成可能。
Windows サイドバー
サイドバーには「ガジェット」と呼ばれるミニアプリケーションを利用できる。作成されたガジェットはWindows Liveで公開されている。このガジェットは個人レベルでも制作可能であり、マイクロソフトはガジェット作成用のソフトウェアを提供している。
  • CPUメーター - CPUやメインメモリの使用率を表示
  • カレンダー - 日付を表示
  • スライドショー - 指定したフォルダ内の画像ファイルを表示
  • ピクチャーパズル - パズルゲーム
  • フィードヘッドライン - 最新のニュースなどを受信
  • 株価 - お気に入りの株価を瞬時にチェック
  • 時計 - タイムゾーンや都市などを指定可能
  • 通貨換算 - 通貨を換算
  • 天気 - 世界の天気を受信
  • 付箋 - メモ帳
  • 連絡先 - 連絡先のアドレスや電話番号などを検索
Windows システム評価ツール(Windows エクスペリエンス インデックス)
このプログラムは、CPU、メモリ、Windows Aero、ゲーム用グラフィックス、プライマリハードディスクの5項目に対し、客観的な指標となる数値(サブスコア)を、マシンの処理能力を実測するプログラム(ベンチマーク)によって導き、表示する。また一番低いサブスコアを基本スコアとして表示する。基本スコアがシステム性能の総合的な評価となり、Vistaやアプリケーションを利用する上での指標となる。
ゲーム
Windows Vistaでは、ゲームとして
  • インクボール
  • Chess Titans(チェスゲーム)
  • Purble Place
  • Mahjong Titans(上海)
が新しく収録されている。また従来の標準ゲームも、よりグラフィカルになった。
Snipping Tool

[編集] 拡張

Windows Ultimate Extras
Ultimateに搭載。
Windows Vistaの拡張機能サービス。Windows Updateと一本化している。
不定期に拡張機能が提供されている[19]

[編集] その他

  • PCI Expressなどの規格に公式に対応しており、対応ボードが装着してあればそのボードの電力を節約するための設定を行うことができる。
  • XP以前のNT系では起動にNTLDRとBOOT.INIが使われていたが、VistaではWindows ブート マネージャ (BOOTMGR) とブート構成データ (BCD) を使うように変更されている。テキストファイルであるBOOT.INIとは違い、BCDはバイナリファイルであり、テキストエディタではなく、BCDEDIT.EXEで編集するようになった。この変更はEFIをサポートするためなどである[20]

[編集] 視覚スタイル

Windows Vistaでは、Windows XPのLunaにかわる新しいUIとして、Windows Aeroが導入されている。

[編集] Home Basicで標準となるテーマ

Windows Vista スタンダード
Windows Aeroが提供されないHome Basicでのみ利用可能なテーマ。Windows Aeroの機能限定版にあたる。Aeroと同様に、DWMを用いており、デザインはWindows Aeroと同一であるが、半透明効果やフリップ機能は利用できない。上位エディションでは提供されない。

[編集] StarterとHome Basic以外のエディションで標準となるテーマ

Windows Aero

詳細は「Windows Aero」を参照

Vistaの主要な特徴を引き出すスタイル。Aero対応のグラフィックプロセッサを実装するシステムの特典として利用が可能となる。ウィンドウの外枠やタスクバー、スタートメニューを曇りガラスのように透過し(Aero Glass・エアログラスと呼ばれる)、更に以下の機能が付け加えられる。
  • Windows フリップ - Alt-Tabキーによってアクティブウインドウを切り替える機能。従来は各ウインドウのアイコンとタイトルが表示されるのみだったが、DWMによってウインドウの内容が縮小表示され、より目的のウインドウを選択しやすくなった。
  • Windows フリップ3D - Win-Tabキーまたはクイック起動ツールバー上の「ウィンドウスイッチャ」アイコンによってウインドウを3D回転として一覧表示する機能。発売当初、Windows Vistaの新機能の一つとして各メディアに頻繁にとりあげられた。
ウィンドウを最大化している場合は透過機能は利用出来ず、キャプションとタスクバーは黒色で表示される。
Windows Aeroのすべての機能を利用するには、後述の "Vista Premium Ready" のグラフィックプロセッサの項に記載される能力が少なくとも必要である。また、「個人設定」にある「ウィンドウの色とデザイン」の「透明感を有効にする」のチェックを外せばWindows Vista スタンダードと同一にする事が可能である。

