Opteron

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Opteron
Optetron 246
生産時期 2003年4月から
生産者 AMD
CPU周波数 1.4 GHz から 3.2 GHz
HyperTransport帯域 800 MHz から 2400 MHz
プロセスルール 0.13μm から 45nm
命令セット x86, AMD64
マイクロアーキテクチャ K8, K10
コア数 1, 2, 4, 6
ソケット Socket 939
Socket 940
Socket AM2
Socket AM2+
Socket F
Socket F+

Opteron(オプテロン)はアドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD) が開発・製造・販売を手がけるマイクロプロセッサのシリーズのひとつ。

目次

[編集] 概要

K8アーキテクチャ

AMDが定義したAMD64命令セットを採用し、サーバワークステーション用途を念頭に置いて開発されている。オプティオンとの日本語表記が正式発表されていたが、2003年4月22日以後に非公式ながらオプテロンに差し替えられている。英語表記からそうは読めない為の改変だと思われる。 Athlon MPの後継にあたり、同社製コンシューマ市場向けプロセッサAthlon 64またはPhenomの上位モデルに位置付けられる。

[編集] Athlon 64との相違

当初のモデルでのAthlon 64との相違点は下記の通り。

これらの相違により、Athlon 64とOpteronの間では物理的・電気的な相互互換性がなく、CPU・メモリマザーボードについて別途用意する必要が生じた。

当初はユニプロセッサ構成専用のOpteron 1xx、デュアル(2)プロセッサ構成対応のOpteron 2xx、そして最大8プロセッサ構成対応のOpteron 8xxの3シリーズがラインナップされ、モデルナンバーの百の位が、システムで構成できるプロセッサの最大数を示していた。

もっとも、ユニプロセッサ対応のOpteron 1xxについては、2chのDDR SDRAMインターフェイスを搭載するSocket 939の制定前には、メモリインターフェイスが1chのみのSocket 754に対応するAthlon 64の上位規格として性能面で合理性が存在したが、Socket 939の制定後はこれに代えて各部品が必然的に高コストとなるSocket 940を使用するメリットはほぼ皆無となった。このため、2005年8月2日のAMD発表でOpteron 1xxはデスクトップパーソナルコンピュータ向けソリューションであるSocket 939に移行し、メモリはアンバッファードDDR SDRAMインターフェイス2ch対応に変更され、HyperTransportも1本に制限されることとなった。この変更は実質的には機能の格下げであり、従来可能であったコンパニオンチップをOpteronに2つ並列で接続する構成が不可能となった。しかし元々ユニプロセッサ専用でなおかつ2系統のHyperTransportが実装されたマザーボードは存在しておらず、併せて対応するメモリの種類がレジスタードから一般的かつ廉価なアンバッファードへ変更されたことで、コスト面では大きなメリットが得られたことになる。

Opteronを含むK8系プロセッサは当初よりシングルダイでのデュアルコアプロセッサ化を前提として設計され、チップ内部の演算ブロックとメモリインターフェイスやHyperTransportインターフェイスとを結ぶクロスバー・スイッチ部分にもう1基分の演算ブロックを接続可能な構成とされていた。また、ソケットの仕様も冷却系の仕様を含めてデュアルコア化による電力消費の増大を睨んで決定されていたが、その後次なるクアッドコア化には対応しきれないことが明らかとなった。

その後、DDR SDRAMより高速化の容易なDDR2 SDRAMが一般化し、メモリインターフェイスを内蔵するK8系の仕様上これに対応するにはソケットそのものの仕様変更が必要となった際には、ラインナップ各モデルのソケットの変更が決定され、マルチプロセッサ構成モデルでは従来の940ピンから1207へと大幅にピン数が増加しCPU側にピンがあったPGA - ZIF方式から、マザーボード側にピンがあるLGA (Land Grid Array) 方式に変更されたSocket Fへ、ユニプロセッサ対応モデルでは939ピンのSocket 939から940ピンのSocket AM2へそれぞれ変更され、これに合わせてモデルナンバーもユニプロセッサモデルがOpteron 1xxx、2プロセッサ対応モデルがOpteron 2xxx、そして8プロセッサ対応モデルがOpteron 8xxxとなった。

集積回路」も参照

[編集] Athlon MPからの改良点

Athlon MPからの主な改良点は、メモリコントローラーの内蔵と、AMD64という80x86命令の64ビット拡張命令の実装の2点である。また、ストリーミングSIMD拡張命令2 (SSE2) 相当のマルチメディア拡張命令もサポートされ、後に同3 (SSE3) も実装された。

