ザウルス
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ザウルス(Zaurus)は、シャープ株式会社が日本国内および海外で製造・販売していたPDA製品名である。
目次 |
[編集] 概要
当初は電子手帳の発展型としてパソコン等との連携性は低かったが、後にこの連携性を強化し、一時期の日本製PDAを代表する地位を築いた。電子手帳ないし携帯型電子デバイスの代名詞としてのビジネスマンへの浸透性は高く、2008年現在でも他社PDAやスマートフォンを見かけて「それ、ザウルス?」と尋ねる人がいるほどである。
当初の製品名は「液晶ペンコム『ザウルス』」。ザウルスという商品名は、学名で「トカゲ」を意味する単語「サウルス」に由来し、力強さを表している。ちなみに最初の製品の発売は、スピルバーグの恐竜映画『ジュラシック・パーク』の公開と前後しており、ブームに便乗した命名とも取れる。
また、「シャープがかつて発売していたパソコンMZシリーズの1文字ずつを取り、当時発売開始したパソコンをMebiusと命名、一方で電子手帳系列はZaurusとした」とも言われる。
日本国内向けの製品としては、1993 年に発売された8ビットCPUとモノクロ液晶を使用した PI シリーズに始まり、32ビットRISC CPU とカラー(一部機種はモノクロ)液晶を使用した MI シリーズ、オペレーティングシステムにLinuxを採用したSLシリーズと、続々性能向上が図られている。ただし、シリーズ間の互換性は無く、全て他シリーズのソフトを動作させることはできない。
2002年11月に発売されたSL-C700には、製品として世界で初めてCG silicon システム液晶が使用された。
2004年11月に発売されたSL-C3000には、PDAとしては初めてハードディスクが内蔵された。
2008年12月13日に、2006年3月に発売されたモデルSL-C3200を最後に生産停止済、と報道された[1]。
[編集] PIシリーズ
アップルコンピュータと手書き認識のR&Dに協力し、アップルコンピュータがNewtonを開発し、シャープはザウルスの「ペンコン」を開発した。PI-7000が特に人気のモデルだった。
同PIシリーズは電子手帳の延長として発展したもので、前身のPAの型番を持つ同社の電子手帳シリーズで培われた小型化技術が用いられている。
CPUはポケコンにも用いられたシャープ独自の8ビットプロセッサと、手書き文字認識用にZ80を使用している。
[編集] ラインアップ
- PI-3000
- 液晶ペンコム「ザウルス」
- PI-4000
- PI-4000FX
- 型番「FX」は外付け型Faxモデムが付属する。以下同じ。
- PI-4500
- PI-5000
- 「Add-in」と呼ばれる外部ソフトウェアが使える。
- PI-5000FX
- PI-6000
- PI-6000FX
- PI-6000DA
- DAは携帯電話接続アダプタが付属。
- PI-6500
- PI-6600
- PI-7000
- PI-8000
- PI-B308 特定顧客向けビジネス用
[編集] MIシリーズ
[編集] アウトライン
カラーザウルスMI-10に端を発する32Bit高機能PDA。PIシリーズとはソフト面での互換性はない。反射型液晶やLCフォントの搭載など「液晶のシャープ」をアピールする使命を帯びているようにも見える、シャープの特徴的な製品群だった。なお、MI-EX1のVGAポリシリコン液晶は東芝製である。
[編集] オペレーティングシステム
オペレーティングシステムに、株式会社アックス製のXTALをカスタマイズしたシャープ独自のZaurusOSを採用し、CPUには日立SH-3プロセッサを搭載。初期の製品では60MHz程度のクロックで、後期の製品では120/133MHz(SH-3DSP)のクロックで駆動していた。
MIシリーズのZaurusに採用されていたZaurusOSは、軽快に動作し、心地よい使い勝手を実現していた。 ZaurusOS上で動作するアプリケーションは、ROMに記録されている標準搭載のものとMoreソフトと呼ばれる追加搭載可能なものの二種類に分類できた。標準開発言語はC言語。
独自OSながらMS-DOS互換のファイルシステムを持っていた。標準搭載のアプリケーションはファイルという概念を意識させない作りになっていたが、ユーザー製のMoreソフトを使用すればファイルを直接編集・操作することができた。また、内部的にはマルチタスクを実現していた。ただしシェルやインターフェイスはあくまでシングルユーザー・シングルタスクであり、PCやSL-Zaurusのように自由に好みのアプリケーションをスイッチできたわけではない。