[編集] 全エディション共通のテーマ

Windows Vista ベーシック
Starterで標準のテーマである。キャプションが青みがかった乳白色、タスクバーとスタートメニューが黒色で表示される。ウィンドウ右上の最小化・最大化/元に戻す・閉じるボタンがWindows AeroやVista スタンダードと若干異なっている。このテーマでは、WDDM (Windows Display Driver Model) と呼ばれるVista用の新しいドライバをサポートする必要がない。GPUに十分な性能のないシステムやAeroインターフェイスと互換性のないプログラムを起動している間は強制的にこのテーマに変更される。また、通常時はWindows AeroまたはWindows Vista スタンダードを利用している状態で、一時的にDesktop Window Managerが無効化された場合も、このテーマに変更される。
Windows スタンダード
Windows Me/98/95/NTと同色のクラシックスタイルとなる。
Windows クラシック
Windows 2000と同色のクラシックスタイルとなる。

グラフィックボードがAeroに対応しているのであれば、それを利用するためにAeroを有効にした方が描写速度は向上する。そのため、Windows XPで動作速度向上の手段として用いられたクラシックスタイルは、Vistaで適用すると逆にCPUのリソースを利用するようになったため、PCの処理能力は低下してしまう。

エディションによる視覚スタイル
視覚スタイル・エディション Windows Aero Windows Vista スタンダード Windows Vista ベーシック Windows スタンダード Windows クラシック
Ultimate ×
Enterprise ×
Business ×
Home Premium ×
Home Basic ×
Starter × ×

[編集] デスクトップ ウィンドウ マネージャ (DWM)

詳細は「Desktop Window Manager」を参照

Starter以外の全エディションに含まれ、Windows AeroとWindows Vista スタンダードはこの技術を基盤にしている。この技術は、従来のように画面を直接描画するのではなく、画面の構成要素をそれぞれ一度バックバッファに描画しておき、必要になった時点でそれらを合成して出力するというものである。この技術により、ウインドウを三次元空間に並べて一覧表示する「フリップ3D」や下に重なったウインドウを曇りガラスのように透過させる「Aero Glass」といった特殊効果が可能になる(Windows Aeroはこの技術の応用の代表例)。これらの処理はCPUではなくグラフィックカード上で行われるので、この技術によってCPUの負荷も軽減される。また、ウインドウ切り替え時の再描画も発生しない。

ただし、動画再生に広く使われてきたオーバーレイ表示は以前からの告知どおり、Windows Vistaから通常でサポートされないようになり、DWMが有効な環境では利用できなくなった。そのため、オーバーレイを使用したアプリケーションを使う際は一時的にDWMが無効になる。

[編集] システム要件

マイクロソフトは、Windows Vistaに関して2種類のシステム要件を公示している[21]

Windows Vista Capable(- ケイパブル)
この要件を満たすシステムはWindows Vistaのどのエディションでも動作し、基本的な機能を利用できることが保証されるが、Windows Aeroなどといった高度な機能を利用するにはさらに上位の要件 (Windows Vista Premium Ready) を満たす必要がある。
Windows Vista Premium Ready(- プレミアム レディ)
この要件を満たすシステムはWindows Vistaの高度な機能を含めたすべての機能を利用することができる。

それぞれの要件の詳細は次のとおりである。

Windows Vistaシステム要件
要件の種類 Vista Capable Vista Premium Ready
プロセッサ 800MHz以上(x86x64共通) 1GHz以上(x86、x64共通)
システムメモリ
(最大容量については後述
512MB以上のRAM 1GB以上のRAM
グラフィックプロセッサ DirectX 9 対応
  • DirectX 9対応
  • ピクセルシェーダ2.0
  • WDDM対応
  • グラフィックメモリ128MB以上
  • 32ビット以上の色深度
HDD総容量 20GB以上 40GB以上
HDD空き容量 15GB以上 15GB以上
その他
  • DVD-ROMドライブ[22]
  • オーディオ出力
  • インターネット接続

[編集] Upgrade Advisor

マイクロソフトから配布されているフリーウェア。このソフトウェアで使用機種での動作の可否を検知する事が出来る[23]