AthlonAthlonXP/DuronSempronなどといった旧来のプロセッサは、集積度や歩留まりの問題などから、メモリコントローラー機能をチップセットに持たせていた。この構成ではチップセットを介することでメモリアクセス時のレイテンシが増え、キャッシュがヒットしていない状況ではCPU側の内部処理がアイドリング状態となりやすいなど、メモリアクセスに伴うオーバーヘッドが大きいという問題がある。そのため、チップセットのメモリコントローラーの処理能力がそのままCPUの処理能力のボトルネックとなっていた。そこで、AMDはOpteron、Athlon 64ともにメモリコントローラーをCPUに内蔵することで、「CPU→チップセット→メモリ→チップセット→CPU」となっていた経路を「CPU→メモリ→CPU」と短縮し、CPUのメモリ読み込み要求からデータ受け取りまでのレイテンシを大幅に低減させた。これは分岐予測の効きにくい、処理の複雑なアルゴリズムを持つアプリケーションや、アクセス回数の少ないデータをメモリ上で大量に取り扱うようなアプリケーションに絶大な効果をもたらし、またアプリケーション側の対応を必要としない方法であったため、古いアプリケーションも新しいアプリケーションも高速化させる事が可能である。一方、安全性の確保のため、CPUとメモリの組み合わせによっては、CPU内部動作周波数の逓倍率の関係から、メモリの動作周波数がSPDなどメモリモジュール側で規定される定格動作周波数よりも低くなってしまうことがあり、またメモリ規格の変更がCPUソケット規格やCPUコアそのものの設計変更を必要とするという問題もあった。

[編集] Opteronの躍進

Opteronではサン・マイクロシステムズヒューレット・パッカードIBMデルというアメリカの4大サーバメーカの採用を勝ち取った。特に過去のいきさつからインテル製CPUのみを採用し続け、インテルの水平分業モデルの優等生と言われたデルの方向転換は、大きなインパクトを与えた。

これは、インテルが過去の資産を全て無に帰してVLIW命令セットを基本とする別のアーキテクチャ (IA-64) を備える、80x86に比べて高コストな64ビットCPUを普及させようとしたのに対し、AMDは十分に安価でこなれている80x86プロセッサの処理能力を高める、というシナリオを望んでいた業界のニーズに的確に反応し、80x86アーキテクチャを素直に64ビット拡張して、従来の16/32ビットアプリケーションもそのまま動作するAMD64のアーキテクチャを投入することにより、市場のニーズに合致した製品を出荷、これが4大メーカーの強い支持を受けるに至ったものである。また、Microsoft WindowsがAMD64対応を発表[3]したことで、将来性も安定したものとなり、普及に弾みが付いた。これによりIntelは、今までの互換プロセッサを作られる立場から、AMD64互換[4]のCPUを作る立場となり、アーキテクチャの主導権をAMDが奪取したことは大きなインパクトを業界に与えた。

サーバ市場への参入は以前からのAMDの悲願であったが、Opteronの登場により大々的かつ広範囲の参入が可能となり、利益率の高いエンタープライズ市場でハイパフォーマンスCPUを高額で売ることによって収益を確保し、ボリュームゾーンであるコンシューマ市場での価格競争力を維持するという、Intelが採っているのと同様の収益構造を構築することが可能となった。

数々の快挙を成し遂げたOpteronは、AMD社のチップ生産力の引き上げを目的として新しく建設されたFab36の立ち上げとともに、さらなるシェアの向上が見込まれている。

2007年6月に発表されたスーパーコンピューターの性能ランキング第29回Top500では、Opteron搭載システムが上位10台中2台を占め[5]、2008年11月現在アジア最速のシステムであるTSUBAME、世界最速のシステムRoadrunner(正確にはOpteronとPowerXCellハイブリッド構成)にも採用されている。


[編集] EEとHE

Pentium 4およびPentium D世代のXeonと比較して消費電力が少ないOpteronであるが、ラインナップには通常モデルよりも低消費電力を保証するモデルが2種存在する。Opteron EEとOpteron HEである。EEはEnergy Efficient、HEはHighly Efficientの略であり、Opteron EEはTDPを30W枠に、Opteron HEは同55W枠に収めている。これにより熱密度が大きくなりがちで冷却に制約のあるブレードサーバなどでの利用も容易となった。性能は通常版よりも低く抑えられているが、選別品を使用しているためかCPU自体の価格は比較的高価に設定されている。

[編集] SE

またEE/HEとは逆にOpteron 1000/2000/8000シリーズの最上位の位置付けとして高クロック、高TDP仕様のSEが存在する。SEはSpecial Editionの略で、TDPは120Wから125Wに設定されている。

