RAMS規格
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RAMS規格 (ラムズきかく) とは、システム全体の安全性・信頼性の評価をおこなう手法を規格化したもの。
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[編集] 概要
2002年9月にIEC(国際電気標準会議)の国際規格 (IEC 62278) として制定された。鉄道システムで用いられることを念頭においており、俗に「鉄道RAMS」と呼ばれる。英国規格→欧州規格 (European Standard, EN) を発展させたものである。 なお、これに該当する日本国内の標準規格は2009年現在存在しないが、JIS規格の見直しによる該当内容の反映が提唱されている。
[編集] 解説
IEC 62278 Ed. 1.0:2002
- (日本語)鉄道分野 - 信頼性、アベイラビリティー、保守性、安全性の記述と論証 (RAMS)
- (English) Railway applications - Specification and demonstration of reliability, availability, maintainability and safety (RAMS)
この規格は、RAMS管理の手法を鉄道事業者および鉄道基盤産業に提供するものである。 所定の条件下におけるRAMSの条件を論証することがこの標準の基礎となっており、RAMS管理を通じて顧客(ユーザー)を満足させることが目的となる。
鉄道システムに対して起こり得るハザード(障害、危険性)を理論的に分析し、それに起因する事故に至る経過を解析し、それに伴うリスクを数値化することによって、そのシステムが製品のライフサイクルを通して、経済性と照らし合わせて許容されるリスク内に維持できることを論証する手法を規定している。
RAMSは、Reliability(信頼性)、 Availability(可用性)、 Maintainability(保守性)、Safety(安全性)の頭文字を合わせた造語であり、"Availability" (アベイラビリティー)は、日本語で「稼働率」とも訳されるため、あえて日本語訳を用いないこともある。
[編集] 信頼性 (reliability)
- アイテム(製品)が所定の条件と所定の時間間隔で、要求された機能を実行できる確率
[編集] アベイラビリティー (availability)
- 外部から必要な資源の供給を行われた場合に、要求機能を所定の時間内又は期間中に、所定の条件下で実行し得る状態を維持することができる製品の能力
[編集] 保守性 (maintainability)
- 所定の手順と資源を使って所定の条件下で保守を行う場合に、所定の条件下で使用されている製品を所定の時間内に保守することができる確率
[編集] 安全性 (safety)
- 許容できない危害が発生するリスクがないこと
[編集] 歴史的背景
RAMSの歴史は1950年代に宇宙開発競争が行われた時代までさかのぼる。アメリカ航空宇宙局がシステム解析評価の手法としてRAMSの考え方を導入したのが最初期とされる。その後、アメリカの軍隊も同様の手法を取り入れ、さらに民間産業にも波及していく。
1970年代以降、アメリカの鉄道事業者にもRAMSの考え方が普及し、鉄道車両メーカーはRAMS管理の導入を求められていくが、アメリカ国内の製造メーカーがそれを満足できる状態でなかった(故障・トラブルが続発し、満足に対応できなかった例もある)ため、アメリカの鉄道車両産業は衰退してしまった。
1980年代以降、ヨーロッパでは、日本の新幹線の成功や国鉄分割・民営化の流れに触発されて、欧州各国で鉄道事業の立て直しが行われた。その過程でRAMSの考え方が浸透していく。1993年のEU統合により国際列車が大幅に増えたことも要因のひとつと考えられる。
欧州向けの車両を製造する鉄道車両メーカーとしては、RAMSを取り入れられることが前提となり、必然的に淘汰・寡占化・大規模化していった。特にアルストム、シーメンス、ボンバルディアの三社は車両のほか、車両制御機器や信号制御システムなど鉄道システム全般を手がけており、強みとなった。
そういった背景により、ヨーロッパにおける鉄道関係の技術基準や規格の制定・改訂は従来の鉄道事業者主導から、鉄道車両メーカー(鉄道基盤産業)主導へとシフトしていった。鉄道関連の国際的な規格はヨーロッパの考え方が必然的に取り入れられるようになり、RAMSについてもIEC 62278として制定されている。
それに対して日本では狭い国土の中で鉄道が大きく発展しており、多くの鉄道事業者がひしめいている状態である。鉄道システムは各鉄道事業者毎に違う発展をしており、開発から保守メンテナンス、廃車に至るまで鉄道事業者主体で行われてきた。そのため日本の鉄道車両メーカーがシステム全般に関わることはほとんどなかった。
しかしアジア・中近東などの新興市場においてはインフラの設置はもとより、車両の提供、鉄道事業の運営・保守といった総合的なシステムの抱き合わせ契約となることが多く、これらに強みを持つ大手三社が先手を打つ状態であり、総合力に劣る日本の車両メーカーは苦戦を強いられている。そういった中、日本の鉄道事業者や鉄道車両メーカーもRAMS管理の手法を徐々に導入している状況である。
[編集] 手法
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- IEC - Project detailIEC 62278 Ed. 1.0
- 鉄道分野における標準化と規格
- 「鉄道技術分野」における標準化戦略 (日本工業標準調査会)
- 鉄路的部落: 台湾高速鉄道開業の視点
最終更新 2009年9月16日 (水) 19:32 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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