[編集] 系譜
MIシリーズ半ばで登場したMI-E1はそれまでのビジネスマン御用達マシン路線を改め、縦型ボディにフロントライト付き反射型カラー液晶・SD/CFデュアルスロット・キーボード内蔵・マルチメディア対応(MP3/MPEG4再生)と、現在高機能なPDAの標準的なスタイルとなったフォームファクタをはじめて実現した革新的なモデルだった。恐竜を背中に背負った人々が街中でZaurusを操りエンターテイメントする印象的なTV-CMにより話題となり、PDAに縁のなかった人々をも「Zaurusの虜」とした。
その後、MI-L1、MI-E21、MI-E25DCと進化したが、Linux搭載ZaurusであるSL-A300の登場をもってMIシリーズの新機種発売にピリオドが打たれた。
コンシューマ向けMIシリーズの系譜は以下の通り。他にビジネスザウルスが存在する。
[編集] 初期モデル
- MI-10、10DC(カラーザウルス)- カラー液晶、DCモデルはデジタルカメラカード同梱
[編集] 小型化・性能向上
- MI-504、506、506DC(パワーザウルス)- ハードウェア/OS高速化
- MI-106、106M、110M(ポケットザウルス)- モノクロ液晶、パワーザウルス仕様
- MI-610、610DC(パワーザウルス)- フラッシュメモリ10MB
[編集] 新UI採用
- MI-310(ザウルスカラーポケット)- 世界初反射型カラー液晶搭載。最後の乾電池駆動モデル。
[編集] コンテンツ&インターネット志向
- MI-P1、P2(ザウルスアイゲッティ)- ハードウェアキー/ボタン採用
- MI-EX1(ザウルスアイクルーズ)- VGA液晶搭載/動作用メモリ8MB
- MI-J1(辞書ザウルス)
- MI-C1(パワーザウルス)- 改良型反射型カラー液晶搭載
- MI-P10(ザウルスアイゲッティ)- パワーザウルス仕様アイゲッティ
[編集] eコンセプトZaurus(e-Zaurus)
- MI-E1(ザウルス)- ボディ/画面を縦型に変更、ハードウェア高速化、マルチメディア化
- MI-L1(ザウルス)- E1からフロントライトとマルチメディア機能を省略したビジネス志向
- MI-E21(ザウルス)- CPU高速化、Nancyコーデック対応
- MI-E25DC(ザウルス)- デジタルカメラ内蔵
[編集] SLシリーズ
[編集] アウトライン
海外版ザウルスに端を発するLinuxとJavaをベースとするPDA。PIシリーズ・MIシリーズとはソフト面での互換性はない。Linux搭載のザウルスであることから、「りなざう」と呼ばれることがある。
[編集] アーキテクチャ
CPUにはARMアーキテクチャを採用し、オペレーティングシステムにはPDA向けLinuxを採用する。
機種によりOSの名前は異なるが、初期のOSEmbedix Plus PDAが開発元の買収等を経て名前を変えていったものであり、実質同一ファミリーである[要出典]。
SL-A300を除きCFスロットとSDスロットを各1個ずつ標準搭載する。SL-A300は標準でSDスロットのみで、SL-C3000/3100/3200は隠しCFスロットにハードディスクを搭載している。
また、SL-C860/SL-6000まで公式でオプションポート16を搭載する。SL-C1000/3000/3100はフラットな蓋で隠されている。
ユーザーインタフェースにはGUIツールキットQtの組み込み用であるQtopiaを採用している。
QtではX11用のソフトが動かないが、pdaXrom、OpenZaurus、PocketWorkstation等の代替OSやQt上で動作するX/Qt Server等のX11サーバを用いる事でX11用のソフトも稼動する。これによりOpenOffice.org等のPC-Linux用ソフトを利用する事も可能である。
[編集] 歴史
[編集] 前史
- 1984年 ユナイテッドシステムエンジニア社が設立される
- 1999年 Motorola社の半導体部門がMetrowerks社を取得
- 1999年 Lineo社がユナイテッドシステムエンジニア社を取得
- 1999年 ユナイテッドシステムエンジニア社が株式会社リネオ(Lineo Japan社)に改名
[編集] 本史
- 2001年11月 シャープがSL-5000Dを開発者向けに発売。OSはLineo社のEmbedixを使っている。
- 2002年3月 シャープがZaurus SL-5500を海外で発売
- 2002年4月 Embedix社がLineo社と株式会社リネオ(Lineo Japan社)を再合併