[編集] クアッドコア

Barcelonaと呼ばれていたコードネームの4コア版Opteronが第1世代のクアッドコアCPUとなる。

[編集] 各世代についての詳細

以下のCPUコアの名称はAMD内部での開発コードネームである。

[編集] Sledgehammer(スレッジハマー)

2003年4月にリリースされた第一世代のOpteron。130nmのSOIプロセスで製造され、1MBの2次キャッシュを搭載する。拡張命令は3DNow!Professional(SSE)とSSE2に対応する。

  • ラインナップ(括弧内はモデルナンバー)
    • 1.4GHz(x40)、1.6GHz(x42)、1.8GHz(x44)、2GHz(x46)、2.2GHz(x48)、2.4GHz(x50)

[編集] Athens / Troy / Venus(アテネ/トロイ/ヴィーナス)

2005年2月にリリースされた第2世代のOpteron。製造プロセスが90nmのSOIプロセスに微細化され、対応するハイパートランスポートバスのクロックが1GHzに高速化され、新たにSSE3もサポートした。リビジョンはE。2次キャッシュはSledgehammerと同じく1MB。

なお、「Athens」はモデルナンバー800番台の製品に、「Troy」は200番台の製品に、「Venus」は100番台の製品にそれぞれ付けられたコードネームである。

  • ラインナップ(括弧内はモデルナンバー)
    • 2.6GHz(x52)
    • 2.8GHz(x54)

[編集] Egypt / Italy / Denmark(イジプト/イタリー/デンマーク

2005年5月にリリースされた第2世代のリビジョンEのOpteronの中で、Athens/Troy/Venusと同等の機能を持ったCPUコアをダイの中に2つ搭載するデュアルコア構成を採用する。「Egypt」はモデルナンバー800番台の製品に、「Italy」は200番台の製品に、「Denmark」は100番台の製品にそれぞれ付けられたコードネームである。

[編集] Santa Rosa / Santa Ana( サンタローザ/サンタアナ

2006年8月にリリースされた第3世代のOpteron。リビジョンはF。Socket Fを採用し、モデルナンバーは12xx/22xx/82xxのように各プロセッサの拡張性を表わす数値「1」・「2」・「8」に、対応ソケットを表わす「2」を付与した形で一新している。下二桁xxの数値が大きければ大きいほど、同Opteronシリーズ内で相対的に性能が高いことを示している。 Santa Rosaは8200番台および2200番台、Santa Anaは1200番台に相当する。

  • モデルナンバー12xxはSocketAM2を採用している。

[編集] Hound(ハウンド

2007年前半に予定されているリビジョンGの総称となるコードネーム。K8よりさらにIPCを高めたK9、K10というロードマップが存在していたが、消費電力やコストの割りに性能が伸び悩むことが確実となってきた為に中止され、現在のK8をマルチコア化するK8Lに開発の方向性が転換された。最初の製品はDeerhound(ディアハウンド)と言われている。

[編集] Barcelona(バルセロナ

元々は上記のディアハウンドと呼ばれていたネイティブ4コアを持つOpteronである。アーキテクチャはAMD K10を採用。
2007年9月10日、AMDは製品版Quad-Core Opteronの動作周波数と値段などを正式発表(出荷は発表以前より開始されていた)。

モデルナンバー等はAMD K10を参照。

[編集] Shanghai(シャンハイ

2008年11月13日に発表されたAMD K10第二世代のOpteronである。 L3キャッシュが増量されており。またSmart Fetchによるアイドル時の消費電力低下や、Rapid Virtualization Indexingなどによる仮想化命令の強化が行われている。

[編集] Istanbul(イスタンブール

2009年6月1日に発表されたネイティブ6コアを持つOpteronである。新たにHT Assist(HyperTransport Assist) が追加された。これはL3キャッシュ1MBを消費してCPU間でのキャッシュのプローブトラフィックを軽減し、 データベース処理等を高速化する機能である。

[編集] 脚注

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  1. ^ ただし、Athlon 64系でも上位のFXシリーズは当初Socket 940対応であり、後に発表されたAthlon 64 FX-7xはSocket F対応でQuad FXを用いたデュアルプロセッサ構成が前提となっている。
  2. ^ 後にPC3200規格へも対応した。
  3. ^ Microsoft社内ではWindows NTの生みの親であるデヴィッド・カトラーが開発段階よりAMD64を強く支持したとされる。
  4. ^ IntelはこのアーキテクチャをEM64Tと名づけている。
  5. ^ June 2007 | TOP500 Supercomputing Sites

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年9月23日 (水) 07:38 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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