TOW
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TOW(トウ)は対戦車ミサイルの一種で、この名称は Tube‐launched, Optically‐tracked, Wire‐guided(発射筒で発射され、光学的に追跡され、有線で誘導される)の頭文字に由来する。アメリカ軍での制式名称はBGM-71。
1970年以来、世界で最も多く利用される対戦車ミサイルである。現用のTOWは、第3世代戦車の装甲を貫通できるとされている。
陸上自衛隊では、1982年からAH-1専用に導入されている。
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[編集] 概要
ミサイルはチューブ型コンテナに納められており、発射機にチューブごと装着して発射する。この発射機は約7年間整備なしに使用できるとされている。誘導方式は光学照準であり、ミサイルの出す光と照準中心とのズレを修正する事で誘導する。そのため発射から着弾まで射手が照準中心に目標を捕らえ続ける必要がある。ミサイルと発射機は有線で接続されており、誘導情報は有線により弾頭へ伝達される。
日本の陸上自衛隊を含め、西側諸国の多くで使われており、歩兵による運用のほか、車載や攻撃ヘリコプターに搭載されて運用される。長年の使用に伴い弾頭や誘導方式に改良が加えられ、さまざまなバリエーションがある。しかし誘導中に敵に発見・反撃される危険が高い事から、現在は撃ち放し式TOWの導入が課題となっている。
[編集] 歴史
開発は米国ヒューズ・エアクラフトで1963年から1968年にかけて行われ、地上およびヘリコプターからの射撃性能を持つXBGM-71Aが試作された。1968年に試作品の試験契約が結ばれ、1970年までアメリカ陸軍で運用試験が行われた。地上発射型はM40 106mm無反動砲、ENTAC対戦車ミサイルの後継として、ヘリコプター搭載型はSS.11空対地ミサイルの後継装備品として採用された。ベトナム戦争時、南ベトナム側に配備されたTOWはUH-1Bヘリコプターに搭載され、北ベトナム軍によるイースター攻勢と対峙した。TOWは改修を重ね、1978年にはTOW改、1983年にTOW2AおよびBと発展し、2001年現在でも改修は続いている。
イラク戦争でも米軍はTOWを運用している。2003年7月22日の攻撃でも使用され、この攻撃でウダイ・フセイン、クサイ・フセインが死亡した。
[編集] 派生型
現在はレイセオンがヒューズからライセンスを取得し、生産と開発を行っている。
| 制式名称 | 通称 | 概要 |
|---|---|---|
| XBGM-71A・BGM-71A | TOW | ヒューズ製 試作および初期生産型TOW |
| BGM-71B | TOW | BGM-71Aからの改良 射程の延長 |
| BGM-71C | ITOW(improved TOW, TOW改) | BGM-71Bからの改良 炸薬の改良 |
| BGM-71D | TOW 2 | BGM-71Cからの改良 誘導装置とロケットモーターの改良および弾頭の大型化 |
| BGM-71E | TOW 2A | BGM-71Dからの改良 爆発反応装甲に対応したタンデム弾頭の採用 |
| BGM-71F | TOW 2B | BGM-71Dからの改良 ホップアップによる上面攻撃性能の付加 |
| BGM-71G | BGM-71Fからの派生 徹甲弾 試作品のみ | |
| BGM-71H | TOW Bunker Buster | BGM-71Eからの改良 バンカーバスター型 |
| TOW 2N | ワイヤレス型 | |
| FOTT | 開発計画のみ | |
| TOW-FF | 開発中 撃ち放し式 | |
| TOW Aero | TOW 2B (BGM-71F) からの改良 射程の延長 旧名TOW 2B (ER) |
ヒューズは1989年にワイヤレス型のTOW 2Nを開発したが、アメリカ軍には採用されなかった。レイセオンはTOWの改良を続ているが、FOTT(Follow-on to TOW, TOW後継装備)計画は1998年に中止され、TOW-FF(TOW Fire and Forget, 撃ち放し式TOW)計画も2001年3月に短縮が決定した。2001年から2002年、レイセオンとアメリカ陸軍はTOW 2Bのさらなる長射程化を共同で研究した。これは当初TOW 2B (ER) と呼ばれていた(ER = extended range = 射程延長)が、現在はTOW 2B Aeroと呼ばれている。これは2004年から生産されているが、「BGM-○○」といった米軍の制式名称は未だ定められていない。
現用のTOWは撃ち放し式ではなく、半自動の有線指令方式であり第2世代のミサイルに近い。つまり、誘導装置は発射装置に接続されていて、射手は命中まで目標を見続ける必要があるということである。このため、撃ち放し式のTOWや、撃ち放し可能な後継機種の開発が進められている。
イランは革命前のパフラヴィー朝時代に購入したTOWのリバースエンジニアリングを行い、コピーにあたるトゥーファンを製造している。
[編集] 運用
TOWはアメリカ軍ではBGMに該当し、これは地上および空中射撃 (B) 、対地攻撃用 (G) 、誘導弾 (M) の意味である。「B」は、ミサイルそのものが無改造で各種の発射機から射撃できるものにのみ付与される。
M220発射機は歩兵が使用するが、搭載可能な車種も多くあり、M151ジープ、M113装甲兵員輸送車、M966ハンヴィーなどである。この発射機は、設計上は個人携行が可能だが、実際には巨大すぎるとの声がある。赤外線センサーによる夜間射撃性や、軽量化といった改良も加えられている。
M2/M3ブラッドリー、M1134ストライカー装甲車ATGM、M901 ITVには、各種車両専用の発射機も開発されている。これらの車両は、TUA (TOW Under Armor) と呼ばれることもある。カナダ軍は、1990年代のボスニア紛争にこれらの車両を派遣している。
ヘリコプターの場合、AH-1 コブラ搭載のM65射撃統制システムが最初であるが、UH-1ヒューイ用のXM26も開発された。AH-56 シャイアン用のシステムも開発が着手されたものの、後に中止された。AH-1は、最大8発をチューブ型ランチャーに装填された状態で、胴体中央部左右のスタブウィングに搭載する。
M41 TOW ITAS(Improved Target Acquisiton System、改良型目標補足システム)は、M220発射機とハンヴィー専用発射機の後継機である。ITASは現在、航空機に搭載されるか、アメリカ陸軍とアメリカ海兵隊およびその予備軍の歩兵用に運用されている。ITASは、対戦車部隊の攻撃力向上に加えて、混成隊に不可欠な機能を与えている。TOW ITASを装備した対戦車部隊は、脅威度の高い目標を撃破できるのみならず、偵察・目標捕捉能力を有し後方射界や市街地戦闘能力に優れる。
以上はアメリカ軍の例だが、他にも各国で様々な車輌・航空機への搭載例が見られる。