- 2002年10月 Embedix社からマネジメント・バイアウトにより株式会社リネオ(Lineo Japan社)が独立、Lineoブランドを継承
- 2002年12月 Metrowerks社がEmbedix社のLinux部門を買収
- 2003年ごろ Metrowerks社がEmbedixをOpenPDAへ改名
- 2003年2月 株式会社リネオがリネオ ソリョーションズ社へ改名
- 2003年 Motorola社の半導体部門がスピンオフしてFreescale社に分離
- 2005年 Freescale社がMetrowerksの名前を廃止
- 2005年 シャープがSL-C3000を発売。この型からOSにリネオ ソリョーションズ社のLineo uLinuxが使われている。
- 2006年3月 シャープが最後のZaurusにあたるSL-C3200を発売、その後新製品の開発は行われず
- 2006年6月ごろ IntelがMarvellへXScale周りの事業を譲渡
[編集] 後史
[編集] 初期モデル
SLザウルスは当初、海外のみでの展開だった。開発環境としてはJavaおよびクロスコンパイラが用意された。
これらの機種においてフラッシュメモリはOS格納用の領域である。ユーザーデータはRAMに格納されるためバッテリが切れるとデータが消える。
| 機種名 | SL-5000D | SL-5500 |
|---|---|---|
| コンセプトなど | 海外版ザウルス。開発者向けバージョン。 | 海外版ザウルス。通常バージョン。 |
| 筐体 | MI-E21と同じ筐体 | SL-5500と類似の筐体 |
| キーボード | 格納式のキーボード | 同左 |
| OS | Embedix Plus PDA | 同左 |
| JavaVM | ||
| CPU | Intel StrongARM SA1110 | Intel StrongARM SA1110 206MHz |
| フラッシュメモリ | 16MB | 同左 |
| DRAM | 32MB | 64MB |
| 画面 | 240×320pixcel 縦型3.5インチ液晶 | 同左 |
| その他 |
[編集] 国内展開初期
国内展開初期はPocketPCやPalmの市場と競合する構成になっていた。これはMIシリーズとの競合を避けるためと推測される。
SL-A300ではフラッシュメモリはOS格納用の領域である。ユーザーデータはRAMに格納されるためバッテリが切れるとデータが消える。
| 機種名 | SL-A300 |
|---|---|
| コンセプトなど | |
| 筐体 | 新規開発された筐体 |
| キーボード | キーボードなし。方向キーと4つの操作ボタンを持つ。 |
| OS | Embedix |
| JavaVM | Jeode |
| CPU | Intel XScale PXA210 200MHz |
| フラッシュメモリ | 16MB |
| DRAM | 64MB |
| 画面 | 240×320pixcel 縦型3.5インチ液晶 |
| その他 | オプションのコミュニケーションアダプター(CE-JC1)を使用する事でCFスロットを増設可能。 |
[編集] 国内展開本格化
国内でもMIザウルスに競合するSLザウルスが投入された。
これ以降はユーザーデータはフラッシュメモリに書き込まれ、RAMはワーク専用になった。
| 機種名 | SL-B500 | SL-C700 |
|---|---|---|
| コンセプトなど | ||
| 筐体 | SL-5500と類似の筐体 | 新設計のクラムシェル型筐体 |
| キーボード | 格納式のキーボード | ミニキーボード |
| OS | Embedix | 同左 |
| JavaVM | Jeode | 同左 |
| CPU | Intel XScale PXA250 400MHz | 同左 |
| フラッシュメモリ | 64MB | 同左 |
| DRAM | 32MB | 同左 |
| 画面 | 240×320pixcel 縦型3.5インチ液晶 | 640×480pixcel 3.7インチ液晶 |
| その他 | 液晶パネルは回転可能で、回転後閉じるとビュースタイルとなる。 世界初のCG silicon システム液晶搭載製品。 |
[編集] 海外第2世代
SL-B500と同等のハードウェアスペックをもつ海外版。
| 機種名 | SL-5600 |
|---|---|
| コンセプトなど | |
| 筐体 | SL-5500と類似の筐体 |
| キーボード | 格納式のキーボード |
| OS | Embedix |
| JavaVM | |
| CPU | Intel XScale PXA250 400MHz |
| フラッシュメモリ | 64MB |