このソフトを使用すると使用機種のデータを自動検索してレポートが作成され、機種に適したエディションやそれに必要なシステム要件が表示される仕組みになっている。

ただし、このソフトウェアは32ビットのXPとVista以外のOSを使用しているユーザーは使用する事が出来ない。

日本市場で、特に日本メーカー製の2005年以前のコンピューターのラインナップでは、廉価製のCPUや、DirectX 9 (T&L) に対応していない統合チップセットが非常に多く、[要出典]Windows Vistaを動かすには厳しい。そのため、一部を除く2005年以前のコンピューターでは一部またはすべてのハードウェアの交換・増設が必要である。

多くの場合、増設や交換はメーカーのサポート外にあたり、また相性による故障のリスクもあるために、今世代のコンピューターを新規で購入するほうが無難である。

[編集] サポート

[編集] Service Pack 1

Windows Vista Service Pack 1(以下「SP1」)発表前のコードネームはFiji。2007年8月29日、マイクロソフトはSP1のリリースについて発表し、9月24日にβ版をリリースした[24]。公式ブログ[25]によると、SP1にはバグフィックスやパフォーマンス、セキュリティの向上のほか、Windows Vistaで見送られたEFI (Extensible Firmware Interface) やexFATワイヤレスLAN IEEE 802.11n(ドラフト 2.0)への対応、DirectX 10.1のサポートなどが盛り込まれる[26]

そして同12月5日にはリリース候補版を、2008年1月24日には新バージョン「Windows Vista SP1 RC Refresh 2」を、SP1のβ1を既に試している1万5000人のベータテスターに提供した。同2月4日には、Windows Server 2008と共に、正式にSP1開発完了の報告があったが、、2月21日、SP1のインストールに必要な3つのアップデートファイルのインストールでトラブルに見舞われ、1つの配信中止を余儀なくされた。

3月19日にMicrosoft ダウンロードセンターおよびWindows Updateで公開された。自動更新は5月6日から始まった[27]

[編集] Service Pack 2

米マイクロソフトは現地時間の2009年3月5日、Windows Vista Service Pack 2(以下「SP2」)のリリース候補版を早期に提供するとした2月の約束を果たした。このSP2はOSブート時の高速化、無線LAN使用時におけるパフォーマンスの向上のほか、Bluetooth 2.1およびBlu-ray DiscVIA Technologies64ビットプロセッサの正式サポートやHyper-Vの正式版の付属(Windows Server 2008専用)といった一部の新機能が追加された[28]。また、過去のサービスパックによって作成されたバックアップデータをクリーンアップするユーティリティツールも用意される。

2009年4月28日開発が完了。4月30日よりMSDN及びTechNetのサブスクリプション会員に対し公開され、5月26日にMicrosoft ダウンロードセンターおよびWindows Updateで公開された。

既にインストール済みの環境にSP2を適用する場合、SP1が適用されている必要がある。SPなしの初期バージョンをインストール後、直接SP2を適用することはできない。これはWindows XP初期バージョンから直接SP3を適用できないのと同様である。また、事前にパソコンやマザーボード、周辺機器メーカーの公式サイトなどで不具合や事前作業内容などの情報を確認するほうが良い。

ちなみにリテール(単体販売)版の出荷終了が近い時期に公開されたためか、SP2適用済みの単体パッケージ版が存在しない。

[編集] サポート期限

Windows Vistaの全エディションにおけるサポート期限(メインストリームサポート)は2012年4月10日までとなっている。ビジネスユースのエディションである Windows Vista Business と Windows Vista Enterprise にはいずれも延長サポート(当初のメインストリームサポート終了から5年)が設定されており、延長サポート期限は2017年4月11日までになる。

一方、ホームユースのエディションである Windows Vista Home BasicとWindows Vista Home Premium、およびホーム / ビジネスユースのエディションであるWindows Vista Ultimateにはいずれも延長サポートが設定されておらず、Windows XPの延長サポート期限2014年4月8日と比較すると、2年近くも早く終了してしまう。[29]

ちなみに、Windows Vista Ultimateは当初延長サポートが設定されていた[30]が、現在は撤回されている。[31]

