With…若き女性美術作家の生涯

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with…若き女性美術作家の生涯(ウィズ わかきじょせいびじゅつさっかのしょうがい)は、2001年に製作された日本のドキュメンタリー映画(本編60分)。 略称は「with…」。

もとは毎日放送が制作した、阪神淡路大震災に関する人々の生きざまを描いたテレビドキュメンタリー「with…」シリーズ4作品のうちの一作で2000年に放送されたものだが、翌2001年製作された映画版は新たなシーンが加えられて7分間長くなっている。この映画版は、長期間にわたる自主上映が今も全国各地で続いている。

監督は同局で多数のドキュメンタリーを制作している榛葉健。 英語版(テレビ放送用)もあり、香港など海外でも放送された。


目次

[編集] 受賞歴

[編集] 映画版

[編集] テレビ版

  • 2000年
    • 日本賞NHK主催)特別賞(ユニセフ賞)
    • アジアテレビ賞最優秀ドキュメンタリー部門第2位
    • 「放送と女性ネットワークin関西」最優秀賞

[編集] ストーリー

主人公は、阪神淡路大震災神戸市長田区の自宅が全壊し、瓦礫の下から救出された女子大生・佐野由美(当時19歳)。命からがら助かった佐野は、生まれ育った長田の町が火の海になっていくのを見て、「自分が目指した“美術”という仕事は、何の役にも立たない」と絶望する。それでも彼女は数日後、母親から「一番大切なものを取ってきていい」と許しを得て、自宅の瓦礫の中から、“あるもの”を掘り出してくる。それは、1冊のスケッチブックと何本かのペンだった。そして佐野は以後周囲で起きる被災地の日常を凄まじいスピードで記録し続ける。(その記録は、“被災者が被災者を描いた作品”として後に出版され、神戸でベストセラーとなる)。

同時に佐野は震災で見知らぬ多くのボランティアの人々に支えられた経験から、自身も避難所生活を送りながらボランティア活動にも従事し、大阪芸術大学を卒業した直後にネパール王国のパタン市に渡って、スラム街の小学校で、貧しい児童を相手にした美術教師となる。

「言葉も知らない」「お金もない」「知り合いもいない」…。

そんな中にあえて飛び込んでいった佐野の青春

22歳になっていた佐野はそこでも「描きたい」という衝動を抑えられず、貧困層の民衆に溶け込んで、劣悪な環境の中でひたむきに生きる人々の日常を数十点の絵画に描いたほか、20冊余のスケッチブックに大量のイラスト日記とスケッチを残す。

過酷な環境下で1年間の活動を終え、充実感にあふれていた佐野。

ところが帰国を数日後に控えていた佐野に、予想外の出来事が起きる…。

[編集] 撮影期間

本作品で描いている時代は、佐野が阪神淡路大震災で被災した1995年から2000年までの6年間だが、実際の撮影期間は、彼女が大学生だった1998年からネパール活動後の2000年までの3年間。

[編集] 題名について

「with…若き女性美術作家の生涯」全体でひとつのタイトルで、「with」は全て全角の小文字が正しい。 また「…」には、「with」に続く単語が入ることを想定した「伏せ字」の意味を持たせているため、 やむなく題名を短く表記する場合は、「with」ではなく「with…」と書くのが正しい。

また「美術作家」は主人公・佐野由美がこだわった肩書きで、「美術」と「文学」双方の要素を合わせ持った表現活動の形態である。よって、画家、版画家、彫刻家など様々な美術の表現者の総称である「美術家」とは異なり、「美術作家」は「美術家」の中のひとつのジャンルである。

[編集] 『with…』基金

各地での上映収益や全国の上映会場で実施している募金を集積して、本作品の舞台ネパールのスラム街などで教育支援を実施している慈善活動

2003年には、主人公・佐野由美がかつて赴任していたパタン市のラリット福祉小学校の校舎を増築。ネパールで長年続いた内戦によって都市部のスラムに避難民が流入し、生徒数が急増したことに伴う支援だった。

2007年には、西部のポカラ市でスラムの子どもたちを預かる保育園と協力し、親が服役しているために24時間刑務所内で生活している幼児たち(『with…』基金では「刑務所チルドレン」と呼んでいる)に昼間だけでも外界に出て保育を受けてもらう活動を開始。親の中には低カーストに対する差別が原因で無実の罪を被せられている(=冤罪)と見られるケースもあり、同基金は、今後も長期間にわたる支援を続ける計画である。

また、基金運営の透明化を図るために、大阪に本部がある特定非営利活動法人アジアボランティアセンターのサポートを受けている。

[編集] 全国上映

2001年12月に東京・御茶ノ水のクリスチャンホールで初めて上映された映画版「with…」は、完成から数年を経た現在も全国各地で上映活動が続いている。その上映主体は、映画館や映画興行会社のみならず、各地の「with…」ファンによる自主上映、中学高校大学などの教育機関、市町村などの自治体社会福祉協議会などの団体、企業NPOなど多岐にわたるが、「with…」の上映を巡っては、以前どこかの上映会で鑑賞した人が作品に共感し、次は自ら主催者となって上映会を開催するケースが非常に多いという特徴がある。

[編集] 美術と映画の融合

本作品の特徴として、映画上映と主人公・佐野由美氏の作品展が同時に開催され、芸術表現のメディアミックスという大がかりな展開になることもある。(2001年・東京都府中市、2002年・京都市思文閣美術館、2006年・福岡市福岡アジア美術館、2008年・兵庫県伊丹市など)

[編集] スタッフ

  • 監督:榛葉健
  • 撮影:丸山幸之輔、新家克巳
  • ナレーター:石田敦子
  • 朗読:堀素子
  • 編集:西村周也
  • 製作:辰巳隆一
  • 音楽:酒井亮
  • 主題歌:ALMA「夢の途中」
  • 映画版プロデューサー:保木政男
  • 協力:国際連合児童基金(ユニセフ)、シースペース、佐野京子ほか
  • 製作:『with…若き女性美術作家の生涯』全国上映委員会

[編集] 外部リンク

最終更新 2009年11月3日 (火) 09:43 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
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