| DRAM | 32MB |
| 画面 | 240×320pixel 縦型3.5インチ液晶 |
| その他 |
[編集] 国内第2世代
OSがOpenPDAに、JavaVMがCVMに変更された国内第2世代機種。
| 機種名 | SL-C750 | SL-C760 | SL-C860 |
|---|---|---|---|
| コンセプトなど | |||
| 筐体 | SL-C700のクラムシェル型筐体を改訂 | 同左 | 同左 |
| キーボード | ミニキーボード | 同左 | 同左 |
| OS | OpenPDA | 同左 | 同左 |
| JavaVM | CVM | 同左 | 同左 |
| CPU | Intel XScale PXA255 400MHz | 同左 | 同左 |
| フラッシュメモリ | 64MB | 128MB | 同左 |
| DRAM | 64MB | 同左 | 同左 |
| 画面 | 640×480pixcel 3.7インチ液晶 | 同左 | 同左 |
| その他 | SL-C760に翻訳ソフト、USBストレージ機能を追加したモデル。 |
[編集] 国内業務用・海外第3世代
オプションのCF拡張アダプターを利用する事でCFスロットの増設とバッテリの増強が可能。
| 機種名 | SL-6000N | SL-6000L | SL-6000W |
|---|---|---|---|
| コンセプトなど | |||
| 筐体 | 新設計の縦型筐体 | 同左 | 同左 |
| キーボード | 格納式のキーボード | 同左 | 同左 |
| OS | OpenPDA | 同左 | 同左 |
| JavaVM | CVM | 同左 | 同左 |
| CPU | Intel XScale PXA255 400MHz | 同左 | 同左 |
| フラッシュメモリ | 64MB | 同左 | 同左 |
| DRAM | 64MB | 同左 | 同左 |
| 画面 | 640×480pixcel 4インチ液晶 | 同左 | 同左 |
| Bluetooth Ver1.1 | ○ | ||
| 無線LAN(IEEE 802.11b) | ○ | ○ | |
| その他 |
[編集] 国内第3世代
OSをLineo uLinuxに変更しJavaVM標準搭載をやめた国内第3世代。
メイン基板にCFスロット2個を持ち(うち1個は隠しスロット)、CFタイプのハードディスクを搭載可能である。
非公式ながらUSBホスト機能を搭載している。
| 機種名 | SL-C3000 | SL-C1000 | SL-C3100 | SL-C3200 |
|---|---|---|---|---|
| コンセプトなど | 初代HDD搭載ザウルス | 即戦力ザウルス | コンテンツザウルス | すきま時間を、活きた時間に。 仕事も、スキルも、ザウルスで差をつけろ |
| 筐体 | 新規設計のクラムシェル型筐体 | 同左 | 同左 | 同左 |
| キーボード | ミニキーボード | 同左 | 同左 | 同左 |
| OS | Lineo uLinux | 同左 | 同左 | 同左 |
| CPU | Intel XScale PXA270 416MHz | 同左 | 同左 | 同左 |
| フラッシュメモリ | 16MB | 128MB | 同左 | 同左 |
| HDD容量 | 4GB | なし | 4GB | 6GB |
| HDD種別 | 日立GST製のマイクロドライブ | - | 日立GST製のマイクロドライブ | 同左 |
| DRAM | 64MB | 同左 | 同左 | 同左 |
| 画面 | 640×480pixel 3.7インチ液晶 | 同左 | 同左 | 同左 |
| その他 | アプリケーションをHDDに入れた事によりアプリケーション起動時のレスポンスが悪い。 | 隠しCFスロット自体が実装されておらず、後からHDDを搭載することは出来ない。 | 辞典、地図、電子文庫などのコンテンツを満載したモデル | 英会話コンテンツが増え、電子文庫コンテンツが減った。
|
[編集] OEMおよびOS乗せ変えモデル
SL-6000シリーズにPocketPC 2003を搭載したモデル。
- HC-6000N(シャープシステムプロダクト)
- FLORA-ie MX1(日立製作所)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
[編集] 脚注
最終更新 2009年11月11日 (水) 22:00 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。
【ザウルス】変更履歴