[編集] その他

[編集] ライセンスおよびライセンス認証

ライセンス認証については「アクティベーション」を参照

当初発表されていたVistaのライセンス規約によると、店頭販売版のVistaは新しいPCに移し替えることがただ一回しか許されていなかった[32]。二回目以降にVistaを移し替える場合、電話でマイクロソフトに連絡をとってライセンスの正当性を証明する必要があるとされていた。この規約は強い反発により改定され、複数のPCに同時にインストールしない限りは何回でも移し替えることができるようになった。ただし、インターネット経由での認証は5回までとなっている[33]。ただしXP同様、プリインストール品に関してはプロダクトアクティベーションは行われない。

なおボリュームライセンス製品ではプロダクトキーの入力は要求されないが、パッケージ製品とは異なるアクティベーションが新たに行われるようになった[34][35]

[編集] カーネル保護機能

64ビット版VistaにはPatchGuardとして知られるカーネル保護機能がある。これでカーネルを不正な意図で書き換えられるのを防ぐ。コンピュータセキュリティ企業は、これはセキュリティ対策ソフトなどシステムを防御するソフトの動作を妨げる物だと主張し、機能の改正を求めた。これに応え、マイクロソフトは正当な方法でカーネルにアクセスすることを可能にするAPIを追加すると発表した。このAPIは、Windows Vista SP1以降に提供された。これによって、サードパーティはPatchGuardの動作を回避して、従来通りのセキュリティ機能を提供することが可能となる。ただし、このAPIにアクセスするためにはマイクロソフトと別途契約を結ばなければならない。

[編集] ハードウェア要求

Windows Vistaを使用するのに最低限必要とされるメモリは512MBだが、このメモリでは動作が遅いという評価も多い。これは搭載メモリを1GB以上に増量することで解決が可能ではあるが、パソコンの構造などの問題でメモリを追加することが困難な場合もある。この場合、Vistaから新搭載された機能の一つである "ReadyBoost" を利用することが推薦される(詳細はReadyBoostの節を参照)が、メモリ自体を増設するのとは歴然とした効果の差ができてしまう。

Windows Vistaの中核機能は512MBのメモリで動作するが、Windows Aeroなど上位の機能を使用するには最低でも1GBのメモリが必要とされている。これを満たさないシステムでは、これらの機能は自動的に無効となる。

[編集] 互換性

XPで動いていた一部のハードウェア(パソコン本体・周辺機器)やソフトウェア(アプリケーションユーティリティ)がVistaでは使用できない場合がある。[36]多くの場合、サポート元が対応しない旨を告知している。古いハードウェアなどでは、Vistaではサポートされなくなった古い仕様に依存するものが多い。ソフトウェアの場合は互換モードで実行すれば正しく動作する可能性がある。このほか、実行時に管理者権限を要求する設定にすることも可能である(管理者権限にするだけで動作する場合が多い)。

また、標準ドライバでハードウェアの基本的な機能は利用できるものの、付属ソフトウェアがVista非対応で利用できない場合も多い。特にテレビ視聴や録画などのビデオキャプチャソフトはWindowsのオーバーレイ表示に頼っているものも多く、Vistaには対応しない製品や、Vistaに対応していてもAeroを停止しないと動作しないものが多い[37]。実際は、オーバーレイそのものに関しては、DirectX 8.0 SDKリリース時点で、将来的に廃止されることが予告されており、DirectX9.0 SDKで既にレガシー扱いになっていた。また、同様のことがオーバーレイを用いなくても実現できるDXVA (DirectX Video Acceleration) も提供されている。この状況はVista販売後の製品でもオーバーレイを利用する方式が依然として存在していることに原因がある。2008年4月発売の製品だがオーバーレイが利用されている状況である[38]

[編集] 発売後の状況

2007年3月26日の発表によると、同年2月28日までの販売数は2000万本を突破した(単体、パソコンへのバンドル、アップグレード等の合計)[39]。しかし全般には人気薄であり、2009年春の時点でもXPが、特に低価格のUMPCや企業向けで根強い需要を維持しているような状況で、マイクロソフトの業績伸び悩みの一因との指摘もある[40]

ただし新しいOSがなかなか普及しないのはVistaに始まったものではなく、XPも発売後しばらくはWindows98が家庭で最大のシェアを占め続けていた。企業に至ってはWindows2000と競合したXPの時よりVistaのほうが普及のペースが速かったという見方もある[41]。しかしXPはほぼPC買い換えスパンに匹敵する5年以上にわたりPCにプレインストールされ続けたことで確実に普及したのに対し、Vistaは発売後2年以上にわたりXPからトップシェアを取れないまま後継OS (Windows 7) の出荷を迎えた。

[編集] ダウングレード権

Windows Vistaのエディションや提供形態によっては、Vistaのライセンスを基にXPなど旧バージョンのWindowsを利用できるダウングレード権が認められている。主として最新OSのOEM版がプリインストールされた新規購入PCで従来OSを利用することが想定されたものであり、リテールパッケージ版でのダウングレード権は認められていない。また従来OSの需要としてビジネス用途が想定されていたことから、ビジネス向けのエディションにのみダウングレード権が設定されている。詳細はマイクロソフトのサイトに記載されている[42]

ダウングレード権自体はWindows Vista独自のものではなく以前の製品にも付属していたが、Windows XPの需要が根強いこともあり、Windows Vistaが発売されてからは特に注目された。XP時代のダウングレード権[43]では古いPCや自作PCでのダウングレードが個人レベルでは想定されておらず、企業や教育機関向けのボリュームライセンスを契約するしかなかった。しかしVistaではDSP版についてもダウングレード権が明言されるようになったため、これを用いればXPの販売終了後も個人レベルで古いPCや自作PC用にXPのライセンスを新たに取得できるかたちとなる。なおWindows 2000以前へのダウングレード権を利用するには従来通りボリュームライセンス契約が必要となる。

OEM版やDSP版のダウングレードではインストールメディアが提供されないため手持ちのものを流用するかたちになるが、この場合のXPのライセンス認証は電話のみとなる。またメーカーからリカバリメディアが提供されている場合はそれも利用できる。2008年9月時点で、直販メーカーを中心に、この規定を利用する形でWindows XPを初期インストールし、Windows XPとWindows Vista両方のリカバリーメディアを添付した製品が引き続き出荷されている。

なおダウングレード権を行使した場合はマイクロソフトからのサポートがなくなるためPCメーカーのサポートを確認することになるが、PCメーカーもVista→XPへのダウングレードをサポートしていない場合は完全に自己責任となる。自力でのダウングレードにはGPUやLANなどのPC内蔵部品を動作させるデバイスドライバの調査が必要となり、困難を伴う。

[編集] 脚注

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  1. ^ "Microsoft、次世代Windowsを「Windows Vista」と命名". PC Watch. Impress Watch Corporation (2005-7-22). 2008年10月29日 閲覧。
  2. ^ "Windows Vista(TM)、2007 Office system、Exchange Server 2007の法人および企業向けライセンス提供を発表". マイクロソフト. 2008年10月29日 閲覧。
  3. ^ "Microsoft(R) Windows Vista(TM) および2007 Office system 本日より一般・個人向けに発売開始". マイクロソフト. 2008年10月29日 閲覧。
  4. ^ 後藤弘茂 (2003-10-29). "ついにベールを脱いだ次世代Windows「Longhorn」". 後藤弘茂のWeekly海外ニュース. Impress Watch Corporation. 2009年2月7日 閲覧。
  5. ^ "年内予定が来年4月に延びたWindows Vista β2〜Vista内のアップグレードパス提供も明らかに". 笠原一輝のユビキタス情報局. Impress Watch Corporation (2005-12-19). 2009年2月7日 閲覧。
  6. ^ "マイクロソフト、Windows Vistaのロードマップを更新". マイクロソフト (2006-3-22). 2009年2月7日 閲覧。
  7. ^ 元麻布春男 (2006-06-26). "Microsoft、WinFSの開発中止を表明" (日本語). 元麻布春男の週刊PCホットライン. Impress Watch Corporation. 2008年8月30日 閲覧。
  8. ^ 米Microsoft, 「Windows Vista」のセキュリティ機能でNSAの関与を認める IT Pro 2007年1月14日閲覧
  9. ^ Announcing New Packaging for Windows Vista and 2007 Office System The Windows Blog
  10. ^ Windows VistaとServer 2008のSP2が完成
  11. ^ マイクロソフト (12 2007). "Windows Vista Starter Fact Sheet" (英語). Microsoft PressPass. 2008年12年16日 閲覧。
  12. ^ マイクロソフト (2008-02-08). "Windows Vista Starter Overview" (英語). Microsoft Download Center. 2008年12年16日 閲覧。
  13. ^ Windowsの次期バージョンWindows Vista(TM)において日本語フォント環境を一新(マイクロソフト プレスリリース)2008年10月29日閲覧
  14. ^ マイクロソフト. "JIS X 0213:2004 対応と新日本語フォント「メイリオ」について". 2008年12月16日 閲覧。
  15. ^ 畑中哲 (2007-04-05). "管理者権限での実行を制限するUAC" (日本語). Vistaの地平. @IT. 2008年10月29日 閲覧。
  16. ^ Windows Vista ベースのコンピュータ上で実行している Internet Explorer 7 で保護モードを有効にすると共有プリンタに接続できない 2008年10月29日閲覧
  17. ^ 保護モードの Internet Explorer の理解と機能 2008年10月29日閲覧
  18. ^ Windows Vista(R)が地上デジタル放送に対応(マイクロソフト プレスリリース)2008年10月29日閲覧
  19. ^ Ultimate Style (アルティメット スタイル): Extras(2008年8月30日閲覧)
  20. ^ ブート構成データ エディタについてよく寄せられる質問 Microsoft TechNet(2009年1月25日閲覧)
  21. ^ Microsoft Windows Vista : Capable PC および Premium Ready PC
  22. ^ 小型(軽量)ノートPCには光学ドライブを内蔵しないものも存在する。要件として外付けの構成も認められている。
  23. ^ Microsoft Windows Vista Upgrade Advisor
  24. ^ Microsoft’s Evolving Approach to Servicing the Windows Platform(2007年8月29日のプレスリリース:英語)。
  25. ^ Windows Vista Team Blog : Announcing Windows Vista Service Pack 1 Beta(公式ブログの2007年8月29日の記事:英語)。
  26. ^ マイクロソフト、“Windows Vista SP1”を2008年第1四半期にリリース(ASCII.jp 2007年8月30日)。
  27. ^ Microsoft Windows Vista: Windows Vista Service Pack 1
  28. ^ ラボで検証:Windows Vista SP2――注目すべき改善はわずか - ITmediaエンタープライズ(2009年3月10日
  29. ^ マイクロソフト Windows XP サポート ライフサイクル
  30. ^ "Windows Vista Ultimateのサポート期間決定、「延長サポート付き」で2017年4月まで". ITpro (2006-12-08). 2009-08-19 閲覧。
  31. ^ "Vista Ultimateのサポート期間、5年間の短縮が確実に". ITpro (2007-04-23). 2009-08-19 閲覧。
  32. ^ Paul Thurrott (2006-10-18). "Windows Vistaのライセンス体系が変更,マニアに厳しいものに". ITpro ニュース. 2008年12月16日 閲覧。
  33. ^ "マイクロソフト、Vistaのライセンス/アクティベーションについて解説". Impress PC Watch (2006-11-16). 2008年12月16日 閲覧。
  34. ^ "新しいライセンス認証 ボリューム アクティベーション 2.0". マイクロソフト (2008-4-7). 2009-7-4 閲覧。
  35. ^ "いよいよ「ボリューム・ライセンス版Windows」にもアクティベーションが必要に". 日経BP (2006-10-6). 2009-7-4 閲覧。
  36. ^ 英語版Wikipediaのen:Features removed from Windows Vistaに、Micorsoft Windows Vistaよりサポートされなくなった機能の列挙がある。
  37. ^ 元麻布春男 (2006-12-04). "VistaでMCE対応TVチューナカードを試す" (日本語). Impress Watch Corporation. 2008年10月29日 閲覧。
  38. ^ PC用デジタル放送チューナ3メーカー5製品を試す
  39. ^日本経済新聞』2007年3月27日付夕刊。
    "Windows Vista、発売後1カ月で2000万本を売り上げ". 日経パソコンオンライン. 2007年3月27日 閲覧。
  40. ^ 『朝日新聞』2009年5月12日、夕刊、8面(共同通信)。
  41. ^ "XPも立ち上げには苦労した Vista導入はこれからが本番". 日経パソコンオンライン (2008-12-15). 2009-06-17 閲覧。
  42. ^ Windows Vista のダウングレード権 (旧バージョンソフトウェアの使用) について
  43. ^ Windows XP Professional のダウングレード権(旧バージョンソフトウェアの使用)について - インターネット・アーカイブ

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月21日 (土) 13:05 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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